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ジョースター卿、エルメェスさん、仗助、ミキタカの4名は、DIOの棺を持って駅内部へ入って行った。
そのまま屋上へ運び、埋葬する為だ。
その後喪苦闘も捧げるであろう事から、暫くは彼らは此処を動かないだろう。
俺はナランチャと2人で周囲の警戒を行なっていた。
そして2人で駅回りを歩いていた時の事。
「ブチャラティ!南方に反応1つ!」
「!相手の予測はつくか?」
「わからねぇ。呼吸量から人間って事位だ」
「解った。その男には俺が接触する。
ナランチャは周囲の警戒を続けながらジョースター卿たちへ連絡してくれ」
「え?全員で向かった方が良いんじゃねぇの?」
「駅に引き返している間に反応を見失う可能性があるからな。念の為だ」
「了解」
そしてナランチャは駅へと向かい、俺はナランチャの教えてくれた反応場所へ向かった。

* *


北上を続け、暫くした時の事だった。
「!」
首輪探知機が反応を示す。
誰だ?
どう対処するべきだろうか。
そう考えるまでも無く、相手の方から俺に向かって声を掛けて来た。
「そこに居る人物へ告ぐ。敵意が無ければ姿を現して欲しい。
そちらが攻撃しない限り、俺は貴方へ危害を加えない事を約束する」
「…」
聴いた事の無い声だ。
取り敢えず奴の言葉を信じるのなら、奴は無害って事になるが…。
「その言葉を信用する証拠を見せて貰いたい」
俺は返事をした。
「支給品を捨て、両手を挙げよう。それで構わないか?」
「あぁ」
そしてその男が言葉通りにするのを見て、俺は男の前に姿を現した。
「貴方は…」
「おっと待った!まだ動くな。
まだ俺はアンタを信用しちゃいない。
そのまま幾つか俺の質問に答えて貰おう」
男の発言を遮り、一方的に告げる俺。
「…」
対して男は、無言で肯いていた。
「名は?」
「ブローノ・ブチャラティ」
「アンタは一人か?」
「駅に仲間が5人居る。もう直ぐ此処へやって来る筈だ」
「アンタはスタンド使いか?」
「あぁ。スティッキー・フィンガーズと云うスタンドを操る」
「その場で見せてくれ。スタンドが不穏な動きをしたら敵と見做す」
「分かった」
そして、ブチャラティと名乗った男の背後に出現するビジョン。
「能力は?」
「あらゆる物にジッパーをくっつける事が出来る能力だ」
「OK。済まなかった。信用しよう」
そう言って俺はブチャラティの下へ近付いた。
まぁ、信用すると言ったのは口だけで、実際は最低限の警戒は解いていないんだが。
「有難う」
ブチャラティはそう言って、足元のバッグを拾った。
「貴方の名前を訊いて良いかな?」
「あぁ。自己紹介が遅れた。俺の名はシーザー。
シーザー・アントニオ・ツェペリだ」
俺の名を聞いて、ブチャラティの目が僅かに見開かれたような気がした。
何だ?俺の事を知っているのか?
「シーザー?仗助と鳩で連絡を取り合った?」
!!!
「仗助の事を知ってるのか?」
「あぁ。さっき言った5人の仲間の内の一人が仗助なんだ」
「どうやらお互い、話さなくちゃならない事が沢山あるようだな」
「あぁ」
そして俺は、ブチャラティと共に駅へ向かった。

* *


シーザーの話を聴き、俺は小さく溜め息を吐いた。
理由は他でもない。トリッシュの一件だ。
シーザーはゲーム開始直後に出会ったトリッシュと行動を共にし、
第一放送後、突如現れたトリッシュの父親に殺された。
紆余曲折あり、結果としてシーザーはトリッシュの敵を討ったとの事だ。
トリッシュの父親、それは俺達のボスの事に他ならない。
「ボスが…」
そして、この呟きが契機となった。
シーザーが俺の事情を知っていれば、この一言の意味を理解しただろう。
俺達が“一般市民に麻薬を横行させる”と云う手法に疑問を抱いている事。
ボスに近付く為にトリッシュを護っていたと云う事。
そして、今又ボスに裏切られたと云うショックに、その一言が漏れたと云う事。
しかし、シーザーにはまだそこら辺の事情を教えていなかった。
そして、事情を知らないシーザーがゆらりと立ち上がり、
「成程。テメェは奴の部下か」
と誤解をするのも無理の無い話だった。

