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752 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 19:58:07.58 ID:eAqpFNCs0
十五の指輪と、狂人が生み出した人造人間を巡る戦いから、幾許かの月日が経った。

あの多くの謎を残した戦いを生き抜いた者達は、意外にも平和に日常を過ごしていた。


二〇五七年十二月二十九日。


あれから一年。
四世界が交わる三ヶ月前。


一筋の大きな流れ星が小さなニュースとして取り上げられた翌日。

事件は、前回と同じ舞台である『都市ニューソク』で起きる。




               ( ^ω^)ブーンは世界を巡るようです


         『 IN ( ^ω^)ブーンが戦い、川 ゚ -゚)クーが護るようです』





757 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:00:09.36 ID:eAqpFNCs0
風が切り裂かれる。

上から下へ、天から地へ。

一直線に降下するそれは、この世界の誰にも見られることなく地面に降り立った。
強風の中から出現したのは

(主^ω^)「ふぅ……到着したお」

一人の少年だ。
彼はキョロキョロと、確認するように周囲を見渡す。

目の前には小さな広場のような空間があり、それ以外は木々が視界を遮っている。
どうやら何処かの森の中のようだ。
風が冷たいことを考えると、どうやら季節は冬らしい。

(主^ω^)「おっおっ、ここは何処だお?」

手に持ったDATの欠片が光る。
情報が流れ込むように頭に入力されていった。

(主^ω^)「『都市ニューソクから少し離れた山中』かお。
       なんかすごい説明臭いのは、この際無視するお」

その時、音が響いた。

(主;^ω^)「!」

草を掻き分け走る音、そして被さる人の怒号。
それは突如として出現する。


767 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:02:08.71 ID:eAqpFNCs0
(;主^ω^)「おっ!?」

爪゚ -゚)「――――」

驚愕に見開かれた視線の先。
木々の狭間から飛び込んできた、女性用のスーツを着込んだ人間。
長い金髪が美しく揺れている。

しかし違和感があった。

まず、その表情。
顔の形や配置は整っているのだが、眉一つ動かさないそれは人形を髣髴とさせる。

更に背中。
その華奢な背には、白く巨大なリュックサックが背負われていた。
動かす度に金属同士がぶつかるような硬質音が響く。


772 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:04:00.84 ID:eAqpFNCs0
そして何よりも、その気配。

(主;^ω^)「これは――!」

覚えがあった。 ありすぎた。
彼女の胸部から発せられる気配こそ、DATの欠片。
今まさに探し求めているモノだ。

二人は目線を合わせて固まる。
その直後。

「いたぞ! こっちだ!」

広場の周囲から、銃器を構えた兵士と思われる五名ほどの人間が現われた。
全員が同じ格好をしており、その胸には『FC』と小さく表記されている。

(;主^ω^)「一体何事だお……ってか、これは早速終わったかも解らんね」

突然の出来事に動くことが出来ない。
幸いにもまだ見付かっていないが
下手に動けば敵と認識され、最悪の場合は射殺も考えられる。

「こちらG班……ターゲットを囲んだ」

通信機で報告をする、リーダーらしき男。
すぐに棒立ちしている少年に気付く。


775 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:05:41.96 ID:eAqpFNCs0
「何だ、君は……?」

(;主^ω^)「え、えと、僕は……」

どう説明しようか迷った瞬間、金髪の女性が動いた。
全員が緊張を浮かばせ、銃器を本格的に構えるが――

「ぐぁあ!!」

周囲を囲んでいた一人の兵士が倒れる。
何事かと視線を動かすが、追いつけない。

「うぉ!?」
「ぐぅ!」

次々と倒れていく。
見れば、広場の中央にて金髪女性が忙しなく腕を動かしていた。
その手には黒い物体が握られている。

(主;^ω^)「銃……かお?」

銃声がほとんど聞こえないことから判断するに、どうやら減音器を装着しているらしい。
あまりの事態に呆けていると、いきなり頭を押さえられて地面へと叩きつけられた。


778 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:07:13.03 ID:eAqpFNCs0
( ・∀・)「頭を上げないように……死にたくなければね」

(;主^ω^)「お……」

動きと音の気配が消える。
視線を向ければ、黒いハンドガンを両手に持った女性が動きを止めていた。
どうやら弾切れのようだ。

突如、彼の頭を押さえつけていた男が飛び出した。
低い姿勢で地を這うように女性の下へ駆ける。

爪゚ -゚)「!」

気付かれた。
人間とは思えない速さでハンドガンをナイフと取り替える。
腕を振ると同時に投擲。

対して、男は恐れるどころか前へと身を飛ばした。
見事に回避し、そのまま更に接近。

781 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:09:02.08 ID:eAqpFNCs0
乾いた音が響いた。
それは男の拳が阻まれた音。

