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 東方より風速2.8mの微風。天候、気温未だ変化無し。
 前方30m先にT字路がある模様。分岐は西方と北方、またT字路傍に一軒の家屋を確認。依然、周囲に生物の気配無し。
 ――ネズミ一匹にも鉢合わせんとは、運がいいのか悪いのか。今のオレからしてみれば、半々といったところか。
 最初に飛ばされた、墓場と思われる出発地点から北上を続けて、かれこれ2時間近く、オレは夜道を歩き通している。
 遥か前方の上空に配置してある『マンハッタン・トランスファー』が、周囲の『風の動き』を伝えてくれるので、移動には何の支障もない。
 むしろ、夜の闇に苛まれる事無く、悠々と足を進められる分、他の参加者達に比べて、オレは有利であるとすら言えるかもしれない。
 万が一敵と遭遇する事があったとしても、先に相手を補足するのは、視覚に頼らず『風』で全てを探知するオレの方である筈だ。
 T字路まで距離20m。依然、周囲に生物の気配無し。
 懸念すべき事柄は、別にあった。最優先事項は当然DIO様との合流であり、
 次に来るのが自衛のためのライフルの確保である事は、出発当初から変動してはいないのだが――
 ……その裏で気に掛かっているのが、ここは一体『何処』なのか? という事だった。
 『環境』の事を言っているのではない、オレが歩いているこの住宅街が、どの『区域』に位置しているのか。それを知る必要があった。
 『放送された禁止区域に侵入した時、参加者の首に括り付けた金属の輪を爆破する』という、『荒木』の言っていたルールを、
 今更になって思い出したのだ。支給品に含まれていた地図は、当然それを防ぐための物だったのだろうが、
 流石の『マンハッタン・トランスファー』も、文字を読み取る事までは出来ない。
 オレが現在地を知るためには、何らかの手段を持って、『見る』のではなく、『聞く』しかないのだ。参加者の口からなり、『荒木』の口からなり。
 T字路まで距離10m。依然、周囲に生物の気配無し。
 他の参加者を見つけ次第、馬鹿正直に「おい、ここは何処だ?」と問い詰める事など、勿論出来はしない。この『ゲーム』の原則は殺し合い、
 武器も持たず視力もないオレは、他の参加者からしてみれば格好の的であろう。我ながら、忌々しい事だが。
 『信頼』が絶対条件だ。決してオレに敵意を向けず、オレが敵意を抱く事も無い者。
 『荒木』がいた始まりの間にて、DIO様の存在は確認する事が出来た。しかし、他にも誰かいないだろうか。DIO様を生き残らせるために、
 どの道いつかは『始末』する事になるとは思うが、オレと同じ道を往く者は。『ホワイトスネイク』のような同士は、誰か――
 ――T字路に到達。依然、周囲に生物の気配無し。さて、西と北、どちらへ向かうか――

「……ロレロレロレロ。結構適度な甘さで悪くないわね、これ」

 ――訂正だ。北方200m先、二名の呼吸音と一名の発声を探知。体型から察するに双方とも女……こッ、こいつは……ッ!?
 『マンハッタン・トランスファー』が捉えた、無言の女の方の気流。それはオレがあの『水族館』で感じ取った、
 忘れようにも忘れられない『娘』のものだった。



 神様に一つ質問があります。相手があからさまに隠し事をしていて、その隠し事があたしにとって、非常に重大な事かもしれないとして、
 それを幾ら問い詰めても相手が一向に白状しようとしないという場合、暴力に訴える事は果たしていけない事でしょうか?
 ……一人で何を考えてるんだ。あたしと『こいつ』、双方に向けた意味の溜息を、歩を進めながら深々と吐いた。
 薄気味悪いトンネルを抜けて、これといったアテもないままにフラフラと南下を続けるうちに、気付けば時間は午前2時を回っていた。
 今あたし達が歩いているのは、何の変哲もない住宅街。生まれも育ちもアメリカのあたし、
 それらの風景からは何の感慨も受ける事はなかったけれど、霊でも出そうな雰囲気だった真っ暗闇のトンネルよりかは10倍マシって感じね。
 そういえば、『杜王町』っていうんだっけ、ここ。あたしが42度の高熱でぶっ倒れてた6つの頃に、
 親父がいたっていう日本の田舎の地名も確か、『杜王町』だったような気がする。これって『偶然』? それとも『運命』?
 ま、どうだっていいんだけど。あたしが今気に掛けるべき事は、すぐ目の前にあるんだからさぁ。