 * * *

「ボスが…」
あいつを倒したとこまでを説明し終えた時、ブチャラティはポロリと洩らしていた。
「!」
その一言で俺は大体の所を把握した。
この発現の示す意味は1つ。
コイツはあのゲスの部下だと云う事だ。
ならば俺のする事も1つだ。
この男に…
「引導を渡してやるっ!!!」

* *


迂闊だった。
疑心に駆られ易いこの世界で、不用意な発言は控えるべきだったのに。
「波紋疾走っ!」
シーザーが繰り出す拳を避け、俺は大きく後ろに跳躍した。
間合いを取り、説得を試みようとするのだが、生憎と彼の方がその暇を与えてくれない。
隙間無くラッシュを仕掛けて来る。
腹に傷を抱えていると云うのに、とんでもないスピードで襲ってくる。
この男、ボスを葬るほどの腕前と云う事は、少なく見積もっても俺と同等以上の戦闘能力を有していると考えられる。
そして、この男は敵ではない。
俺のすべき事は“シーザーの誤解を解く事”であり、“彼を迎え撃つ事”ではない。
ましてや、彼の殺害など間違ってもあってはならない。
だが、当のシーザーはそんな此方の事情などお構い無しに攻撃を仕掛けて来る。
どうやらこの男、随分と“アツイ”性格のようだ。
彼の攻撃を裁きながら説得を試みるのは望み薄。
ならばどうするか。
答えは一つ。
「ミキタカがくるのを待つ…か」

* *


攻撃を仕掛けながら、俺はふと疑問に思う。
コイツ、反撃して来ない。
何故だ。戦う意思が無いのか?
そう考え、ふと、と或る事実に行き着く。
そう云えば、奴の仲間がこっちへ向かって来てると言っていた。
合流されると厄介だ。
俺は不意に転進し、ブチャラティに背を向けて走り出す。
「!?逃げるのか?」
「このままお前にのらりくらりとかわされて、お前の考え通り仲間に合流されては困るんでな。
此処は一旦退かせて貰うぜ」
「!」
考えを見透かされていたブチャラティの表情に動揺が走る。
が、その一瞬後には俺を追い始めていた。
奴としては、此処で見失うと、いつ奇襲を受けるか分からないと云う不安があるのだろう。
俺を逃す気は無いようだ。
だが、それで良い。
不意に俺は足を止める。
コレで俺とブチャラティの一騎打ちの部隊を設ける事が出来た。
俺を追いかけておきながら、いざ俺が止まると、ブチャラティは俺と一定距離離れた場に立ち止まる。
「聴いて欲しい事があるんだが…」
そしておもむろに口を開いた。
「聴く耳持たん!」
俺は拳を放つ。
そしてブチャラティは、スタンドを使ってその攻撃を受け止めていた。
バカめ。俺の拳を受け止めるとどう云う事になるか、思い知るが良いさ。
フッ。
「…?」
自然と歪む俺の口元を見て、ブチャラティは訝しく思ったようだ。
俺から間合いを取ろうとして、
「!!!」
腕が離れないのに気付いたらしい。
俺の拳がくっついたままの左腕が引っ張られ、バランスを崩す。
「こ、これは…!?」
予想外の事態に戸惑っているようだが、御丁寧に解説する必要も無い。
俺は左拳を奴へ繰り出す。
奴の顔面へ叩き込めば勝負は決まるし、万が一ガードされても、ガードした腕を固定すれば良い。
どっちに転んでも、俺の勝利は揺るぎない。
そう確信していたのだが…。
ブォンッ!!!
拳は空ぶった。
「!!?」
何故!?奴は俺に片腕を固定されて回避出来ない筈なのに!
何が起きたのか確認する為俺の右拳を見ると、そこには肘から上が切断された、奴の左腕があった。
アイツ、何て事をするんだ。
俺の攻撃から逃れるために、自分の腕を切断しやがった!
「…ん?」
切断された腕を今一度確認してみると、どうやらただ切断された訳じゃ無さそうだった。
先ず、血の一滴も出ていない。
更に、ジッパーのようなものが切り口についている。
そしてジッパーは、奴の上腕部に伸びていた。
つまりコレが、さっき奴の言っていたスタンド能力って事か。
恐らく奴は、自分の体をばらしたりくっつけたり出来るのだろう。
いや、自分だけじゃない。
他の物だって可能だと考えるべきだ。
つまり、奴の攻撃を喰らえば、俺はバラバラに解体されるって訳だ。
コレは、ディアボロの時のように“攻撃を喰らった瞬間波紋で固定する”と云う戦法は取り難くなった。
「…」
だが、本当に警戒するべきなのはスタンド能力ではない。
奴の洞察力だ。
奴の腕を固定してから、その直後に俺は二撃目を放った。
その間に、奴は動揺から立ち直り、固定のカラクリを看過し、二撃目へ最良の対処法を採った。
場慣れしているってのもあるんだろうが、それにしても頭の回転が速過ぎる。
ココは正攻法で攻めた方が良い。
そう考えた俺は、奴に向かって突進しようとし、
グイッ!
「っ!!!」
接着したままの奴の腕に引っ張られた。
「くっ」
そのまま建物の壁に叩きつけられそうになり、
パッ
俺は波紋の拘束を解いて、受け身を取った。
解放された奴の腕は、そのまま元通りになる。
やはり俺の考えた通りだったか。
奴の能力がどうやれば発動するのか、と云った疑問はあるが、
それはさておいて奴に向かって再度突進した。
この距離では、奴の攻撃が一方的に俺に届くからだ。
こっちはケガの具合もやばいってのに、全く呆れたハンディキャップ・マッチだぜ。
「ま。そんな事言ってても始まらねぇんだけど………………よ!」
最初から当てる気の無い捨てパンチ。
ブチャラティは当然のごとくそれをかわす。
そこまでは俺も織り込み済みだ。
俺が知りたいのはその先、“奴がどのような攻撃を仕掛けるのが”見極めておきたかったのだ。
地面にジッパーの亀裂を入れるか、ジッパーで開いた何かで俺を挟み俺を閉じ込めるか、
恐らくそういった類のスタンド攻撃を仕掛けて来ると俺は思っていた。
が、
「うおりゃあああ!!!」
予想に反し、奴が繰り出したのはただのパンチ。
俺の攻撃とは比較にならない位のハンドスピードだが、それを除けばただの拳だ。
俺は首をひねってかわす。
そしてその直後、俺は奴が拳を繰り出した理由に気付く事になる。
「!!!」
奴の拳が掠めた頬に、小さなジッパーがついていたからだ。