( ・∀・)「世話の掛かる秘書だね、君は……」

爪゚ -゚)「申し訳御座いません」

そのまま相手の男を一睨みし、バックステップ。
その距離は、もはや人間が出せるレベルではない。
一気に数十メートルの距離を跳び、そのまま森の中へと消えていった。

( ・∀・)「やれやれ……追いたいところだが、まずは態勢を整えねば」

周囲を見渡す。
撃たれた男達が、足を引き摺りながらも木々の陰から出てきた。

「すんません、社長……」

( ・∀・)「別に構わんよ。 アレは君達の手に負える相手ではない」

それに、と続ける。

( ・∀・)「君達のお陰で一つの情報を得られた。
     彼女は君達を殺さずに、足だけを狙って発砲している。
     つまりまだ彼女に意識が少なからず残っているのだよ……ところで――」

(主^ω^)「お?」

( ・∀・)「内藤君は、こんな場所で何をしているのかね?」

785 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:10:59.37 ID:eAqpFNCs0
それほど大きくはないが、高級感溢れる作りをした車の中。
モララーは突如として現われた彼の話に耳を傾けていた。

( ・∀・)「つまりこういうことだね?
     DATの欠片……想いを力にし、君の住んでいた世界を構成する大切な物質。
     散らばってしまったそれを、君は世界を越えてまで掻き集めたいわけだ。
     成程、興味深い話だね」

(主^ω^)「信じてくれるんですかお?」

( ・∀・)「まぁ、とりあえずは。
     ジェイル君のこともあるし……何より信じた方が面白そうだ」

(主;^ω^)「お、面白い?」

( ・∀・)「君はそうは思わないのかな?
     究極的に言えば、想いさえあれば何でも願いが叶うようなモノだ。
     おそらく、聞けば誰もが望むだろう」

(主;^ω^)「だから僕は、悪用される前に回収したいんだお」

( ・∀・)「あぁ、解っているし、その心配はあまりなさそうだよ。
     何せそのDATはジェイル君が持っているようなものだからね」

窓の外の景色は、高速で背後へと吹き飛ばされていた。
ビルがあり、店があり、人々が歩き、他の車も走っている。

ここは、都市ニューソクの『戦跡荒野』を隔てた隣に位置する街。
今現在、彼らはモララーが経営する会社『FC(フィーデルト・コーポレーション)』へと移動している。
事情を軽く話したら、付いてくるように言われたからだ。

787 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:13:01.85 ID:eAqpFNCs0
聞いた話によれば、あの金髪の女性は『ジェイル』という名前らしい。
人間ではなく人型の機械人形。
人形と言っても、精密機械で構成されている自己意識を持った高度なものだ。
ある事情でモララーの専属秘書兼護衛として働いていたのだが

( ・∀・)「昨夜、空から一筋の光が降下してきてね。
     それがジェイル君に直撃した後、何故だか暴走してしまった」

というわけで、あの森の中で捕縛しようとしていたのだ。

( ・∀・)「しかし原因が、君の探しているDATの欠片だったとはね……運命的なものを感じるよ」

(主;^ω^)「そ、そうですかお」

( ・∀・)「とりあえず社に戻って、DATの欠片を回収する作戦を改めて立てよう。
     ついでに、君の面白い話を聞かせたいメンバーも呼びたい」

(主^ω^)「メンバー?」

彼、モララーは口の端を吊り上げながら

( ・∀・)「なぁに、ただの頼り甲斐のある仲間達だよ」


791 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:14:43.03 ID:eAqpFNCs0
それから一時間後の、FCの十二階に位置する会議室。
未だ暖まりきっていないこの部屋に幾つかの人影があった。

( ・∀・)「さて、これだけしか集まらなかったのか」

ホワイトボードの前に立つ彼の視線の先。
並べられた椅子に座っているのは

( ^ω^)「きっと皆忙しいんだお」

('A`)「俺達は半ニートだけどな」

从 ゚∀从「ニートって何ですか? 美味しいんですか?」

川 ゚ -゚)「ハイン、念のため言っておくが食べられないぞ」

( ´_ゝ`)「だがちょっと待って欲しい……実は食べたら美味しいのではないか?」

(´<_` )「待つのは兄者だ」

( ・∀・)(半ニート三人組、融通の利かない女、変態、真面目君……見事に頼り甲斐の無いメンバーが揃ったものだね)

それに加え、ブーンそっくりさんが椅子に座って居心地悪そうにしている。

川 ゚ -゚)「しかし、なかなかに似ているな」

(主;^ω^)「おっおっ」

( ^ω^)「おっおっ」

794 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:16:38.75 ID:eAqpFNCs0
('A`)「何つか、呼び難いからニックネーム付けようぜ」

