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「異世界4」(2007/03/13 (火) 02:17:01) の最新版変更点
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344 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:19:18.39 ID:T0BHKld70
……振り返りたくない…もう何も見たくない
僕のせいじゃない…彼等が勝手にこれを探してここに来たんだ
あいつが居たのも、皆が傷ついたのも
僕が居たからじゃない、あいつもDATを求めてきただけだ
僕のせいじゃない、僕は悪くない、僕には…関係ない、だから…
想いを受け、淡く、DATが輝き始める
(主 ω )「…」
けど、何故だろう…その先の言葉が出てこない
別れの言葉が出てこない
「…DATを渡してもらおう」
そこへ
(主゚ω゚)「!!」
347 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:21:15.91 ID:T0BHKld70
( ・∀・)「さあ、死にたくなければそれと、もう一つ
君の持つDATを渡せ」
黒い剣を握る、奴の姿があった
(主゚ω゚)「う、うわああああああああああ」
僕は背を向け、なりふり構わず逃げ出した
…どこまで情けないんだ…
そんな悔しさを抱えながらも、震える心は抑えられない
(;´・ω・`)「ホライゾン!?」
(主;´ω`)「ショボン!」
(;´・ω・`)「なんで…君…まだ」
(主;´ω`)「…え?」
(;´・ω・`)「…っ…早く逃げるんだ、それがあれば別の世界に行けるんだろ?」
(主;´ω`)「な、何でそれを…いや、何を言ってるんだお!?」
357 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:25:00.27 ID:T0BHKld70
(;´・ω・`)「いいから早く! みんな揃って死にたいの!?」
(主;´ω`)「ま…まさかショボン…さっき僕に取りに行かせたのは」
(´・ω・`) 「……」
僕を逃がす為? 僕が…逃げると思ったから?
( ・∀・)「逃がさないよー」
(;´・ω・`) 「やっぱり無事だったか…」
( ・∀・)「もう遊びは終りです…いい加減終りにしましょう」
(;´・ω・`)「…っ…ごめんホライゾン、最後に頼んでいいかな」
(主;´ω`)「なんだお?」
(;´・ω・`) 「みんな既に船に乗せてあるからさ…
ちょっと発進させてきてくれない?」
(主;´ω`)「…は?」
(`・ω・´)「んじゃ、頼むよ!」
360 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:27:30.58 ID:T0BHKld70
そう告げ、足を踏み出す
(主;´ω`)「ま…!」
「ま…待てお…!」
けれど、その行動を淡いオレンジの光が制止した
( ・∀・)「…む」
(;`・ω・´)「…え?」
そこには…燃え盛る炎の剣を携えたドクオと
彼の肩を借り、どうにか立っているブーンの姿があった
(メ;´ω`)「駄目…だお…もう…誰も死んじゃ…」
(´・ω・`) 「二人とも…何で」
(メメ'A`)「モナーさん…もうこれ以上、あなたには何も奪わせない」
363 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:29:11.51 ID:T0BHKld70
( ・∀・)「やれやれ、まだ分からないの? 折角逃げるチャンスだったのに
…また同じ事を繰り返すつもり?」
(メ♯'A`)「分かってないのはあなただ…! 俺はそれを止めたいから
だから今俺達はここに居るんだ、その為なら!」
(メ;´ω`)「……僕等は…あ…あきらめたりなんか…しない…そして!」
(メ♯'A`)「何度だって繰り返してやる!!」
(メ♯`ω´)「…みんなを…救ってみせる!!」
(主 ω )(……そうだ…)
(主`ω´)(DAT、お願いだお!)
呼応するように、剣の柄に付けられた玉が輝き始める
(主`ω´)(僕は、僕はみんなを…みんなを助けたいんだお!!)
366 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:31:16.72 ID:T0BHKld70
( ・∀・)「意気込みは良い…がな
自分じゃろくに戦えない人間と…ただの死にぞこないに…」
( ・∀・)「何一つ、出切る事も救える物も無い…それを教えてやろう」
黒いオーラを纏う姿が大きく一歩を踏み出す
(´-ω-`)「させないよ…」
それを、再びショボンが止める
( ・∀・)「貴様…」
(´-ω-`) 「彼等が…守るべき物の為に戦う事を決めたように、僕にも決意がある
僕は、そんな二人を助けたい…だから」
(`・ω・´)「僕が守る…!」
(主;`ω´)「う…うわっ!?…ま、まぶしっ…」
374 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:36:36.53 ID:T0BHKld70
宝玉が輝き凄まじい光を放つ、暖かく、優しい光が辺り一体を照らし
その場所を淡く染め上げる
4つの想い
それが今、一つになった
(;・∀・)「馬鹿な…発動!? 逃げるつもりか! 名無しの子!!」
(;´ω`)「あ………あ…あったか…い…」
(;'A`)「…ブーン?」
( ´ω`)「……」
その光に誘われる様に借りていた肩から離れ、一人立ち上がるブーン
見れば身体のあちこちにあった痛々しい火傷跡が消えていく
まるでそんな物は無かったように
(;'A`)「お前、怪我が…」
379 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:38:39.90 ID:T0BHKld70
(;^ω^)「お? って…そういうドクオも火傷が消えてるお!?」
(;'A`)「あ…れ?」
(;^ω^)「何なんだお? この光…」
(;´・ω・`)(アゾット…柄に填められた水晶は賢者の石だとか見た事あるけど…)
(;´・ω・`) 「ホライゾン…君は…君が虚零の管理者…」
(主;`ω´)(DATが彼等の意思に…想いに、応えたのかお?)
(;・∀・)「これが…これもDATの力か!?」
(;^ω^)「…これなら…これなら行けるっ、ドクオ!!」
(♯'A`)「ああっ!! 行くぞブーン、接続、開始…!」
周囲の音が変わった、ずっと聞こえていた水音が途絶え…
382 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:40:47.46 ID:T0BHKld70
(主;^ω^)「み、水!? 水が…!」
海の様に、波音
どこからか立ち昇った水が彼等に集まっていく
(♯・∀・)「く…おのれ、おのれええ!!