 * * *
「…!」
信じられない事に、シーザーは至近距離からのスティッキー・フィンガーズの攻撃を避けていた。
スタンドが避けるのなら解る。
が、この場合“生身の男が避けたのだ”。
つまり、シーザー自身の身体能力の高さを表している。
かすった頬からかすかにジッパーが開く。
クリーンヒットしたわけではないのでほんの僅かだ。
が、それが原因でシーザーには悟られてしまった。
「成程。アンタのジッパーは拳で叩くのが発動条件か。
逆に云えば、ただ念じたりする事でジッパーを発現させるのは無理って事だな」
鋭い。
俺に切れ目ない攻撃を仕掛けておきながら、俺の一挙一動をよく観察している。
ボスを斃したって時点で、彼の実力は相当なものであるとは踏んでいたが、此れは一筋縄では行かないな。
「なら、俺のやる事は1つだな。
テメェに攻撃する暇を与えず………斃す!!!」
攻撃を繰り出すシーザー。
防ごうものなら、シーザーの拳と接触した部分から何をされるか分かったものではない。
詰まる所、シーザーの攻撃は実質防御無視。
俺は避けるしかない。
が、前にも述べた通り、シーザーは身体能力がかなり発達している。
腹に傷を抱えているのにコレだけの体捌きって事は、万全の状態でかかって来られたらかなりヤバかったんじゃないか?
ともあれ、スタンドが無ければ常人とさほど変わらない俺では凌ぎきれない事は自明だ。
つまり、護りに回ってはならないと云う事。
俺は攻勢に出た。
「スティッキー・フィンガーズ!」
俺のスタンド攻撃に対し、シーザーがどのような対処をするかは一種の賭けだった。
俺の両拳が奴の体に縫い止められると、俺が手詰まりになりかねない。
が、シーザーは俺の攻撃を避ける事を選んだ。
どうやら向こうは向こうで、俺の攻撃を警戒しているようだ。
「フン!」
シーザーが後手に回ったのを契機に、スティッキー・フィンガーズが蹴りを繰り出す。
シーザーはしゃがんでかわし、その背後にあった壁に、蹴りが叩き込まれた。
「…そう云う事か」