从 ゚∀从「はいはいはい! 『内藤さんそっくりさん』が良いと思います!」

('A`)「尚更呼び難いから却下」

(´<_` )「内藤Bでいいんじゃないか?」

('A`)「捻りがなくて面白くないから却下ッス」

( ・∀・)「では、それらの意見を交えて……『あっち剥いてほいっ』はどうかな?
     一番重要かつ難しい発音は『っ』だよ、『っ』。
     それと君は何様なのかね?」

(;'A`)「何処からその名前が出てきたんスか……それとごめんなさい」

从*゚∀从「まーほーうーしょうーじょマジカル・ユンっ♪」

( ´_ゝ`)「!!」

川 ゚ -゚)「ふむ……ならば、単純に『内藤二号』で良いんじゃないか?」
     (何だ今のは……ノイズか……?)

('A`)「おー、それ良いね!」

(´<_` )「俺のと大差ないと思うのだが、これはイジメかそうですか」


797 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:18:13.24 ID:eAqpFNCs0
(;^ω^)(本人の意思、完全に無視してるお……)

(主^ω^)「僕が二号ってことは君は一号かお! わーい」

(;^ω^)(ちょwwww喜んでるwwww)

何やかんやでニックネームが決定し、モララーは話を進め始める。

( ・∀・)「さて、とりあえず我々はさっさとジェイル君を捕縛したいわけだ。
     で、彼女の移動先なのだが……」

ホワイトボードに張られている地図を軽く叩く。

( ・∀・)「内藤二号君と出会い、ジェイル君を逃がしたのがここ。
     暴走した地点がここ……こうやって線で結ぶと――」

直線が出来上がった。
つまりジェイルが向かっている大体の方角が解る。
そしてその直線の先には

(;^ω^)「都市ニューソク……?」

(´<_` )「なら、俺達が来た意味がないんじゃないか?」

( ・∀・)「落ち着きたまえ……まだ私の推論を言っていない。
     先ほど得た情報によって解ったのは、未だ彼女の意識は身体に残っているということ。
     つまり根本となるデータは削除されずに生きていることになる」

800 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:19:56.64 ID:eAqpFNCs0
川 ゚ -゚)「つまり?」

( ・∀・)「都市ニューソクを目指しているところから
     暴走状態にある彼女は、自身のデータベースを読み出して行動していると判断出来る。
     で、重要人物データには我々の個人情報が入力されていることから考えるに――」

( ´_ゝ`)「ジェイルたんは、都市ニューソクにいる奴らを狙っているというわけか」

( ・∀・)「だから君達をこちらに呼んだわけだ。
     彼女はニューソクにいる仲間達と接触した後に、こちらに帰ってくる可能性が非常に高い。
     さてさて、今この場にいない仲間は誰かね?」

(;'A`)「あ……」

( ・∀・)「私の招集命令に対して『忙しい』などと言って拒否った連中がいる。
     ははは、これはある意味天罰だと思わないかね?」

804 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:21:29.55 ID:eAqpFNCs0
所変わって都市ニューソク、中心街から少し離れた場所。
裏道とも言える位置に『バーボンハウス』がひっそりと建っていた。

内部に人影は少ない。
昼時を過ぎたここは、いつもと同じく閑散としている。

( ゚∀゚)「ありがとーございやしたー」

従業員用の服を着込んだジョルジュが、食事を終えた客を見送る。

ミ,,"Д゚彡「久々に来てみましたが、まだちゃんと働いてるんですね」

(´・ω・`)「未だに買い出しさせると間違ったの買ってきたりするけどね」

と、店の奥からカウンター席から声。

( ,,゚Д゚)「意欲的に働き始めただけでも大進歩だろう」

(*゚ー゚)「昔に比べれば、全然マシだと思うよ」

(´・ω・`)「そうだと思い込むようにする。 はい、ホットケーキお待たせ」

(*゚ー゚)「そういえばフサギコさん、珍しくツンさんと一緒じゃないみたいね」

ミ,,"Д゚彡「この近くに個人的な用事がありまして。
      そのついでに、ちょっと寄ってみたんですよ」

809 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:23:09.51 ID:eAqpFNCs0
その時だ。
カランカラン、と店の扉が開かれる音。

(´・ω・`)「ん、いらっしゃ……って、あれ?」

爪゚ -゚)「――――」

ジェイルだ。
いつもの女性用スーツを着ており、更に白いリュックサックを背負っている。
何故かその服は所々が裂け、更には焦げ跡さえも見受けられた。

(*゚ー゚)「ジェイルさん? ということは、モララーさんも来てるのかしら……・?」

(;゚∀゚)「うぇ!? マジかよ!?」

その場にいた全員が警戒の動きをとった。
ジェイルの周囲、カウンターの裏、テーブルの下、店の奥、レジの中。
いや、もしかしたら天井に張り付いている可能性も――

爪゚ -゚)「――申し訳御座いませんが」

(;´・ω・`)「え?」

周囲を忙しなく見渡していた五人が、ジェイルの方を向く。
彼女は当初とは別の格好で立っていた。

812 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:24:44.61 ID:eAqpFNCs0
(;,,゚Д゚)「……それは、何だ?」