何をするつもりか知らんが…もう容赦はせんぞ!!」
呆然とその様子を眺めていた奴が、急に目つきを変え
感情をそのまま表に出すような声と共にこちらを睨みつけた
(;´ω`)「うわ、ショ…ショボ! 頼むおっ…少しだけ、少しだけ耐えててくれお!!」
(`・ω・´)「…おっけぇ…」
(♯・∀・)「ガキども…ガキの癖して、私の邪魔をするなぁ!」
(;`・ω・´)「…!!」
黒剣を手に疾駆、激しく地を鳴らしながらショボンとの距離を一気に縮める
385 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:43:53.66 ID:T0BHKld70
振り上げられる剣、数多の血を吸い続けた凶刃が新たな血を求め
激しく打ち鳴らされる金属の衝突音
(♯・∀・)「何故だ! 何故お前等如きが……!」
(;`・ω・´)「く…ようやく、頭が回ってきたよ、何をそんなに慌ててるの?」
(♯・∀・)「…何ぃ?」
(;`・ω・´)『あんたが誰なのかは知らないけどさ…
モララーの知識で分かってるんだろ?』
その言葉に動揺したのか、奴が一瞬体を震わせる
押し合う剣を自ら弾き、大きく後ろに跳躍し距離を取った
(;・∀・)「……ぐ、貴様、私の事を」
(;`・ω・´)「当然さ、その口調に…ホライゾンを知っている事
そして何よりも夜に僕等を狙い、彼女を連れ出し
仲間を大勢連れて来て僕等を殺す? …浅はかだね」
386 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:45:40.64 ID:T0BHKld70
(;・∀・)「黙れ!!」
再び駆ける奴の影
見るなりショボンは構える剣を手放した
…それはいかなる魔法か、手放した剣は地に触れる事無く宙を漂う
(;・∀・)「ちぃぃ…!!」
甲高い音が響く
誰が触れたわけでも無く動きだしたその剣が、敵に向き直し飛翔
それを察知した奴は急停止、自らの腹部を狙う剣を寸前で弾いた
(`・ω・´)「…あの最低な奴が、そんなストレートに僕等を狙う訳がないだろ?」
掌を眼前、正面に向け言い放つ
(♯・∀・)「言ってくれる…だがいいのか、その状態で
私はその剣が飛来するよりも速く貴様を殺せるのだぞ?」
(`-ω-´)「うん、時間稼ぎも済んだし、僕の役目はもう終りさ」
(;・∀・)「な、に?」
388 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:47:46.69 ID:T0BHKld70
(´・ω・`) 「後は、よろしくね」
穏やかな表情で、静かに言葉を綴る
瞬間、そんなショボンの背中で光が溢れる
月が輝く夜の闇を今、地上の太陽が世界全てを照らし出す
ここは…空には月、地上には太陽が輝く存在し得ない海底の様に
全てを包み 揺らめくは光の線
(♯'A`)「輝け、もっとだ… も っ と か が や け え え え え !!」
彼が掲げるのは太陽、直視する事を許さぬ究極の炎の光
( `ω´)「…行くお!!」
太陽を背に、何かを呟き、剣を構える
391 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:49:07.53 ID:T0BHKld70
眩い光を受けた鈍い銀の剣が…まるで研ぎ澄まされるように白銀に煌く
ざらつきその身に何も映すことの無かった刀身
それが今、世界の全てを映す鏡のように輝いた
(主*゚ω゚)「き…綺麗だ…」
思わず言葉が漏れた
遠く山の彼方まで照らす光
その輝きは空に残る夜と地上にある昼間を描き、不自然な芸術を作り出した
(;・∀・)「く…」
(´・ω・`) 「ほーら…もたもたしてるから君の『天敵』が目覚めちゃったよ?」
(♯・∀・)「貴様ぁ…その見下すような真似をやめろ!!」
(´・ω・`) 「見下してなんかいないさ、ただ客観的に批評してるだけだよ」
(♯・∀・)「ふっ…ふふ…あははは!!! そうか、そんなに欲しくない命なら」
395 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:50:56.72 ID:T0BHKld70
(♯・∀・)「今すぐに吸い尽くしてくれる!」
(´-ω-`)「……」
(主;´ω`)「んなっ!? あぶ――」
地を蹴る音が聞こえたとほぼ同時に、奴の姿が消える
その奴の標的であろうショボンはあろうことか目を閉じ
ただ静かにその場で立ち尽くしている
(主;´ω`)「――ないっ…ぁえ?」
そこへ向かう一陣の風を僕の目が捕らえた
瞬間的に目に映る影だけを残し、風影は立ちすくむ彼へ向かった
次いで、鋭い金切音が鳴り響く
(;・∀・)「…………!!」
396 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:52:20.17 ID:T0BHKld70
黒き刃を受け止めるは 白銀の剣
( ω )「……」
反射する光が輝く、黒と白…相対する二つの剣が重なり合う
(;・∀・)「た…太陽っ!!」
幾瞬の停止、そして動き始める時間
二つの影が踊り狂う
(;・∀・)「くっ…ぬ、ぅ!!」
(♯`ω´)「…ぉ…おおおおお!!!」
連続して起こる金属音、切り合う一合音は聴覚が確認できる範囲を超え
交わる複数の音が一つの個として鳴り響く
時折、その音に混じり聞こえる彼等の声
早送り再生の戦いは既に常人の入り込める域を凌駕し、二人だけの世界を作る
398 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:54:28.43 ID:T0BHKld70
(主;´ω`)「は、速すぎて、何が何やら」
(´・ω・`)「大丈夫、勝てるよ……でも」
(主;´ω`)「…え?」
(;´・ω・`)「早く…早く決めてくれ、時間が無いんだ」
一際大きな金属音が場に弾け、二人が距離を取った
(;・∀・)「はあ…っ…はあっ…!」
(♯`ω´)「……ふー…っ」
一時の静寂、お互いが息を整える様に動きを止め睨み合う
(;´・ω・`)「っ…ブーン!!」
(♯`ω´)「分かってる!!!」
(;・∀・)「ぜえ…ぜえ……はっ、はは…どうした、焦ってるじゃないか…」
(;`ω´)「……こうなったら…」
(;`ω´ω)「一気に『ケリをつげろ!』てやるお!」
404 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:56:08.08 ID:T0BHKld70
( `ω´)「エアロバリア…!」
(主;´ω`)「うっ、わわわ!」
その声と共に、強烈な風が吹き荒れた
荒れ狂う風は唸る様な音と高音が合わさり、激しさを増す
(;・∀・)「むっ…」
( `ω´ω)『…オン!!』
更に声、今度は逆に風が急激に収まっていく…いや…
彼の、ブーンの周りに集約され、色々な破片が風に呑まれ暴れ回る
