億奏……康一……露伴……
億奏……康一……露伴……

億奏……
あいつ、アホアホバカにしてたけど、肝心な所では根性見せる奴だった…
なにより…いい奴だった……

康一……
始め会ったときは気弱な奴だと思ってたけど……勇気もある……
あの承太郎さんにも頼りにされてたしな……

露伴……
あのいけすかねえ野郎が死んだってよ…まだ俺の髪型をバカにされたときの恨みは残ってる…
一字一句覚えてるぜ…「君のそのヘアスタイル笑っちまうぞ仗助!」
「20~30年前の古くさいセンスなんじゃあないの カッコイイと思ってんのかよお」
「こぎたない野鳥になら住み家として気に入ってもらえるかもなあ」

億奏……康一……露伴……
あいつらが死んだって…?そんなわけないだろ……億奏はガタイもいいし、度胸もあった……
康一はいざというときの根性なんて俺には真似できねえ……
露伴…認めたくはねえが自分を省みない奴だった……ひねくれてるけれどよォーッ!

あいつらが死んだなんて……そんなバカな話があるかよォーーッ!


* *


ガラガラガラガラ…
瓦礫が崩れた音がする。崩壊した駅の一部の下から、屍生人タルカスが瓦礫を持ち上げた。
常人のレベルでは致命傷といえる傷であったかもしれない。
しかし、生前ですら77の輝輪の試練を越えた戦士であったタルカスにとっては、
無傷やかすり傷、ではないにしろ戦うのに不都合なほどのケガでもなかった。

「ほう、タルカスよ。無事であったか。さすが屍生人、というわけか。」
主人は、瓦礫の中から這い出てきたタルカスにややひねくれている誉め方をした。

しかし、タルカスは黙ったままであった。だが、ワムウさえも威圧を感じる目であった。
「なにか言いたいことでもあるのか?お前の戦いの邪魔をしたことを怒っているのか?」
超一流の戦士であるワムウにも、その気持ちは分からなくもなかった。
しかし、気をとがめている、ということではなかった。その程度でのことで、いや、
本当に戦いを汚されたと感じているのに言葉で歯向かう程度の器ならばタルカスを見捨てようと考えた。

しかし、タルカスの答えはそうではなかった。
「いいえ、違います。ですがワムウ様、一つ言いたい事があります。」
食料である吸血鬼、その手下という身分であるはずのタルカスの言葉。
普通ならば切り捨てていたかもしれない。しかしその目と雰囲気はワムウの軽い言動を封じるものがあった。
「なんだ、言え」


「ワムウ様、私は……」

カタン……

人間の耳では聞き逃してしまうような小さな音であったが、屍生人と柱の男の会話を止めるには充分であった。

「ほう、来客のようだ。タルカス、客の相手は俺がしておこう。その間に考えをまとめておくことだな」

* *


この仗助様が男泣きかよォ~ッ誰か見てなかったよなァ~ちくしょう恥ずかしいぜェーッ
飛び出してきてよ、セッコはともかくエルメェスとウェザーには悪い事しちまったかなァ……
だけどよぉ……俺は一人でも多く「治す」って決めたんだ……もう俺みたいな奴が出ないようにな。
そのために……駅に行く。少なくとも誰かいると思うしな。
そういえば、名簿には俺の知り合いはあとどれだけ載ってるんだ?

手に握られている滲んだ名簿に目を通した。

まだ放送が流れていないのは……放送?そういえば、ジジイの名前が放送されたときに
色々聞き逃しちまったな、エルメェス達に聞いておけばよかったぜ……
で、俺の知り合いで今生き残ってるのは…
『空条 承太郎』……承太郎さんか。無敵のスタープラチナはそうやられることもないだろうし、大丈夫だろうな。
『山岸 由花子』……あの女か……殺されても死ぬようなタマしてねぇけど一応心配だぜ……
『噴上 祐也』……あのスケコマシか。憎めねー奴だけど案外骨のある奴だ、怪我でもしてなきゃいいが。
『ヌ・ミキタカゾ・ンシ』……あの宇宙人?はどうしてるんだ?結局なんだかわかんねーけど、ちゃっかり無事でいそうだな……
ん……虹村 形兆?ってあの形兆の兄貴か?死んだはずじゃなかったのか?ど、どうゆうことだ?
そういえば最初のときに出てきた重ちーも死んだはずだし……これが荒木の能力なのか?
死んだはずの『吉良 吉影』もいるようだし……どういううことなんだ?

