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 空条承太郎は商店街付近を慎重に巡り、仲間を、そしてゲームに関する何らかのヒントを探していたのだがいまだにたいした収穫はなかった。

 それでも緊張の糸を切ることなく慎重に歩き続ける。前方に何かが見えてきた。何かが道に落ちている。
「やれやれだぜ」
 道に落ちていたのは靴のムカデ屋と書かれた看板であった。

 おそらくここで戦いがあったのだろう。その戦いによって看板がこの店の壁から外れ、道路に落ちたと言う事だ。
 つまり、ゲームに乗っている参加者はやはりいるのだろう。もしかすると、ここで戦った参加者はDIOかもしれない。
 仮にここで、戦いがあったとすれば、マーダーはまだ、店の付近にいるはずだ。
 いや、もしかすると、店の中にいるかも……

「推測の域は出ねえが……な。スタープラチナ」
 承太郎を守護する史上最強のスタンド、スタープラチナを発現させる。

 ゆっくりと神経を研ぎ澄ませながら店の中へ入っていく。
 承太郎はマーダーに出会うかもしれない事態にどこか喜びを感じていた。
 『ゲームに乗ったクソ野郎』を思い切りぶちのめしてやりたい。そうDIOのかわりに。DIOにぶつけられなかった怒りをかわりにぶつけてやりたい。
 そんな心境だった。

「やれやれだぜ。全く……」

 結局、店には誰もいなかった。二階も慎重に調べたのだがやはり誰もいない。
 二階の窓から静かな杜王町を見渡す。異常は何もない。こうして見ると、平和で静かな町のようにしか見えない。

 緊張で喉が乾いたのか、デイパックから水の入ったペットボトルを取り出し喉を潤す。
 ペットボトルを取り出した際に承太郎の支給品である『何の変哲もない二つ折りの紙』も同時にデイパックから出てしまい、床に落ちてしまったのだが、
 承太郎はそれに気づかなかった。いや、こんなハズレアイテムにはもはや何の興味もないだけなのかもしれない。

『カタン』
「ッ!」
 物音がしたッ今!家具が軋んだだけか?
『カタンカタン』
 承太郎は異変確信し、ペットボトルを床に置いた。そして再びスタープラチナを発現させる。
『カタカタカタカタカタカタカタカタカタ』

 ちがう。これは。わかりかけてきた!家具が軋んでいるわけではない。家全体が、地面自体がゆれている。向こうの道路から何かが走ってきている。
 これはッ!


「地響きかッ!何かが接近しているッ!」
「BBAAWWWWWWWWOOOOOOOOOOOOOOOOッ!やはりこの乗り物はいいッ!爽快だッ!」

 窓から見える。まさに、目を疑ってまう光景だ。あの獰猛な『乗り物』を軽々と操り機嫌良く叫ぶ巨大な男、その横に威風堂々と存在するこれまた巨大な男。
 まるで恐竜のような馬は猛スピードで道路を突っ走りムカデ屋に近づいてきている。

「なんだか知らねえが……真夜中に騒音を撒き散らすってのは、マナー違反だぜ」

 『馬』が近づいてくる。もうそろそろムカデ屋の前を通るだろう。地響きが少しずつ強くなっていく。
 拳を硬く握り締める。

 この時、承太郎は気づいていなかった。落としてしまった支給品である『紙』の行方を。
 紙は、吸血馬が生み出す振動によって……開きかけている。紙は、承太郎の足元にあるッ!

 馬が今、ムカデ屋の前を通るッ!
「オラァッ!」
 承太郎は窓に向かって拳を放つ。ガラスのシャワーを浴びせるつもりだ。

 今、紙が開くッ!

