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(クソッ・・・訳がわからねぇ)
男は一人、田園地帯にある農家に身を潜めていた。
既にその呼吸は荒い。
男の体には既に大きなダメージがあった。
有る程度の手当はしてあるが足の先と太ももは抉れているし、左手の指の数が足りていない。
動けることは動けるし戦えることは戦える。
しかし好調とはお世辞にもいえない状況だ。
(チクショー・・・ゲームだかなんだか知らねぇが・・・怪我人を労わりやがれ!!)
一人心の中で愚痴った。
彼の傷はこのゲームで負ったものではない。
既に負っていたダメージをそのままにここに連れてこられたのだ。
男の名はジャン・ピエール・ポルナレフ。
紛れも無い負傷者であった。

数十分前、ポルナレフはこの田園地帯のど真ん中に放り出された。
まったく理解を超えた出来事であったことは確かだ。
承太郎、ジョースターさん、花京院・・・そしてDIO。
さまざまな名前が頭をめぐる。
混乱した。
余りにも突然すぎる展開に脳ミソがついていっていない。
それでも歴戦の勇士たるポルナレフの防衛本能は必要最低限の身を守るための行動。
すなわち身を隠すという行動を選択していた。
そして田園を目立たないよう移動し一件の農家に身を隠したのだ。
電気は来ていない様だ。
来ていたところで電灯などつけるわけには行かないが・・・。
警戒をしながら部屋に入り誰もいないことを確認する。
いざというとき逃げやすいよう部屋の端の窓の近く。
しかし外からは絶対に見えない場所を選びポルナレフは壁にもたれかかる。
すぐにポルナレフは思考を開始する。
自分はお世辞にも頭のよさを売りにするようなキャラではない。
そう自覚はしている。(もっとも俺の頭がワリーって訳じゃねぇがな)
しかしこればかりは考えずにはいられない。
荒木・・・イロイコ?ヒロヒコ?どっちだったかなんて覚えちゃいないが、あの男は言った。
殺し合いをしろ。
そう確かに言った。
いかれている。
それだけは間違いない。
しかし奴の言葉はこの際どうでもいい。
ゲームに乗るかどうかも別問題だ。
「俺は・・・俺は戦えるのか?」

ポルナレフはヴァニラ・アイスとの死闘の中で既にかなりのダメージを受けている。
それでもDIOに向かって前進することができたのは、仲間を失った怒りによる並々ならぬ闘争心から来ているものだった。
しかし今は違う。
突然の状況の変化ッ!
少年の爆死ッ!
殺し合いのゲームッ!
決して怖気づいたわけではない、しかし全てのことがポルナレフの昂ぶった精神を平常のものへと戻そうとしていた。
冷静になればなるほど考えがめぐる。


「自分は生き残れない」


どう考えても行き着く結論はそれ。
あの男のいうとおり参加者を皆殺しにするにしても。
このゲームから脱出するにしても。
負傷者たる自分では生き残れない。
負傷者という事実がポルナレフに重くのしかかった。
「チクショォ・・・」
ポルナレフは頭を抱えた。
その時。
「中に誰かいるな!」
「!?」
外から声がかかった。
ポルナレフは即座に臨戦態勢に入る。
落ち込んでいたがそれでもポルナレフは戦士だった。
「先に言っておくッ、『誰もいないふり』は無駄だ!誰かがいるのは既に僕の『能力』で解っている!」

最悪だ・・・。
ポルナレフは思った。
あの発言がハッタリにしても事実にしても奴はここに入ってくる。
ハッタリなら・・・あれはここに入るため誰もいないことを確認するためのハッタリだ。
事実なら・・・あいつは『ヤル』気だッ!
そんなポルナレフの思惑をよそに「外からの声」は発言を続ける。
「ブチャラティ、ナランチャ、トリッシュ・・・それにポルナレフ!以上の名前に該当する者なら出てきて欲しい!」
ポルナレフ・・・?
呼ばれた名前の中に自分の知る者はいない・・・自分以外にはッ!
この声の主は俺を知っているッ!?
どうする?
敵か?自分を殺す気なのか!?
勝てるのか!?
様々な思考がポルナレフの頭をめぐる。
(しかしあいつは・・・複数人の名前を呼んだな・・・)
戦う気は無いのか?仲間を探しているのか?
希望的観測であることは解っていた。
しかし今の自分はまともに戦えない・・・。
その不安が、彼を行動させた。