「徐倫、ホントにいらないの? 今なら甘いの3個あげちゃうわ、あたしの角砂糖ッ! どう?」
「…………」

 ……この女がパーなのは服装だけじゃなくて頭もそうなのかとか、チョコ先生とエルメェスを混ぜるのは流石に無理があるだろうとか、
 そんな事を思わないでもなかったけれど、とりあえず表面上は無視した。あ、上の文は気にしないで。ちょっとした遊び心だから。
 一応チームを組んだって事になるんだろうか、あたしと同じく『あいつ』を探しているっていう、下着同然のイカレたカッコをした女、
 『女教皇(ハイプリエステス)』のスタンド使い、ミドラー。
 鉱物に隠れて移動する事が出来るというのが、『スタンド』の能力らしい。それだけを聞くとチンケな能力にも思えるけど、
 そのチンケな『スタンド』のお陰で、あたしはこのクサレ脳みそと組む羽目になってしまったのだ。あー、飛びてぇー……。

「ったく、つれない子だねぇ、アンタは。オネーさんが親身になって緊張をほぐしてやろうとしてんのが分かんないのかい?」
「……アンタってさぁ、何ていうか、アレよね。うん、チェーン巻いてない雪道の車」
「はぁ? どういう意味よ、それ?」
「空回りだって言いたいのよ」

 もう一つはまあ、バカって事。こっちの方は一応、今は言わないでおこう。そのうち言うかもしれないけど。
 何せ、この女の『バカ』は、どうにも胡散臭いから。あのトンネルで見せた観察眼、あれがこいつの本性というか、正体の筈なんだ。
 今は何だかあの手この手であたしのご機嫌取ろうとしてるみたいだけど、
 生憎こっちは彼氏にハメられてから日が浅いせいで人間不信の真っ最中。
 角砂糖なんかに釣られるほど、甘くないっつーのよ。……あたし今上手いこと言った?

「あのさぁ、そろそろ話しなさいよ。アンタと親父、一体どーいう――」
「ああーッ! ねえ、この看板見なさいよ徐倫! イタリア料理『トラサルディー』までこの先100mですってぇ、
 あたし入ってみたいわァ~ッナハハハハムキャーッ!」

 ……どうなんでしょうか、神様。あたしは今、この女の顔面をブッ飛ばすことに、これっぽっちも良心の呵責を感じない自信があるのですが。
 幾度目になるか分からない(下手したらこいつといる間に一生分を使いきってしまうかも)溜息を吐いて、あたしは駆け足になったミドラーを、
 特に歩調を速めもせずに追いかけようとして――ふと足を止めた。視界の少し上の方で、何かが揺らめいたような気がしたのだ。
 蝿か何か? いや、動きは似てたけど、多分もうちょっとデカかった。鬱陶しく飛び回るところは似ているけれど、何というか、衛星……?

「徐倫! 何グズグズしてんのさ、来ないんだったらあたしが先に店のもの全部食い尽くすよッ!」
「……ああもうテメーッ、いい加減にしろッ! そろそろ一発ブン殴るッ!!」

 そこで思考を中断しちゃったあたり、まだまだあたしもガキだったのかもしれない。けれどまあ、仕方がなかった。だってムカついたんだから。
 右拳を本気で握り締めて駆け出した時には、その衛星もどきの気配は既に、消えてしまった後だった。



「へぇ、日本の店にしちゃあ随分と雰囲気出てんじゃあないの。店主がイタリア人なのかしら……?」
「ちょっと待てコラァ――ッ! 不用意に入ろうとしてんじゃねええええ――ッ!!」

 ……などという、本気なのかそうじゃないのか判断の付かない遣り取りが店の外で繰り広げられているのを、
 オレは『トラサルディー』2階の1室から、木陰に潜ませた『マンハッタン・トランスファー』を通じて聞いていた。
 本来ならば、無防備極まる女達の姿は格好の狙撃対象であるのだが、肝心の得物がない以上、迂闊に仕掛ける訳にはいかない。
 支給品であるテキーラ酒、これは火焔ビンか何かに使用出来るかもしれないとは思っていたが、火焔ビンの炎が生み出す『熱』は、
 気流の流れを狂わせて、正確な探知を不可能にするだろう。このアルコール度数40の液体が入ったビンを活用する方法は、
 今のところ直接殴打の武器にするという原始的な発想しか思い浮かんではいない。当然、こんな物で殴りかかったところで、
 あの『スタンド』に通用する筈もない事は分かりきっている。――クソッ! ヤツらの『血統』を根絶やしにする、絶好の機会だというのにッ!!

「アンタもう少し警戒心ってモンをだなぁッ! 店の中にも隠れてる参加者とかがいるかもしれないッ!」

 ――身長174.5cm、肩の――いや、気流から判断するまでもない、声だけで検討が付いている。
 空条承太郎の『娘』、徐倫。こんなにも早く出会う事になるとは。『水族館』から続いている、『因縁』がオレ達を引き合わせたとでもいうのか?
 ジョースターの血統。DIO様を永遠の闇へと葬り去った、忌わしき血族。食い縛った歯がぎりりと軋んだ。憎い……憎いぞ、空条徐倫ッ!!
 銃さえあれば、今すぐにでもキサマの滑稽なダンゴ頭を撃ち貫いて粉々にしてやるものをッ! このオレの復讐をッ! 遂げてやるのにッ!!