その両手に大型ガトリングガンを二挺。
華奢な両肩には、バズーカのような大型砲。

ミ;,,"Д゚彡「……凄い武装です、ね」

思わず後ずさる。
その様子を視界に収めながら、ジェイルは言った。

爪゚ -゚)「私、現在身体の自由が利かない状況に陥っております。
    なので、この攻撃は私の意思とは掛け離れた行為だと判断して下さい」

ガシャン、と音を立てながら両足を軽く広げて構える。

(;´・ω・`)「……やっぱり、撃つ?」

爪゚ -゚)「上手く避けて下さることを願っております」

全ての銃口が、直後に火を噴いた。
弾という弾が高速発射され、店内の全てを破壊しにかかる。

(;゚∀゚)「うぉああぁぁぁぁ!?」

音と音が重なり、音として認識出来ない状況。
しぃとショボンはカウンターの陰に隠れ、フサギコも一瞬遅れて飛び込む。

逃げ遅れたジョルジュの首根っこを掴んで引き寄せたのはギコだ。
青い巨剣である1st-W『グラニード』を床に突き刺し、ジェイルから発せられる銃弾を防いでいる。


816 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:26:20.95 ID:eAqpFNCs0
火薬の、そして粉砕された木材や鉄の独特な臭いが充満。
しかしそれでも音は鳴り止まない。
備品や壁を吹き飛ばしながら、銃弾が店内を蹂躙した。

それが十秒ほど。
突然、カチンという硬質な音と共に轟音がなりを潜める。
頭が揺さぶられるような錯覚に頭をしかめつつ、フサギコが静かに顔を出した。

ミ;,,"Д゚彡「……いない?」

店の出口を見るが、そこにジェイルの姿は無い。
後に残るは巨剣を構えたギコと、両手で耳を覆いながら半泣きしているジョルジュ。

(;゚∀゚)「な、何だってんだよぉ……」

(;*゚ー゚)「死ぬかと思ったわ……でもよくこの建物、倒壊しなかったわね」

ミ;,,"Д゚彡「確か、以前からモララーさんが色々と改造していたはずです。
      何やら約束が云々とか言っていましたが……まぁ、とりあえずそのお陰で助かったようですね」

そこで、店の主の声が聞こえないことに気付く。

( ,,゚Д゚)「ショボンは無事か?」

カウンターへ視線を向けると、そこには

(´゚ω゚`)

鬼がいた。

820 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:27:57.10 ID:eAqpFNCs0
おそらくはショボンだ。 多分。
しかし、その表情は鬼と見間違うほど強烈に歪んでいる。

(´゚ω゚`)「僕の店が……僕の店が……」

(;,,゚Д゚)「お、おい……大丈夫か?」

(´゚ω゚`)「僕の店が……おぉ、僕の店が……おぉぉァァァァァ」

肩を震わせ、ガクガクと身体を揺らし始める。
応じるように5th-W『ミストラン』を解放し、ジェイルを追うために飛び出そうとする。

(´゚ω゚`)「アハハハハハハハ!!」

(;,,゚Д゚)「おい止めろッ! 警察に捕まるぞ!?」

ミ;,,"Д゚彡「うわ、うわ、うわ!?」

(;*゚ー゚)「きゃぁぁぁ! いやぁぁぁ!!」

(;゚∀゚)「うわぁぁぁこっち来んじゃねぇぇぇぇ!!」



824 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:29:31.15 ID:eAqpFNCs0
FC十二階の会議室。
軽快な着信音が響いた。
スーツの内ポケットから黒い携帯電話を取り出し、耳に当てる。

( ・∀・)「私だ」

それはジェイルの行方を追っている部下からの連絡だった。
FCの情報管理課と都市観察課が協同して、彼女の行動を追っていたのだが

( ・∀・)「ふむふむ……成程成程」

何度か頷き、通話を切る。

(´<_` )「何か進展があったのか?」

( ・∀・)「バーボンハウスが襲撃された」

(;'A`)「うぉ、やっぱりか……こっち来てて良かった」

( ・∀・)「幸いにも死人は出なかったらしい。
     そのままジェイル君は都市ニューソクを離脱し……」

川 ゚ -゚)「こちらに向かっている、か。
     当然だな、ターゲットはFCに集まっているのだから」

( ・∀・)「最終的な目標は私だろうね……ふふ、愛されるというのも難儀なものだ」

その言葉を、全員が無視する。

828 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:31:05.71 ID:eAqpFNCs0
川 ゚ -゚)「で、私達はどうする?
     迎え撃つのか? それともこちらから行くつもりか?」