仗助は少し考え、考えても無駄だと思い続きを読むのをやめ、名簿をしまい駅にむけて歩き出した。

なんにせよ、とにかく駅に向かうしかねぇな。
俺の知ってる奴らだけじゃなく、俺の知らない奴らでさえも、たとえそいつがどんな強面でも、
悪人面でも、ぶん殴ってきた奴でも「治す」。案外知り合いに出会えるかもしれねえしな。


治してやったらそいつも死んだあいつらのために祈ってくれるような人もいるかもしんねえしな……
あーあ、また名簿ぬらしちまった……

* *


こ、こいつはヘヴィーだぜ……

駅は半壊、一部は崩れかけていた。
しかも、これは比較的被害の少ない西側。
破壊の度合いで東から崩れ始めていることは仗助にもわかったが、東側の被害は予想できなかった。

まさかッ!このゲームに乗った奴……奴らかもしれねえな、がここで戦闘おっぱじめたってことかァーッ!?
こんな目立つところでよくもここまでやりやがるぜェ~ッ!

東側に周った仗助は、いつもとは違う駅の風景に更に唖然とした。
粉々。全壊。木端微塵。どの言葉を当てはめればいいかもわからなかった。
そして、スタープラチナ。ザ・ハンド。キラークイーン。仗助の知っているスタンド全てを思い出しても
ここまで破壊のできるスタンドはない、という結論に達した。

こ、こいつは、マジでヘヴィー……なんてもんじゃねーぜ……ど、どうやったらここまで建物を壊せるんだ……?
とりあえずここで戦闘、ないしはなにかが起きた事はコーラを飲んだらゲップが出るくらいに確実だぜぇ……
なにかが起きたってことは、誰かがケガしてるかもしれねえな……どれ、とりあえず入ってみるか……

粉々になったガレキの山、元駅の入り口であったであろう場所に近づく。

死んじまった者は助けれねぇけどよォ、こういうのを治すだけなら確実だぜ……

「クレイジー・ダイヤモンド!」
仗助のスタンド、クレイジー・ダイヤモンドは地面に転がっているガレキに拳を振り落とす。
すると、ガレキと化した駅の入り口は見る見る間に元の役割を果たせるよう入り口に戻っていく。

仗助は誰かが下敷きにでもなっていないか確認しつつ、この圧倒的破壊力を持った者を警戒しながらも
明かりがほとんどない、駅の中へと入っていった。

* *



「「おーい、誰かいるかァーッ!」」
「「ケガしてるなら返事しやがれーッ!」」

仗助は未知なる敵がいることをわかりつつも、彼の性格、心象上ケガ人を探さないわけにはいかなかった。
もちろん、百戦錬磨、とまではいかないものの、それなりの数の修羅場を潜り抜けてきた
クレイジー・ダイヤモンドを常に出し、臨戦状態に似たような状態でゆっくりと歩いていた。
そして落ちている元々地面であっただろう破片を周りに投げ、音で暗闇でもどちらが行き止まりかわかるようにしていた。
だが、ここは仗助のホーム・グラウンド。細部まではさすがに覚えていないものの、大体の駅の内部は把握していた。

やれやれ……ここはT字型の道、突き当たりだったよなぁ……右か左か……どっちに行くかねえ……
奇襲にも気をつけなきゃいけないしよォ・・・・・・

バリンッ!
地面の砕け散ったガラスの割れる音!

な、なんだッ!?今の音はッ!方向は右のあたりの地面だ、少なくとも俺の出した音じゃないはず……
ということは……あの駅を木端微塵に破壊した「敵」か!?