「俺は・・・ポルナレフだ・・・だが俺はお前の声に聞き覚えがない・・・名乗ってくれないか?」

「俺は・・・ポルナレフだ・・・だが俺はお前の声に聞き覚えがない・・・名乗ってくれないか?」

家の中から返事があった。
「ポルナレフさん!?僕です!ジョルノ・ジョバーナです!」
男、いや・・・見かけはまだ少年だが・・・ジョルノ・ジョバーナは答えた。
ジョルノはまず、ゴールド・エクスペリエンスの能力の一端である「生命探知」でこの家の中に誰かが潜んでいることを知った。
しかし「生命探知」の能力は誰かまでは特定できない。
危険ではあった。
しかしこいつが「家に潜んでいるという事実」はこいつが率先して殺しに来る気が無いとも示している。
そして例え攻撃してきたとしても自分の支給品・・・バイクならば十分に逃げ切れると判断したのだ。
「ジョルノ・・・ジョバーナ?知らない!俺はお前なんて知らない!」
「・・・・・・・・・」
家から聞こえてきた声はジョルノにとって残念なものだった。
しかし想定の範囲内ではあった。

「本名、ジャン・ピエール・ポルナレフ、スタンド名シルバー・チャリオッツ・・・銀色の甲冑を着た剣士の姿をしていてレイピアを持っている」
「!?」
「間違い・・・ありませんね?」
「あ、ああ・・・」
決して慌てずゆっくりと。
ジョルノの意思は決まっていた。
「ポルナレフを説得する」
そのためには言葉を荒くしてはいけない。
ポルナレフの声に見て取れた明らかな不安。
そこを刺激してはいけないのだ。
この時ジョルノは既に一つの結論に至っていた。
名簿の中にナランチャがいた時点で。
死んだはずのものがここにいる。
最初は、あの荒木とかいう男が蘇らせたのかとも考えた。
しかし、それだけはありえない。
「失った生命だけは誰も戻せない」
生命を操る自分のゴールド・エクスペリエンスだろうと出来はしない。
では何故か?
スタンドは「時を操ること」は出来るッ!
あの「ボス」のようにッ!
荒木という男は「時を操って死ぬ前のナランチャを連れてきた」のだッ!
したがって今目の前の家の中にいるジャン・ピエール・ポルナレフは恐らくジョルノ・ジョバーナを知る前のポルナレフだ。
しかしポルナレフがポルナレフであることに変わりは無いッ!
ならば・・・彼の「精神」は「信頼」できる。
(まずは・・・安心させなくては・・・自分は敵ではないと・・・)
ジョルノは慎重に言葉を選び口を開いた。
相手を安心させる魅力のある言葉。
その姿は彼の父親であるディオ・ブランドーを髣髴させるものだった。




【ミステリーサークル近くの農家の中・1日目・深夜】
[名前]【J・P・ポルナレフ】
[スタンド名]:シルバー・チャリオッツ
[時間軸]:ヴァニラ・アイスを倒した後。DIOに出会う前。
[状態]:ヴァニラ・アイス戦のダメージ、応急手当は済んでいる。精神的に不安定。
[装備]:本人未確認。
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
1)外から声をかけてくるジョルノ・ジョバーナの対処を考える。
2)戦いは避ける。


【ミステリーサークル近くの農家の外・1日目・深夜】
[名前]【ジョルノ・ジョバーナ】
[モード]:ゴールド・エクスペリエンス
[時間軸]:ディアボロ撃破後
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:露伴のバイク・支給品一式
[思考・状況]
1)生き残る。
2)ポルナレフを説得する。
3)ブチャラティを始め信頼できる仲間を探す。
※時間軸はディアボロ戦後ですがレクイエム化には今後も矢が必要と考え、矢を所持していないし支給品としても矢は禁止なので問題無いと考えました。

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ジョルノ・ジョバァーナ 37:黄金の意志
J・P・ポルナレフ 37:黄金の意志