「うっさいね、アンタのそのバカデカい声の方がよっぽど無用心だって事に気付かないのかい? それに――」

 もう一人の女(どうやらまともに衣類を着用していないようだ。間抜け仲間ってヤツなのか?)が平然と応じて、
 オレのいる2階に視線を向けているのが分かる。とはいえ、外から見つかる筈がない。窓から覗き込める範囲ではなく、
 死角に身を潜めているオレの事が、ヤツらにバレる筈がないのだ。空条徐倫の『糸』のスタンド、アレには用心する必要があるだろうが。
 臓物は煮えくり返っているが、今は隠れることしか出来ない。全ては銃を手に入れてからだ。そうやって自分に言い聞かせた。
 ヤツらが去っていった後で、改めて銃の探索に乗り出し、『暗殺』は、それからでいい。『勇気』と『無謀』を履き違えるな、ジョンガリ・A……!
 忍び難きを忍べ、何処ぞのそんな格言を思い出しながら、オレはじっと息を殺して、ヤツらが用を済ませるまで、
 物音の一つも立てないつもりでいた。しかし、続く女の言葉がオレを、只の潜伏者から逃亡者へと変貌させる、切欠となったのだった。

「――あたしの『女教皇』が、既に店内を探っている。一人いるわね、店の中」

 ……なッ、何だとォォォォ――ッ!?



 ――ナハハハハ、勘のド鈍いヤツよのォーッ! キョロキョロ周りを見回してるけど、全然見当違いさね! ま、そいつも仕方ないわよねぇ、
 アンタにゃあたしが『見えてない』んだから。すぐ目の前だよ、ほら、あーそっちじゃないんだってば! ナハハハハッ! ムキャッ! ふふ。
 男の真ん前、何処にでもある普通の窓ガラスに溶け込んだ『女教皇』の視覚で、あたしはテンパッている男の様子を、余す事無く捉えていた。
 『女教皇』は鉱物に潜み移動出来る『スタンド』。気配を悟られることも無ければ、移動の際にはこれっぽっちの『風』も起きやしない。だから、
 男が何らかの『能力』を持っていたとしても、『女教皇』の接近に気付くことは、まあ不可能だったってワケなのよ。自分を恥じるこたぁないわ。
 しかしまあ、こうやって遊んでる場合でもないって事は分かっていた。あたしが『店の中に一人いる』と声に出した途端、
 男はこうやって周囲に視線をやり始めた。それはつまり、あたし達の会話が何らかの手段で男に筒抜けであるという事。おそらくは、
 男の『スタンド能力』によって。暢気こいちゃあいられねーってワケよ、まったくもう。イタリア料理はちょっとの間、お預けね。

「テメーッ、そっちを先に言えッ! どういうヤツだ? 親父じゃないのか?」
「だったら真っ先にアンタにそう伝えてるわよ。とりあえず、髪は長いけどれっきとした男ね。
 両目の下に……タトゥーかしら? 『π』って読むんだっけこの記号。あ、今手で隠した。意外と楽しいキャラしてるわね……」
「……目の下に『π』のタトゥーを入れた、長い髪の男……ハッ! もしかして……」
「あれ、知り合いなの?」

 ……ゲッ、だとしたらちょっと面倒ね。内心ではそう呟きながらも、平静を装い問いかける。
 徐倫を可能な限り利用して生き残るつもりのあたしにとって、徐倫側の仲間が増えるのはあまり好ましい事じゃあない。
 そいつも懐柔できなかったら、下手すりゃあたしに対する警戒が、2倍になるって事なんだもの。徐倫1人を手懐けるのにも苦労してんのに。
 角砂糖なんかで釣ろうって考えは、ちょいと甘かったかねぇ。あ、あたし今上手い事言った? それとも繰り返しネタはウザいって?
 そんな下らない一人ボケツッコミをやってたところに、思いもよらない名前が飛び出したので、あたしはここで一つのミスをした。

「ジョンガリ・Aッ! やっぱりアイツ生きてたのかッ!!」
「――はぁ? ジョンガリィ? 何言ってんのさ、中にいるのは結構いい歳こいてるオッサンだよ?」

 何やらいきり立った徐倫に、呆れ顔でそう指摘する。しかしまあ、何で徐倫があいつの名前を知っているのか――
 ジョンガリ・A。噂程度には聞いた事があった。たかだが12か13くらいのガキの癖して、やたらと狙撃の腕に長けており、
 DIO様からの信頼も厚かったっていう、軍人志望の小僧。承太郎達の始末とは別の任務を与えられてたらしくて、顔を見た事もないけれど、
 少なくとも今店の中にいるヤツとは何の関係もない筈だ。そういや徐倫、会った時もあたしは承太郎の娘だとか言い張ってたけど、
 案外こいつ、頭がクスリかなんかで飛んじゃってんじゃあないでしょうね? もしそうだったらどうしようかな、手駒にしようとするだけ無駄かも。
 そこまで考えたところで、怪訝そうにこちらを見つめている徐倫の視線に気が付いて、ようやくあたしは、己の犯したミスが何かを、悟った。
 ……あ、ヤバッ。

