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 * * * ~駅構内(ジョージ・ミキタカ・エルメェス)~ 「この服は、リキエルという人のものです」 アタシ達三人は、駅構内を見回っていた。 そして、アタシがさっき駅に来た時に見付けた死体を、ミキタカに見てもらっている。 死体に対し、ミキタカが心当たりがあると言ったのだ。 「そうか。ミキタカの予想通りだったな」 「はい。でも、気になる点があるのですが」 「ん?」 「私とタルカスさんで殺めた時は、ただ剣で裂いただけだったんですが…。 何故こんな事になっているのでしょう」 自分で見た時の最期と異なるプッチ達の死体に対して疑問を口にするミキタカ。 何かあるかもしれないと、更に死体を調べる事にした。 「あれ?これは…あの時のDISCでは?」 死体を検分中、何かを見つけたミキタカがそれを拾う。 「あ!!!」 それ――ホワイトスネイクのDISC――を見て、アタシは思わず大声を上げちまった。 やべ。さっき駅に来た時見落としてた。 「ちょっと見せてみろ。記憶DISCか?スタンドDISCか?」 ミキタカからDISCを受け取り、近付けて眺める。 見えたのは、アタシの知らないデザインのスタンド。 「…こりゃ、スタンドDISCだな。でも、こんなデザイン、アタシゃ知らないや。 ミキタカ。このDISCに見えるスタンド知ってるか?」 再度受け取ったミキタカは、アタシを真似てDISCを眺めてみた。 「これは、ヘブンズ・ドアーです」 「知ってるのか?」 「えぇ。岸部露伴さんのスタンドで、相手を本にして相手の情報を読み取ったり書き込む事で相手の行動を制御したりする能力です」 「そうか」 「一体それは何だね?」 アタシ達のやり取りをよく把握出来てないらしいジョージさんが訊ねる。 「スタンドをDISCにしたものです。 これを差し込めば、そいつはヘブンズ・ドアーというスタンドを使う事が出来るようになるんです」 「本当ですか!?」 「ああ。だが、そいつに素質が無くちゃ、拒絶反応を起こす。 だからおいそれと試すわけにも行かないんだが」 「ならば私が試そう」 そう言ったのは、ジョージさん。 言うと思った。けど… 「ジョージさん。アナタ、人の過去を洗いざらい暴露するのって、好きですか?」 「そんな事は許されん。プライバシーの侵害だ」 「相手の意志を尊重せずに、自分の思うままに動かすのは?」 「それは最早相手を人間と見ていないではないか」 「…ですよね」 スタンド能力とジョージさんの性格って、どう考えても対極に位置するよな。 つまり、相性は最悪。 ジョースター一族の人間であるから素質はある事を差し引いて考えても、ジョージさんには無理。 って事を二人に告げると、 「なら、私が試しましょう」 ミキタカが名乗りを上げた。 「私、人間を含めて地球の事を知るの好きですし、『ピンクダークの少年』も、この頃よく読んでますから」 後半はよく解らないが、露伴さんを知っているのもこの中ではコイツだけだし、それが良いだろう。 「良し、任せた」 ミキタカにDISCを渡す。 受け取ったミキタカは自身にDISCを挿入し… 「出て下さい。ヘブンズ・ドアー」 ズキュウウゥン!!! ヘブンズ・ドアーが発現した。 「どうだ?気分が悪いとか無いか?」 「特に問題無さそうです」 「スタンド、ちゃんと操れるか?」 「多分大丈夫かと…。エルメェスさん、ちょっと試して良いですか?」 「私にやりたまえ。女性の過去を穿るのは品位に欠ける」 「解りました。では、失礼します。ヘブンズ・ドアー!」 ドギャン! ジョージさんは、本にされて意識を失った。 「成功です!」 「へぇ~。こうなるんだ。こりゃ便利だな」 ミキタカと二人で、パラパラとページを捲る。 そこには、今までのジョージさんの過去が全てか書き込まれていた。 「………ん?」 「どうかしたか?