仗助はT字の道の中央に荷物を置き、あたりを警戒しつつ見回す。だが、なにも見えない。
光はところどころにある木漏れ日だけだが、既に暗闇にはなれたはず。
しかしいくら目を凝らしても右の方向になにかを見つけることはできなかった。

気、気のせいだったのか……い、いや、違う……
なんとなく、勘、虫の知らせって言うのかな……気のせいじゃねーってことはなんとなく分かるぜ……
殺気、とは違う、でもビビっちまうような気配、こんなもんはどんな相手にも感じた事はねーぜ……

「誰だかしらねーが出てきやがれッ!こっちには戦うつもりはねーが、襲ってくるなら容赦しねーぜッ!」

少し警戒し、クレイジーダイヤモンドを出しながら何歩か下がる。
しかしなにも起こらない、あれは足音だと思ったが、次の音は聞こえてこない……
地面からの音だ、これだけガラスや瓦礫だらけなら二歩目を踏み出す、いやそれ以前にそこまで来るのに
足音が聞こえないはずがない。
まさかもしかして気のせいだったのか…!?

ヒュウウウウ……
風を切る音。

ドガァァァァァッ!
なにかが仗助にめり込む。
「うおおおお!?な、なんだァーーッ!」

なにもないところから急に大男が現れ、仗助の胴体を襲った。
が、仗助はクレイジーダイヤモンドで大男を弾き、反動で少し吹っ飛ぶ。

「ほう、『なにか』でどうやったかは分からんが身を守ったか。人間も波紋だけではなく色々な進化をとげたようだな
だが、お前のセリフ戦うつもりはないが、襲ってくるなら容赦はしない……いつでもこんな人間はいるものだな。」

大男はややしわがれた声、だがその声には凄みがあった。

「な、なにもんだてめぇはッ!?」
こ、こいつ、『なにか』だって……スタンドが見えてるってことはこの破壊力はなんらかのスタンドによるものなのか?

「柱の男、我が名はワムウ……人間、貴様は不思議な能力を持っているようだな……パワーにも驚きだ……」
「は、柱の男だって!?」

そ、そういえば承太郎さんがそんなことを言ってた覚えがあるぜェーッ!
エジプトで戦った吸血鬼、DIOの話を聞いていたとき、
吸血鬼を作る『石仮面』を作ったのが柱の男達だって聞いたぜ!暗闇ならそいつらの本拠地みてーなもんじゃねーかッ!
なにが俺のホームグラウンドだってッ?調子に乗りすぎたぜーッ!
まともに戦ったら無傷じゃすまねえ、なんとか時間を稼いで逃げるしかねぇ……
仗助は後ずさる。

「我々を知っているのか……?その不思議な能力はなんだ?波紋の一種か?今の人間は皆使えるのか」
「さ、さあな」
見えてるのにスタンドを知らない?もしかして柱の男はスタンドが見えるのか?
スタンドが見えるのなら奇襲でラッシュもできない。くっそーッ、どーすりゃいいんだよォ~ッ!

仗助が思考をめぐらせているとき、ワムウは大声をあげた。
「タルカスッ!少々前にお前が戦った奴らはそんな能力を持っていたのか?」

奥に大男の影がぬっと現れ、ワムウよりやや小さいが、萎縮してはいない声で返事をした。
「ハッ!詳しくはわかりませんが小さな機械を持った人間や小さな機械の群れを操っているようでした!」

お、奥にもう一人いやがるのかよォ~ッ!しかし『小さな機械を持った人間や小さな機械の群れ』?
もしかして形兆の『バッドカンパニー』か……?形兆はやはり生きているのか?
だいたい、承太郎さんの話では波紋使いたちに柱の男達は全員倒されたって聞いたぜェ~ッ!
ん?波紋使い?ってことはジジイも一枚噛んでたのか?