「『あ、ヤバッ』って顔してんじゃねえーッ! 何でテメーがジョンガリ・Aの事を知ってるッ!? まさかアイツの仲間だとかじゃあないだろうなッ!」
「ちょっ、胸倉掴むのは勘弁し、これが千切れたらエラい事になるでしょーが、ね、ダメだt」
「うるせェェェェェ――! ワケを話せェェェ――ッ!!」
「あー、それは、えーと……」

 今にも噛み付いてきそうな勢いであたしを睨み付けている徐倫と、キス一歩手前の距離で向き合いながら
 (プレッシャーに負けて一度明後日の方向を向こうとしたら、「逸らすな!」の一言で強制的に首を曲げ直された。滅茶苦茶に痛かった)、
 あたしはこの窮地をどう言い繕うべきなのかという事と、
 お願いだから胸元の紐んとこを引っ張るのだけは止めてほしいという事を同時に考えていた。いや、マジに千切れるって、それ以上は。
 ……ってかああもう、ドジこいたーッ! どうする? 正直にそのまんま『DIO様の部下同士だから知ってました』なんてのは大却下だ、
 承太郎がDIO様の話を徐倫にしている可能性だって充分にあり得るんだから、DIO様の名前を出すのはマズい! 絶対にマズいッ!!

「……もしかして、親父に聞いたの?」
「え? あ、そうそうパパよお父様よ! 承太郎があたしに教えてくれたの……って、え、あーッ!?」

 ――うああああ、またやっちったーッ! あたしですら面識がないジョンガリ・Aの事なんざ、
 承太郎のヤツが知ってるワケないでしょーがあああああッ! こんな単純な誘導尋問に引っ掛かるなんて、もうダメだ、全部バレる……!
 2階の窓ガラスから『女教皇』を呼び戻さなければ、そう腹を括って『スタンド』へと命令を送ろうとしたところで、

「……ふーん、そのくらいは教え合える仲なんだ。それで? ジョンガリ・Aは店のどの辺にいるのよ?」
「『ハイプリエ』……へっ?」

 あたしは面食らう羽目になった。胸元の拘束が解けて、徐倫の視線が『トラサルディー』の方へと向き直る。
 え、何よ、ちょっと間はあったけど納得しちゃったの? ……とりあえず二重の意味で助かったけど、何となく釈然としない。色々と引っ掛かる。
 オーケイ、あたしも色々とこんがらがってきたから、一度全部を整理してみよう。
 どうやら徐倫は、承太郎繋がりでジョンガリ・Aの事を知ったみたいだ。で、店の中にいる30過ぎくらいに見えるオッサンの事を、
 徐倫はジョンガリ・Aだと認識している。けれど、あたしの知ってるジョンガリ・Aは、ハタチにも満たないガキんチョの事。
 ……おかしい。話が噛み合わない。

「早く教えろッ! ヤツがライフルを支給されてたら、こうしてる間にいつ撃たれたっておかしくないんだぞ、あたし達はッ!」
「…………」
「ちょっとミドラーッ! 聞いてんのかコラァーッ!!」

 我鳴り立てる徐倫をほっぽって、あたしは思考の海へと潜る。
 中の男、いや便宜的にジョンガリ・Aって事にしておこう。ジョンガリ・Aがライフルを持っていない事は、『女教皇』の目で直接確認してある。
 だから危険は無いのだ。今の発言で気にするべきなのは、徐倫の知ってるジョンガリ・Aもまた、
 ライフルを得物とするスナイパーであるらしいという事、そっちの方が案件としては、重要なのよ。
 幾らこの広い世の中とはいえ、あたしの知ってるジョンガリ・Aと、徐倫の知ってるジョンガリ・B(こいつの名前って便利ねえ)が、
 たまたま同姓同名で、たまたま二人とも狙撃が得意なだけの別人と考えられるほど、あたしの頭はノーテンキじゃあない。
 けれども、歳が合わないのだ。そこで一つ思い出した事があった。自らのことを、『空条承太郎の娘』だと主張している、この徐倫の存在。
 あたしの知ってるジョンガリ・Aが、店の中の男ほどになる年月。
 それは大体、高校生の空条承太郎が、徐倫ほどの娘を持てるだけの歳になる年月と、一致しないだろうか……?

