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――次第に空が明るんできた。東の方……花京院が歩いてきた方角にある港、そのさらに向こうにある地平線から今にも太陽が昇ってきそうである。 リゾットとの戦いに負傷しながらも勝利した花京院は決して快調な足取りではないが街の中心を目指して歩いてきた。 (空が明るくなってきた……これ以降は慎重に行動しないとすぐに人に見つかってしまうな) 決して万全では無くなってしまった体――今戦意充分の者と鉢合わせたら負けてしまう可能性は高いだろう。 身を隠せる家のある住宅街に向かわなければ……その一心で花京院は歩いてきた。 花京院はここまでを振り返る。 (あの男、動けなくはしたがかなりの強敵だった。奴にも仲間がいるかも知れない。もし奴がその仲間に助けられ再び僕の目の前に立ちはだかる事があったら……) そこまで考え、ふと自分も仲間を探そうとしていた事を思い出す。 (もし奴が再び僕の目の前に現れる現れないの前に襲い来る敵に対抗するには仲間がいる。幸い承太郎やポルナレフ、ジョースターさんやアブドゥル達もいるんだ) そこでふと何かが頭の端に引っ掛かる。何であろうか? そんな花京院の脳裏にDIOの館での承太郎とポルナレフの会話が思い出される。 『アヴドゥルとイギーは?』 『こ……ここまではこれなかった……おれを助ける…………ために……』 そうだ……アヴドゥルとイギーは死んだはずなのだ。しかし参加者名簿には両名の名が……さらにアヴドゥルに至っては開始前に荒木に攻撃を仕掛けている。これは一体…… (バカな……死んだ者が生き返るだと?そんなメルヘンやファンタジーやゲームの様な話があるわけがない! 何らかの秘密があるはずだ。恐らくそれが荒木のスタンドの能力!) 花京院はさらに深く考える。 (しかし……いくらスタンドとは言え死んだ者を甦らせるなど出来るのか?だがしかしそれならなんだ?) 花京院は仮説を立ててみた。 1・アヴドゥル達は良く出来たCGで最初のやり取りは一人芝居の様な物だった。 これは恐らくないだろう。何しろさっき体験した事…… 戦いでの痛み等が全て本物だった事からこのゲーム自体が多分リアルでの出来事であろう。 そこまで手を込ませて殺人ゲームを強いる奴がCG等を使うとは思えない。 2・あのアヴドゥルは荒木のスタンドの能力で作り上げられた人形の様な物だ。 これも恐らく有り得ない。アヴドゥルは荒木にマジシャンズ・レッドで攻撃を仕掛けていた。 いくらアヴドゥルを真似た人形を作れたとしてもスタンド能力まで如実に再現は無理だろう。 3・それ以外 もうもはや五里霧中と言った感じである。 『死んだはずの人間やら何やらを一ヵ所に連れてくる』『攻撃は目の前で掻き消す』『相手の動きを封じる』 ざっと考えただけでこれだけの能力を操る能力者なわけだ。 (無理な話だ。これらが一つのスタンドで解決というのは困難な話だ。きっと見えないところに仲間がいたのだろう。 死んだ者を連れてくるとかいうだけなら空間や時空を飛び越える能力なら……空間や時空を飛び越える?) 花京院はある一つの可能性に辿りついた。 (そうだ。荒木の能力は恐らく空間・時空を操る能力なんだ。 空間を飛び越えて様々な人間を一ヵ所に連れてくる。その際時空を超えれば死んだ人間が死ぬ直前から連れてくる事も出来る。 アヴドゥルの攻撃もそうだ。自分の目の前の空間をどこかに直結させれば攻撃が掻き消された様に見せられる。 あの少年が動けなくなったのは恐らく少年の周りの空間を固定したのだろう。 言うなれば水の中に石を入れて凍らせたら動かせないのと同じ理屈) 荒木の能力を推測する事は出来た。しかし問題はここからだ。そんなスタンド相手にどうやって戦えば良いのだ? 攻撃は恐らく全て通じない、様々な時代・場所に吹き飛ばされるかもしれない、身動きを取れなくされるかも知れない。 そんな奴相手に戦う?無茶な話だ。だがやらねばならない。