(♯・∀・)「させんぞ!!」
(♯`ω´)「…っ…チャージ!!」
暴れ狂っていた破片やらが一斉に前方へ向かう
集約された突風が一本の道を形作るように伸び
409 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:57:57.09 ID:T0BHKld70
(;・∀・)「…ぐっ! ううぅ……っ!!!」
風の空間が、向かい来る敵を飲み込んだ
突風の吹き荒れる中へ引きずりこまれた奴は、剣を地に刺し
足を踏ん張りどうにか堪えている
少しでも下手な身動きをとれば、遥か彼方まで吹き飛ばされるであろう風
まともな呼吸さえ許さない捕縛結界
( `ω´)「捕らえたっ」
( `ω´ω)『マックス…!!』
412 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:59:10.20 ID:T0BHKld70
風の中
一歩
二歩
体制を整えるように地を蹴り、それと同時に彼の姿が消失
次の瞬間には奴の目の前まで移動し
(♯`ω´)「『ストオオオオオム!!!!』」
その神速の一撃を横殴りに叩き付けた
(;・∀・)「く…!」
衝撃に次ぐ圧撃、奴の体が浮き上がる
(;`ω´)「う…っ…おおおおおおお!!!」
ブーンがその場に踏み止まろうと踏ん張る
地面が抉れ、足が軽く埋もれる程の衝撃を堪え、腕を突き出す
確認するや否や、地を蹴り、跳躍
(;・∀・)「ぐ…ぅ……ま…待て…よ…せ…ぇ!」
自分を吹き荒れる嵐に放り込み
418 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 01:07:00.66 ID:T0BHKld70
留まる事を知らぬ風は前方の地面を削りながら、あらゆる物を巻き込み吹き飛ばす
「ぐ…あああああああああっっっ」
( `ω´)「これで…終り、だお」
後方の太陽が消えていく
周囲は夜を取り戻し、暗く染まっていく
(主´ω`)「…か…勝ったのかお?」
( `ω´)「………」
(; ω )「…つ、つか…れ…た……」
しばらく正面を睨んでいたブーンが
搾り出すような声を上げ、倒れこむ
420 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 01:08:02.43 ID:T0BHKld70
そこへ
『お…おのれええええええ!!』
黒い影がブーンに向かうのが見えた
(主;^ω^)「ブーン!!」
『ならば今度は貴様に…!』
声が、まるで直接頭に響いてくる
(主`ω´)「ふ、ふざけるなああああ!!」
胸の中が熱く燃え上がる
倒れたブーンの前に立ち、剣を構える
『貴様!?』
(主`ω´)「消えろ…この世界から、消えてなくなれええ!!」
僕の持つ剣の光が強まり、一筋の閃光が影を貫いた
422 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 01:10:10.09 ID:T0BHKld70
『お…おのれええええええぇぇ……』
影が、まるで夜闇に溶けるように消えていく
(主`ω´)「…」
(主^ω^)「や…やった…」
(;'A`)「なあ…今、最後変なの見えなかったか?」
(;´・ω・`)「…」
…………。
あれから僕等は気を失ったブーンを連れ、大急ぎでその場を離脱
どうにか無事逃げ切る事ができた
気付けば空はすっかり青に染まり、東の空が少しずつ赤みを帯びていく
夜明けは…もうすぐそこまで来ていた
427 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 01:12:15.42 ID:T0BHKld70
(´・ω・`) 「さて、ホライゾン…今度こそお別れかな?」
(主^ω^)「うん…DATは手に入れたし…そろそろ行かないと」
('A`)「…もう、さよならなのか」
( ´ω`)「………」
( ゚∀゚)「おいおい…辛気くせえ顔してんじゃねえよ、」
ずっと気を失っていたジョルジュさんだったけど
つい先程目を覚ました、ぐちゃぐちゃだった腕もすっかり元通りに治り
今はさっき死にかけていた人間とは思えないほど元気そのものだ
( ゚∀゚)「ありがとうな、ホライゾン、本当は俺が守ってやるつもりが
逆に助けられるとはなぁ…流石に思ってなかった、ははっ」
( ^ω^)「…僕も、おかげで助かったお」
(主;^ω^)「そんな、僕は別に…」
どうにも彼等は僕があの剣を使い、みんなの傷を癒し、助けたと思っている
今更これがDATの力だどうこうとは言い出し辛くて…あえて訂正はしていない
430 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 01:14:12.08 ID:T0BHKld70
まあ、何より悪い気はしないから…いいよね、それくらい
( ´ω`)「でも…もう行っちゃうんだお? 何かお礼がしたかったお」
(;'A`)「俺もだよ…なんかめちゃくちゃ格好悪いとこ見せちゃったしさ
だいたいあれは俺の失p」
( ^ω^)「…それは言わないお約束だお?」
('∀`)「ああ…でもさ、やっぱもうちょっとくらい居ても」
(主^ω^)「…ごめんお、でも僕にもやらなきゃいけない事があるんだお」
それに正直…これ以上ここに彼等と居たら
今よりもっともっと別れが名残惜しくなってしまう、だから…
(´・ω・`) 「あらら、随分かっこいい事言っちゃって」
(主;^ω^)「う、いつの間に…」
気付けば横に立っていたショボン、彼は僕に近づき
囁くようにそっと僕に告げた
(´・ω・`) (君があの時逃げなかったから僕等が助かった、これは事実だよ)
432 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 01:14:56.88 ID:T0BHKld70
(主;^ω^)「お!?」
(´・ω・`) 「ふふっ…」
そうして、笑いながら僕の側を離れる
……彼は全部気付いているのかもしれない、そう思わせる笑顔だった
(主^ω^)「…それじゃあ」
( ゚∀゚)「ああ」
懐に入れておいた、もう一つのDATを取り出す
(´・ω・`) 「それがDAT?」
(主^ω^)「…そうだお」
それを…虚零と呼ばれた剣に近づける
(;'A`)「あ…」
淡い輝きが、その剣アゾットを包み、光の塊が出来上がる
434 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 01:16:20.03 ID:T0BHKld70
やがて二つの光は混じり合い、広がっていく
僕の手を、肘を、肩を……光がゆっくりと包み始めた
(;゚∀゚)「こいつは…」
(;'A`)「そっくりだ、俺達が来た時と」
(主^ω^ 「そういえば…ねえブーン、最後に聞いていい?」
一つ気になる事があった…
( ^ω^)「…何でもどうぞ、だお」