ミキタカ」 「このページ、張り合わせたように開けづらいです」 「ジョージさんの知られたくない過去なのかもな。見ない方が良いんじゃないか?」 「う~ん。そうなんですけど、ちょっと気になってしまいまして…」 そう言ってミキタカは、手をペーパーナイフに変えて、開かないページに差し込む。 ベリベリッ そしてナイフで梳いてそのページを開き、 「!!!」 そのページを捲った瞬間、ミキタカの顔が強張った。 「どうしたんだ?」 「これを見て下さい」 そう言ってミキタカが見せてくれたのは… 『本物の岸部露伴にこのページを開けさせない』 「!!!」 これは…! 岸部露伴、いや、参加者に知られてはマズイ何かがある! そのページを見ると、そこにはびっしりと何かが書き込まれていた。 さて、何が書いてあるのか… 『どんな言語も理解する事が出来る』 「!!!」 そういえば、アタシはゲーム参加者全員と問題なく言葉のやり取りを交わしている。 だが、よく考えればアタシは母国語である英語しか喋れないのに、ミキタカや、仗助と普通に話せるのは不自然だ。 そして、その答がココに在った。 そう出来る様荒木がアタシ達に仕込んでたって訳だ。 ココに来て、アタシはこのページの重要性に気付いた。 このページは、“荒木が参加者への命令を書き込んだページ”だ! そして二人でそのページを読み進める。 そこには色々な驚愕の事実が書かれていた。 『スタンドを知覚する事が出来る』 『首輪が爆発したら、再生出来ない』 等々… そして、右のページにはこう書かれていた。 『以下、荒木の許可が出ていない行動は取れない。現在の許可状況は以下の通り』 そしてその直後に書かれていたのは… 『荒木を殺す…』 (荒木が許可しなければ、アタシ達は荒木を殺せないのか。そして…) 『………………許可』 (こいつ、最強のセキュリティを解除してやがる!!!) 他にも幾つか記されていた。 『荒木の作った閉鎖空間を脱出   不許可』 『荒木に反抗する         許可』 等々… 「エルメェスさん!」 突然、ミキタカが声を上げる。 そして、ミキタカの指差す先にあったのは… 『荒木を殺す      不許可』 ………………え? さっきは『許可』だったような気がしたんだが、アタシの見間違いだったのか? 「ん?」 『荒木を殺す      許可』 何だ!?許可になったり不許可になったりしてやがる。 混乱するアタシに、ミキタカが推論を紙に書く。 『恐らく、荒木自身迷っているようですね。 命を賭けたゲームに参加するか、死にたくないかの狭間で』 成程、じゃあ、この書き込みがある限り、アタシ達はいざという時にヤツを殺せなくなるかも知れないって事か。 『取り敢えず、右のページの命令は邪魔にしかならないな。 ミキタカ。消せるか?』 ミキタカは肯く。 『終わったら、あたしに書かれているものも消してくれ』 ミキタカはもう一度肯き、不要な書き込みを全て消した。  * * * 『でも、ヘブンズ・ドアーでこれを書き込んだなら、露伴さんが死んだ時に何故書き込みが消えないのでしょう』 私に書き込まれていた事実を説明した後、ミキタカ君が疑問を髪に書く。 『三つ考えられる。 先ず”露伴君は死んでいない“と云う物。 ただ、死体が確認されている以上この可能性は低い。 次に、DISCが抜き取られた影響。 例えば今エルメェス君が死んだら、キッスは消滅して、今分裂しているもの、例えばそのスコップは一つに戻るだろう?』 エルメェス君は肯く。 『だが、DISCを抜き取られてもキッスの効力は残る可能性がある。 そしたら、その後エルメェス君が死んでもスコップは二つのままだ。誰かがシールを剥がすまで』 『或いは、DISCをもう一度誰かに挿し、その人物が死ぬまで、ですか』 『あぁ。そして三つ目の可能性。恐らくこれが正しい。つまり“この書き込みをしたのは露伴君では無い”』 その言葉に、ミキタカ君とエルメェス君は少なからず動揺していた。 