しかし、タルカスのもう一言が仗助の思考を飛ばした。

「しかしワムウ様が吹き飛ばした拍子にその人形どもも逃げていきましたッ!あと何人か乗っていたようですが
そいつらがどうだかはわかりません」
なんだとッ!ワムウという名前らしい、その大男、……まだよく状況はわかってねーが
あんな奴にぶっとばされたんじゃ無傷じゃすまねーだろうな……

「おい、ワムウという奴、そいつらをどこで吹っ飛ばしたんだ?」
「人間!ワムウ様にどういう口の利き方を……」
ワムウが手で制す。
「人間、聞きたい事があるなら……このワムウに見合うだけの戦士であることを証明してみせよッ!」


* *



ま、また見えなくなりやがった……どこにいやがるんだ……
しょ、しょうがねーぜ……こうなったらあの奥の手を使うしかねえ……
じじぃがいつも言ってた手を使うのはしゃくだが、
生き残ってなんぼだからな……


「こういうときはな、逃げるんだよォ~ッ!」

仗助は…………なんと!荷物に向かって走り出し、引っつかんで元の入り口へ一目散に走り出した!
その行動にやや落胆したワムウは、逃げる仗助より速く仗助に向かって走って突っ込む。
「どうやら貴様には!戦士の証明は無理だったらしいな!
このワムウでなかったならば見逃していたかもしれんが来客者をそのまま帰らすほどこのワムウは無礼ではないぞ!」

柱の男と、一般の学生。競争でどちらが速いかは一目瞭然である。その上、仗助は足をケガしているのだ。

そしてワムウは近づき、透明を解除する。

「逃げる……だってぇ?違うね。知り合いをボコったかもしれねえ奴が目の前にいて、
プッツン寸前だっていうのによぉ~本当に、俺が逃げると思ったのか?だとしたら作戦成功だぜ」

仗助は姿を現したワムウにバッグを放り投げる。

「タイマーは『0』だぜッ!」
バッグの中に入っていた仗助の支給品「小型時限爆弾」を作動させるッ!

カチッ!

ドッゴォォォォォンッ!
バッグごと爆発させた爆弾。もちろんバッグの皮なんて薄いものッ!爆風はワムウに当たり、軽く吹っ飛ぶ。
そして仗助側だけバッグの皮を爆風が通るより先に治せばこちらには爆風は来ない。

そしてバッグを俺自身でつかむ。中身は『問題なく治す』ぜ。


しかし、この攻撃はワムウには決定的な打撃にはなりえなかった。
攻撃寸前、バッグを投げられたワムウは思いっきりのけぞることによってダメージを最小限に抑えたのだ。
爆弾の破片が少し刺さったままだったが、かすり傷は柱の男の治癒力で既にほぼ治っていた。

「人間……なかなかやるではないか……名をなんと言う……記憶の片隅に残しておこうぞ……」
「てめーみたいな相手に誰が名前を教えるか!まだ攻撃は終わっちゃいねーぜッ!」

地面に拳を近づけ、治す。
すると先ほどからバラまいていた地面であったガレキが飛んでくるッ!

行き止まり方向に投げてたんだから真後ろから飛んでくるッ!かわせるわけがねーぜッ!

ヒュンヒュンヒュンヒュンッ!

何個も投げていたガレキの破片が、元の地面に戻ろうとワムウを中継点に戻ろうとするッ!

パシッ!パシパスパスパシッ!

しかし、当たる前に全てのガレキはなにかによって軌道を変えられ、全て地面になった。

「言い忘れていたな。私の能力……流法(モード)は風。先ほどのように体から出した水蒸気を纏って蜃気楼のように、
体を見えなくすることもできる……もちろん石ころを弾くくらい造作はない、当たっても傷にはならんがな。」

ワムウは淡々と語りだした。


「なぜこんなことをお前にバカ正直に言うか……それは、正直お前の戦い方に感服したからだ。まるでジョセ……」
「ごちゃごちゃ言ってんじゃねーッ!クレイジーダイヤモンドッ!ドラララララララララララララッ!」

ワムウのセリフが言い終わる前に仗助は正面からクレイジーダイヤモンドのラッシュを浴びせる。
しかし、柱の男であるがゆえに格闘性能は抜群である戦いの天才ワムウにはそれを防ぐことは造作もなかった。