(主^ω^ 「君、時折口調とか声が変わったりしてたけど…あれは何だお?」
(;^ω^)「ああ、あれは…その、何て説明したらいいのか…うーん…
…とにかくこの剣のせいだお」
(主^ω^ 「そういえば、あの時は確か…」
437 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 01:17:59.17 ID:T0BHKld70
彼が腰に下がる剣を引き抜く
やはりあの時とは全然違う、ざらざらとした表面が浮き上がる何の変哲も無い剣だ
( ^ω^)「…これは太陽がある時のみ、力を発揮する剣なんだお」
(主^ω^ 「太陽が?」
( ^ω^)「だから太陽の剣…なんて言われてるお」
(主^ω^ 「へえ…じゃあその剣のせいで人が変わったようになっちゃう感じ?」
(;´ω`)「ま…まあ、そんなところだお」
(主^ω^ 「よくわかんないけど…いいやwじゃあ、行くね」
( ゚∀゚)「…がんばれよ」
('∀`)「さよなら」
(´・ω・`) 「じゃあね」
(主^ω^ 「うん、みんなも…本当にありがとう」
440 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 01:19:02.19 ID:T0BHKld70
( ^ω^)「……それじゃあ僕も最後に一つ、いいかお?」
主^ω^ 「うん、何?」
( ^ω^)「君は言ったお? どんな事があってもDATを手に入れるって」
主^ω^ 「え…うん、一応そのつもりだけど」
( ^ω^)「…ジョルジュさんがあの時…
死にかけてまで僕等を守ろうとした時…どう思ったかお?」
主;^ω^ 「え…ええ?」
突然何を言い出すんだろう…言いたい事がよくわからない
主^ω^ 「うーん…」
( ^ω^)「…それを、今思ってる事を…その気持ちを、忘れないで欲しいんだお」
主^ω^ 「どういう…こと?」
( ´ω`)「…自分を犠牲にして何かを守るんじゃ駄目なんだお…
その考えじゃ…いつか自分を失い、周りさえも傷つける」
442 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 01:20:46.59 ID:T0BHKld70
('A`)「…」
(;゚∀゚)「…」
( ^ω^)「例え自分を犠牲にしても、大切な何かの為に戦い『続ける』
…そんな意思こそが、一番大事なんだお」
主^ω 「戦い、続ける?」
段々と景色がぼやけ始めた
( ω ) 矛盾するその意味が、違いが、今は理解できないかもしれないけど
…忘れちゃいけないお
視界が ゆっくりと白に染まっていく
447 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 01:23:02.16 ID:T0BHKld70
主^ …君はいったい、誰なんだ?
( ω )「僕は」
自分でも 何故そんな事を聞いたのか分からない
けれど 聞くべきだと そう思った
「内藤ホライゾン…だお」
もう 何も見えない 彼の姿は見えない けれど最後に
間違いなく 聞こえた
僕と同じ口調 同じ癖
内藤 ホライゾン ああ そうか そうだ 君は…
453 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 01:24:58.41 ID:T0BHKld70
目の前が白くなると同様に 思考も白く染まり 浮かんだ何かは消えていく
そうして
妙に心に引っかかる その名を思いながら
再び僕は 世界を巡る旅に出たんだ
460 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 01:27:50.82 ID:T0BHKld70
【次回予告】アフレダスー エナジー イカレルー エニシンー
463 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 01:31:03.30 ID:T0BHKld70
ミ,,゚Д゚彡『さーて!次回の巡るようですは~!?』
从*゚∀从『次は◆NscXkUt6VEさんの('A`)のペンは進まないようです
の世界だ、んー明日が待てねえぜ!』
川 ゚ -゚)『受験の失敗、挫折、出会いと変化に恋心…彼の筆は停滞する』
( ^ω^)『様々な重圧に悩むドクオの青春物語だお』
('A`)『と、今回はあの受験よりも過去のお話』
(´・ω・`)『中学時代…恋も知らず、勉強の日々、青い春は未だ見えぬ遠い先
そこへ現れるのはDAT、その存在は彼の日々に何を起こすのかな?』
ζ(゚ー゚*ζ『次回 世界を巡る 第4界 「ペンが進まない編」 』
ミ,;゚Д゚彡『あれ? 俺の台詞は』
( ゚∀゚)o彡゜『合作は最初から最後までクライマックスだ!次回もお楽しみにな!!』
川 ゚ -゚)『読んでくれなきゃ…泣いちゃうぞ?』
ミ,;゚Д゚彡『ちょ、あの…あれ?』
to be continue…
344 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:19:18.39 ID:T0BHKld70
……振り返りたくない…もう何も見たくない
僕のせいじゃない…彼等が勝手にこれを探してここに来たんだ
あいつが居たのも、皆が傷ついたのも
僕が居たからじゃない、あいつもDATを求めてきただけだ
僕のせいじゃない、僕は悪くない、僕には…関係ない、だから…
想いを受け、淡く、DATが輝き始める
(主 ω )「…」
けど、何故だろう…その先の言葉が出てこない
別れの言葉が出てこない
「…DATを渡してもらおう」
そこへ
(主゚ω゚)「!!」
347 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:21:15.91 ID:T0BHKld70
( ・∀・)「さあ、死にたくなければそれと、もう一つ
君の持つDATを渡せ」
黒い剣を握る、奴の姿があった
(主゚ω゚)「う、うわああああああああああ」
僕は背を向け、なりふり構わず逃げ出した
…どこまで情けないんだ…
そんな悔しさを抱えながらも、震える心は抑えられない
(;´・ω・`)「ホライゾン!?」
(主;´ω`)「ショボン!」
(;´・ω・`)「なんで…君…まだ」
(主;´ω`)「…え?」
(;´・ω・`)「…っ…早く逃げるんだ、それがあれば別の世界に行けるんだろ?」
(主;´ω`)「な、何でそれを…いや、何を言ってるんだお!?」
357 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:25:00.27 ID:T0BHKld70
(;´・ω・`)「いいから早く! みんな揃って死にたいの!?」
(主;´ω`)「ま…まさかショボン…さっき僕に取りに行かせたのは」
(´・ω・`) 「……」
僕を逃がす為? 僕が…逃げると思ったから?