『どういう意味です?』 『私には“本物の岸部露伴にこのページを開けさせない”と書き込んであったそうだね。 何故“本物”と記す必要がある? 答えは簡単。“偽者の露伴君が居る”からだ』 私がそこまで書き込んだ時、エルメェス君が「あっ」と、何かに気付いたようなリアクションを取った。 私の書いた下に、書き込み始める。 『私がウェザーを通して得た荒木の情報にこんなのがあった。 “本物をこの世界に引き摺り込んだ後、代わりにダミーを操っていた” そのダミーで書き込みをしていたって事か』 『そう。そもそも本物の露伴君の書き込みでは、露伴君が意識を失った瞬間効力を失う。 それでは、ゲームに影響が出るのは必至だ。 それで尚、偽者よりも本物で書き込みを行なうメリットは考え難いだろう』 なるほど。 一応結論が得られた所で、ミキタカが提案する。 『兎に角皆さんに書き込まれている命令を解除するべきだと思うのですが』 『賛成だ。先ずは外の者達と合流しよう』 二人が肯き立ち上がった所で、丁度ブチャラティ君達が此方へ向って来た。  * * * 六人が再度合流した後、やった事は、主に以下の通り。 ・情報交換 ・ヘブンズ・ドアーによる情報確認(裏切り者は居ない事を確認) ・ヘブンズ・ドアーの書き込み解除(言語理解とかスタンド知覚とか、有益なヤツは残してある) 一番驚いたのは、人によって書き込み内容が違う事だった。 例えば仗助は、ジョースター卿の様に『スタンドを知覚する事が出来る』という命令が無い(スタンド使いだから当然だ)。 が、 『首輪の爆発による傷は治す事が出来ない』 と書かれていた。 それはさておき、本来なら、ヘブンズ・ドアーは岸部露伴さんのスタンドで、彼しかページを開ける事は出来ない筈だった。 しかし、荒木が書き込んだページは露伴さんには開ける事の出来ない“開かずのページ”だ。 つまり、あのページを見る為の方法は一つしかない。 『ヘブンズ・ドアーを使える岸部露伴以外のスタンド使いを見つける』 本来なら絶対に出来ない状況を、偶然にも荒木の死角を突いて作り上げる事が出来た。 そして、幸運とも云える巡り合わせによって俺達はスタンド能力の制限を解除する事が出来たのだ。 『これで首輪解除の手段が増えましたね』 仗助の書き込みに肯く。 現段階での首輪解除の方法は、俺のスティッキー・フィンガーズか仗助のクレイジー・ダイアモンドを使う2種の方法がある。 『そうだな。だが、荒木の書き込みを解除したと云う事実を荒木に知られるのは危険だ。 暫くは、首輪は保留しよう』 「…で、ジョージさん。これからどうしましょう」 「うむ。思わぬ所でミキタカ君が強力な能力を得た事だし、攻勢に出ようと思う。 六人で他の参加者を捜し、敵を淘汰、仲間と合流し、最後に荒木を討つ」 「大まかなプランはそんなトコですね。で、具体的に、どこか向う所あります?」 「やっぱ、居場所の判明しているワムウを追うのが一番ではありませんか?」 「そうだな。それに残りの仲間もC-4に向かう手筈になっているし」 そして、C-4に向かうと云う結論を得た所で、ジョージさんは立ち上がった。 「良し。此れより我がチームは本格的に始動する! 承太郎、ダイアー、ポルナレフ、リサリサ、シーザー、シュトロハイム 以上六名を仲間に加え、 ワムウ、アヴドゥル、DIO、ディアボロ 以上四名をその場に応じ、対処する! その後、荒木討伐へと向かう!」 「「「「「応っ!!!」」」」」 荒木討伐隊、今此処に――――――       発  足  !  !  ! 【駅前(E-3)/1日目/夜(19時30分)】 【荒木討伐隊】 [隊基本方針] 1)C-4へ向かい、ポルナレフ達との合流&ワムウ打倒 2)シーザー、リサリサ、シュトロハイム、承太郎と合流 3)アヴドゥル、DIO、ディアボロとの接触。