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『承太郎へ

俺達は吸血鬼を斃しに行く。
その後ココに戻って来て、第四放送前になったらC-4の病院で他の連中と合流するつもりだ。
状況に応じて駅前なり病院なりへ向かってくれ。

                                    ポルナレフ』

承太郎さんが指定したらしい、承太郎さんの仲間の居る場所には、一枚の置き手紙しかなった。
「どうします?」
アタシの言葉に、ジョージさんは冷静な分析を下す。
「ポルナレフ君の名も、ワムウの名も第三放送で呼ばれなかった。
と云う事は、ポルナレフ君達は駅前に行き、
タルカスと云う吸血鬼を撃破した後、現在ワムウと交戦中と考えるのが自然だと考える」
そこまでの意見を聴き、アタシにもジョージさんの考えが読めた。
「つまり、私達のすべき事は、ポルナレフ君達の助太刀だ」
いや、全く予想通りの結論っスよ。でもさ、
「その傷で行くのは無理があるんじゃないですか?」
そう、アタシ達はホイホイと戦闘に首を突っ込めるような状態じゃない。
はっきり言って、まともに戦えるのはアタシだけなんだから。
「確かにナランチャ君の傷は深刻だ。
此処に残っていた方が良い。
だから私とエルメェス君で駅に向かおう」
言うと思った。
この人の事だから、我が身を盾とすれば他の人達を護れる、とでも考えてるのだろう。
だが、そう云う訳には行かない。
あんたらを護るのがアタシの役割なんだから。
少なくとも、仗助だったらジョージさん達をみすみす危険に晒すような真似はしない。
だからアタシはこう提案する事にした。
「いや、駅にはあたし一人で向かいます。ジョージさんはナランチャの側に居て下さい」
「え?」
「ナランチャを一人にするのは危険です。誰かが側についてやらなくちゃならない。
ならば駅に向かうのは一人になるが、アタシとジョージさん、どちらが行った方が役に立てるかは火を見るより明らかでしょ?」
我ながら説得力あるね、今の説明。
「しかし、君も一人には…」
「大丈夫っスよ。アタシはあんなんでへこたれる位ヤワな女じゃ無いですって」
多分、ジョージさんは第三放送の事を気にして、アタシを一人に出来ないと言ってるんだろう。
第三放送直後、アタシはみっともなく取り乱しちまった。
徐倫、F・F、ウェザー、アナスイ、アタシの仲間の名が全員挙げられたのだ。
そんなんで平静を保ってろなんて方が無理だ。
最初は実感が湧かずに乾いた笑いが、その後は喪失感に涙が止まらなかった。
実際の所、今も全然平気じゃ無い。
少しでも気を緩ませると、茫然自失の状態になったり、再び涙が出そうになったりしそうだ。
でも、この人達を護る為にはそんな暇は無い。
それにさっき、ジョージさん達の居ない所でこっそり泣いたし………な。
結局、ジョージさんは
「…解った」
と、承諾してくれた。
「ただ、一つ御願いがあるのだが」
「ん?何スか?」
「君のスタンド、『キッス』と言ったね、そのシールで増やした私の舌を持っていってくれないか?
そして同じように増やした君の舌を、私が預かる」
「なるほど。トランシーバー代わりっスか」
一度肯き、ジョージさんは続ける。
「それに、万が一危険に晒されたら、私の舌のシールを剥がしたまえ。
そして私の元へ戻ろうとするその舌に摑まっていれば、すぐに此処へ戻ってくる事が出来る」
「ウッス。了解です」
何かジョージさんって、アタシよりキッスの使い方熟知してんじゃないか?
「では、済まないが駅前の事は任せる。何かあったらすぐに此処へ戻って来る位の慎重さで構わない」
「解りました。行って来ます」
「エルメェス君」
「はい?」
「本当に…大丈夫かね?」
ジョージさんの気遣いが心に沁みる。
俯いてしまいそうになる視線を無理矢理上げ、ついでに笑みを作って、
「大丈夫ですよ。仗助なんてアタシより辛いんスから」
そしてアタシは一人、駅へと向かった。
………………
………