今、コイツ何か呟かなかったか?
何となく嫌な予感が走ったが、みすみす奴に攻撃するチャンスを与える訳にも行かないので
スティッキー・フィンガーズの攻撃を絶えず仕掛ける。
そして、再び蹴りを繰り出した時の事だった。
「ビンゴ!」
シーザーが叫んだかと思うと、“蹴りに拳を合わせてきた”!
そして拳と足がぶつかり、
バチィッ!!
「ぐっ」
電撃でも走ったような衝撃を受け、俺は後方に飛ばされた。
壁に叩きつけられた俺の前に、シーザーが立ちはだかる。
「アンタの攻撃は喰らおうが防御しようが、ジッパーをくっつけられてバラバラにされる。
だから避けるしかない。そう考えていたんだがな。
一つ穴がある事に気付いた」
立ち上がろうとするが、先ほどのシーザーの攻撃を受けた衝撃の余韻が残り、上手く体を動かせない。
「アンタの蹴りを俺がかわした時、後ろの壁にジッパーは発現しなかった。
つまり、あんたの能力が発動するのはあくまで“拳撃のみ”と云う事だ。
ならば拳以外の攻撃は防いだり…」
何時の間にか拾っていた剣を振りかぶるシーザー。
「カウンターを叩き込めるって事さ」
ヤバイ!
俺は漸く思い通りに動き始めた体を横にずらし…
「せいっ!」
シーザーは剣を振り下ろした。

* *


どさっ。
切り落とされた、ブチャラティの左腕。
意外に俺の攻撃からの回復が早かった様だ。
隻腕となった奴に、俺の波紋攻撃を防ぐ手立ては無い。
が、ブチャラティはまだ策を弄しているようだ。
“それ”が何よりの証。
ったく、本当に抜け目ない奴だ。
「ハッ!」
スタンドの蹴りを剣で受け止め、その反動で俺とブチャラティの距離がやや離れる。
体勢を立て直した俺は剣を振りかぶって突進する。
ガシイッ!
剣を片手で受け止めるスタンド。
片腕を失い、片腕を防御に使った奴にまともな攻撃手段は無い。
蹴りその他の攻撃は、俺のカウンターを喰らって終わりだ。
そう。“そう思わせる事が奴の狙いなのだ”。
ブチャラティは…
「俺の腕が切り落とされたと思っているのなら、大間違いだ」
右手刀を振り下ろして来た。
やはり。
奴の右腕は俺の剣に切り落とされた訳じゃない。
奴自身のスタンドで切り離していたのだ。
剣を振り下ろした時の感触がそもそも無かったし、地に落ちた腕から一滴の血も流れない。
その事実に気付いていれば、難なく解る話だ。
俺は手刀に
「そんな事、百も承知なんだよ!」
カウンターの波紋を叩き込んだ。
奴の全身に再び巡る波紋。
「死ね!」
そして俺は、動かなくなったブチャラティに留めの一撃を放ち…
「もう一つ言い忘れていた事がある」
「え?」
予想外の事態に戸惑う。
コイツ、何で喋れ…

ドガガッ!!!