状況により、説得或いは打倒 4)合流後、打倒荒木 [隊共有情報] ・荒木のスタンド(荒木がウェザーに話した情報) ・ゲームに至る経緯(荒木がウェザーに話した情報) ・首輪(ブチャラティ考察、荒木がウェザーに話した情報) ・各人物の連れて来られた時代 【ジョージ・ジョースター1世】 [能力]:なし [時間軸]:ジョナサン少年編終了時 [状態]:無傷。健康 [装備]:狙撃銃、予備弾、ホル・ホースの帽子(ミスマッチは承知の上) [道具]:レミントン2連装デリンジャー(予備弾あり)、ナランチャの舌 [思考・状況]: 1)荒木打倒に向け、隊方針に従って行動する 2)荒木打倒方法を模索 3)DIOへの対応を迷っている(いざとなればこの手で引導を渡すしかないが…) [補足1]:トニオさんの包丁は店に置いて行きました。 【ブローノ・ブチャラティ】 [スタンド]:『スティッキー・フィンガーズ』 [時間軸]:サンジョルジョの教会のエレベーターに乗り込んだ直後 [状態]:無傷。健康 [装備]:無し [道具]:支給品一式、首輪×2、ミキタカの舌 [思考・状況]: 1)荒木打倒に向け、隊方針に従って行動する 2)荒木打倒方法を模索 [補足1]:フォークは店に置いて行きました。 【東方仗助】 [スタンド]:『クレイジー・ダイアモンド』 [時間軸]:四部終了時 [状態]:右大腿部に刺傷(応急手当済み) [装備]:無し [道具]:支給品一式、エルメェスの舌 [思考・状況]: 1)荒木打倒に向け、隊方針に従って行動する 2)でも、あんまりワムウには会いたくない 3)億泰達の死を悲しむのは、全てが終わってからだ 【ヌ・ミキタカゾ・ンシ】 [スタンド?]:『アース・ウィンド・アンド・ファイアー』(『ヘブンズ・ドアー』) [時間軸]:鋼田一戦後 [状態]:無傷、健康 [装備]:無し [道具]:支給品一式(地図無し)、ポケットティッシュ、ブチャラティの舌 [思考・状況]: 1)荒木打倒に向け、隊方針に従って行動する 2)出会った仲間の書き込み解除をする [補足1]:ポケットティッシュは食べました。 【ナランチャ・ギルガ】 [スタンド]:『エアロスミス』 [時間軸]:ヴェネチア入り後 [状態]:無傷、健康 [装備]:無し [道具]:支給品一式、ハート型の飾り(@DIO) [思考・状況]: 1)荒木打倒に向け、隊方針に従って行動する 2)ブチャラティに再会出来た喜び [補足1]:ヌンチャクとガラスの破片は店に置いて行きました。 【エルメェス・コステロ】 [スタンド]:『キッス』 [時間軸]:スポーツマックスとの決着後、体調が回復した頃(脱獄前) [状態]:無傷、健康 [装備]:ライフル [道具]:ドル紙幣等、大量の石ころ、ウェザーの舌、仗助の舌 [思考・状況]: 1)荒木打倒に向け、隊方針に従って行動する 2)徐倫達の死にショック。でもジョージ達に余計な気を使わせないよう平気なふりをする *投下順で読む [[前へ>荒木討伐隊③~調査~]] [[戻る>1日目 第4回放送まで]] [[次へ>『くだらない仕掛け その①』]] *時系列順で読む [[前へ>荒木討伐隊③~調査~]] [[戻る>1日目 第4回放送まで(時系列順)]] [[次へ>愛と夢(前編)]] *キャラを追って読む |114:[[荒木討伐隊③~調査~]]|エルメェス・コステロ|117:[[愛と夢(前編)]]| |114:[[荒木討伐隊③~調査~]]|ナランチャ・ギルガ|117:[[愛と夢(前編)]]| |114:[[荒木討伐隊③~調査~]]|ジョージ・ジョースター1世|117:[[愛と夢(前編)]]| |114:[[荒木討伐隊③~調査~]]|ブローノ・ブチャラティ|117:[[愛と夢(前編)]]| |114:[[荒木討伐隊③~調査~]]|東方仗助|117:[[愛と夢(前編)]]| |114:[[荒木討伐隊③~調査~]]|ヌ・ミキタカゾ・ンシ|117:[[愛と夢(前編)]]|
