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暫く俺は、トリッシュの事以外何も考えられなかった。 あれだけつれない態度をとり、俺との関わり合いを避けようとしていた少女は、 最後に俺を護って死んで行った。 …解っていたさ。 トリッシュが俺と常に距離を置こうとしていた理由は。 彼女は、彼女自身の身に及んでいる危険に俺を巻き込みたく無かったって事を。 だが、だからこそ俺は、その危険からトリッシュを護ろうと決意した。 なのに、その結果は… トリッシュ。 俺は君を護れなかった。 だからこれからは、 君の為に闘うよ。 その時だった。“ソレ”が俺の下へ戻って来たのは。 バササササッ 鳥の羽ばたく音に顔を上げると、サヴェジ・ガーデンがこちらへ向かって来る。 !!! サヴェジ・ガーデンが戻って来たという事は、 やはりJOJOは生きていて、俺に返事を寄越して来たって事だ。 俺の考えは正しかった。 JOJOの奴、やっぱり荒木を出し抜いて死んだ振りをしてたって訳だ。 トリッシュの死に打ちひしがれていた俺は、俺の考えが正しかったという事と、 何よりJOJOが生きているという事実に救われる思いがした。 分かっていた事とはいえ、こうやって確証を得られると安心する。 待てよ。 荒木を煙に撒くほどの悪魔的な頭脳を持つ奴だ。 トリッシュの件をJOJOに相談すれば、妙案が出て来るかも知れないのではないか。 案が出て来なければ、俺の考えをJOJOに伝え、俺かJOJOが優勝するだけだ。 そう、別に俺が優勝する必要は無いのだ。 俺と意志を共にしてくれる仲間が居るのなら、その内誰か1人が優勝すれば良い。 そして、優勝した奴が荒木に蘇生を頼めば良いのだ。 『このゲームで失った仲間を蘇生させてくれ』と。 問題はJOJOが案を思い浮かばず、俺の考えにも賛同しなかった場合だが、 その可能性は限りなく低い気がする。 そもそも、下らない考えだけはポンポンと思い付くあの男が何も対策を見つけられないという事自体 先ずありえない話なのだから。 それでも万が一があった場合は、 合流して行動を共にし、御互い知恵を出し合うしか無いだろう。 そして、俺が掲げた手にサヴェジ・ガーデンは舞い降りた。 封筒を開けると、一通の手紙が入っている。 さて、JOJOの返事は… ……………… ……… … 「何だ?これは」 手紙を読み終えた後、俺は思わず間の抜けた声を発してしまった。 だが、それも仕方無い。 書いている内容が余りにも予想と掛け離れていたのだから。 先ず、返事を返してきた人間はJOJOでは無かった。この時点で十分変だ。 「おい」 俺は、手の甲から肩へ移り休んでいる鳩に向かって話し掛ける。 「クル?」 何?とでも言いたげに小首をかしげるサヴェジ・ガーデン。 「御前、本当にJOJOの下へ向かったんだろうな」 サヴェジ・ガーデンは特に反応を見せない。 まあ、鳩相手に意思の疎通を図れる筈が無いか。 とはいえ、任務をロクに果たせない鳩相手に、つい愚痴の一つも零れてしまう。 「お前、実はちゃんと相手に届ける事が出来ないんじゃないか?」 俺がそう言った途端、サヴェジ・ガーデンは肩に止まったまま思い切り羽ばたいた。 まるで俺の言葉に抗議しているかのようだ。 「分かった!分かったから!」 暴れる鳩をなだめすかし、又羽ばたかれるのも鬱陶しいので肩から地面へ下ろした。 そして再び手紙へ視線を向ける。 …俺の頭に羽毛がこびり付いていた。 ともあれ、一番気になっている部分は 『ジジイの身内』 これだ。 