( ・∀・)「街中で銃をぶっ放してみたまえ。
     それこそ我々が暴走したと判断されても仕方ない。
     というわけで、FC内で迎え撃つことにする」

( ^ω^)「お? この中だったら暴れても良いのかお?」

( ・∀・)「まぁ、日常茶飯事だからね。
     今更爆発しようが何しようが、悪くて注意くらいで済むだろう」

(;'A`)「すげぇ……常識を自分で作って、その上で浸透させてる……」

( ・∀・)「お嬢の嗜み――ではなく、社長の嗜みだよ」

(;^ω^)(反応したら負けかなと思う)


831 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:32:38.58 ID:eAqpFNCs0
ジェイルは走っていた。
その細めの足は動かさず、脚底部に装着された空圧型高密度噴出機構によって
アスファルトの地面を削るように高速で移動する。
その姿は、まるでスケートボードを乗りこなしているようだ。

正面に展開されるのは大通り。
数々の車やトラックが我が物顔で走っている。
その隙間を、高速で縫うように滑走。
彼女の姿を見た者達は、例外なく目を見開いて驚いた。

当然だ。
金髪女が、本来は車が走るべき道路を単身で高速移動しているのだから。
もはや人間業とは思えない速度とテクニックで、確実に目標と距離を縮める。

目標とはモララーで、彼がいる場所はFCの最上階。

爪゚ -゚)(意識領域だけは確保出来ましたが、相変わらず制御系は使い物になりません……)

当初から身体の自由は利かない。
しかし更に、意識という領域さえも侵食されていくのが解った。

爪゚ -゚)(この『私』という概念が消え去った時……私は私で無くなるのでしょうか)

身体が残っていることを考えれば、己はジェイルのままなのだろうか。
それともジェイル以外のモノと認識されてしまうのだろうか。

爪゚ -゚)(……解りません)

結果を出すのが怖かった。
主人に、自分だと認識されないことが何よりも怖かった。


833 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:34:14.76 ID:eAqpFNCs0
「おい、来たぞ!!」

FCの北口。
一番外部に近い位置にいたFC兵が興奮した声を上げる。
それに倣うように、周囲にいた兵達も各々の武器を構えた。

一瞬の沈黙。
嵐の前の静けさ。
それは直後に砕かれる。

「ッ!!」

ガラスで構成された自動ドアを、難なく突き破ってきた人影。
破片という雨の中、空中で身を回転させて着地をする。

爪゚ -゚)(これは――)

「よし! 作戦通り!」

隊長らしき男が叫ぶ。
ジェイルが飛び込んだ場所であるエントランスホールは、まさに敵陣のど真ん中。
未だ姿勢が崩れている彼女を、FC兵達が扇状に並んで待ち構えていた。


837 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:35:56.43 ID:eAqpFNCs0
「撃て撃て撃て! 社長からの許可は出てんだ! 多少傷つけてでも止めろ!」

言葉と共に一斉に銃器から鉛弾が発射される。
それぞれが音速超過で、威力も高い。

だが

爪゚ -゚)(当たらねば、どうということはない……)

その場での跳躍。
真上へ身を飛ばし、弾けるように地面が抉れる様子を視界に入れる。

暴走状態の身体は、しかし機能自体を正常に動かしていた。

戦闘という行為に特化した思考、人間を超える身体・動体システム、高速処理される判断力。
更には自らの背に負っている圧倒的な力を持った兵装。

それら全てが、唖然とこちらを見上げている者達に襲い掛かった。

841 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:37:43.14 ID:eAqpFNCs0
『戦時報告――ホールに集結させていた戦力が全て無力化されました』

( ・∀・)「おや」

『現在、目標「金髪でスゲー美人だけど悪魔」は
 階段を用いて上を目指し、順次各階の制圧に掛かっている状況』

モララーは、最上階の社長室にて報告を聞いていた。
部屋内には彼以外の人間はいない。
社長護衛を主任務としている護衛隊でさえ、廊下付近での待機を命じられていた。

足を組み替え、ギシリと椅子を鳴らす。

( ・∀・)「まぁ、常識的に考えて当然の結果か……。
     あの一年前に敵対していたジェイル君レベルの戦闘力。
     そして地下の老人共が、仕事そっちのけで勝手に作った特殊兵装が加われば――」