 * * * ~駅構内(ジョージ・ミキタカ・エルメェス)~ 「この服は、リキエルという人のものです」 アタシ達三人は、駅構内を見回っていた。 そして、アタシがさっき駅に来た時に見付けた死体を、ミキタカに見てもらっている。 死体に対し、ミキタカが心当たりがあると言ったのだ。 「そうか。ミキタカの予想通りだったな」 「はい。でも、気になる点があるのですが」 「ん?」 「私とタルカスさんで殺めた時は、ただ剣で裂いただけだったんですが…。 何故こんな事になっているのでしょう」 自分で見た時の最期と異なるプッチ達の死体に対して疑問を口にするミキタカ。 何かあるかもしれないと、更に死体を調べる事にした。 「あれ?これは…あの時のDISCでは?」 死体を検分中、何かを見つけたミキタカがそれを拾う。 「あ!!!」 それ――ホワイトスネイクのDISC――を見て、アタシは思わず大声を上げちまった。 やべ。さっき駅に来た時見落としてた。 「ちょっと見せてみろ。記憶DISCか?スタンドDISCか?」 ミキタカからDISCを受け取り、近付けて眺める。 見えたのは、アタシの知らないデザインのスタンド。 「…こりゃ、スタンドDISCだな。でも、こんなデザイン、アタシゃ知らないや。 ミキタカ。このDISCに見えるスタンド知ってるか?」 再度受け取ったミキタカは、アタシを真似てDISCを眺めてみた。 「これは、ヘブンズ・ドアーです」 「知ってるのか?」 「えぇ。岸部露伴さんのスタンドで、相手を本にして相手の情報を読み取ったり書き込む事で相手の行動を制御したりする能力です」 「そうか」 「一体それは何だね?」 アタシ達のやり取りをよく把握出来てないらしいジョージさんが訊ねる。 「スタンドをDISCにしたものです。 これを差し込めば、そいつはヘブンズ・ドアーというスタンドを使う事が出来るようになるんです」 「本当ですか!?」 「ああ。だが、そいつに素質が無くちゃ、拒絶反応を起こす。 だからおいそれと試すわけにも行かないんだが」 「ならば私が試そう」 そう言ったのは、ジョージさん。 言うと思った。けど… 「ジョージさん。アナタ、人の過去を洗いざらい暴露するのって、好きですか?」 「そんな事は許されん。プライバシーの侵害だ」 「相手の意志を尊重せずに、自分の思うままに動かすのは?」 「それは最早相手を人間と見ていないではないか」 「…ですよね」 スタンド能力とジョージさんの性格って、どう考えても対極に位置するよな。 つまり、相性は最悪。 ジョースター一族の人間であるから素質はある事を差し引いて考えても、ジョージさんには無理。 って事を二人に告げると、 「なら、私が試しましょう」 ミキタカが名乗りを上げた。 「私、人間を含めて地球の事を知るの好きですし、『ピンクダークの少年』も、この頃よく読んでますから」 後半はよく解らないが、露伴さんを知っているのもこの中ではコイツだけだし、それが良いだろう。 「良し、任せた」 ミキタカにDISCを渡す。 受け取ったミキタカは自身にDISCを挿入し… 「出て下さい。ヘブンズ・ドアー」 ズキュウウゥン!!! ヘブンズ・ドアーが発現した。 「どうだ?気分が悪いとか無いか?」 「特に問題無さそうです」 「スタンド、ちゃんと操れるか?」 「多分大丈夫かと…。エルメェスさん、ちょっと試して良いですか?」 「私にやりたまえ。女性の過去を穿るのは品位に欠ける」 「解りました。では、失礼します。ヘブンズ・ドアー!」 ドギャン! ジョージさんは、本にされて意識を失った。 「成功です!」 「へぇ~。こうなるんだ。こりゃ便利だな」 ミキタカと二人で、パラパラとページを捲る。 そこには、今までのジョージさんの過去が全てか書き込まれていた。 「………ん?」 「どうかしたか?ミキタカ」 「このページ、張り合わせたように開けづらいです」 「ジョージさんの知られたくない過去なのかもな。