ワムウは両腕で全て弾きクレイジーダイヤモンドのラッシュは止まる。
そして、『前ならい』に似た格好をし始めた。

「やれやれ、俺が話している途中で攻撃するとは礼儀がなっていない。だが、なかなかのパワーとスピードだな。
しかし、しょせんは人間、柱の男の能力(ポテンシャル)には敵わんのだよッ!」

「食らえッ!風の流法『神砂嵐』ッ!」

左腕を関節ごと右回転! 右腕をひじの関節ごと左回転!
そのふたつの拳の間に生じる真空状態の圧倒的破壊空間はまさに歯車的砂嵐の小宇宙!

仗助も負けずとラッシュを食らわせる。
「ドラララララララララララララッ!」

しかし、やはりパワーでは圧倒的な差があった。直撃は免れた物の荷物と一緒に仗助は吹っ飛んでいった。


* *



(さ、さすが、化け物だぜ……あんだけ至近距離で爆風を食らったのにもうほとんど治ってやがる……
しかも見えなくなりやがったが、タネはわかったんだ。仗助クンの反撃開始だぜッ!)

人間、あのタイミングで後退ではなく攻撃、しかも一度ラッシュを終えたあとだというのに続けざまに放つとは。
判断力は伊達ではないようだな……だがッ!次こそは神砂嵐を直撃させッ!終わらせてやるッ!

……ん?奴の能力、「クレイジーダイヤモンド」と言っていたな。そのクレイジーダイヤモンドの拳を振り回している。
見えないから当てずっぽうで攻撃でもしようというのか、少し残念だ、その程度の策しかないとはな。
どこを攻撃しているかこちらには丸見え、敵のリーチの外から一気に突っ込めばよい。

サクッ……サクッ……

仗助にもワムウが近づいてくるのがわかる。音が大きくなる。
ワムウの足元地面が風のプロテクターで揺れるが、吸血鬼や屍生人でもいざしらず、暗闇の中で
一般の人間である仗助がそれを見破れるはずもなかった。

もうすぐ奴の間合いだな……少し慎重に行こうか……

スピードを落とす……仗助にもそれがわかる。近づいてくるので居る方向は少しずつ正確にわかってきていた。
しかし、当てずっぽうのラッシュでは先ほどと同じように弾かれて、今度こそ神砂嵐の直撃を受けてしまう。

サクッ……
ワムウが飛び込もうとした瞬間、ワムウの目の前をクレイジーダイヤモンドの拳が通り過ぎていった。

ガシュッ!

顔面に当たればワムウといえどもかなりのダメージを食らったであろうパンチは宙を舞うだけであった。

危ないところであった……この人間、恐ろしく勘がいいようだな……
だがッ!もうこれで終わりだッ!闘技『神砂……

「ドラララララララララララァッ!」

透明であったはずのッ!ワムウの体に正確にクレイジーダイヤモンドのラッシュがヒットした。
神砂嵐を放とうと構えようとしたワムウの体はまさか殴られるとは思っていない状態であり、スキだらけだった。

予想外の攻撃にワムウは動揺する。
「な、なぜッ!俺の居場所が 正確にわかったッ!」
「てめー、自分の体をよくみてみるんだな。」

ワムウの体の透明化はなんと!一部であるが解除されていた!

「あんたの能力……流法は『風』だってな?俺のクレイジーダイヤモンドの能力は『治す』。
あんたが言ったんだぜ、体から出した水蒸気を纏ってるってな。闇雲にただ殴ってたんじゃない、『治し』てたのさ。
あんたの出した水蒸気を治せば体の中に戻っていくよなぁ!そしたら透明は解除されるッ!」

「むぅぅうッ!だが、致命傷ではない 食らえッ!闘技『神……」

「さっきのラッシュは、あんたにダメージを与えるためだけじゃないぜ。
爆弾って言うのはよ~手榴弾とかもそうなんだが、ケガしやすくするよう爆風より飛び散る破片でダメージを
与えるらしいぜ。あんたにも破片はまだささったままだ。そして、俺のクレイジーダイヤモンドがその破片を
『治し』たらどうなると思う?」

タイマー0の小型時限爆弾はバラバラになった破片と火薬を集めながらワムウに突進していく!
そして、ワムウにささった最後の破片がジグソーパズルのようにはまり、小型時限爆弾は完成した!