このままではただゲームに流されて犬死の可能性もある。 何としてもこの仮説を誰か……仲間に話さなければならない。 花京院の歩が早まる。一刻も早く仲間と合流しなければ。 花京院は辺りを見回す。もうかなり明るくなっており日が昇りそうだ。 慎重に、かつ迅速に承太郎達を探す……花京院は己に誓いを立てた。 次の瞬間、そんな花京院に俄かには信じがたい出来事が起こる事になる。 「ん?こんなところにTVが捨ててあ……バカな?!何故映っている?!」 目の前にある打ち捨てられたTV。それだけなら何の不思議もないがそのTVは不鮮明ながら何かを映し出していた。 コンセント等当然どこにも繋がってはいない。 不思議な現象を前に唖然とする花京院を余所に、不鮮明なTV画面の向こうの何者かが語り始める。 それは物語を大きく動かしていくスイッチだった…… 「えー皆聞こえてるかな?それじゃあただいまから一回目の放送を行いま~す」 【路上(G-7)/一日目/早朝】 【花京院典明】 [スタンド]:『ハイエロファント・グリーン』 [時間軸]:DIO相手に結界を張った時点 [状態]:重傷・応急手当て済み [装備]:アーミーナイフ [道具]:支給品一式+リゾットから奪った食料 [思考・状況] 1)荒木の能力は……まさか僕の予想通りなら何て恐ろしい能力なんだ 2)荒木を倒すにはやっぱり仲間と合流しなければ…… 3)ただ明るくなったら余り派手に動き過ぎてはいけない。慎重に行かなくては…… 4)して今のこの状況(放送)は一体?! 花京院が荒木の能力に気がつきました。 *投下順で読む [[前へ>真の《殺戮のエリート》]] [[戻る>1日目 第1回放送まで]] [[次へ>角砂糖同盟]] *時系列順で読む [[前へ>真の《殺戮のエリート》]] [[戻る>1日目 第1回放送まで(時系列順)]] [[次へ>角砂糖同盟]] *キャラを追って読む |21:[[開戦]]|花京院典明|62:[[テリトリー×テリトリー(前編)]]|7g
――次第に空が明るんできた。東の方……花京院が歩いてきた方角にある港、そのさらに向こうにある地平線から今にも太陽が昇ってきそうである。 リゾットとの戦いに負傷しながらも勝利した花京院は決して快調な足取りではないが街の中心を目指して歩いてきた。 (空が明るくなってきた……これ以降は慎重に行動しないとすぐに人に見つかってしまうな) 決して万全では無くなってしまった体――今戦意充分の者と鉢合わせたら負けてしまう可能性は高いだろう。 身を隠せる家のある住宅街に向かわなければ……その一心で花京院は歩いてきた。 花京院はここまでを振り返る。 (あの男、動けなくはしたがかなりの強敵だった。奴にも仲間がいるかも知れない。もし奴がその仲間に助けられ再び僕の目の前に立ちはだかる事があったら……) そこまで考え、ふと自分も仲間を探そうとしていた事を思い出す。 (もし奴が再び僕の目の前に現れる現れないの前に襲い来る敵に対抗するには仲間がいる。幸い承太郎やポルナレフ、ジョースターさんやアブドゥル達もいるんだ) そこでふと何かが頭の端に引っ掛かる。何であろうか? そんな花京院の脳裏にDIOの館での承太郎とポルナレフの会話が思い出される。 『アヴドゥルとイギーは?』 『こ……ここまではこれなかった……おれを助ける…………ために……』 そうだ……アヴドゥルとイギーは死んだはずなのだ。しかし参加者名簿には両名の名が……さらにアヴドゥルに至っては開始前に荒木に攻撃を仕掛けている。これは一体…… (バカな……死んだ者が生き返るだと?そんなメルヘンやファンタジーやゲームの様な話があるわけがない! 何らかの秘密があるはずだ。恐らくそれが荒木のスタンドの能力!) 花京院はさらに深く考える。 (しかし……いくらスタンドとは言え死んだ者を甦らせるなど出来るのか?だがしかしそれならなんだ?) 花京院は仮説を立ててみた。 1・アヴドゥル達は良く出来たCGで最初のやり取りは一人芝居の様な物だった。 