「うぎゃあぁああッあす!」
「なッ!」
 ポ……ポルナレフ、セリフを借りるぜ。

 ありのままに起こったことを言おう。
 『窓を殴ったかと思ったら、人間ではない奇妙な奴を殴っていた』
 何を言いたいのか分からねえかもしれないが自分でもどう言っていいか分からない。
 頭がどうにかなってしまいそうだ。
 DIOの時止めだとか恐竜馬登場だとか、そんなチャチなものでは断じてない。
 もっと恐ろしい、恐るべき支給品の片鱗を感じたぜ。

「ワムウ様ッこの付近には建物がたくさんあります!この辺で拠点となる建物を探していきましょうッ!」
 大男の叫びと共に馬がムカデ屋の前を通過して行く。
 数十秒後には町の闇に消え、馬と男達はもう見えなくなってしまった。


「アガカ……ガ……」
「やれやれだ。想像を超えることが多すぎるぜ」

 目の前の人型の物体はどうやらスタンドのようだ。
 頭に拳を打ち込み風穴が開いたというのに、なぜかこのスタンドは消滅していない。(苦しんでいるようだが)
 頭に大穴を開けられていながら生存するなんてことは、おそらくあのDIOでも不可能だろう。
 それどころか、みるみるうちに傷が塞がっていく。

「質問するぜ。おまえは何者だ。答えねえと、もう一発ぶちこむぜ」
「お、おお、だんな様。わ、私の名はヨーヨーマッ、スタンドです。本体であるDアンGは『荒木飛呂彦』に捕らわれています。
 私はだんな様の支給品でございます」

 スタンドが支給品……荒木も妙な事をする。しかし、ありえないな。こいつが言っていることが本当なら……こいつは恐るべきスタンドだ。

「いろいろと質問するぜ」
「どうぞ、だんな様」

 もう完全に傷は治癒している。こいつの本体である『DアンG』って野朗は吸血鬼をも越えた存在なのか?

「おまえに話してもらうことは三つ。おまえのできること、とできないことについて、DアンGについて、そして……おまえを殺す方法だ」

 『おまえを殺す方法を話せ』
 ヨーヨーマッはこの言葉に対して何か反応を示す、と俺は考えていた。スタンドとは人間が操るモノだ。
 だから、怯えだとか警戒だとか、そんな反応をするはずだ。
 しかし、ヨーヨーマは何の反応も示さずにダービー弟を思い出してしまうような丁寧な口調で静かに話し始めた。

「……では最初の私にできることについて。
 まず私はだんな様の召し使いでございます。なんでも命令してください。日常的な雑用であればだいたいはこなせますし、
 決してだんな様の足手まといにはならないでしょう。

 次にできないことについて
 私は参加者を攻撃することはできません。いかなる方法であろうと、です。もちろん私の能力も封じられています」

「能力を封じるだと、どうやって封じられたんだ?」
 質問は後でまとめてしようと思っていたが、思わず反射的に質問してしまった。

「余り覚えていないのですが……
 おそらく私はまず『DアンG』に『能力を使うな』と命令されました。私はスタンドですが、ある程度の自我があります。本体の命令は絶対です。
 次に、『荒木飛呂彦』によって私の追跡レーダー。この角です。これを狂わされたのでしょう。
 よだれを出さない生物の脳を追跡レーダーにつないだりして。さらに……」


 ヨーヨーマッは懐からマスクを取り出し装着した。

「この私のよだれでも溶けない素材でできたマスクを使い、よだれが飛び散るのを防ぎます。まあ私はスタンドですので意味はないのかもしれないですけど。
 あっ、よだれで対象物を溶かすというのが私の能力です。

 あとは、私の体に『攻撃できない』と何者かが書き込んだような……ここは本当に定かではないのですが……
 今の所、何も溶けていないようなので私の能力はうまく封じられているというわけですね」

 なるほど考えたもんだな。しかしこいつが俺の召し使いか。役に立つのだろうか……。

「もし仮におまえが能力を使ったり、攻撃を行ったとしたら……どうなる?」

「……私は消滅します。『荒木飛呂彦』が『DアンG』の首に巻きつけた首輪を爆破させて。
 つまり、それが私を『殺す方法』の一つというわけですね」
「ほかにもあるんだな。『殺す方法』が」

「ええ。もちろんあります。
 私の主人が。つまり今のだんな様が死んだ時、私も同時に消滅します。同じように『荒木飛呂彦』が『DアンG』の首輪を爆破させて。
 あと、私が主人からある程度の距離、離れれば私は消滅します。だいたい20メートルくらいでしょうか。
 私がだんな様からそのくらい離れると『DアンG』は殺されてしまいます。
 それくらいだと思います。私を殺す方法は……。私はだいたいの物理的ダメージに耐えられますし」