「げっ!」
目の前の惨状に、アタシは思わず声を上げちまった。
『どうかしたかね!?』
ジョージさんの声が手元から聴こえる。
「いや、道端に変な生き物がぶっ倒れてまして、…死んでるな、コリャ」
『死んでる?』
「あ、イヤ、参加者じゃないっス。首輪付いてないんで。
ってか、どう見ても恐竜だよな。コレ」
『恐竜!?』
流石にジョージさんも驚いたらしい。
「えぇ。何でこんなトコで死んでるんでしょうね。あ、もしかして支給品だったりして」
軽口を叩きながら、アタシはざっと辺りを見渡す。
「あ、死体の側に帽子が落ちてんな。
派手なシルクハット。ジョージさんは心当たりあります?」
『それは、ウィル・A・ツェペリ氏のだな。承太郎君から聴いていた特徴に一致する。
ツェペリ氏の名は第三放送で呼ばれていた。恐らく其処で…』
ジョージさんは最後まで言葉を続ける事が出来なかった。
アタシもジョージさんの気持ちが手に取るように解る。
この町は異常だ。
どこを歩いても“死”を見せ付けられる。
もううんざりだ。遣る瀬無い。
『だが、残りの仲間であるポルナレフ君、ダイアー君の名は挙がらなかった。
恐らく彼らがその恐竜を斃したのだろう』
「了解。じゃあ、駅へ向かいます」
アタシは再び駅へと向かって歩き出した。
にしても、もし恐竜を斃したのが彼らなら、それ程の奴らが仲間になってくれるというのは非常に心強い。
荒木を斃す為の人材は大いに越した事はないし、何よりジョージさん達を護るのにアタシ一人よりも他に何人かいた方がいい。
「………と」
そんな事を考えている内に、駅に辿り着いた。
「ジョージさん。これから駅に入ります。
敵に居場所が割れるとまずいんで、暫くお静かにお願いします」
『了解した』
そしてアタシは、駅の内部へ潜り込んだ。

………………
………

「なっ!!!」
『どうした!?』
又声を上げてしまったアタシに、ジョージさんもつい反応してしまったようだ。
声を出さない約束を忘れ、何があったのかアタシに訊ねてくる。
「い、いや。大した事無いっス」
何とか返事するが、アタシは眼前の光景に驚愕していた。
目の前に破れた服、そして指や腕がころがっていて、夥しい血が撒き散らされていた。
その服には見覚えがある。
「プッチ………か」
『プッチ?第三放送にその名は挙がっていたが…』
「まあ、アタシや徐倫の宿敵みたいなモンですね」
このゲームでウェザーに会った時、アイツが教えてくれた事実を思い出す。
アタシ達の敵、『ホワイトスネイク』の正体はプッチだと。
『その、プッチと云う人物がどうかしたのかね?』
「そいつの死体が、今目の前にあるってだけです」
そう言いながら、辺りを確認する。
そして発見したのは、プッチの側にあるもう一種類の服。
誰のかは判らない。
可能性としては、プッチの仲間か、ポルナレフさん達か、はたまた吸血鬼のものか。
「…解らないな」
軽く呟いて、ジョージさんに目の前の惨状を報告する。
服の特徴を伝えても、ジョージさん達も判別はつかなかったようだ。
まあ、兎に角ポルナレフさんでもダイアーさんでもなさそうだが。
「………で」
それとは別に、目の前の光景に、疑問点が一つある。
“死体の殆どが無い”のだ。
首も、胴も、足も。
アタシが確認出来たのは、足先と指、腕の一部位。
爆死したとも考えられるが、今アタシが居る場所は、爆発の形跡がある場所から少し離れている。
つまり、アタシの頭に浮かんだ“仮説”が正しいのではと思い始めていた。
スポーツマックスという前例もあるしな。
アタシはジョージさんに確認する事にした。
「ジョージさん。吸血鬼って人間を喰らいます?」
『?済まない。私は良く知らないのだが…ナランチャ君、吸血鬼が人を喰らうかどうか知っているかね?』
そして僅かな沈黙の後、
『ナランチャ君も知らないそうだ。だが、何故そんな事を訊くのだね?』
と、質問を返してきた。
「さっき言ってたプッチの死体なんですけど、まるで誰かに喰われたような感じなんで」
『成程。可能性は有るな。が、確証は得られそうに無い』
「…ですね」
結論が得られないのなら、この問題に関しては保留、か。
「取り敢えず探索を続けます。又お静かにお願いします」
『了解した』
そしてアタシは奥へと進んだ。

………………
………

「ジョージさん、ジョージさん」
『どうかしたかね?』
「今、駅内部を一通り調べたんですが、誰も居ません」
『誰も?』
「えぇ。生死問わず一人も、です。さっきのプッチ達以外は」
『…そうか。戦闘しながら場所を移動したか、ポルナレフ君達と吸血鬼が擦れ違ったか…。
いずれにしても………!!!』
そこまで言ったジョージさんの息を呑む気配が伝わった。
何かあったことに気付くのに、時間は要らなかった。

 * * *

『ジョージさん!どうしたんスか!?』
私の動揺が伝わったらしい、エルメェス君の訊ねる声がキッスの舌を通して聴こえる。
「ジョージさん、何かあった?」
ナランチャ君も同じ事を訊ねる。
だが、私の視線は窓の外に固定されていた。
そこに映る景色、それは北へ向かう二人の男。
そしてその姿は、エルメェス君やナランチャ君から聞いていた特徴に一致していたのだ。
私はエルメェス君達への返答の代わりに、私の視界に入った“彼ら”を呼び止めた。
「そこを行く方達!
ブローノ・ブチャラティ君と東方仗助君とお見受けした!
私の名はジョージ・ジョースター!
済まないが、此方まで御足労御願い出来ないだろうか!?」

