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第二放送を聴き終え、ツェペリと俺は打合せを始めていた。
「儂の仲間で生き残っているのはリサリサ、シーザー、シュトロハイム。
お主の仲間は花京院、ポルナレフ、アブドゥルか」
「…あぁ」
ツェペリの言葉に上の空で返事する。
其れを敏感に察知したツェペリは、
「なんじゃ、気の抜けた返事をしおって」
と言って来た。
「………」
「…第二放送の死者の名に、お主の知り合いの名があったのか?」
鋭い所を突いてくる。
とはいっても、第二放送でいきなり態度が豹変しているなら、考えられる事は1つしか無いが。
「ハイ。実はイギ「テメェは黙ってろ」
又も許可無く口を開くヨーヨーマッを遮り、ツェペリに向かって話す。
「仲間の名が、1匹あった」
「そうか…」
ツェペリは押し黙る。
「のう、ジョジョよ」
暫くして口を開くツェペリに、俺は顔を上げた。
「お主のような年端もいかぬ若者には酷な話かも知れんが、悲しむのは後回しにしよう。
悲しんでいる間にも…」
「他の仲間が窮地に晒されているからかも知れないから、だろ?
解っている…」
ツェペリが皆まで言う前に言葉を引き継いだ。
ツェペリは驚いたような表情をする。
こんな所もジジィに似ているのかも知れねぇな。
ババァの言う通りだ。俺にはジジィ譲りの部分が多いらしい。
「分かっとるなら儂は何も言わん。」
「それで、後話す事は?」
「あぁ。今後の方針と、実は荒木について儂の思う所がある。
荒木の能力を儂なりに推察した」
「それは後回しだ」
「?」
いきなり話の腰を折られた事にイヤな顔一つせず、何故後回しなのかを純粋に訊ねるようにツェペリは首を傾げた。
「荒木については仲間と合流してからで良いだろう。
それよりも一刻も早く仲間と合流したい」
「確かにお主の言う通りじゃな。で、どうやって仲間を捜すかは考えたのかね?」
「あぁ、その拡声器を使って、仲間を呼ぶ」
「しかし、其れでは仲間以外の者も呼び寄せる事にならんか?」
ツェペリの疑問は至極当然の事。だが、それについては既に織り込み済みだ。
「だから、仲間にだけ解る合図を送る事にした」
「?」
「コレをヨーヨーマッに喋らせる」
そう言って、俺はツェペリにヨーヨーマッに喋らせる内容を記した紙を渡した。

『私は承太郎の支給品、ヨーヨーマッです。
花京院、ポルナレフ、アブドゥルに連絡です。
承太郎は4時から5時まで
運命の車輪戦の休憩所、ダニエル・ダービー戦の戦場に居ます』

「…意味が解らん」
紙を見たツェペリの返事はそれだった。
「それなら俺の狙い通りって事だ。3人以外に解らない内容にしたんだからよ」
「説明をして貰って良いかのう」
「俺達は運命の車輪と闘った時、カフェで休憩した。
そしてダニエル・J・ダービーとカフェで戦った。
この町でカフェは1箇所しかねぇ」
「カフェ・ドゥ・マゴか」
ツェペリの言葉に肯く。
「コレをヨーヨーマッに叫ばせながら町をうろつく。
そして4時までにカフェ・ドゥ・マゴに戻り、3人を待つ」
「うろつくって、どこら辺をじゃ」
「此処から東へ向かうつもりだ」
俺の返事に、ツェペリは何故俺が東へ固執するのか疑問に思ったようだ。
「なぁ、お前さん。さっきから東に向かいたがっているようだが、其れは何故じゃ。
特に何か有っての事じゃないんじゃろ?」
と訊いてきた。
勿論、意味も無く東へ向かおうとしている訳じゃない。
さっきツェペリに言った通り明確な目的がある訳じゃないが、理由はある。
それをツェペリに説明する。
「何もねぇからだ」
「?」
俺の意図が見えないらしく首を傾げるツェペリに向かって、俺は地図を開く。
「今、俺達が居る場所はこの町の大体北西部に位置する。リサリサは南西部へ向かっている。
シュトロハイムとかいう奴は南東部へ向かったんだろ?」
「そうじゃ。…成程、然う云う事か」
「解ったようだな。俺達が探索していない部分は北東部のみになる。
だから俺がこのまま東へ進めば、一応町全域を探索する事になる。まあ、かなり粗いがな」
「フム。お主の言う通りじゃな。分かった。東へ向かう事に…
………!」
その時だった。ツェペリの様子が突然変わったのは。
態度が豹変した訳じゃない。まるで、何かに警戒するかのような…


そういう事か。
少し遅ればせながらも、俺も“ソレ”に気付いた。
ツェペリはそのまま、俺に向かって話し掛ける。
「…1つだけ用事を済ませたら、東に向かおう」
「用事?」
まあ大体の予想はついているが、念の為訊ねる。
「先程の、第二放送が始まる前の声は覚えているな?」
「あぁ。確か、アナスイ、プッチ、リキエル、ダイアー、噴上がゲームに乗ったと言ってた、あれか」
「その中に、お主の知っている名は?」
「無いな」
「…そうか。儂には居た。ダイアーと云う名を」
そうか。この、ダイアーという男が…
「敵か誰かか?」
俺の質問に、ツェペリは答えるのを躊躇っていた。
だが、意を決するように口を開く。その答えは
「いや、儂の………兄弟弟子じゃ」