「クソッタレッ! 店から出たら今度こそ一発ブン殴ってやるからなッ!」
「――ちょっと待ちなよ、徐倫」
「何だよッ! 来るのか来ねーのかはっきりしろッ!」
「……ジョンガリ・Aに感付かれたから、あたしの『女教皇』は、ここに戻したわ。だけど居場所は、大体分かってる……」

 あたしを置き去りに店の中へと突っ込もうとしている徐倫を、そう言って引き止めた。これからやる『ある事』のためにも、
 徐倫はあたしが直接見張っている必要がある。『女教皇』を戻したなんてのは、当然真っ赤なウソだよ。ムキャッ!
 直接検証してみた方が早い、そうあたしは判断したワケだ。店の中にいるジョンガリ・Aが、あたしの知ってるジョンガリ・Aと、同じなのか、と。
 ただし、あたしもジョンガリ・Aも、立場としては承太郎の敵。徐倫の目の前で、互いの立場を確認しあうワケにはいかない。だから――

「――ヤツがいるのは、1階だよ」

 ちょっとした芝居の始まりさ。ナハハハハハハハハッ!



 二組の気流が店の中へと侵入、厨房側へと向かっている。まずは1階から、虱潰しにオレを探そうというのか。
 ……待て、1階から虱潰しにだと? ヤツらはオレの正確な場所を、把握しているワケじゃあないのか? ならば今は撤退のチャンス――

「ねえ、アンタ」
「……ッ!?」

 不意に背後から聞こえたその声に、驚嘆の念を抱きつつ振り向く。いや、振り向いたところで相手の姿が見えるワケでもないのだが、
 それよりも――バカなッ! オレの後ろには窓しかない筈ッ! 『風の動き』もまるで感じなかった……何処からだッ!? 一体どうやってッ!?

「驚いた? 窓ガラスが独りでに喋ってりゃ、そりゃあ驚くでしょーけど。あたしの声に聞き覚えない? 会話丸聞こえだったんでしょ?」
「キサマ……」

 『マンハッタン・トランスファー』は、下の二人の動きを感知するため1階に潜ませてあるので、眼前の状況を完璧に把握する事は出来ないが、
 おおよその事は飲み込めた。空条徐倫と行動を共にしている女、今喋っているのはこいつの操る『スタンド』に間違いない。
 オレの存在に気が付いたと言ったその時から既に、すぐ傍の窓ガラスに潜んでいたというワケか。……まるで気が付かなかった。
 もしもこいつに殺意があるのなら、オレは今頃、とっくに始末されていただろう。しかしどうやら、今のところは手を出すつもりは無いらしい。

「一体何を企んでいる? 『女教皇』のミドラー」
「……やっぱりちゃんと知ってるんだ、あたしの事」
「空条徐倫に名前を呼ばれていただろう。キサマ自身も、『女教皇が店内を探っている』と口にしていたしな。それで分かったんだよ。
 しかし、一体どういう事だ? 23年前、キサマはジョースター達の始末に失敗して再起不能になり、
 それ以来暗殺者稼業からは身を引いて、行方知れずとなっていた筈だが。
 何故今更こんな場所に呼ばれ、おまけに空条徐倫と行動を共にしてい――ぐおッ!?」
「はァ? あたしが任務にミスったァ!? デタラメこいてんじゃあねーわよ、あたしの『女教皇』があんな連中に負けるワケないでしょーがッ!!」
「うがああああ……! くッ……首を絞めるな……それと大声を出すんじゃあない……! じょッ、徐倫にバレちまう……ッ!」



 *************************

「……ミドラー、アンタ滅茶苦茶怖い顔してるわよ。ジョンガリ・Aが見つかったの?」
「――え? な、何の事かしら? 分からないわね徐倫、あは、あはははははははは」

 *************************




「……ったく、アンタのせいで危うく徐倫に感付かれるとこだったじゃないのよ」

 オレが悪いのか、今のは。深く深くそう思ったが、敢えて口には出さなかった。咳き込んでいて声が出なかった為でもあるのだが。
 重度の圧迫から開放された頚動脈の辺りをニ、三度摩って、呼吸を落ち着かせる。不幸中の幸いとして、
 気管に大した影響は無さそうだ。……三途の川の向こう側で、DIO様が手招きしていたように見えたぞ。いやDIO様はそういえば生きて――

「いい? 答えようが答えまいまいが……あたしは今からアンタにごく簡単な、『たったふたつの』質問をする」
「……一つじゃないのか。というかだな、暗に拒否権は無いと言っているようだが、そんな文法は存在しないぞ」
「うっさいね。ごく簡単って言ってるんだから黙って聞きゃあいいんだよ」