ジョースケという男、JOJOの身内と書いてあるが、何故JOJOをジジイと呼ぶ? JOJOをジジイと呼ぶ身内とくれば、すぐに思い当たるのはJOJOの孫って所だろう。 という事は、JOJOは5歳位の時に子供が出来て、 そいつも5歳位の時に子供が出来た。 そして生まれたジョースケは今5~10歳… 「そんな筈あるか!」 バシッ 「クルッ」 「………あ」 つい叩きつけた手紙が、運悪くサヴェジ・ガーデンに直撃してしまった。 「…」 奴の背後に怒りのオーラを感じる。 人間だったら、こめかみに青スジ立てているといった所か。 そして… 「クルルル!」 鳩の襲撃!!! 髪の毛をついばまれ、顔を引っ掛かれ、後頭部に体当たりされる。 波紋で大人しくさせるのは容易いが、如何せん非が自分にあるためにためらいが生じてしまう。 「悪かった!悪かったって!」 暫く平謝りする俺に容赦無く攻撃を加えるサヴェジ・ガーデン。 何てアグレッシブな鳩だ。 普通、鳩ってのは人間に攻撃を加えられたら逃げようとするモンじゃ無いのか? そう考えながら俺は、サヴェジ・ガーデンの成すがままにされる。 そして気の済むまで俺を突っつき回したサヴェジ・ガーデンは再び地面に降り、休憩し始めた。 俺は手紙を拾い上げ、読み直す。 …俺の顔は傷だらけになっていた。 とにかく、やはりJOJOに孫が居るとは考えにくい。 そして読み返して気付いたのだが、 この手紙、実はジョースケが呼ぶ“ジジイ”がJOJO、つまりジョセフ・ジョースターの事だと書いていない。 という事は、ジョースケのいう“ジジイ”とは、JOJOとは別人と考える事が出来る。 どういう勘違いをしたのか知らないが、 ジョースケはJOJOと別の人間(ジョースケの祖父)を間違え、俺にこんな返事をよこした。 そう考える事が… 「…駄目だ」 そこまで考え、俺は頭を振る。 無理無いか?この考え。 どんな勘違いをすれば、JOJOと“ジジイ”を混同してしまうというのだ。 ジョセフ・ジョースターという名の人間が複数いるのなら解らない事も無いが、 名簿を見ても、明らかにジョセフ・ジョースターは1人だ。 やはり、本当にJOJOの身内である可能性も捨て置けないな。 その場合を考えよう。 ジョースケがJOJOの身内なら、JOJOの、そして俺の仲間となってくれるかも知れない。 ジョースケには ニジムラ・オクヤス、ヒロセ・コーイチ、キシベ・ロハン、フンガミ・ユーヤ という仲間が居るらしい(合流は出来ていないようだが)。 そうすれば、俺の計画も実現する可能性が高くなる。 仲間が多ければ多いほど、その内の1人が優勝する可能性は高くなるのだから。 つまり、俺のやる事は… “ジョースケが何者か確認する”。 さて、ならばこの鳩をどうするか考えないと。 まあ、思いつく事といえば“再度JOJOへ送る”“ジョースケへ送り、合流する”のどちらかだろう。 暫く考え、俺はもう一度JOJOへ手紙を送る事に決めた。 ジョースケの事もJOJOに訊けば良いし、 ジョースケの現況はある程度把握しているが、JOJOの方は何も分かっていないから 此方を優先で知っておきたい。 だがもしかしたら、またジョースケの方へ間違って飛ぶ可能性がある。 その為、万が一ジョースケの下へ行ってしまった場合も考え、ジョースケ宛に一言付け加える事にした。 その所為でやや長い文となってしまったが、まあ、仕方無いだろう。 『ジョセフ・ジョースター。 シーザー・アントニオ・ツェペリだ。今I-5に居る。 この、指定した相手へ手紙を送る事が出来る伝書鳩を用いて、お前へ手紙を送った。 お前が死んだ振りをして荒木をだまくらかしている事は、俺には解っている。 お前の作戦に俺も一口乗るぜ。 