( ・∀・)「逃がさないよー」
(;´・ω・`) 「やっぱり無事だったか…」
( ・∀・)「もう遊びは終りです…いい加減終りにしましょう」
(;´・ω・`)「…っ…ごめんホライゾン、最後に頼んでいいかな」
(主;´ω`)「なんだお?」
(;´・ω・`) 「みんな既に船に乗せてあるからさ…
ちょっと発進させてきてくれない?」
(主;´ω`)「…は?」
(`・ω・´)「んじゃ、頼むよ!」
360 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:27:30.58 ID:T0BHKld70
そう告げ、足を踏み出す
(主;´ω`)「ま…!」
「ま…待てお…!」
けれど、その行動を淡いオレンジの光が制止した
( ・∀・)「…む」
(;`・ω・´)「…え?」
そこには…燃え盛る炎の剣を携えたドクオと
彼の肩を借り、どうにか立っているブーンの姿があった
(メ;´ω`)「駄目…だお…もう…誰も死んじゃ…」
(´・ω・`) 「二人とも…何で」
(メメ'A`)「モナーさん…もうこれ以上、あなたには何も奪わせない」
363 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:29:11.51 ID:T0BHKld70
( ・∀・)「やれやれ、まだ分からないの? 折角逃げるチャンスだったのに
…また同じ事を繰り返すつもり?」
(メ♯'A`)「分かってないのはあなただ…! 俺はそれを止めたいから
だから今俺達はここに居るんだ、その為なら!」
(メ;´ω`)「……僕等は…あ…あきらめたりなんか…しない…そして!」
(メ♯'A`)「何度だって繰り返してやる!!」
(メ♯`ω´)「…みんなを…救ってみせる!!」
(主 ω )(……そうだ…)
(主`ω´)(DAT、お願いだお!)
呼応するように、剣の柄に付けられた玉が輝き始める
(主`ω´)(僕は、僕はみんなを…みんなを助けたいんだお!!)
366 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:31:16.72 ID:T0BHKld70
( ・∀・)「意気込みは良い…がな
自分じゃろくに戦えない人間と…ただの死にぞこないに…」
( ・∀・)「何一つ、出切る事も救える物も無い…それを教えてやろう」
黒いオーラを纏う姿が大きく一歩を踏み出す
(´-ω-`)「させないよ…」
それを、再びショボンが止める
( ・∀・)「貴様…」
(´-ω-`) 「彼等が…守るべき物の為に戦う事を決めたように、僕にも決意がある
僕は、そんな二人を助けたい…だから」
(`・ω・´)「僕が守る…!」
(主;`ω´)「う…うわっ!?…ま、まぶしっ…」
374 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:36:36.53 ID:T0BHKld70
宝玉が輝き凄まじい光を放つ、暖かく、優しい光が辺り一体を照らし
その場所を淡く染め上げる
4つの想い
それが今、一つになった
(;・∀・)「馬鹿な…発動!? 逃げるつもりか! 名無しの子!!」
(;´ω`)「あ………あ…あったか…い…」
(;'A`)「…ブーン?」
( ´ω`)「……」
その光に誘われる様に借りていた肩から離れ、一人立ち上がるブーン
見れば身体のあちこちにあった痛々しい火傷跡が消えていく
まるでそんな物は無かったように
(;'A`)「お前、怪我が…」
379 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:38:39.90 ID:T0BHKld70
(;^ω^)「お? って…そういうドクオも火傷が消えてるお!?」
(;'A`)「あ…れ?」
(;^ω^)「何なんだお? この光…」
(;´・ω・`)(アゾット…柄に填められた水晶は賢者の石だとか見た事あるけど…)
(;´・ω・`) 「ホライゾン…君は…君が虚零の管理者…」
(主;`ω´)(DATが彼等の意思に…想いに、応えたのかお?)
(;・∀・)「これが…これもDATの力か!?」
(;^ω^)「…これなら…これなら行けるっ、ドクオ!!」
(♯'A`)「ああっ!! 行くぞブーン、接続、開始…!」
周囲の音が変わった、ずっと聞こえていた水音が途絶え…
382 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:40:47.46 ID:T0BHKld70
(主;^ω^)「み、水!? 水が…!」
海の様に、波音
どこからか立ち昇った水が彼等に集まっていく
(♯・∀・)「く…おのれ、おのれええ!!
