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「………ん」
僕が目を覚ました時に先ず目に入ったのは見覚えの無い天井。
そして貫禄と寛容を兼ね備えた紳士風の男性の、僕を覗き込む顔だった。
「おぉ、気付いたかね」
「ココは?……ッ!」
身を起こそうとして、余りの激痛に再びベッドに沈む。
「無理をしてはいかん!君は今、ひどいケガを負っているのだ」
倒れた僕に毛布を掛けなおし、男性は言葉を続けた。
「此処は杜王グランドホテルの一室。君はホテルの前で倒れていたので此処まで運び、手当てさせて貰った。
運び込んでから君は1時間ほど気を失ったままだった。君の置かれた状況をざっと説明すると、こんな所だ」
「あ、有難う御座います。
僕の名は花京院典明。宜しければ貴方のお名前を聴かせて頂けますか?」
「私の名はジョージ・ジョースター。花京院君の事はポルナレフ君より聴いているよ」
「!!」
ジョースター卿のこの言葉に、僕は一瞬体の痛みを忘れた。
ジョースターさんの姓を名乗るこの人の名にも驚いたが、それ以上に…
「ポルナレフが居るんですか!?」
遂に信頼出来る仲間に会えたのだ!
そしてその時、扉が開き一人の男が入って来た。
「ジョースターさんよぉ。タオル血まみれだったんで捨てといたぜ。
洗う水すら勿体無いからな」
「!!ポルナレ………フ…?」
そしてその男を見て、僕は愕然とした。
中に入って来た人間は、或る意味ポルナレフと対極に位置する人間だったのだから。
そして入って来た人間に対して警戒を強める。
「ホル・ホース!!」
「ゲッ!起きたのか!!」
「貴様…!」
上半身を起こし、ハイエロファント・グリーンを出現させた所で、2つの声に遮られた。
「わ~っ!!待て待て待て待て!」
「ん?ポルナレフ君がどうかしたのかね?」
「…え?」
ジョースター卿は、ホル・ホースの事をポルナレフだと思っている?


「ポルナレフ…?こいつが、ですか?」
「うむ。彼も怪我をしていたのだが君より一足先に目を覚ましてね。
君の手当てを手伝ってくれたのだよ」
僕の手当てを!?コイツが?
混乱している所に、ホル・ホースが僕の首へ腕を回し、耳元で囁いてきた。
「詳しい話はあのおっさんが居ない所でしようや。
取り敢えず俺はアンタに危害を加えねぇ。
だからアンタも、今は名前をバラさないでくれ」
「…」
「頼む」
整理に時間が掛かりそうな状況だが、
ホル・ホースのおかげで一命を取り留めた事は事実のようだ。
「分かった」
そう告げ、ジョースター卿に向き直る。
「ジョースター卿は、今までずっと、ポルナレフと一緒に?」
…ポルナレフ、済まない。
「あぁ、実は…」
そして、ジョースター卿と“ポルナレフ”から今までの経緯を話して貰った。

「…で、その時戦闘機型のスタンドに襲われて…」
「!!」
そこまで聴いて、僕は傍と思い出した。
「そうだ!あの少年は!?」
突然声を上げたことに二人は面喰らったようだった。
「少年って」
「その戦闘機型スタンド使いの少年です。僕の付近で倒れていませんでしたか?」
「君の周りも何も、君の事で手一杯でとても付近の事は…」
「助けに行かなくては!」
立ち上がろうとする僕を、ホル・ホースが制す。
「おいおい、俺はそいつに攻撃されたんだぜ?おまえだってそうだったんだろうがよ。
敵を助ける義理が何処にある?」
「彼は僕を殺そうとはしていなかった。自分が生き残ろうとしていただけなんだ」
「つまり近付いたら殺されるって事だよな」
「だからって…!」
始まった僕とホル・ホースの言い合いを止めたのは、ジョースター卿の言葉だった。
「分かった、私が行こう。君達は此処で休んでいてくれ」
「え?」
「何だって?」
彼の言葉に二人して驚き、振り向く。
「二人とも怪我を負っている。特に花京院君、君は人の救助が出来る体では無い。
だから此処は私が行こう」
「ジョースター卿…」
僕らに言葉を続けさせず、ジョースター卿は部屋を出て行った。