封筒に返信用の紙を入れているから、お前の現状(現在地や仲間)と考えを教えてくれ。 返信用の紙に書いて鳩を飛ばせば、俺の元へ辿り着くようになっている。 後、何故か1回目にお前にこいつを飛ばした時、 “ヒガシカタ・ジョースケ”というお前の身内を名乗る者の元へ辿り着いた。 お前をジジイと呼ぶ“ジョースケ”とお前の関係を、俺に教えてくれ。 最後に、お前に訊きたい事がある。 この町で会った俺の仲間、トリッシュ・ウナが何者かに殺された。 俺は、この娘を甦らせたい。 マヌケだ、なんて言うなよ。俺は本気だ。 そのためにはどうすれば良いか、お前も考えてくれないか。                           シーザー・アントニオ・ツェペリ 万が一、再びジョースケに届いてしまった場合は、君の居場所を教えてくれ。 俺は君とも合流して、色々相談したい                         』 「今度はしっかりとJOJOに届けろよ」 そう一言告げ、俺はサヴェジ・ガーデンを空に放った。 バササササ… 「…?」 サヴェジ・ガーデンの飛び立った方角を眺め、俺はとある事に気付いた。 もしかして… そう考え、バッグから地図を取り出す。 現在地がココで、サヴェジ・ガーデンの飛ぶ方角を考えると… やはりそうだ! サヴェジ・ガーデンは霊園、G-1へ向かっている。 ということは、JOJOはG-1を動いていないのでは? つまり、こういう事だ。 1回目、俺が飛ばした時、JOJOはG-1に居た。 しかし、サヴェジ・ガーデンがそこに辿り着く前に、近くに居たジョースケに捕まってしまった。 そしてジョースケは俺へ返事を返した。 今、改めてJOJOに手紙を出したが、G-1を動いていないJOJOの下へ、サヴェジ・ガーデンは再び飛び立った。 そう考えるのが一番自然ではないか。 (ジョースケがG-1から動いておらず、サヴェジ・ガーデンが再びジョースケの下へ飛び立った可能性も無くは無いが、 ジョースケは町を移動すると手紙に書いてあったから、可能性としては低い) そしてこの考えが正しければ、JOJOは何らかの理由でG-1を動いていない。 JOJOの居場所が判っているのなら、わざわざ返事を待つまでも無いだろう。 此方から出向けば良いのだ。 これからもずっと留まっているという保証は無いが、 闇雲に街中を歩くよりはずっと効率的だろう。 それに、移動中のジョースケに会える可能性もある。 「良し」 ならば向かおう、G-1へ。 そして俺は、サヴェジ・ガーデンを追って西へ向かった。 【杜王町南(J-6)/1日目/昼】 【シーザー・アントニオ・ツェペリ】 [能力]:波紋法 [時間軸]:ゲスラーのホテルへ突入直後 [状態]:健康(鳩による傷は無視出来るレベル)。決意による精神力の安定 [装備]:無し [道具]:支給品一式。伝書鳩サヴェジ・ガーデン(現在ジョセフの元へ飛行中)。専用の封筒残り6枚(使い捨て)。 [思考]: 1)トリッシュを生き返らせる。其れこそが彼女を死なせてしまった償いだ 2)ジョセフの下へ行く 3)彼女を生き返らせる為の方法を模索(ジョセフなら妙案が思い付くのでは?) 4)自分か、自分と考えを共にする者の優勝を目指す。其の為の仲間探しをする 5)ジョースケの素性を知りたい(ジョセフに訊くか、本人に会うか) [補足1]: シーザーが仲間(の可能性あり)と認識している人間は、 ジョセフ、リサリサ、シュトロハイム、祖父ツェペリ、仗助、億泰、康一、露伴、噴上 です。トリッシュから聴いていない為、ブチャラティ達の事は知りません。 徐倫達の事も、仗助がエルメェスから聴く前に鳩を飛ばしてしまったので知りません。 