何をするつもりか知らんが…もう容赦はせんぞ!!」
呆然とその様子を眺めていた奴が、急に目つきを変え
感情をそのまま表に出すような声と共にこちらを睨みつけた
(;´ω`)「うわ、ショ…ショボ! 頼むおっ…少しだけ、少しだけ耐えててくれお!!」
(`・ω・´)「…おっけぇ…」
(♯・∀・)「ガキども…ガキの癖して、私の邪魔をするなぁ!」
(;`・ω・´)「…!!」
黒剣を手に疾駆、激しく地を鳴らしながらショボンとの距離を一気に縮める
385 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:43:53.66 ID:T0BHKld70
振り上げられる剣、数多の血を吸い続けた凶刃が新たな血を求め
激しく打ち鳴らされる金属の衝突音
(♯・∀・)「何故だ! 何故お前等如きが……!」
(;`・ω・´)「く…ようやく、頭が回ってきたよ、何をそんなに慌ててるの?」
(♯・∀・)「…何ぃ?」
(;`・ω・´)『あんたが誰なのかは知らないけどさ…
モララーの知識で分かってるんだろ?』
その言葉に動揺したのか、奴が一瞬体を震わせる
押し合う剣を自ら弾き、大きく後ろに跳躍し距離を取った
(;・∀・)「……ぐ、貴様、私の事を」
(;`・ω・´)「当然さ、その口調に…ホライゾンを知っている事
そして何よりも夜に僕等を狙い、彼女を連れ出し
仲間を大勢連れて来て僕等を殺す? …浅はかだね」
386 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:45:40.64 ID:T0BHKld70
(;・∀・)「黙れ!!」
再び駆ける奴の影
見るなりショボンは構える剣を手放した
…それはいかなる魔法か、手放した剣は地に触れる事無く宙を漂う
(;・∀・)「ちぃぃ…!!」
甲高い音が響く
誰が触れたわけでも無く動きだしたその剣が、敵に向き直し飛翔
それを察知した奴は急停止、自らの腹部を狙う剣を寸前で弾いた
(`・ω・´)「…あの最低な奴が、そんなストレートに僕等を狙う訳がないだろ?」
掌を眼前、正面に向け言い放つ
(♯・∀・)「言ってくれる…だがいいのか、その状態で
私はその剣が飛来するよりも速く貴様を殺せるのだぞ?」
(`-ω-´)「うん、時間稼ぎも済んだし、僕の役目はもう終りさ」
(;・∀・)「な、に?」
388 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:47:46.69 ID:T0BHKld70
(´・ω・`) 「後は、よろしくね」
穏やかな表情で、静かに言葉を綴る
瞬間、そんなショボンの背中で光が溢れる
月が輝く夜の闇を今、地上の太陽が世界全てを照らし出す
ここは…空には月、地上には太陽が輝く存在し得ない海底の様に
全てを包み 揺らめくは光の線
(♯'A`)「輝け、もっとだ… も っ と か が や け え え え え !!」
彼が掲げるのは太陽、直視する事を許さぬ究極の炎の光
( `ω´)「…行くお!!」
太陽を背に、何かを呟き、剣を構える
391 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:49:07.53 ID:T0BHKld70
眩い光を受けた鈍い銀の剣が…まるで研ぎ澄まされるように白銀に煌く
ざらつきその身に何も映すことの無かった刀身
それが今、世界の全てを映す鏡のように輝いた
(主*゚ω゚)「き…綺麗だ…」
思わず言葉が漏れた
遠く山の彼方まで照らす光
その輝きは空に残る夜と地上にある昼間を描き、不自然な芸術を作り出した
(;・∀・)「く…」
(´・ω・`) 「ほーら…もたもたしてるから君の『天敵』が目覚めちゃったよ?」
(♯・∀・)「貴様ぁ…その見下すような真似をやめろ!!」
(´・ω・`) 「見下してなんかいないさ、ただ客観的に批評してるだけだよ」
(♯・∀・)「ふっ…ふふ…あははは!!! そうか、そんなに欲しくない命なら」
395 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:50:56.72 ID:T0BHKld70
(♯・∀・)「今すぐに吸い尽くしてくれる!」
(´-ω-`)「……」
(主;´ω`)「んなっ!? あぶ――」
地を蹴る音が聞こえたとほぼ同時に、奴の姿が消える
その奴の標的であろうショボンはあろうことか目を閉じ
ただ静かにその場で立ち尽くしている
(主;´ω`)「――ないっ…ぁえ?」
そこへ向かう一陣の風を僕の目が捕らえた
瞬間的に目に映る影だけを残し、風影は立ちすくむ彼へ向かった
次いで、鋭い金切音が鳴り響く
(;・∀・)「…………!!」
396 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:52:20.17 ID:T0BHKld70
黒き刃を受け止めるは 白銀の剣
( ω )「……」
反射する光が輝く、黒と白…相対する二つの剣が重なり合う
(;・∀・)「た…太陽っ!!」
幾瞬の停止、そして動き始める時間
二つの影が踊り狂う
(;・∀・)「くっ…ぬ、ぅ!!」
(♯`ω´)「…ぉ…おおおおお!!!」
連続して起こる金属音、切り合う一合音は聴覚が確認できる範囲を超え
交わる複数の音が一つの個として鳴り響く
時折、その音に混じり聞こえる彼等の声
早送り再生の戦いは既に常人の入り込める域を凌駕し、二人だけの世界を作る
398 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:54:28.43 ID:T0BHKld70
(主;´ω`)「は、速すぎて、何が何やら」
(´・ω・`)「大丈夫、勝てるよ……でも」
(主;´ω`)「…え?」
(;´・ω・`)「早く…早く決めてくれ、時間が無いんだ」
一際大きな金属音が場に弾け、二人が距離を取った
(;・∀・)「はあ…っ…はあっ…!」
(♯`ω´)「……ふー…っ」
一時の静寂、お互いが息を整える様に動きを止め睨み合う
(;´・ω・`)「っ…ブーン!!」
(♯`ω´)「分かってる!!!」
(;・∀・)「ぜえ…ぜえ……はっ、はは…どうした、焦ってるじゃないか…」
(;`ω´)「……こうなったら…」