見ない方が良いんじゃないか?」 「う~ん。そうなんですけど、ちょっと気になってしまいまして…」 そう言ってミキタカは、手をペーパーナイフに変えて、開かないページに差し込む。 ベリベリッ そしてナイフで梳いてそのページを開き、 「!!!」 そのページを捲った瞬間、ミキタカの顔が強張った。 「どうしたんだ?」 「これを見て下さい」 そう言ってミキタカが見せてくれたのは… 『本物の岸部露伴にこのページを開けさせない』 「!!!」 これは…! 岸部露伴、いや、参加者に知られてはマズイ何かがある! そのページを見ると、そこにはびっしりと何かが書き込まれていた。 さて、何が書いてあるのか… 『どんな言語も理解する事が出来る』 「!!!」 そういえば、アタシはゲーム参加者全員と問題なく言葉のやり取りを交わしている。 だが、よく考えればアタシは母国語である英語しか喋れないのに、ミキタカや、仗助と普通に話せるのは不自然だ。 そして、その答がココに在った。 そう出来る様荒木がアタシ達に仕込んでたって訳だ。 ココに来て、アタシはこのページの重要性に気付いた。 このページは、“荒木が参加者への命令を書き込んだページ”だ! そして二人でそのページを読み進める。 そこには色々な驚愕の事実が書かれていた。 『スタンドを知覚する事が出来る』 『首輪が爆発したら、再生出来ない』 等々… そして、右のページにはこう書かれていた。 『以下、荒木の許可が出ていない行動は取れない。現在の許可状況は以下の通り』 そしてその直後に書かれていたのは… 『荒木を殺す…』 (荒木が許可しなければ、アタシ達は荒木を殺せないのか。そして…) 『………………許可』 (こいつ、最強のセキュリティを解除してやがる!!!) 他にも幾つか記されていた。 『荒木の作った閉鎖空間を脱出   不許可』 『荒木に反抗する         許可』 等々… 「エルメェスさん!」 突然、ミキタカが声を上げる。 そして、ミキタカの指差す先にあったのは… 『荒木を殺す      不許可』 ………………え? さっきは『許可』だったような気がしたんだが、アタシの見間違いだったのか? 「ん?」 『荒木を殺す      許可』 何だ!?許可になったり不許可になったりしてやがる。 混乱するアタシに、ミキタカが推論を紙に書く。 『恐らく、荒木自身迷っているようですね。 命を賭けたゲームに参加するか、死にたくないかの狭間で』 成程、じゃあ、この書き込みがある限り、アタシ達はいざという時にヤツを殺せなくなるかも知れないって事か。 『取り敢えず、右のページの命令は邪魔にしかならないな。 ミキタカ。消せるか?』 ミキタカは肯く。 『終わったら、あたしに書かれているものも消してくれ』 ミキタカはもう一度肯き、不要な書き込みを全て消した。  * * * 『でも、ヘブンズ・ドアーでこれを書き込んだなら、露伴さんが死んだ時に何故書き込みが消えないのでしょう』 私に書き込まれていた事実を説明した後、ミキタカ君が疑問を髪に書く。 『三つ考えられる。 先ず”露伴君は死んでいない“と云う物。 ただ、死体が確認されている以上この可能性は低い。 次に、DISCが抜き取られた影響。 例えば今エルメェス君が死んだら、キッスは消滅して、今分裂しているもの、例えばそのスコップは一つに戻るだろう?』 エルメェス君は肯く。 『だが、DISCを抜き取られてもキッスの効力は残る可能性がある。 そしたら、その後エルメェス君が死んでもスコップは二つのままだ。誰かがシールを剥がすまで』 『或いは、DISCをもう一度誰かに挿し、その人物が死ぬまで、ですか』 『あぁ。そして三つ目の可能性。恐らくこれが正しい。つまり“この書き込みをしたのは露伴君では無い”』 その言葉に、ミキタカ君とエルメェス君は少なからず動揺していた。 『どういう意味です?』 『私には“本物の岸部露伴にこのページを開けさせない”と書き込んであったそうだね。 