 どうやら、発言権もオレの自由ではないらしい。絵に描いたような身勝手を前に、結局オレは屈服した。

「……さっさと言え」
「じゃあ一つ目。アンタ本当にジョンガリ・A?」
「は?」

 思いもよらない問いかけを聞き、二の句が継げずに絶句する。きっと今のオレは、
 ヘタクソの詐欺師がペラペラと語る講釈を聞いているときのような、胡散臭いものを見る者の顔をしているに違いない。
 『……言ってる事が分からない……イカレてるのか?』などと、反射的に返しそうになった。先刻以上の報復が待っている気がしたので、
 当然口にはしなかったが。とはいえ、不可解な詰問である事には変わりがない。第一、徐倫との会話を聞いた限りでは、
 オレの正体は既に認識済みではなかったのか? 疑念はますます強まるばかりだ。

「……当たり前だろう」
「よね、やっぱり……うん、二つ目。アンタ今トシいくつ?」
「35歳だ。サーティーファイブ! ……いい加減にしろミドラー。どういう意図があってこんな事を聞いている? 面接官にでもなりたいのか?」

 流石にそろそろ、理解不能の問答に付き合ってやる気も失せてきた。こんな事をしている間にも、徐倫がいつ2階へ上がってくるか――いや、
 そもそもこの奇妙な掛け合い自体が、オレの逃亡を阻止するための罠という可能性は? ……流石にないな。そんな回りくどい事をするより、
 『女教皇』の爪でオレの喉を掻っ捌く方が手っ取り早いだろう。いずれにせよ分からん。何がしたいんだ、コイツは。

「……35歳……大体20年とちょっと……承太郎が高校生だから……ぶつぶつ……確かに計算は合うわね……」
「……何をごちゃごちゃと呟いているんだ?」



 *************************

「ミドラーッ! ぶつくさぼやいてる暇があったらさっさとジョンガリ・Aを探せェェェ――ッ!!」
「だけどあたしが負けたなんて……『女教皇』に弱点はない筈……承太郎達がそこまで……ぶつぶつ……ポルナレフって事はないわよね……」
「ミドラァァァァァァァァァァ――ッ!!」

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「――オーケイ、質問はこれで終わりだよ。納得いかないところもあるけどね……ぶつぶつ……」
「……今、1階で聞こえた徐倫の絶叫は何だったんだ……?」
「気にしないでいいわよ、今フツーに応対して誤魔化してやったから。――けど、そろそろ1階での時間稼ぎも厳しくなってきたわねぇ……」
「なッ……キ、キサマッ!?」

 死刑宣告にも等しいその言葉をあっさりと言ってのけたミドラーに対して、焦りよりも先に怒りの方が込み上げてきた。フ……フザケるなッ!!
 オレが『スタンド』に触れられたなら、今頃はさっきとは逆に、オレが『女教皇』の首根っこを引っ掴んで揺さぶっているところだ。悲しいほどに、
 今のオレは無力である。せめてもの抵抗と思い、溜まりに溜まっていた感情のたけを臆せずブチ撒ける事にした。

「まさか、今までのバカげた質問のためだけに、オレをこの場に留めたんじゃあないだろうなッ!?
 冗談じゃあないぞッ!! キサマがこんな事をしなければ、オレは充分に徐倫から逃げられたッ! やはりキサマは徐倫の味方なのかッ!?」
「落ち着きなさいよ、大声出すなって言ったのアンタでしょーが。そりゃあ確かに、一種の事実確認みたいなモンだったけど、
 あたしにとっちゃあ結構な収穫があったんだから。――これでやっと心置きなく、本題に移れるってモンよ」
「――何だと?」

 沸騰寸前だった思考が、氷でも放り込まれたように、急速に熱を冷ましていく。『本題』だと? 今までの下らない質疑応答は、
 単なる前振りに過ぎなかったという事か? そうだとしても、腑に落ちない点は多々あるが――まあいい、今更な話だ。もうどうにでもなれ。
 こちらが平静を取り戻すのを待っていたのか、若干の間があった後に、『女教皇』の口から、その提案は紡ぎ出された。