 俺が死ぬまでこいつは纏わりつくのか。こんな気色悪いスタンドが……。

「例えば……俺がおまえにこう命令するとしよう。『おまえの主人は今から花京院だ。花京院について行け』……どうなる?」
「花京院様が『同意なされば』花京院様が私の主人となります。しかし、だんな様が命令なさった時、花京院様が私の視界内にいなければ、
 主人を変えようがないので、その命令は残念ながら無効となります
 その他、私を『死』に向かわせるような命令には、申し訳ありませんが従いかねます」

 『荒木』、考えてあるな。とりあえずはこいつといなければならないのか。

「おまえの話を聞いての推測だが、『ヨーヨーマッ』のダメージ、イコール『DアンG』のダメージではないのか?」
「そうです。DアンGは普通の人間。私のように頭に穴を開けられて生きていられる化け物ではありません」

 なるほど。だいたいの疑問は片付いた。『ヨーヨーマッ』とはスタンドの概念を打ち破った、恐るべきスタンドらしい。

 ふと、窓の外を眺めると夜の闇は消え町はずいぶんと明るくなっていた。


「そういえば、おまえ紙から出てきたな?」
「はい。ある少年のスタンド能力です。その少年も『DアンG』と共に捕らえられています。やはり、首輪を撒きつけられて……」

 共犯者ってとこか。いや荒木に利用されているからむしろ被害者か……。その二人だけではないかもしれない。

「間接的に攻撃することは可能か?爆弾のスイッチを押すとか」
「できません」

「俺がおまえを『使って』攻撃するのは可能か?俺がおまえの体を相手に向かってぶん投げるとか」
「できるかも」

「死ねと命令したら?」
「従えません」

「何か持っているか?」
「マスク以外何も持っていません」

「参加者の中で知っている者はいるか?」
「いません。誰とも面識はありません」

「おまえの主人を相手の同意なしに変えさせることは?」
「できません」

「俺に纏わりつくな。と命令したら?」
「従えません」
「無理なのか?」
「申し訳ありません。纏わりついて主人の世話をするというのも私の能力です。
 ですから私があなたから勝手に20メートル以上離れて自爆するというのも、まずありえません」

 なるほど。まあ見張りとかパシリに使えるだろうな……。意外と使えるかもしれない。スタンドだから遠慮する必要はないしな。

「つまりこういうことか?おまえは『攻撃できず、主人からも離れられないあわれな下僕』」
「Exactly(そのとおりでございます)」

「……やれやれだぜ」

 まあ何はともあれ、協力者ができた。これは喜ぶべきことだ。ハズレと思っていたがどうやらこれは当たりアイテムらしい。

「そこの窓から外を見張ってろ。地面に落ちている血を辿って誰かが来るかもしれない。少し仮眠をとるから話しかけるなよ。放送3分前になったら起こせ。
 誰か来たり、何か異変があった時も起こせ」
「承知しました」

 あの大男が落とした血だろうか。スタープラチナの視力は地面に落ちている血を捉えた。あの血を辿ればあの大男達のもとに行けるだろうが……
 それよりも、血痕を見つけ、血の跡を辿ってくる奴と接触した方が賢いだろう。見るからに危なげな大男達のもとに行って戦う必要はねえしな(ヨーヨーマッ
 を殴って精神的イラツキも収まったぜ)
 血を辿ってくる奴がジジイ達だといいんだが……。

 こんな状況で眠るなんて無理かもしれないが、とりあえず、当面はすることがない。体を休めておこう。

 承太郎は横になり不気味なヨーヨーマッを少し眺めた後、静かで浅い眠りに落ちた。


【ムカデ屋二階(F-04)/一日目/早朝】
【空条承太郎】
[スタンド]:スタープラチナ
[時間軸]:ロードローラーが出てくる直前
[状態]:睡眠中、冷静(DIOに対しての怒りはある)
[装備]:なし
[道具]:デイバッグ
[思考]1、放送まで仮眠をとる
   2、ヨーヨーマッを下僕として利用する
   3、仲間や協力できそうな参加者を探す
   4、荒木打倒
   5、DIO殺す