ドッグォォォォォンッ!

奥の男、タルカスが走って向かってくる。
「わ、ワムウ様ッ!」

「グオオオオオッ!タルカス、手出しは無用、この程度の攻撃が致命傷になるとでも……」
戦闘の天才というべきであろうか、ワムウは一瞬はやくガードを固めていた。

まずは……一旦こやつから離れねば……致命傷ではないにしろ、これ以上は危険すぎる。
だが、こいつが足をケガしているのは幸運であった。

ワムウは後ずさりし、透明化を更に始め後退していく。
そして仗助から一旦離れたところで、態勢を整えようとする。
後ろにジャンプで飛んで逃げようとした。


しかし、なんとガレキの中から忍び寄っていた『石』が変化し、鎖になったッ!
そしてワムウの足に絡みつき、逃げるのを止めようとするッ!

鎖が話し出す。
「仗助さん、大丈夫ですか?」
「お、おめぇはミキタカか?無事でなによりだぜ」

「GUUUUUUッ!だが、まだ致命傷ではないッ!闘技……」

「おいおい、まだ『治す』のは継続中だぜ?
あんたが纏ってる水蒸気はまだ残ってる。これを更に『治す』ッ!」

爆風がワムウの体内へと吸い込まれていく。

「へへ、外側から駄目なら内側からだぜ」

ワムウの体内で更に軽い爆発音を発し続ける。

「SYAAAAAHHHH!!!!」
ワムウは叫び声を上げた。

そして、少しずつ、倒れていく……
どうみてももう戦えるような状況ではなかった。

しかし、喋るのも辛いだろうに、それでもワムウは声を絞り出した。


* *



「手出しは……無用だ……死ぬ直前でも……私は……こんな戦士と出会えたことに……嬉しく思うよ……
もっとも、ジョセフ・ジョースターにやられて、2回目だがな……これだけは荒木に感謝しなくては……」
体中から煙を上げつつも絶え絶えに言葉を発する。
しかし仗助は違う点に目をつけた。

「ジョ、ジョセフ、ジョースター、じじいだって!?」
「じじいだと?お前の知り合いなのか?」
「し、知り合いどころじゃねえ……俺の父だ……放送では流れたようだが……シーザーって人によると
ジジイはまだ生きてて、隠れているらしい」

「シーザーだとッ!……あの戦士、あいつは死んだはずでは……それにしてもジョセフの父?どう見積もっても
ジョセフは若造も若造……人間年齢で見てもお前くらいの子供を持っている可能性はないはずだ……」
「若造だって?あのジジイがか?……もしかして、あんた何年ごろの記憶があるんだ?」
「人間どもの年の数え方はわからんな、だがナチスなどというところで20世紀などと言っていたな……
人間の寿命は短いくせに20しか数えてないとはアバウトな数え方よ……ふふ……」
「20世紀……ナチス……もしかして、俺達は……?」

「話していられるのももうすぐ終わりのようだ……波紋でないからそう簡単には死ねんが……最後に……聞かせてくれ
お前の名前を……」
「東方仗助、父はジョセフ・ジョースター、母は東方朋子。」

「そうか、『東方仗助』……さすがジョセフの息子と言ったところか……さて、最後くらい看取って……」

ストーン。

まぶたが重い。体が思うように動かない。体温が抜けていくようだ。

「リキエル、よくやった……ジョースター家の記憶を手に入れ、始末することに成功しそうだ。
急に言う事を変えだして驚いたが、お前の言葉を信じて駅に着てよかった……東口だけ治っていたのも運命だろうか。
では記憶DISCとスタンドDISCを奪い取らせて貰おうか……」