疑問が完全に形になる前に、俺はブチャラティの拳を喰らって意識を失う。
意識が飛ぶ直前に、奴のこんな言葉が届いた。



「俺の腕は、未だくっつけていないんだ」


 * * *
切り離していた腕を元に戻す。
恐らく腕に加えられたであろう“衝撃”が、くっつけた途端に全身に回らないか注意したが、どうやら杞憂だったようだ。
腕を切り離したまま攻撃した理由は他でもない。
奴の“衝撃”を全身に回らせないようにする為だ。
腕を切り落とされたふりをして、俺から切り離す。
シーザーは頭の回転が速い。
直ぐにその事実に気付くだろう。
そして、俺の“切断された筈の腕で攻撃をする”と云う考えにも到達する筈。
シーザーは、その俺の考えの裏を突いて来る筈だ。
つまり、俺の右腕の攻撃にカウンターを合わせる筈。
俺は、シーザーのその考えを利用する。
服はくっつけ、腕を切り離したまま攻撃し、カウンターを右腕に喰らう事で、あの“衝撃”が伝わるのを右腕止まりにする。
(攻撃の際、右腕がすっぽ抜けないように袖口を狭め、手首部分を締め付けておいた)
そして、その事実を知らず全身が硬直していると考えているシーザーが生む隙を突いて攻撃する。
かくして俺の作戦は成功した。
「………ハァ」
際どい戦いだった。
コイツが万全の調子だったら、負けていたに違いない。
俺が勝てたのは運が良かったからだけだな。
「さて…」
スティッキー・フィンガーズの攻撃を受けて胴から離れたシーザーの首を、再びくっつける。
意識を奪うには、脳へ血を通わせないようにするのが手っ取り早い。
案の定、シーザーは昏睡していた。
眠ってもらっている内に早々と仲間の下へと戻ろう。
シーザーが目を覚ます前に、ミキタカにやってもらうことが色々とある。
彼の誤解を解くのはそれからだ。
シーザーを肩に担ぎ、俺は北へ歩き出す。
「…」
にしても、この男は“アツイ”奴だな。
眠ったままのシーザーの横顔を眺めながら考える。
俺達がトリッシュを護衛したのは、ボスの命令だったからだ。
トリッシュの身を護ると云うより、ボスの命令を遂行するのが目的だったと云って過言ではない。
だが、シーザーは自らの意思でトリッシュを護ると決めていた。
一片の曇り無く、純粋にトリッシュの為を思って…。
俺達のトリッシュ護衛の旅も、シーザーみたいな人間が居れば、トリッシュも少しは救われたのかも知れないな。
「…」
そんな事を考えている内に、仲間の姿が見えて来た。
さて、先ずは皆への説明だな。

* *


「それにしても驚きましたね。
私達が埋葬している間に、ブチャラティさんがシーザーさんと合流していたとは」
「いや、それより驚きなのはブチャラティさんがシーザーさんと戦ってたって事だろ。
シーザーさんは仲間だと思っていたのに、戦闘になっちまった。
って事は、これから俺達が会う仲間とも戦う可能性があるって事だ。
誤解が発端となるかも知れないし、相手が心変わりしているかも知れない。
原因は幾らだって考えられるんだから」
「仗助の言う通りだな。だが、今回の一件は災い転じて福かも知れない。
ブチャラティのおかげで被害ゼロで済んだし、他の奴らに会う前にその事実に気付けたんだから、寧ろ収穫アリだろ」
「確かにそうっスね」
今、俺達3人(エルメェスさん、ミキタカ、俺)はシーザーさんの事で話している。
ジョージさん、ブチャラティさん、ナランチャさんは目を覚ましたシーザーさんを説得中。
ナランチャさんだけは周囲の確認もやってるんだけど。
シーザーさんについては、眠っている内にミキタカのヘブンズ・ドアーで俺達の敵ではない事を確認したし、
(ブチャラティさんと戦う事になったのは誤解が原因だった)
俺達へ攻撃出来ないようにしておいた(誤解を解いてからその書き込みを解除するつもり)から問題ないだろう。
「にしても、ドッピオの正体が掴めて良かったっスね」
「あぁ。そうだな」
………………
………

〜15分前〜

「ドッピオだ!!!」
ミキタカのヘブンズ・ドアーでシーザーさんを本にし、彼の事を全員で調べている時だった。
不意にエルメェスさんが大声を上げる。
「どうかしたんですか?」
「ココを見ろ!」
ミキタカの質問に本の一部を指差すエルメェスさん。
そこには1枚の写真絵があった。
映っているのは10代前半と思わしきガキ。
「この子供が…」
「ドッピオだ。この男、ドッピオと接触していたらしいな。
何があったんだ?」
「ちょっと失礼。私が詳しく読んでみます」
そう言って、ミキタカが読み始める。
少しページをぱらぱらと捲っていたかと思うと、不意に顔を上げた。
「大まかには把握出来ました。結論から言いますと、ドッピオさんはシーザーさんが斃しました」
「どう云う事だ?詳しく説明してくれ」
「はい。先ず…」
そしてミキタカは俺達に事の詳細を教えてくれた。
『変身能力』『時間を飛ばす能力』と云う、2つの能力を持つ男。
そしてその男が変身した姿である少年、ドッピオ。
シーザーさんとドッピオの対峙。
犠牲となったエリザベス・ジョースター、ルドル・フォン・シュトロハイム。
そして、死闘の末のドッピオ撃破。
「そうか…。彼にも色々あったのだね」
全てを聴き終え、ジョージさんがそう呟いた。
それは他ならぬ、この場に居たもの全員の気持ちだった。
………………
………