【ヨーヨーマッ(支給品)】
[現在の主人]空条承太郎(主人変更の命令があれば主人は変わる。ただし変更対象人物の同意が必要。
             主人変更の命令をされた時、次の主人候補がヨーヨーマッの視界に入っていなければ命令は無効化される)
[装備]マスク
[持ち物]なし
[任務]1、二階の窓から外を見張る。異変があれば承太郎に知らせる
    2、放送3分前に承太郎を起こす
    3、承太郎の睡眠を邪魔しない
[備考]・ヨーヨーマッは攻撃できない。能力も完全に封じられている(主人がヨーヨーマッ自体を利用して攻撃というのは可能かもしれない)
    ・主人の命令には絶対服従。しかし、命令を曲解して受け取ることもあるかもしれない。(ヨーヨーマッを殺すような命令には従えない)
    ・ヨーヨーマッは常に主人の半径20メートル以内にいなければならない
    ・ヨーヨーマッの主人が死んだ時またはヨーヨーマッが規則を破った時ヨーヨーマッは消滅する(荒木によってDアンGの首輪が爆破される)


【闇の重戦士チーム 宇宙人添え】
【ムカデ屋付近 (F-04) 1日目 早朝】

【ワムウ】
 [モード]:『風』
 [時間軸]:首だけになり、ジョセフが腕を振り下ろした瞬間
 [状態]:服が少し焦げている
 [装備]:手榴弾×9
 [道具]:支給品一式
 [思考・状況]
  1) この辺でベースとなる建物を探す。
  2) カーズを探し、本人か確認する。本人なら従う。偽者と判断した場合は殺す。死んだなら無視。
  3) できればジョセフとは再戦したい。
  4) 戦いを楽しみつつ、優勝を目指す。ただ深追いはしない。
  4) 従者として、しばらくはタルカスを従えておく。

【タルカス】
 [種族]:屍生人(ゾンビ)
 [時間軸]:ジョナサンたちとの戦いの直前。ディオに呼ばれジョナサンたちと初めて対面する前。
 [状態]:無傷。
 [装備]:吸血馬1頭+チャリオット、【ミキタカが化けたフック付きの長い鎖】。
 [道具]:支給品一式
 [思考・状況]:
  1) ワムウへの絶対的な忠誠。
  2) ワムウと共に戦う。戦いの愉悦を彼の下で楽しむ。
  3) 日中を凌ぐ隠れ家を探す。
  4) 取り逃した虹村形兆、ブチャラティ、ミキタカへの僅かな執着心(ワムウの命に背いてまで追う気はないが)

【ヌ・ミキタカゾ・ンシ】
 [スタンド?]:『アース・ウィンド・アンド・ファイアー』
 [時間軸]: 鋼田一戦後
 [状態]:【フック付きの長い鎖】に化けた状態。タルカスに片手で握られ、肩に掛けられている。指先から出血。
 [装備]:なし
 [道具]:ポケットティッシュ (支給品一式はブチャラティが持っています)
 [思考]:
  1) タルカスたちには絶対に気付かれたくない。そのため、当面はただの鎖のフリを続ける。
  2) タルカスたちに気付かれないうちにこっそり逃げ出したい。
  3) 脱出後、ブチャラティたちとの合流を図る
  4) 味方を集めて多くの人を救いたい。
 [備考]:ミキタカは形兆のことを「ゾンビのようなもの」だと思っています。

 [備考]:タルカスもワムウも、タルカスが手にしている鎖がミキタカであることにまだ気付いていません。
 [備考]:ミキタカは自ら道路に血を垂らし、ブチャラティたちが追う手がかりを残しています。
     彼らが通った道には、点々と血の跡が続いています。タルカスたちはまだ気付いていません。
 [備考]タルカスや吸血馬がうるさかったので誰も承太郎達に気づきませんでした

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11:ヘヴィだぜ… 空条承太郎 60:スタープラチナは止まらない
45:真の《殺戮のエリート》 ワムウ 68:怪物に捕らわれた異星人について
45:真の《殺戮のエリート》 タルカス 68:怪物に捕らわれた異星人について
45:真の《殺戮のエリート》 ヌ・ミキタカゾ・ンシ 68:怪物に捕らわれた異星人について