(;`ω´ω)「一気に『ケリをつげろ!』てやるお!」
404 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:56:08.08 ID:T0BHKld70
( `ω´)「エアロバリア…!」
(主;´ω`)「うっ、わわわ!」
その声と共に、強烈な風が吹き荒れた
荒れ狂う風は唸る様な音と高音が合わさり、激しさを増す
(;・∀・)「むっ…」
( `ω´ω)『…オン!!』
更に声、今度は逆に風が急激に収まっていく…いや…
彼の、ブーンの周りに集約され、色々な破片が風に呑まれ暴れ回る
(♯・∀・)「させんぞ!!」
(♯`ω´)「…っ…チャージ!!」
暴れ狂っていた破片やらが一斉に前方へ向かう
集約された突風が一本の道を形作るように伸び
409 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:57:57.09 ID:T0BHKld70
(;・∀・)「…ぐっ! ううぅ……っ!!!」
風の空間が、向かい来る敵を飲み込んだ
突風の吹き荒れる中へ引きずりこまれた奴は、剣を地に刺し
足を踏ん張りどうにか堪えている
少しでも下手な身動きをとれば、遥か彼方まで吹き飛ばされるであろう風
まともな呼吸さえ許さない捕縛結界
( `ω´)「捕らえたっ」
( `ω´ω)『マックス…!!』
412 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 00:59:10.20 ID:T0BHKld70
風の中
一歩
二歩
体制を整えるように地を蹴り、それと同時に彼の姿が消失
次の瞬間には奴の目の前まで移動し
(♯`ω´)「『ストオオオオオム!!!!』」
その神速の一撃を横殴りに叩き付けた
(;・∀・)「く…!」
衝撃に次ぐ圧撃、奴の体が浮き上がる
(;`ω´)「う…っ…おおおおおおお!!!」
ブーンがその場に踏み止まろうと踏ん張る
地面が抉れ、足が軽く埋もれる程の衝撃を堪え、腕を突き出す
確認するや否や、地を蹴り、跳躍
(;・∀・)「ぐ…ぅ……ま…待て…よ…せ…ぇ!」
自分を吹き荒れる嵐に放り込み
418 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 01:07:00.66 ID:T0BHKld70
留まる事を知らぬ風は前方の地面を削りながら、あらゆる物を巻き込み吹き飛ばす
「ぐ…あああああああああっっっ」
( `ω´)「これで…終り、だお」
後方の太陽が消えていく
周囲は夜を取り戻し、暗く染まっていく
(主´ω`)「…か…勝ったのかお?」
( `ω´)「………」
(; ω )「…つ、つか…れ…た……」
しばらく正面を睨んでいたブーンが
搾り出すような声を上げ、倒れこむ
420 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 01:08:02.43 ID:T0BHKld70
そこへ
『お…おのれええええええ!!』
黒い影がブーンに向かうのが見えた
(主;^ω^)「ブーン!!」
『ならば今度は貴様に…!』
声が、まるで直接頭に響いてくる
(主`ω´)「ふ、ふざけるなああああ!!」
胸の中が熱く燃え上がる
倒れたブーンの前に立ち、剣を構える
『貴様!?』
(主`ω´)「消えろ…この世界から、消えてなくなれええ!!」
僕の持つ剣の光が強まり、一筋の閃光が影を貫いた
422 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 01:10:10.09 ID:T0BHKld70
『お…おのれええええええぇぇ……』
影が、まるで夜闇に溶けるように消えていく
(主`ω´)「…」
(主^ω^)「や…やった…」
(;'A`)「なあ…今、最後変なの見えなかったか?」
(;´・ω・`)「…」
…………。
あれから僕等は気を失ったブーンを連れ、大急ぎでその場を離脱
どうにか無事逃げ切る事ができた
気付けば空はすっかり青に染まり、東の空が少しずつ赤みを帯びていく
夜明けは…もうすぐそこまで来ていた
427 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 01:12:15.42 ID:T0BHKld70
(´・ω・`) 「さて、ホライゾン…今度こそお別れかな?」
(主^ω^)「うん…DATは手に入れたし…そろそろ行かないと」
('A`)「…もう、さよならなのか」
( ´ω`)「………」
( ゚∀゚)「おいおい…辛気くせえ顔してんじゃねえよ、」
ずっと気を失っていたジョルジュさんだったけど
つい先程目を覚ました、ぐちゃぐちゃだった腕もすっかり元通りに治り
今はさっき死にかけていた人間とは思えないほど元気そのものだ
( ゚∀゚)「ありがとうな、ホライゾン、本当は俺が守ってやるつもりが
逆に助けられるとはなぁ…流石に思ってなかった、ははっ」
( ^ω^)「…僕も、おかげで助かったお」
(主;^ω^)「そんな、僕は別に…」
どうにも彼等は僕があの剣を使い、みんなの傷を癒し、助けたと思っている
今更これがDATの力だどうこうとは言い出し辛くて…あえて訂正はしていない
430 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 01:14:12.08 ID:T0BHKld70
まあ、何より悪い気はしないから…いいよね、それくらい
( ´ω`)「でも…もう行っちゃうんだお? 何かお礼がしたかったお」
(;'A`)「俺もだよ…なんかめちゃくちゃ格好悪いとこ見せちゃったしさ
だいたいあれは俺の失p」
( ^ω^)「…それは言わないお約束だお?」
('∀`)「ああ…でもさ、やっぱもうちょっとくらい居ても」
(主^ω^)「…ごめんお、でも僕にもやらなきゃいけない事があるんだお」
それに正直…これ以上ここに彼等と居たら
今よりもっともっと別れが名残惜しくなってしまう、だから…
(´・ω・`) 「あらら、随分かっこいい事言っちゃって」
(主;^ω^)「う、いつの間に…」
気付けば横に立っていたショボン、彼は僕に近づき
囁くようにそっと僕に告げた
(´・ω・`) (君があの時逃げなかったから僕等が助かった、これは事実だよ)