「クレイジー……ダイヤ……モンド……」
スタンドを出し、一撃殴ろうとするが、それは空振りに終わる。もう一撃を放つ余裕はないようだ。
ホワイトスネイクはクレイジーダイヤモンドに強烈な一撃を

「あとはDISCを抜き取るだけだ……フフ、あとはウドの大木と変身するスタンド使いのみ、
そいつらの記憶DISCをとっとと奪い取ってしまえば終わりだ……
ケガしている状態でこんなところに入るのは嫌だったが、やはり運命は私達に向いているようだ。

ホワイトスネイクが仗助に近づきDISCを抜き取っていく。

神父は背後から圧倒的な威圧感を感じた。

そこには、満身創痍だったはずのワムウが立っていた。
クレイジーダイヤモンドの攻撃は空振りではない。ワムウを治していたのだ。

「仗助ッ!貴様なぜ、なぜ治した……決闘を侮辱するな……このセリフは……ハッ!」
「あんたには……殺されかけたのに奇妙だが
なんとなく『友情』みたいなもんを感じちまったのさ……なぜだかわかんねえけどな……
ジジイ……ジョセフにあんたはやられたんだろ?なんとなく、どうしたか……わかった気が…」

ホワイトスネイクが記憶DISCとスタンドDISCを抜き取り、神父に記憶DISCを挿す。
「ほう……ジョースター家の住人、あのすぐに死亡放送の流れた老いぼれのジョセフジョースターの息子か。
案外、ジョースター家など恐れるほどではないのかもしれないな……DIOも生きているようだしな」

「タルカス、お前と会ったとき、このゲームどうするかと聞いたな」
「ハッ……『戦士は戦いを愉しむ』とおっしゃっいました。」
「その件に付いて追加をしよう。お前もなにか考えていたようだが、この件に関しては断るのは許さぬぞ。」
「なにを追加するのでしょうか。」

「決闘を侮辱する者を完膚なきまでに叩き潰す。
まずは手始めに友人『2』人と決闘を侮辱したこやつらを完膚なきまでに倒してみせよう!そこの鎖にも協力してもらうぞ!」
「ハッ!ワムウ様、仰せのままに!」

(ブラフォード、なぜだかわからないが私も怒りを感じている。私の意思、運命に従ってみることにしよう。)

(ヒェェェエーッ!た、大変な事になってきましたァ~
で、でも仗助さんを助けるにはまだよくわかりませんがあのDISCを取り戻せばいいんでしょうか?)



【闇の重戦士チーム 宇宙人添え】

【杜王駅内部(E-3)1日目 日中】

【東方仗助】
[スタンド]:『クレイジー・ダイヤモンド 』(抜き取られ)
[時間軸]:四部終了時
[状態]:神砂嵐で全身に軽い打撲 、記憶DISCなし
[装備]:無し
[道具]:支給品一式、(スコップは戦闘中にどこかに置いてしまったようです)
[思考・状況]:
1)昏睡
2)記憶DISCとスタンドDISCなし、スタンドDISCはまだ差し込まれてはいない様子
3)時間軸のズレに気付いたかもしれない?


【ワムウ】
[モード]:『風』
[時間軸]:首だけになり、ジョセフが腕を振り下ろした瞬間
[状態]:服が爆風でけっこう焦げたが体は治った
[装備]:手榴弾×6
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
1)ジョセフと仗助、そして決闘を侮辱され神父とリキエルに対して怒っている
2)ミキタカに気付いた。
3)土壇場で邪魔されたミキタカに対してもちょっとご立腹だが、大局に影響はなかったのでまあよしとする
4)複数対複数だがミキタカは数に数えていないので2vs2だとして正当な決闘だと思っている



【タルカス】
[種族]:屍生人(ゾンビ)
[時間軸]:ジョナサンたちとの戦いの直前。ディオに呼ばれジョナサンたちと初めて対面する前。
[状態]:軽い全身火傷と全身打撲。
[装備]:なし(爆発の拍子にミキタカを手放してしまいました)
[道具]:支給品一式
[思考・状況]:
1)鎖がいきなり喋りだして少々驚いているが、ワムウに言われた例もあるためスルー
2)なぜか怒りを感じている。とりあえずの間ワムウに従う。
3)取り逃した虹村形兆、ブチャラティ、ミキタカへの僅かな執着心(ワムウの命に背いてまで追う気はないが)