「結局、第三放送時に生き残っていた16人の内、早くも4人の死が確定したんスよね」
「あぁ。今此処に揃ったのは7名。残るは…」
「5名、ですか」
ミキタカの言葉に俺とエルメェスさんが目を合わせて肯く。
正念場が近付いて来たと3人とも実感していた。
その時、ジョージさんが俺達に向かって声を掛けて来た。
「其処の3人。待たせたね」
どうやら話し合いは終わったようだな。
俺達はジョージさんの下へ向かった。
「どうっスか?納得して貰えました?」
「あぁ。完全に俺の勘違いだった。ホント済まない」
俺がジョージさんへ向けた質問に、当のシーザーさんがブチャラティさんへの謝罪も兼ねて返事してくれた。
「いや、此方の説明不足もあったしな」
ブチャラティさんの対応はあくまで寛容。大人だよな。
「と云う訳で、シーザー君の誤解も解けた。
改めて彼を仲間へ迎え入れ、情報交換を終えた後に北へ向かおうと思う。
皆、良いかな?」
ジョージさんの言葉に、皆揃って肯く。
「良し。では、先ず此方の経緯を話そう」
………………
………

* *


「ワムウ!!?」
シーザー君に私達の経緯を話し始め、ポルナレフ君達の事を話している時だった。
ポルナレフ君とダイアー君がワムウと戦っていると云う話を始めた途端、シーザー君が仰天した声を出した。
「知っているのかね?」
「知ってるも何も…、奴ら“柱の男”は俺達の天敵です!
その、ダイアーとポルナレフと云う二人は、ワムウと交戦しているんですか!?」
「あぁ」
「なら一刻も早く助けに行かなければ!
ジョージさん。済みませんが、いまは一刻も早く二人の助けに向かう為に、貴方のお話は後にして頂けませんか?」
シーザー君の慌てぶりから察するに、ワムウと云う人物、相当に危険なようだ。
「解った。君がそう言うのなら、説明はポルナレフ君たちと合流してからにしよう。
皆もそれで構わないかね?」
肯く一同。
「では、早速出発しよう」
そしてジョージさんは立ち上がった。

 * * *
ジョージさんに続いて立ち上がろうとした時の事だった。
ポン。
誰かの手が肩に置かれる。
振り返ると、その手の主はこのチームの紅一点、エルメェスだった。
「何だい?麗しきレディーからのお誘いとは光栄だね」
…女性に嘘をつくのは必要悪なんだぜ?
「シーザーさん、フルネームはシーザー・アントニオ・ツェペリで良いんだよな」
「シーザーで構わないさ。名前に関しては君の言う通りだけど?」
俺を見るエルメェスさんの目は真剣だった。
「…」
無言で差し出すエルメェスさん。
それは“帽子”だった。
「これは…!」
親父から預かった帽子だ!何で此処に!?
「…ウィル・A・ツェペリ氏の遺品だ」
「!!!」
エルメェスの言葉に驚く。
爺さんの!?
いや、それ以前に爺さんは死んでたのか!?
「…」
無言で受け取る俺に、エルメェスさんが励ましの声を掛ける。
「悲しいのにきつい事言うが、元気出そうぜ。
今悲しんで立ち止まってたら、それこそポルナレフさん達が手遅れになっちまう」
「…」
俺は帽子を目深にかぶった。
爺さんの死は、やはり辛いものがある。
が、女性に気遣わせる訳にはいかねぇ。
震えそうになる声を何とか押しとどめ、辛うじてエルメェスに返事をした。



「あぁ。…解ってる」
【駅前(E-3)/1日目/夜中】

【荒木討伐隊】
[隊基本方針]
1)C-4へ向かい、ポルナレフ達との合流&ワムウ打倒
2)承太郎と合流
3)アヴドゥルとの接触。状況により、説得或いは打倒
4)合流後、打倒荒木