 * * *

「!!!」
北に向けて二人で歩いている途中、俺達はいきなり声を掛けられた。
(ミキタカはバッグになって変装&体力温存中)
「なんスか?今の声」
「あそこだ」
そう言ってブチャラティさんが指す先にあるのはカフェ・ドゥ・マゴ。
そして店の扉の側に、一人の中年紳士風の男が立っていた。
今の声は、あの人から発せられたのか。
にしても、あの人今、ジョースターって名乗ったよな。
年齢的にはブチャラティさんの親、ジジイ(ジョセフのことね)の子位の年齢に見え…
って、またジジイの隠し子じゃねぇだろうな、コラ。
「ブチャラティだって!!?」
そんな事を考えている内、もう一人、店内から飛び出すように出て来た奴がいる。
「!!!」
その姿を見て、俺は驚いた。
顔にひどい怪我を負い、失明しているのは明白だった。
目に巻かれた布切れが痛々しい。
「ナランチャ!」
その姿を目にし、いつもはクールなブチャラティさんの表情に驚きの片鱗が垣間見えた。
「あぁ!ブチャラティの声だ!
良かった!良かったよォォォ!!!」
前方へ手を出して探りながら歩こうとする、ナランチャとかいう少年。
その背を、ジョージさんて人が支え、二人でこっちへ向かって来た。
俺達も、彼らの方へ向かい、そして…
「ナランチャ、今まで良く頑張った」
ブチャラティさんが、ナランチャの手を握っていた。

 * * *

「これは凄い。仗助君、本当に有難う」
「仗助!サンキューな!」
仗助君は、私達に会うなり傷を治してくれた。
『クレイジー・ダイヤモンド』と云う、怪我を治したり物体を変形させたりする事の出来るスタンド。
非常に強力な能力だ。
特に、今まで塞がれていた視界を取り戻したナランチャ君は、本当に嬉しそうに仗助君に感謝の言葉を伝えていた。
「いや、当然の事をしたまでっスよ」
『ジョージさん!仗助がそこに居るんですか!?』
「!エルメェスさん!?」
突如聴こえるエルメェス君の声に、仗助君が驚いていた。
仗助君の声はエルメェス君に届かないので、代わりに状況を伝える。
「仗助君とブチャラティ君、ミキタカ君と云う3名と合流した。
エルメェス君も、一度此方へ戻って来たまえ。
私のシールを剥がして構わない」
『了解』
「今のは何ですか?」
そう訊ねるのはブチャラティ君。
「うむ。実は…」

バタン!!!

そこまで言い掛けた時、店の扉が突然開いて、エルメェス君が突入して来た。
そして、
「ぐっ!」
私の舌に走る激痛。
元に戻った時に亀裂が入ると云う、エルメェス君の能力の為だ。
「ただいま、ジョージさん!」
「エルメェスさん!」
「おぉ!仗助か!再会を喜び合う前に、ジョージさんの舌を治してやってくれねぇか?」
「え?」
仗助君は振り返り、私を見て驚く。
「あれ?ジョージさん、何で口から血を流してるんスか?」
「説明するから、まずは治してくれって」
「あ、ハイ。そうでした」
そして私は、もう一度怪我を治して貰った。

 * * *

「そこに居る四人、何飲みます?」
店の奥から仗助の声が聴こえる。
どうやら飲み物を用意してくれているようだ。
「アタシはアイスティーで」
「私もそれで御願い出来るかな」
「俺はアイスレモンティーを頼む」
「俺はグレープフルーツジュース!」
「了解。後、適当に何か食べ物作りましょうか」
「「頼む」」
そして仗助とミキタカが用意している間、
これから話し合う上での最重要事項を三人に教える。
――盗聴器の存在を。
ジョージ・ジョースター卿、エルメェス・コステロさん、東方仗助、ヌ・ミキタカゾ・ンシ、ナランチャ・ギルガ、
そして俺、ブローノ・ブチャラティ
六人が一堂に集まり、全員の自己紹介を終えた所で、それぞれの情報を交換する事にした。
だが、普通に話しては会話の内容が荒木に筒抜けになる。
彼らが盗聴の存在に気付いているかの確認も踏まえ、筆談で説明する。
しかし、彼等はその事を知っていた。
それも、他ならぬ荒木から説明があったと云うのだ。


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時系列順で読む


キャラを追って読む

104:捜索隊、結成 エルメェス・コステロ 114:荒木討伐隊②~考察~
104:捜索隊、結成 ナランチャ・ギルガ 114:荒木討伐隊②~考察~
104:捜索隊、結成 ジョージ・ジョースター1世 114:荒木討伐隊②~考察~
111:ブチャラティがCOOL! ブローノ・ブチャラティ 114:荒木討伐隊②~考察~
111:ブチャラティがCOOL! 東方仗助 114:荒木討伐隊②~考察~
111:ブチャラティがCOOL! ヌ・ミキタカゾ・ンシ 114:荒木討伐隊②~考察~