少しだけ天井を見上げ

( ・∀・)「うん、ぶっちゃけ想像したくないね」

溜息と共に、遠くから轟音が聞こえる。
微かに床が揺れる感覚を身に受け、彼は目を瞑った。

『目標「金髪でスゲー美人だけど悪魔」、四階への到達を確認。
 最上階まで残り十四階層、全戦力中十七%が無力化。
 怪我人多数、死者零名』

( ・∀・)「流石だよ、死人を出さないとは。
      さて……彼らはしっかりと働いてくれるかな?」

845 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:39:17.31 ID:eAqpFNCs0
FC七階。
比較的広い空間を持っているここは
戦場の中間ということで、最も戦力を集められていた。

とはいえ、人数は三人だ。

(´<_` )「……そろそろ、来るな」

金に光る盾――12th-W『ジゴミル』を手に持ち、弟者が呟く。

冷えた空間、冷えた床、冷えた大気。
それらが、おそらく来るであろう戦闘の緊張感を醸し出していた。

川 ゚ -゚)「気を抜くなよ。 床を突き破って突入してくるかもしれん」

透明色の刀――14th-W『ハンレ』を右手に持ち、周囲を警戒しているのはクーだ。
彼女は『戦闘用』という点において、最もジェイルに近しい存在。
その危険度を一番認識していると言っても過言ではない。

( ^ω^)「ドキドキしてきたお」

白色のグローブである8th-W『クレティウス』を装着したブーンが、緊張感の欠片も無く言った。

元々は訓練室だった空間、その備品全てが取り払われている。
その中で、それぞれの武器を構えた三人は、ジェイルが来るはずの階段を睨んでいた。


847 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:40:46.48 ID:eAqpFNCs0
ドクオ、ハインリッヒ、兄者、内藤二号は別場所にて待機しているはずだ。
彼らは戦闘が得意なわけではない。
暴走ジェイルという敵と戦わせるには、あまりに危険だという判断からだった。

今、この広い空間に三人だけしかいないのも
ウェポンを振り回す状況下において、他の兵隊は邪魔だと言うクーの提案からである。

ズン、という地響きのような轟音が階下から響く。
先ほどよりも近い距離から聞こえたような気がした。

(;^ω^)「……順調に上って来てるみたいだお」

(´<_` )「一年前の戦いを思い返せば、この程度など驚愕にも値しないさ」

川 ゚ -゚)「そうか……貴方はジェイルと戦ったことがあるんだったな」

(´<_` )「奴は人間に近いかもしれんが、どう足掻いても機械だ。
      常にベストを尽くすことから考えて『油断』など求めない方が良い」

事実だった。
人間という範疇を逃れている彼女に、人間という常識は通用しない。
呼吸を必要しない上、疲労という枷さえも無視を可能とするはずだ。
更には忘れがちではあるが、隠し腕が二本あるのも見逃せない。

兵装を組み合わせれば、遠・中・近距離のどれにおいても無類の強さを発揮。
戦闘人形とはよく言ったもので、いわば『バトルマスター』と呼べる性能を誇っているわけだ。

850 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:42:25.10 ID:eAqpFNCs0
川 ゚ -゚)「そんな彼女に対して、私達三人が相手をする。
     言葉だけ聞けばこれほど無謀なこともない」

今から相手をする敵を想像したのか、クーが冷笑を浮かべる。

(´<_` )「それはどうかな?
      戦いから一年離れていた俺はともかく、お前達は以前よりも強くなっているはずだ」

( ^ω^)「確かにあれからも少林寺拳法は続けてるけど……」

(´<_` )「人間は嘘を吐くが、人間の鍛錬は絶対に嘘を吐かない。
      それさえ信じておけば大丈夫だろう」

川 ゚ -゚)「ふむ……」

(;^ω^)(弟者さん頼りになるお……兄者さんとは大違いだお)

激音が響いた。
それは音の波として七階まで伝わってきており、新たに悲鳴や喜声も連鎖していることから

(´<_` )「六階か」

川 ゚ -゚)「ちなみに聞き忘れていたが、作戦などあるのか?」

( ^ω^)「最初から限界突破するお! ボッコボコにしてやんお!」

(´<_` )「あのな……攻撃で使えるのはお前だけだし、使えば相手を破壊してしまうだろう?
      今回は彼女の捕縛が仕事だということを忘れるな」

(;^ω^)「お……」

852 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:43:58.47 ID:eAqpFNCs0
川 ゚ -゚)「さて、御喋りはここまでか」