流石にこの返事にはちと驚いた。
当然湧き上がる疑問を口にする。
「どういう事だ?お前の仲間はゲームに乗るような奴なのか?」
「そんな事は断じて無い!何か訳があるんじゃ。
誰かに操られたか、声の主が誤解をしたか、何か訳が…」
「それを本人に訊ねようってのか?」
「あぁ」
そこまでツェペリは俺と話し合った後、
「なぁ、ダイアーよ。お主はゲームに乗ったのか?」
そう訊ねた。
…俺達の背後に潜む男に向かって。

 * * *

その姿を目にした時、俺に湧き上がる感情は非常に複雑なものだった。
師、トンペティの下で共に修行を行なったツェペリさん。
御互い生きて彼と会えた事に喜びを感じない訳では無い。
だが、ツェペリさんに対する処遇を決めかねている内に、彼を発見してしまった。
どうするべきか。
暫く悩んだ俺は、結局ツェペリさんの前に姿を現す事無く、この場を去る事を決心した。
幾ら何でも、盟友をこの手で殺すのは忍びない。
だからといって、彼と一緒に行動する気も無い。
このゲームで優勝出来るのは1人。
ツェペリさんと行動を共にしていたら、いずれは死合わねばならない。
ならば、この遭遇は無かった事にしよう。
そう考え、俺は気配を悟られないようにしながら踵を返した。
その刹那、
「なぁ、ダイアーよ。お主はゲームに乗ったのか?」
俺の背に、ツェペリさんから声が掛けられる。

気配は消していたつもりだったが、既に気付かれていたか。
ならば仕方ない。
俺は大人しく、物陰から姿を現した。

 * * *

「久し振りだな。ツェペリさん」
背後から掛けられる声に、儂は振り返りながらもう一度訊ねる。
「再会の挨拶よりも前に確認しておきたい事がある。
第二放送が始まる直前に聴こえて来た声はお主も聴こえていたな。
お主はあれの説明が出来るか?」
其の質問に、ダイアーはあっさり返事を返してきた。
「あの声は、恐らくスタンドで発したものだろう。
“スタンド”というものについて、お前は何か聞き及んでいるか?」
「あぁ。知っておるよ」
「俺の推測では、あれは康一という人間のスタンドだ」
康一。
確か第二放送で其の名が挙がっていたな。
あれはダイイング・メッセージだったか。
其処から1つの仮説が導き出される。
出来れば当たって欲しく無い勘なのだが、確かめざるを得まい。
儂は、其の仮説を口にした。
「康一を殺したのは、お主か?」
ダイアーがこのゲームに乗っている事を認めたくなかった。
殺人を犯しているなど信じられなかった。
だから、ダイアーに否定して欲しかった。
そして、ダイアーの返事は…
「いや、違う」
其の返答に儂は心から安堵した。
そうか、やはりあの声は何らかの誤解があったのか。
しかし、其れも一瞬。続くダイアーの言葉は儂の希望を完全に掻き消した。

「殺そうとしたのだが、逃げられてしまった」

 * * *

俺の返事を聴いたツェペリさんの反応は、俺の予想通りだった。
「お主は…!」
何か言おうとするツェペリさんの発言を遮る。
「お前の質問に答えたのだから、お前も俺の質問に答えろ。
お前はスタンド使いの事をどう思っている」
「???」
俺の質問の意図を計りかねたらしい
「どう云う意味じゃ」
と訊き返してきた。
「そのままの意味だ。お前がスタンド使いをどう思っているか」
「それは俺の事か?」
突然、帽子をかぶった奇妙な格好の男が口を挟んできた。
今の口ぶりから察するに…
「お前はスタンド使いか?」
「そうだ」
男の返事を聴き、俺は確信した。
ツェペリさんはスタンド使いと一緒に居る。ならば…
そして、続くツェペリさんの言葉が決定打となる。
「スタンド使いを一括りに見る事は出来んが、
少なくとも其処にいる男、ジョジョは仲間だと思っておるよ」
…全てはこの一言で決まった。
ツェペリさんに対する俺の最後の迷いは、他ならぬツェペリさん自身が断ち切った。
「…そうか」
「質問は終わりか?」
「あぁ」
「なら儂の質問に答えてくれ、お主は…」
俺に何かを訊ねようとするツェペリさん。
併し、俺はそれに答える気が無かった。
俺が奴にする事は唯一つ。
スタンド使いを仲間などとほざくコイツを………殺す!!!
「貴様の質問に答える必要は…無い!」
そして俺はツェペリさんに飛び掛かった。

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83:Stooge(ストゥージ)は誰だ!? ダイアー 90:師の教え(中編)~師の教え~
89:意気投合 ウィル・A・ツェペリ 90:師の教え(中編)~師の教え~
89:意気投合 空条承太郎 90:師の教え(中編)~師の教え~