 * * *

私が少年を見付けた時、彼は瓦礫に埋もれ意識を失っている、或いは死んでいるように見えた。
「君!大丈夫かね!」
慌てて駆け寄り、少年の生死を確かめる、
「…」
良かった。どうやら生きているようだ。
が、一安心し瓦礫を取り除こうとした所で、上の岩盤が崩れ落ちて来た。
「…ッ!!!」
間一髪落ちる岩盤を支え、少年の頭上へ落ちるのを防いだが、この岩盤を落ちないよう支える事しか出来ない。
その所為で私も全く身動きが取れなくなってしまった。
今、私に出来る事は少年に気付いて貰う事だけだ。
「君!しっかりしたまえ!君!!」
岩盤を両手で支えながら声を掛ける。
暫く全くの無反応だった少年は
「しっかりしたまえ!!」
「……ん…」
何度目かの声に漸く応じた。
「あ………れ?」
「気が付いてくれたか」
ほぼ全身が埋まっている少年は、首だけ回しキョロキョロしている。
そんな少年に私は告げた。
「済まないが私はこの岩盤を支えるので精一杯なんだ。君、自力で抜けられないかね?」



 * * *

瓦礫に埋められた後俺は気を失い、
気が付いたら瓦礫が崩れようとするのを目の前のオッサンが防いでいた。
そして
「済まないが私はこの岩盤を支えるので精一杯なんだ。
君、自力で抜けられないかね?」
と言って来た。
何だぁ?コイツ、動けない俺に止めを刺そうってのか?
一瞬そう考え、エアロスミスでこのオッサンごと瓦礫を吹き飛ばそうとも思ったが、すぐにそれが勘違いである事が分かった。
このオッサンは俺の上に落ちる瓦礫を支えてるんだ。今、俺はオッサンに助けられている。
オッサンを撃ち殺そうものなら瓦礫に今度こそ潰される。
だから言う通り、必死になって抜け出ようとした。
が、
「ダメだ、体がうごかねぇ」
「そうか、ならポルナレフ君か花京院君を呼んでくれないかね?
あのホテルの中に居る」
「呼ぶって?」
「大声で叫んでくれれば良い」
何故かオッサンは俺を助けようとしているみたいだ。
自分が助かる為なら手を離して後へ一歩引けば良い。
そうすればオッサンは助かるし、敵(俺の事だ)も一人消せる。
なのに何で…?
「声も出せない状態なのかね?」
オッサンの声に俺は現実へ引き戻された。
「あ、あぁ。声なら出る」
「ならば頼む」
「分かった。…良し」
そして俺が声を出そうとした時、
「!!」
オッサンの後に二人の人間の姿が見えた。銃を持った男とカバンを持った女の二人組。
俺はそいつらに向かって叫んだ。
「てめぇら、誰だ!」
俺の言葉に、オッサンも首だけ後ろへ向ける。
二人組は俺達から50mほど離れた所で立ち止まった。
そして女の方が男へ喋る言葉を聴いて、俺は驚いた。
「ジョンガリ・A。こいつらどうする?」
「!!」
ジョンガリ・Aだって?
DIOの言ってた一人じゃねぇか!
「ジョンガリ・A?お前がジョンガリ・Aなのか?」
銃を持った男は俺の言葉に反応した。
「俺はお前を知らんが」
「DIOからの伝言があるんだ!!助けてくれ!!」



 * * *

ジョンガリ・Aに連れられてどれ位東へ歩いたのか、どでかい建物の前に人が居た。
そしてそのうちの一人、瓦礫の下敷きになっているガキがとんでもない事を叫び、あたしは仰天した。
「DIO…だと?」
DIOといえばプッチ神父の仲間、つまりは敵じゃねえか。
やはりコイツ、ジョンガリ・Aは敵…
ドン!!
そこまで考えていたあたしの思考は、隣から響く銃声によって遮られた。