「――あたしと……」



 正直、あたしはイラついていた。厨房の奥へと入っていっても、食器棚の中を洗いざらい引っ掻き回してみても、
 ジョンガリ・Aの野郎がちっとも見つからないのだ。『トラサルディー』はそこまで広い店じゃあないし、
 おまけに捜索範囲は1階限定だっていうのにだ。人が隠れられそうな場所は全て捜した。『グーグー・ドールズ』のような能力を使って、
 小さくなったりしている可能性をも考慮して、鍋の中やコショウのビンの中まで調べたりした。だけど、いない。ヤツは何処にもいない。
 休憩と称してフロアのテーブルに腰掛けつつ(尤も、実際結構疲れているのは間違いない。呼吸も微妙に乱れている気がする)、
 あたしは頭を落ち着かせるべく、今の状況を初めの初め、この隠れんぼの取っ掛かりから、思い返してみる事にした。
 まず第一に、あたし達は何故この『トラサルディー』へとやって来たのか。それはミドラーが言い出したからだ。たまたま立ってた看板を見て、
 コイツがわざわざ入ってみたいと言い出したのだ。あたしは別にイタリア料理に興味なんかさらさら無かったし、いやでもほんのちょっとだけ、
 ミリ単位程度には『イタリア料理かぁ、いいなぁ……』とか思っちゃってたような気もするけど、言いだしっぺはあくまでミドラーだ。うん、そう。
 次に、店の中にジョンガリ・Aが潜んでると言い出したのは? これもミドラーだ。おまけに、あたしが『店の中に誰かいるかも』と指摘した途端、
 取って付けたようにそう断言したのだ。『女教皇』で見つけたとかいう、尤もらしい理由まで添えて、だ。
 そして極め付けが、『ジョンガリ・Aは1階にいる』発言。これは今更考察するまでもない、何処にもいねーよジョンガリ・A。
 『ストーン・フリー』の糸をも駆使して、店の隅々まで捜した。姿が見えないカメレオンであろうと、逃す事はない筈なのだ。
 確信を持って断言出来る。この『トラサルディー』の1階には、絶対ジョンガリ・Aはいない、と。
 こうなると、怪しくなってくるのは当然ミドラーだ。ジョンガリ・Aが1階にいるなんてのは、単なる狂言なんじゃあないか? いや、最悪の場合、
 最初からこの『トラサルディー』の中に、他の参加者なんて誰一人としていなかったんじゃあないのか……? と、疑い出したらもうキリがない。
 で、そのミドラーは今何をやっているかというと、幾ら食材が残ってたってコックがいなけりゃあ意味ないじゃあねーのよとか、
 そんな間抜け極まる事をぶつくさ一人で呟きつつ、向かいのテーブル席で支給品の角砂糖をレロレロ舐め続けている。最高に行儀が悪い。
 ミドラーの前に置かれているのは、テキーラ酒が入った1本のビン。この店から拝借したものらしい。角砂糖と後なんかを混ぜ合わせると、
 お気に入りのカクテルが出来上がるそうだ。よくそんなモンの作り方知ってるなと、感心半分、『イカレてるのか? この状況で……』という、
 呆れ半分に言ってみると、「大人の女のたしなみだよ、ムキャッ!」なんて生意気な返事が飛んできた。承太郎と一緒に飲もうかしらねぇ、
 とかフザケた事まで言い出した時は、ついつい手を上げそうになったけど、よくよく考えたら別にコイツが親父と飲もうがあたしの知った事か、
 そうやって自分に言い聞かせて、言い聞かせて? そうじゃないだろ、何テンパッてんだあたしは。落ち着け。とにかくあたしは堪えたワケだ。
 そういえば、このゴタゴタのせいですっかり思考から抜け落ちてしまっていたけれど、結局親父とこのミドラーは、一体どういう関係なんだ?
 ジョンガリ・Aの事は親父から聞いたのだと、ミドラーはそう言っていた。ヤツはあくまで、
 『あたし達の血統』だけを付け狙う男。親父の性格からいって、単なる友人程度には、わざわざジョンガリ・Aの話なんかしない筈だ。
 って事は、少なくともミドラーは、親父にとって友人以上の相手であるって事で、それってつまり、まさか、その……
 ……ヤバい。これ以上想像が進むと、考えちゃいけない領域まで及んでしまう気がする。やめよう、うん。今の事は全部忘れろ、空条徐倫。


 そんなこんなで割といっぱいいっぱいだったあたしは、2階から唐突に聞こえてきた、
 砕け散った破片の織り成す異音に気付くのが、少しだけ遅れた。

「え?」

 甲高く耳を劈いた破砕音の正体が何なのか、それはすぐに検討が付いた。窓ガラスが割られた音だ。そして、
 この状況で窓ガラスを割るようなヤツは、一人しかいない。それは勿論――

「……ジョンガリ・Aッ!?(ホントにいたんだ……)」
「既に2階に逃げ込んでた、ってワケね……あ、徐倫、あれ見てよあれ」
「うるせーッ!! アンタの言う事は全然アテになら……ハッ!」