何故“本物”と記す必要がある? 答えは簡単。“偽者の露伴君が居る”からだ』 私がそこまで書き込んだ時、エルメェス君が「あっ」と、何かに気付いたようなリアクションを取った。 私の書いた下に、書き込み始める。 『私がウェザーを通して得た荒木の情報にこんなのがあった。 “本物をこの世界に引き摺り込んだ後、代わりにダミーを操っていた” そのダミーで書き込みをしていたって事か』 『そう。そもそも本物の露伴君の書き込みでは、露伴君が意識を失った瞬間効力を失う。 それでは、ゲームに影響が出るのは必至だ。 それで尚、偽者よりも本物で書き込みを行なうメリットは考え難いだろう』 なるほど。 一応結論が得られた所で、ミキタカが提案する。 『兎に角皆さんに書き込まれている命令を解除するべきだと思うのですが』 『賛成だ。先ずは外の者達と合流しよう』 二人が肯き立ち上がった所で、丁度ブチャラティ君達が此方へ向って来た。  * * * 六人が再度合流した後、やった事は、主に以下の通り。 ・情報交換 ・ヘブンズ・ドアーによる情報確認(裏切り者は居ない事を確認) ・ヘブンズ・ドアーの書き込み解除(言語理解とかスタンド知覚とか、有益なヤツは残してある) 一番驚いたのは、人によって書き込み内容が違う事だった。 例えば仗助は、ジョースター卿の様に『スタンドを知覚する事が出来る』という命令が無い(スタンド使いだから当然だ)。 が、 『首輪の爆発による傷は治す事が出来ない』 と書かれていた。 それはさておき、本来なら、ヘブンズ・ドアーは岸部露伴さんのスタンドで、彼しかページを開ける事は出来ない筈だった。 しかし、荒木が書き込んだページは露伴さんには開ける事の出来ない“開かずのページ”だ。 つまり、あのページを見る為の方法は一つしかない。 『ヘブンズ・ドアーを使える岸部露伴以外のスタンド使いを見つける』 本来なら絶対に出来ない状況を、偶然にも荒木の死角を突いて作り上げる事が出来た。 そして、幸運とも云える巡り合わせによって俺達はスタンド能力の制限を解除する事が出来たのだ。 『これで首輪解除の手段が増えましたね』 仗助の書き込みに肯く。 現段階での首輪解除の方法は、俺のスティッキー・フィンガーズか仗助のクレイジー・ダイアモンドを使う2種の方法がある。 『そうだな。だが、荒木の書き込みを解除したと云う事実を荒木に知られるのは危険だ。 暫くは、首輪は保留しよう』 「…で、ジョージさん。これからどうしましょう」 「うむ。思わぬ所でミキタカ君が強力な能力を得た事だし、攻勢に出ようと思う。 六人で他の参加者を捜し、敵を淘汰、仲間と合流し、最後に荒木を討つ」 「大まかなプランはそんなトコですね。で、具体的に、どこか向う所あります?」 「やっぱ、居場所の判明しているワムウを追うのが一番ではありませんか?」 「そうだな。それに残りの仲間もC-4に向かう手筈になっているし」 そして、C-4に向かうと云う結論を得た所で、ジョージさんは立ち上がった。 「良し。此れより我がチームは本格的に始動する! 承太郎、ダイアー、ポルナレフ、リサリサ、シーザー、シュトロハイム 以上六名を仲間に加え、 ワムウ、アヴドゥル、DIO、ディアボロ 以上四名をその場に応じ、対処する! その後、荒木討伐へと向かう!」 「「「「「応っ!!!」」」」」 荒木討伐隊、今此処に――――――       発  足  !  !  ! 【駅前(E-3)/1日目/夜(19時30分)】 【荒木討伐隊】 [隊基本方針] 1)C-4へ向かい、ポルナレフ達との合流&ワムウ打倒 2)シーザー、リサリサ、シュトロハイム、承太郎と合流 3)アヴドゥル、DIO、ディアボロとの接触。