【サヴェジ・ガーデン(支給品)】 サヴェジ・ガーデンは専用の封筒の宛名欄に書かれた人物に手紙を届けます。 手紙を届けた後送り主の下に戻ってくるかどうかも封筒に書く事によって指定可能です。 “手紙を届ける事”のみに関しては、天候その他どんな不測の事態にも影響を受けません。 手紙を送る事が出来る人物は此のゲームの参加者のみであり、同時に複数の人物に手紙を送る事は出来ません。 郵送時間は場所に因りますが封筒には小物程度なら何でも入ります。 首輪を探知し相手の下へ向かう為、届け先の相手が死んでいても手紙を届けます。 首輪が爆発している場合は、手紙を届けません(届け主の下から飛び立とうとしません)。 [補足]: 1)サヴェジ・ガーデンは現在ジョセフの首輪を探知して飛行中。到着迄目算2~30分程度 2)封筒使用状況:使用済2枚、使用中1枚(ジョセフ宛)、残り7枚(返信用仕込み1枚 シーザー手持ち6枚) *投下順で読む [[前へ>断末魔のエコーズ]] [[戻る>1日目 第2回放送まで]] [[次へ>意気投合]] *時系列順で読む [[前へ>断末魔のエコーズ]] [[戻る>1日目 第2回放送まで(時系列順)]] [[次へ>意気投合]] *キャラを追って読む |74:[[一期一会]]|シーザー・アントニオ・ツェペリ| :[[ ]]|
暫く俺は、トリッシュの事以外何も考えられなかった。 あれだけつれない態度をとり、俺との関わり合いを避けようとしていた少女は、 最後に俺を護って死んで行った。 …解っていたさ。 トリッシュが俺と常に距離を置こうとしていた理由は。 彼女は、彼女自身の身に及んでいる危険に俺を巻き込みたく無かったって事を。 だが、だからこそ俺は、その危険からトリッシュを護ろうと決意した。 なのに、その結果は… トリッシュ。 俺は君を護れなかった。 だからこれからは、 君の為に闘うよ。 その時だった。“ソレ”が俺の下へ戻って来たのは。 バササササッ 鳥の羽ばたく音に顔を上げると、サヴェジ・ガーデンがこちらへ向かって来る。 !!! サヴェジ・ガーデンが戻って来たという事は、 やはりJOJOは生きていて、俺に返事を寄越して来たって事だ。 俺の考えは正しかった。 JOJOの奴、やっぱり荒木を出し抜いて死んだ振りをしてたって訳だ。 トリッシュの死に打ちひしがれていた俺は、俺の考えが正しかったという事と、 何よりJOJOが生きているという事実に救われる思いがした。 分かっていた事とはいえ、こうやって確証を得られると安心する。 待てよ。 荒木を煙に撒くほどの悪魔的な頭脳を持つ奴だ。 トリッシュの件をJOJOに相談すれば、妙案が出て来るかも知れないのではないか。 案が出て来なければ、俺の考えをJOJOに伝え、俺かJOJOが優勝するだけだ。 そう、別に俺が優勝する必要は無いのだ。 俺と意志を共にしてくれる仲間が居るのなら、その内誰か1人が優勝すれば良い。 そして、優勝した奴が荒木に蘇生を頼めば良いのだ。 『このゲームで失った仲間を蘇生させてくれ』と。 問題はJOJOが案を思い浮かばず、俺の考えにも賛同しなかった場合だが、 その可能性は限りなく低い気がする。 そもそも、下らない考えだけはポンポンと思い付くあの男が何も対策を見つけられないという事自体 先ずありえない話なのだから。 それでも万が一があった場合は、 合流して行動を共にし、御互い知恵を出し合うしか無いだろう。 そして、俺が掲げた手にサヴェジ・ガーデンは舞い降りた。 封筒を開けると、一通の手紙が入っている。 さて、JOJOの返事は… ……………… ……… … 「何だ?