 すぐさま立ち上がり床を蹴ったあたしを、またしても平坦な調子でミドラーが引き止めた。いい加減にあたしもキレそうだったから、
 無視して階段のある厨房奥へと駆け込もうとしたのだけれど、ミドラーが指差した先の光景を確認して、流石に足を止めた。
 頼りない月明かりのおかげで、辛うじて確認出来た銀色の粒。フロアの西側に位置する窓の外に、
 2階からちょうどガラスの破片が降り落ちてくるのが見えたのだ。それはつまりどういう事か? その下で待ってさえいれば、
 あたし達は難なく、『トラサルディー』から脱出しようと続けて飛び降りてくる筈の、ジョンガリ・Aを捕まえる事が出来るというワケだ。
 ……あれ、だけどちょっと待った。ヤツのスタンド、『マンハッタン・トランスファー』なら、あたし達の待ち伏せだって、
 2階から探知出来るんじゃあないか? 丸分かりの落とし穴に向かって全力疾走するバカがいるか? いるワケがない、そんなの。かといって、
 ヤツが飛び降りるよりも早く、階段を使って2階へ上がれるか? 無理だ。あたしの脚力は、そこまで化け物染みたモンじゃあない。だったら、
 取るべき手段は一つ――

「『ストーン・フリー』……オラァッ!!」

 『階段を使わず2階へ上がる』――これしかない。『立体』として発現させた『ストーン・フリー』の拳で窓ガラスを叩き割り、
 そこからあたしが店の外へ飛び出すのと同時に、『ストーン・フリー』の形状を『糸』へと戻して、指先から2階の窓に向けて『糸』を撃ち出す。
 ジャパニーズ・ニンジャアクションの物真似とでも言えばいいのか――『ニンジャ』がどんなモノなのかなんて、ロクにあたしは知らないけれど、
 とにかく。撃ち出した糸がカーテンレールに巻き付いたことを確認し、一気に『糸』を縮ませる。あたしの身体は『糸』の伸縮力で引っ張られて、
 割り砕かれて吹きさらしになった窓枠を潜り、部屋の中へと突入する事に成功した。後はその辺に突っ立っている、
 ジョンガリ・Aをブチのめすだけ――って、

「……あれ?」

 薄暗がりの部屋の中を、感覚の目をも総動員して見回す。けれども――誰もいない。ジョンガリ・Aどころか、ネズミ一匹として見当たらない。
 無人の部屋の中でただ一人、あたしは呆然と立ち尽くしていた。ショート寸前だった思考回路が正常に戻るまで暫しの時間が置かれて、
 それから――そんなバカな。ようやく、事態の異常さに気付いた。
 まず、窓ガラスが割られた時点では、この部屋の中に誰かがいた事は間違いないのだ。それがジョンガリ・Aであれ別の参加者であれ、
 何者かがここに潜んでいた事は確かだった。そして、窓ガラスが割られてからあたしがこの部屋に飛び込むまでの時間は、
 ものの10秒かそこらでしかなかった筈。その10秒の間に、この部屋の中にいた『潜伏者』は、忽然と姿を消してしまった。
 部屋の扉から、廊下にでも逃げ込んだのか? その浅はかな推理もまた、即座に打ち崩される事になった。ドアノブには、
 『内側から』鍵が掛かっていたのだ。他の窓ガラスも全て閉まっている。要するに、この部屋の出入り口は、たった今あたしが入ってきた、
 この破壊された窓一点しか無いということ。けれど、そこからは誰も飛び出してこなかった。どうなっているんだ、このフザケたミステリーは――

 ――ヤツは。ジョンガリ・Aは一体、どこへ消えたんだ……?



【イタリアンレストラン『トラサルディー』(F-02)/1日目/黎明】

【空条徐倫】
[スタンド]:『ストーン・フリー』
[時間軸]:『ホワイトスネイク』との初戦直後。エルメェスがスタンド使いだとは知らない。
[状態]:健常
[装備]:自動式拳銃(支給品)
[道具]:道具一式
[思考・状況]
1.1階のミドラーと合流、釈然としないが『トラサルディー』を後にして移動する。
2.父親に会う。
3.ミドラーに気を許しすぎない。

【ミドラー】
[スタンド]:『女教皇(ハイプリエステス)』
[時間軸]:DIOに承太郎一行の暗殺依頼を受けた後。
[状態]:健常
[装備]:なし
[道具]:道具一式、角砂糖(支給品)
[思考・状況]
1.????
2.生き残る。
3.徐倫の信頼を得て、手駒として動かしやすくする。
  そのためにはスタンドを彼女に明かした以上に使うことは極力避ける。
4.今のところはこれ以上徒党を組む必要性を感じていないが、好みのタイプである承太郎は別。

【ジョンガリ・A】
[時間軸]:徐倫にオラオラされた直後
[状態]:問題なし
[装備]:テキーラ酒(瓶)
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
1.????
2.ディオと合流   
3.銃を探す 
4.自分とディオ以外の人物の抹殺
[備考]: ホワイトスネイクは知っている(本体は知らない)
    :辺りを警戒
    :北に移動(本人は解らない)

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キャラを追って読む

18:トンネルを抜けると 空条徐倫 40:信奉者達の盟約(後編)
18:トンネルを抜けると ミドラー 40:信奉者達の盟約(後編)
03:盲目の狙撃手 ジョンガリ・A 40:信奉者達の盟約(後編)