432 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 01:14:56.88 ID:T0BHKld70
(主;^ω^)「お!?」
(´・ω・`) 「ふふっ…」
そうして、笑いながら僕の側を離れる
……彼は全部気付いているのかもしれない、そう思わせる笑顔だった
(主^ω^)「…それじゃあ」
( ゚∀゚)「ああ」
懐に入れておいた、もう一つのDATを取り出す
(´・ω・`) 「それがDAT?」
(主^ω^)「…そうだお」
それを…虚零と呼ばれた剣に近づける
(;'A`)「あ…」
淡い輝きが、その剣アゾットを包み、光の塊が出来上がる
434 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 01:16:20.03 ID:T0BHKld70
やがて二つの光は混じり合い、広がっていく
僕の手を、肘を、肩を……光がゆっくりと包み始めた
(;゚∀゚)「こいつは…」
(;'A`)「そっくりだ、俺達が来た時と」
(主^ω^ 「そういえば…ねえブーン、最後に聞いていい?」
一つ気になる事があった…
( ^ω^)「…何でもどうぞ、だお」
(主^ω^ 「君、時折口調とか声が変わったりしてたけど…あれは何だお?」
(;^ω^)「ああ、あれは…その、何て説明したらいいのか…うーん…
…とにかくこの剣のせいだお」
(主^ω^ 「そういえば、あの時は確か…」
437 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 01:17:59.17 ID:T0BHKld70
彼が腰に下がる剣を引き抜く
やはりあの時とは全然違う、ざらざらとした表面が浮き上がる何の変哲も無い剣だ
( ^ω^)「…これは太陽がある時のみ、力を発揮する剣なんだお」
(主^ω^ 「太陽が?」
( ^ω^)「だから太陽の剣…なんて言われてるお」
(主^ω^ 「へえ…じゃあその剣のせいで人が変わったようになっちゃう感じ?」
(;´ω`)「ま…まあ、そんなところだお」
(主^ω^ 「よくわかんないけど…いいやwじゃあ、行くね」
( ゚∀゚)「…がんばれよ」
('∀`)「さよなら」
(´・ω・`) 「じゃあね」
(主^ω^ 「うん、みんなも…本当にありがとう」
440 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 01:19:02.19 ID:T0BHKld70
( ^ω^)「……それじゃあ僕も最後に一つ、いいかお?」
主^ω^ 「うん、何?」
( ^ω^)「君は言ったお? どんな事があってもDATを手に入れるって」
主^ω^ 「え…うん、一応そのつもりだけど」
( ^ω^)「…ジョルジュさんがあの時…
死にかけてまで僕等を守ろうとした時…どう思ったかお?」
主;^ω^ 「え…ええ?」
突然何を言い出すんだろう…言いたい事がよくわからない
主^ω^ 「うーん…」
( ^ω^)「…それを、今思ってる事を…その気持ちを、忘れないで欲しいんだお」
主^ω^ 「どういう…こと?」
( ´ω`)「…自分を犠牲にして何かを守るんじゃ駄目なんだお…
その考えじゃ…いつか自分を失い、周りさえも傷つける」
442 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 01:20:46.59 ID:T0BHKld70
('A`)「…」
(;゚∀゚)「…」
( ^ω^)「例え自分を犠牲にしても、大切な何かの為に戦い『続ける』
…そんな意思こそが、一番大事なんだお」
主^ω 「戦い、続ける?」
段々と景色がぼやけ始めた
( ω ) 矛盾するその意味が、違いが、今は理解できないかもしれないけど
…忘れちゃいけないお
視界が ゆっくりと白に染まっていく
447 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 01:23:02.16 ID:T0BHKld70
主^ …君はいったい、誰なんだ?
( ω )「僕は」
自分でも 何故そんな事を聞いたのか分からない
けれど 聞くべきだと そう思った
「内藤ホライゾン…だお」
もう 何も見えない 彼の姿は見えない けれど最後に
間違いなく 聞こえた
僕と同じ口調 同じ癖
内藤 ホライゾン ああ そうか そうだ 君は…
453 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 01:24:58.41 ID:T0BHKld70
目の前が白くなると同様に 思考も白く染まり 浮かんだ何かは消えていく
そうして
妙に心に引っかかる その名を思いながら
再び僕は 世界を巡る旅に出たんだ
460 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 01:27:50.82 ID:T0BHKld70
【次回予告】アフレダスー エナジー イカレルー エニシンー
463 名前: 料理評論家(栃木県) 投稿日: 2007/03/13(火) 01:31:03.30 ID:T0BHKld70
ミ,,゚Д゚彡『さーて!次回の巡るようですは~!?』
从*゚∀从『次は◆NscXkUt6VEさんの('A`)のペンは進まないようです
の世界だ、んー明日が待てねえぜ!』
川 ゚ -゚)『受験の失敗、挫折、出会いと変化に恋心…彼の筆は停滞する』
( ^ω^)『様々な重圧に悩むドクオの青春物語だお』
('A`)『と、今回はあの受験よりも過去のお話』
(´・ω・`)『中学時代…恋も知らず、勉強の日々、青い春は未だ見えぬ遠い先
そこへ現れるのはDAT、その存在は彼の日々に何を起こすのかな?』
ζ(゚ー゚*ζ『次回 世界を巡る 第4界 「ペンが進まない編」 』
ミ,;゚Д゚彡『あれ? 俺の台詞は』
( ゚∀゚)o彡゜『合作は最初から最後までクライマックスだ!次回もお楽しみにな!!』
川 ゚ -゚)『読んでくれなきゃ…泣いちゃうぞ?』
ミ,;゚Д゚彡『ちょ、あの…あれ?』
to be continue…
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