[隊共有情報]
  • 荒木のスタンド(荒木がウェザーに話した情報)
  • ゲームに至る経緯(荒木がウェザーに話した情報)
  • 首輪(ブチャラティ考察、荒木がウェザーに話した情報)
  • 各人物の連れて来られた時代



【ジョージ・ジョースター1世】
[能力]:逆に考える
[時間軸]:ジョナサン少年編終了時
[状態]:無傷。健康
[装備]:レミントン2連装デリンジャー(予備弾あり)、ホル・ホースの帽子(ミスマッチは承知の上)
[道具]:狙撃銃(予備弾あり)ナランチャの舌
[思考・状況]:
1)荒木打倒に向け、隊方針に従って行動する
2)荒木打倒方法を模索

【ブローノ・ブチャラティ】
[スタンド]:『スティッキー・フィンガーズ』
[時間軸]:サンジョルジョの教会のエレベーターに乗り込んだ直後
[状態]:無傷。健康
[装備]:無し
[道具]:支給品一式、首輪×2、ミキタカの舌
[思考・状況]:
1)荒木打倒に向け、隊方針に従って行動する
2)荒木打倒方法を模索

【東方仗助】
[スタンド]:『クレイジー・ダイヤモンド』
[時間軸]:四部終了時
[状態]:右大腿部に刺傷(応急手当済み)
[装備]:無し
[道具]:支給品一式、エルメェスの舌
[思考・状況]:
1)荒木打倒に向け、隊方針に従って行動する
2)でも、あんまりワムウには会いたくない
3)億泰達の死を悲しむのは、全てが終わってからだ

【ヌ・ミキタカゾ・ンシ】
[スタンド?]:『アース・ウィンド・アンド・ファイアー』(『ヘブンズ・ドアー』)
[時間軸]:鋼田一戦後
[状態]:無傷、健康
[装備]:無し
[道具]:支給品一式(地図無し)、ポケットティッシュ、ブチャラティの舌
[思考・状況]:
1)荒木打倒に向け、隊方針に従って行動する
2)出会った仲間の書き込み解除をする

【ナランチャ・ギルガ】
[スタンド]:『エアロスミス』
[時間軸]:ヴェネチア入り後
[状態]:無傷、健康
[装備]:無し
[道具]:支給品一式、ハート型の飾り(@DIO)
[思考・状況]:
1)荒木打倒に向け、隊方針に従って行動する

【エルメェス・コステロ】
[スタンド]:『キッス』
[時間軸]:スポーツマックスとの決着後、体調が回復した頃(脱獄前)
[状態]:無傷、健康
[装備]:ライフル
[道具]:ドル紙幣等、大量の石ころ、ウェザーの舌、仗助の舌
[思考・状況]:
1)荒木打倒に向け、隊方針に従って行動する

【シーザー・アントニオ・ツェペリ】
[時間軸]:ゲスラーのホテルへ突入直後
[状態]:『究極!深仙脈疾走』プラス『エイジャの赤石』による波紋能力アップ
[装備]:『幸運』の剣。ツェペリの帽子。
[道具]:支給品一式×3。エイジャの赤石。『矢の形をした首輪探知機』
[思考・状況]:
1)荒木打倒に向け、隊方針に従って行動する

投下順で読む


時系列順で読む


キャラを追って読む

117:愛と夢(前編) ジョージ・ジョースター1世 121:『箱庭の開放』(前編)~絶大は絶対の前には無力~
117:愛と夢(前編) 東方仗助 121:『箱庭の開放』(前編)~絶大は絶対の前には無力~
117:愛と夢(前編) ヌ・ミキタカゾ・ンシ 121:『箱庭の開放』(前編)~絶大は絶対の前には無力~
117:愛と夢(前編) ブローノ・ブチャラティ 121:『箱庭の開放』(前編)~絶大は絶対の前には無力~
117:愛と夢(前編) ナランチャ・ギルガ 121:『箱庭の開放』(前編)~絶大は絶対の前には無力~
117:愛と夢(前編) エルメェス・コステロ 121:『箱庭の開放』(前編)~絶大は絶対の前には無力~
118:鮮赤のシャボン シーザー 121:『箱庭の開放』(前編)~絶大は絶対の前には無力~