状況により、説得或いは打倒 4)合流後、打倒荒木 [隊共有情報] ・荒木のスタンド(荒木がウェザーに話した情報) ・ゲームに至る経緯(荒木がウェザーに話した情報) ・首輪(ブチャラティ考察、荒木がウェザーに話した情報) ・各人物の連れて来られた時代 【ジョージ・ジョースター1世】 [能力]:なし [時間軸]:ジョナサン少年編終了時 [状態]:無傷。健康 [装備]:狙撃銃、予備弾、ホル・ホースの帽子(ミスマッチは承知の上) [道具]:レミントン2連装デリンジャー(予備弾あり)、ナランチャの舌 [思考・状況]: 1)荒木打倒に向け、隊方針に従って行動する 2)荒木打倒方法を模索 3)DIOへの対応を迷っている(いざとなればこの手で引導を渡すしかないが…) [補足1]:トニオさんの包丁は店に置いて行きました。 【ブローノ・ブチャラティ】 [スタンド]:『スティッキー・フィンガーズ』 [時間軸]:サンジョルジョの教会のエレベーターに乗り込んだ直後 [状態]:無傷。健康 [装備]:無し [道具]:支給品一式、首輪×2、ミキタカの舌 [思考・状況]: 1)荒木打倒に向け、隊方針に従って行動する 2)荒木打倒方法を模索 [補足1]:フォークは店に置いて行きました。 【東方仗助】 [スタンド]:『クレイジー・ダイヤモンド』 [時間軸]:四部終了時 [状態]:右大腿部に刺傷(応急手当済み) [装備]:無し [道具]:支給品一式、エルメェスの舌 [思考・状況]: 1)荒木打倒に向け、隊方針に従って行動する 2)でも、あんまりワムウには会いたくない 3)億泰達の死を悲しむのは、全てが終わってからだ 【ヌ・ミキタカゾ・ンシ】 [スタンド?]:『アース・ウィンド・アンド・ファイアー』(『ヘブンズ・ドアー』) [時間軸]:鋼田一戦後 [状態]:無傷、健康 [装備]:無し [道具]:支給品一式(地図無し)、ポケットティッシュ、ブチャラティの舌 [思考・状況]: 1)荒木打倒に向け、隊方針に従って行動する 2)出会った仲間の書き込み解除をする [補足1]:ポケットティッシュは食べました。 【ナランチャ・ギルガ】 [スタンド]:『エアロスミス』 [時間軸]:ヴェネチア入り後 [状態]:無傷、健康 [装備]:無し [道具]:支給品一式、ハート型の飾り(@DIO) [思考・状況]: 1)荒木打倒に向け、隊方針に従って行動する 2)ブチャラティに再会出来た喜び [補足1]:ヌンチャクとガラスの破片は店に置いて行きました。 【エルメェス・コステロ】 [スタンド]:『キッス』 [時間軸]:スポーツマックスとの決着後、体調が回復した頃(脱獄前) [状態]:無傷、健康 [装備]:ライフル [道具]:ドル紙幣等、大量の石ころ、ウェザーの舌、仗助の舌 [思考・状況]: 1)荒木打倒に向け、隊方針に従って行動する 2)徐倫達の死にショック。でもジョージ達に余計な気を使わせないよう平気なふりをする *投下順で読む [[前へ>荒木討伐隊③~調査~]] [[戻る>1日目 第4回放送まで]] [[次へ>『くだらない仕掛け その①』]] *時系列順で読む [[前へ>荒木討伐隊③~調査~]] [[戻る>1日目 第4回放送まで(時系列順)]] [[次へ>愛と夢(前編)]] *キャラを追って読む |114:[[荒木討伐隊③~調査~]]|エルメェス・コステロ|117:[[愛と夢(前編)]]| |114:[[荒木討伐隊③~調査~]]|ナランチャ・ギルガ|117:[[愛と夢(前編)]]| |114:[[荒木討伐隊③~調査~]]|ジョージ・ジョースター1世|117:[[愛と夢(前編)]]| |114:[[荒木討伐隊③~調査~]]|ブローノ・ブチャラティ|117:[[愛と夢(前編)]]| |114:[[荒木討伐隊③~調査~]]|東方仗助|117:[[愛と夢(前編)]]| |114:[[荒木討伐隊③~調査~]]|ヌ・ミキタカゾ・ンシ|117:[[愛と夢(前編)]]|

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