これは恐らくないだろう。何しろさっき体験した事…… 戦いでの痛み等が全て本物だった事からこのゲーム自体が多分リアルでの出来事であろう。 そこまで手を込ませて殺人ゲームを強いる奴がCG等を使うとは思えない。 2・あのアヴドゥルは荒木のスタンドの能力で作り上げられた人形の様な物だ。 これも恐らく有り得ない。アヴドゥルは荒木にマジシャンズ・レッドで攻撃を仕掛けていた。 いくらアヴドゥルを真似た人形を作れたとしてもスタンド能力まで如実に再現は無理だろう。 3・それ以外 もうもはや五里霧中と言った感じである。 『死んだはずの人間やら何やらを一ヵ所に連れてくる』『攻撃は目の前で掻き消す』『相手の動きを封じる』 ざっと考えただけでこれだけの能力を操る能力者なわけだ。 (無理な話だ。これらが一つのスタンドで解決というのは困難な話だ。きっと見えないところに仲間がいたのだろう。 死んだ者を連れてくるとかいうだけなら空間や時空を飛び越える能力なら……空間や時空を飛び越える?) 花京院はある一つの可能性に辿りついた。 (そうだ。荒木の能力は恐らく空間・時空を操る能力なんだ。 空間を飛び越えて様々な人間を一ヵ所に連れてくる。その際時空を超えれば死んだ人間が死ぬ直前から連れてくる事も出来る。 アヴドゥルの攻撃もそうだ。自分の目の前の空間をどこかに直結させれば攻撃が掻き消された様に見せられる。 あの少年が動けなくなったのは恐らく少年の周りの空間を固定したのだろう。 言うなれば水の中に石を入れて凍らせたら動かせないのと同じ理屈) 荒木の能力を推測する事は出来た。しかし問題はここからだ。そんなスタンド相手にどうやって戦えば良いのだ? 攻撃は恐らく全て通じない、様々な時代・場所に吹き飛ばされるかもしれない、身動きを取れなくされるかも知れない。 そんな奴相手に戦う?無茶な話だ。だがやらねばならない。このままではただゲームに流されて犬死の可能性もある。 何としてもこの仮説を誰か……仲間に話さなければならない。 花京院の歩が早まる。一刻も早く仲間と合流しなければ。 花京院は辺りを見回す。もうかなり明るくなっており日が昇りそうだ。 慎重に、かつ迅速に承太郎達を探す……花京院は己に誓いを立てた。 次の瞬間、そんな花京院に俄かには信じがたい出来事が起こる事になる。 「ん?こんなところにTVが捨ててあ……バカな?!何故映っている?!」 目の前にある打ち捨てられたTV。それだけなら何の不思議もないがそのTVは不鮮明ながら何かを映し出していた。 コンセント等当然どこにも繋がってはいない。 不思議な現象を前に唖然とする花京院を余所に、不鮮明なTV画面の向こうの何者かが語り始める。 それは物語を大きく動かしていくスイッチだった…… 「えー皆聞こえてるかな?それじゃあただいまから一回目の放送を行いま~す」 【路上(G-7)/一日目/早朝】 【花京院典明】 [スタンド]:『ハイエロファント・グリーン』 [時間軸]:DIO相手に結界を張った時点 [状態]:重傷・応急手当て済み [装備]:アーミーナイフ [道具]:支給品一式+リゾットから奪った食料 [思考・状況] 1)荒木の能力は……まさか僕の予想通りなら何て恐ろしい能力なんだ 2)荒木を倒すにはやっぱり仲間と合流しなければ…… 3)ただ明るくなったら余り派手に動き過ぎてはいけない。慎重に行かなくては…… 4)して今のこの状況(放送)は一体?! 花京院が荒木の能力に気がつきました。 *投下順で読む [[前へ>真の《殺戮のエリート》]] [[戻る>1日目 第1回放送まで]] [[次へ>角砂糖同盟]] *時系列順で読む [[前へ>真の《殺戮のエリート》]] [[戻る>1日目 第1回放送まで(時系列順)]] [[次へ>角砂糖同盟]] *キャラを追って読む |21:[[開戦]]|花京院典明|62:[[テリトリー×テリトリー(前編)]]|

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