クーが鋭く前方を睨んだ。
ブーンと弟者もそれに倣って視線を向ければ

爪゚ -゚)「……弟者様と内藤様、クー様ですか」

ジェイルが階段から上がってきたところだった。

(;^ω^)「お……!?」

ブーンが戸惑いの声を上げる。
彼女の服装が通常のものと全く異なっているのだ。

スーツの上に、赤黒く光る不気味な甲冑。
その両腕には赤を基調とした大剣を二本持ち、腰にも更に形状の異なる剣が数本差さっている。

(´<_` )「それが、モララーさんの言っていた特殊兵装というやつか」

爪゚ -゚)「FC製機械人形専用対多敵特殊兵装『CF(クリティカルフォース)-フレア』。
    これが兵装の正式名称です」

(;^ω^)「クリティカルフォースフレア?
      ってことは……エターナルフォースブリザードとかあるのかお?」

爪゚ -゚)「秘密開発実験中の兵装を知っているとは……何処でその情報を?
     ちなみに相手は死にます」

(;^ω^)「何てこったい」


858 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:45:29.71 ID:eAqpFNCs0
爪゚ -゚)「さて、今の間に戦闘データの読み込みが終了したようです。
    そろそろ開始となるでしょうが、準備は宜しいでしょうか?」

川;゚ -゚)「……ところで、本当に暴走しているのか?」

爪゚ -゚)「はい、この通り」

突撃姿勢を見せながら大剣を構えた。
まるで獲物を前にした猛獣のような雰囲気を匂わせる。

川;゚ -゚)(言動が噛み合っている気がするのは、私の勘違いだろうか……)

(´<_` )「よし、来るぞ」

(;^ω^)「は、把握!」

爪゚ -゚)「出来れば私の前で死ぬようなことはお止め下さい。
     何故ならば――」

体重を前へ移しながら

爪゚ -゚)「寝覚めが悪いですから」

言葉と共に赤い猛獣が突進を開始した。

862 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:46:55.58 ID:eAqpFNCs0
FC一階東口。
ジェイルが突入したのが北口だったため、ほとんど人影は残っていなかった。

いるのは、待機命令を出された少数の兵のみ。
眠そうに欠伸をしている者もいれば、座り込んで煙草を吸っている者もいる。
上で響く轟音を耳に入れながら

「うぉー、スゲェ音がすんなぁ。
 ここ待機で良かったー。 死んだら元も子もねぇもんな」

「死人は出てないらしいよ、今のところは。
 ただジェイルさんの意識が無くなった時が一番怖いけど……まぁ、彼女に殺されるなら本望かもねフヒヒ」

「んだんだ……って、おっと」

三人の人間が、こちらに向かって歩いてきているのが見える。
玄関口でたむろしている彼らを一瞥さえせずに、FC内へ入ろうとした。

「おいおいおい、ちょっとちょっと。
 残念だけど今は立ち入り禁止になってt――ぐぉ!?」

ノ(!i† ゝ゚ノ「脆いよのぉ」

「な、何だテメェは!?」

殴られ吹き飛んだ兵士を視界に収め、その場にいた十人ほどの兵達が慌てて銃を構えた。

865 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:48:26.66 ID:eAqpFNCs0
ノ(!i† ゝ゚ノ「ふぅむ……やはり穏便に行かんか」

ノwリ ゚∀゚ノル「だから言ったじゃんよ! 最初からフルパワーでやろうってさ!」

l リ ゚ -゚ノリ「……二人とも、隠密行動って言葉知らない?」

銃口を向けられても平然としている三人。

「う、撃っていいのか?」

「何で俺に聞くn――」

言葉は続かない。
警戒のど真ん中にいた三人が同時に動いたのだ。
FC内でも弱虫で有名な一人の兵が、驚いて銃を乱射し始める。

異音が、その場に大きく響いた。

ノ(!i† ゝ゚ノ「いかんなぁ、こんな物騒なモノを人に向けては……」

「ひっ……!?」

驚愕の視線の先。
サブマシンガンが、まるで粘土を材料としているかのように身を歪ませている。
驚くべきは、それを行ったのが素手だということだ。

868 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:49:55.72 ID:eAqpFNCs0
「な、何だよコイツ!?」

l リ ゚ -゚ノリ「……私のお父さん、形式上は」

ヒュ、と風を切る音に続いて、金属が擦れる音が大量に響く。
それが鎖鎌だと気付いた時には、彼の持っていたアサルトライフルが微塵切りにされていた。
黒い部品や細かい物体がぶちまけられる。

ノwリ ゚∀゚ノル「ふーははー!」

軽快な声と共に、一気に四人の人間が吹き飛ばされた。
どれも、腹部に太い鉄鋼棒が直撃している。
それは彼女を中心に、放射線状に突き出ていた。

「人間じゃない……!?」

未だ意識が残っている兵が叫んだ通り、彼女は人間の形をしていなかった。
それを例えるならば『足長蜘蛛』。
鋼鉄で構成された金属足を四本とも地に突き刺し
彼女自身の身は高さ三メートルほどの位置に固定されている。