【ヌ・ミキタカゾ・ンシ】
[スタンド?]:『アース・ウィンド・アンド・ファイアー』
[時間軸]: 鋼田一戦後
[状態]:【フック付きの長い鎖】に化けた状態。千切られそうになったのと、爆発事故の影響で体全体が痛い。
[装備]:なし
[道具]:ポケットティッシュ (支給品一式はブチャラティが持っています)
[思考]:
1)DISCを抜き取られたから仗助は気絶したのか?と考えている
2)ワムウ達は怖いがとりあえず仗助さんを助けるために組む。
3)仗助を助けた後、ブチャラティたちとの合流を図る
4)味方を集めて多くの人を救いたい。
5)仗助の話を一緒に聞いていたため、形兆ゾンビ説に疑問



【エンリコ・プッチ】
[スタンド]:『ホワイトスネイク』
[時間軸]:刑務所から宇宙センターに向かう途中
[状態]:ホワイトスネイクの暴走状態:歩けるが走れない程度の負傷
[装備]:無し
[道具]:無し(ゾンビ馬は左耳の治療に使いました)
[思考・状況]:
1)無傷でジョースター家の一人を始末して少しハイ、残りはスタンド使いではないと
2)DIOに会いたい。そして、ディオ・ブランドーと話がしてみたい。(強い好奇心)
3)ジョースター家の抹殺。しかし、彼らの事を知りたいとも思う。(興味程度だが両方達せられたのでよしとする)
4)天国への道を探し出す。DIOを天国に連れて行き、そこに自分もついていく

【リキエル】
[スタンド]:『スカイ・ハイ』
[状態]:右手首を骨折(添え木&包帯で応急処置)。疲労は回復。感情の起伏が少ない。
[装備]:未確認飛行生物ロッズ(多数。呼べばいつでも来る)
[道具]:支給品一式×2、植物図鑑、ディアボロのデスマスク(シュトロハイムのランダム支給品)(リキエルの支給品は未確定)
[思考]:
1)神父へ出会えた運命に感謝
2)指し示す運命が変わったため西へ向かった。丁度戦闘後に来ることができ成功、ではないかと思っている。
3)神父の願いを叶える手助けをする。『運命』が神父を導くはず、と信じている
4)神父、あるいはDIOに対立するものを狩り、排除する(なおDIOへの敵対は神父への敵対、と判断)
5)噴上裕也の言動に動揺、落胆。(次にあったら殺し合いを宣言)
6)神父のために自分の感情を出す訳にはいかないと考えている


[補足1]ガレキに埋もれたミキタカは石やガラスに変身しながら少しずつ仗助に近づいていました
[補足2]運命が噴上裕也のマーダー化や駅周辺にジョースター家やその仲間が集まったため変わったようです
[補足3]仗助は放送でジョセフ死亡と言われた後はほとんど聞こえていません 禁止エリアはかろうじて聞いていたようです
[補足4]仗助は荒木の能力に気付き始めました
[補足5]吸血馬1頭+チャリオットは駅の中に置いたままです。
[補足6]杜王駅の東入り口は治されたため通行可能になりました。プッチ達はここから入った様子。

投下順で読む


時系列順で読む


キャラを追って読む

92:イカれてるのさ、この状況で 東方仗助 95:Judgment Day
70:Excuse Me!考え中 ワムウ 95:Judgment Day
70:Excuse Me!考え中 タルカス 95:Judgment Day
70:Excuse Me!考え中 ヌ・ミキタカゾ・ンシ 95:Judgment Day
71:奪われたスタンド エンリコ・プッチ 95:Judgment Day
71:奪われたスタンド リキエル 95:Judgment Day

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最終更新:2007年07月24日 20:51