 * * *

このゲームが始まってから最大の衝撃だった。
DIO様が私に伝言を残していらっしゃる。
この小僧からの伝言を聞くだけで、恐らくDIO様の下へ辿り着く事が出来る。
それより何より、DIO様は私を必要となさっている、という事実が俺を歓喜に奮わせた。
その後の俺の決断は迅速だった。
今の言葉を聴いた時点で、F・Fには敵だと認識された筈。
思ったより早い始末となったが、最早不要の存在となったF・Fを撃ち殺し、
『ライク・ア・ヴァージン』の親機を手に入れる。
そして瓦礫の下敷きになっている小僧から伝言の内容を聞く。
その筈が…。
「エメラルドスプラッシュ!!」
俺の弾丸は、降り注ぐ無数の緑石に弾き落とされた。
「何ッ!?」
瞬間、俺は気付いた。
この場にはまだ他に人間が居たのだ!



 * * *

ここまで僕を担いできたホル・ホースに僕は告げる。
「じゃあ、約束通りホル・ホースは少年の救出を頼む」
「ったく、余計な事しなけりゃいいのに…」

ジョースター卿が部屋を出た後、僕はホル・ホースから話を聴いた。ヤツはこう言っていた。
「俺は生き残りたい訳よ。ただそれだけ。でも、DIOがこの世界に来てどう考えると思う?
まさか、皆で協力してアラキを斃してメデタシメデタシを考えてます、とでも?」
「いや、全員皆殺しにした後荒木も殺す、と云った所だと思う」
「正解正解。つまりDIOの下に着いた時点で俺の生き残りは無いって事。
だったら、犠牲者少なくアラキを斃そうというジョージのおっさんに味方した方が、生き残れる確率は高い訳だ」
「…」
コイツらしいと云うか、相変わらず日和った考えだ。
そう考えていた時、外から声がした。
様子を見ると、何とジョースター卿が落盤を支えている。
しまった!彼が身動き取れないように瓦礫を積んだ為、崩れたか!
「助けに行かなければ!」
「え~っ?おめぇのスタンドであの岩砕きゃいいじゃん」
「そんな事したら、ジョースター卿たちが砕けた瓦礫の下敷きになってしまう」
「って事は…」
「ジョースター卿と一緒に岩盤を取り除く。お前も手伝え」
「力仕事かよ」
そして愚図るホル・ホースを叱咤し玄関に辿り着くと、状況は更に変わっていた。
ジョースター卿達に接近する、男女二人組を捉えたのだ。
「おい、どうするよ?」
ホル・ホースが訊ねて来たので返答する。
「少し様子を見よう。ジョースター卿達が危ないと感じたら、僕が割り込む。
その間にホル・ホースはジョースター卿達を助けてくれ」
「おいおい、そいつはゴメンだぜ。何でそんな危険な事しなきゃ…」
「じゃあ、お前があの二人を相手にするか?」
「ったく、テメェは命の恩人を何だと思ってんだ。
分かったよ。ジョースターのおっさんを助けに行かせて頂きますよ」
ブツブツ言っているホル・ホースを尻目に外の状況を見ると、銃を持った男が動き出していた。
「エメラルドスプラッシュ!!」
次の瞬間、僕は銃目掛けてエメラルドスプラッシュを放った。

ホル・ホースはジョースター卿の下へ走って行った。
「(さて、僕もやるべき事をやるか…)」
少年を助けるまであいつらの注意をこちらに向けなくてはならない。
まともに歩けないので壁に寄り掛かりながら、
薄れ掛けている意識を必死に繋ぎ止め、
それと同時に、消え掛けるハイエロファント・グリーンを、力を振り絞って出現させた。
せめて、この闘いで犠牲が可能な限り少なくて済ませるよう、自身に誓いながら…。

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