ノ(!i† ゝ゚ノ「さぁ、フォックス様の御命令通り……DATの欠片を頂く。
      我が娘達よ、存分に暴れろ!」

l リ ゚ -゚ノリ「ん」

ノwリ ゚∀゚ノル「破壊! 破砕! 大暴れで大事件! バーロー呼べー!」

FC一階東口。
本物の悪魔達が活動を開始した。


873 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:51:30.53 ID:eAqpFNCs0
FC七階。
訓練室として使われているここに、あるはずの備品など何もかもが排除されていた。
あるのは、ただ広い空間。

その中で音が響いていた。

走る音。
床と靴が擦れる甲高いブレーキ音。
息を詰めるような力強い声。

そして、鼓膜を激震させる金属音。

( ^ω^)「うりゃ!!」

大きく振りかぶり、全てを穿たんという勢いで拳を突き出す。
狙いは、クーの剣撃を迎撃しているジェイルだ。

しかし当たらない。

バックステップで跳んだ彼女は、身を横にロールさせながら距離を図る。
追撃に走ろうとしたクーの目前に、タイミングを計ったかのように拳が突き出された。

(;^ω^)「ご、ごめんお」

川 ゚ -゚)「いや……しかし、流石に考えているな」

二人が同時に走り出そうとした瞬間、ジェイルが両の大剣の切っ先を向ける。

877 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:52:56.95 ID:eAqpFNCs0
(;^ω^)「やばっ――」

慌てるブーンの前に、盾を構えた弟者が飛び出す。
隣のクーも、ハンレを形状変化させて透明の盾を形作った。

直後、衝撃と共に銃声が連響。
目の前に突き出したジゴミルが震動する。
銃声は、大剣の切っ先から出現した銃口から発せられていた。

あれは近接攻撃と遠距離攻撃の要素を同時に併せ持っている武器。
いや、もはや兵器と呼べるそれが二本。

やはり三人で相手をするには、少々攻め難い。

( ^ω^)「おっ――!」

銃声が途絶えたのを確認したブーンが身を飛ばした。
身体強化を受けた彼の運動性は、クー達に比べて高い。
リロードを終了させたジェイルが銃口を向けようとした瞬間には、懐に潜り込んでいた。

( ^ω^)「うぉりゃ!」

渾身の一撃が彼女の腹部に

爪゚ -゚)「当たりません」

突き出した右腕に衝撃。
ジェイルが左足を上げて、拳の軌道を強制的に変更したのだ。

883 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:54:23.86 ID:eAqpFNCs0
(;^ω^)「お――っぐぇ!?」

驚きに目を見開く暇さえ与えられない。
彼女の右足が、更に追撃として叩き上げられ、ブーンの顎に直撃する。

視界が強制的に天井へと向けられ、そのまま背後へ。
対してジェイルも同じく、そのままバク転の要領で身を飛ばす。

着地が早かったのはジェイルだ。
そのまま、倒れたブーン目掛けて大剣を突き出――

川 ゚ -゚)「やらせはせん!」

神速接近。
両足に透明色のブーツを履いたクーが、突き出しかけていた大剣を叩き落とす。
そのまま2nd-W『ロステック』を出現させ、落ちた剣を粉砕。

爪゚ -゚)「っ!」

川;゚ -゚)「くっ!!」

もう一方の巨剣が迫るが、サイドステップで回避。
そのまま距離をとって内藤を助け起こす。

887 名前: 銭湯経営(大分県) 投稿日: 2007/03/15(木) 20:55:51.02 ID:eAqpFNCs0
川 ゚ -゚)「内藤、大丈夫か?」

(;^ω^)「めちゃくちゃ痛いお……」

頭を撫でながら起き上がるブーンに、どうやら怪我は無いらしい。

爪゚ -゚)「流石、と言いたいのですが……私の武装はまだまだあるようでして」

空いた右腕を腰へ伸ばす。
新たに出てきたのは、ごく普通の刀剣だった。

(´<_` )「普通の剣に見えるが」

爪゚ -゚)「いえ、私は戦闘相手を喜ばせることにおいては誰にも引けをとりません。
    まだ見ぬ隠された機能が、きっと貴方達を楽しませることでしょう」

川;゚ -゚)「もう一度聞くが、お前は本当に暴走しているのか……?」

爪゚ -゚)「何度言ったら解るのですか、クー様。
    私の意識領域以外が暴走しており、喋ることは出来ても身体を動かすことは出来ません。
    疑い深い女性は嫌われると、この前テレビでやっておりましたがどうでしょうか」

その言葉を聞き、クーが血相を変えてブーンの方を振り向く。

川;゚ -゚)「……!!?」

(;^ω^)「無い無い無いですおー」

(´<_`;)「……せめて真面目に戦わないか?」


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