これは」 手紙を読み終えた後、俺は思わず間の抜けた声を発してしまった。 だが、それも仕方無い。 書いている内容が余りにも予想と掛け離れていたのだから。 先ず、返事を返してきた人間はJOJOでは無かった。この時点で十分変だ。 「おい」 俺は、手の甲から肩へ移り休んでいる鳩に向かって話し掛ける。 「クル?」 何?とでも言いたげに小首をかしげるサヴェジ・ガーデン。 「御前、本当にJOJOの下へ向かったんだろうな」 サヴェジ・ガーデンは特に反応を見せない。 まあ、鳩相手に意思の疎通を図れる筈が無いか。 とはいえ、任務をロクに果たせない鳩相手に、つい愚痴の一つも零れてしまう。 「お前、実はちゃんと相手に届ける事が出来ないんじゃないか?」 俺がそう言った途端、サヴェジ・ガーデンは肩に止まったまま思い切り羽ばたいた。 まるで俺の言葉に抗議しているかのようだ。 「分かった!分かったから!」 暴れる鳩をなだめすかし、又羽ばたかれるのも鬱陶しいので肩から地面へ下ろした。 そして再び手紙へ視線を向ける。 …俺の頭に羽毛がこびり付いていた。 ともあれ、一番気になっている部分は 『ジジイの身内』 これだ。 ジョースケという男、JOJOの身内と書いてあるが、何故JOJOをジジイと呼ぶ? JOJOをジジイと呼ぶ身内とくれば、すぐに思い当たるのはJOJOの孫って所だろう。 という事は、JOJOは5歳位の時に子供が出来て、 そいつも5歳位の時に子供が出来た。 そして生まれたジョースケは今5~10歳… 「そんな筈あるか!」 バシッ 「クルッ」 「………あ」 つい叩きつけた手紙が、運悪くサヴェジ・ガーデンに直撃してしまった。 「…」 奴の背後に怒りのオーラを感じる。 人間だったら、こめかみに青スジ立てているといった所か。 そして… 「クルルル!」 鳩の襲撃!!! 髪の毛をついばまれ、顔を引っ掛かれ、後頭部に体当たりされる。 波紋で大人しくさせるのは容易いが、如何せん非が自分にあるためにためらいが生じてしまう。 「悪かった!悪かったって!」 暫く平謝りする俺に容赦無く攻撃を加えるサヴェジ・ガーデン。 何てアグレッシブな鳩だ。 普通、鳩ってのは人間に攻撃を加えられたら逃げようとするモンじゃ無いのか? そう考えながら俺は、サヴェジ・ガーデンの成すがままにされる。 そして気の済むまで俺を突っつき回したサヴェジ・ガーデンは再び地面に降り、休憩し始めた。 俺は手紙を拾い上げ、読み直す。 …俺の顔は傷だらけになっていた。 とにかく、やはりJOJOに孫が居るとは考えにくい。 そして読み返して気付いたのだが、 この手紙、実はジョースケが呼ぶ“ジジイ”がJOJO、つまりジョセフ・ジョースターの事だと書いていない。 という事は、ジョースケのいう“ジジイ”とは、JOJOとは別人と考える事が出来る。 どういう勘違いをしたのか知らないが、 ジョースケはJOJOと別の人間(ジョースケの祖父)を間違え、俺にこんな返事をよこした。 そう考える事が… 「…駄目だ」 そこまで考え、俺は頭を振る。 無理無いか?この考え。 どんな勘違いをすれば、JOJOと“ジジイ”を混同してしまうというのだ。 ジョセフ・ジョースターという名の人間が複数いるのなら解らない事も無いが、 名簿を見ても、明らかにジョセフ・ジョースターは1人だ。 やはり、本当にJOJOの身内である可能性も捨て置けないな。 その場合を考えよう。 ジョースケがJOJOの身内なら、JOJOの、そして俺の仲間となってくれるかも知れない。 ジョースケには ニジムラ・オクヤス、ヒロセ・コーイチ、キシベ・ロハン、フンガミ・ユーヤ という仲間が居るらしい(合流は出来ていないようだが)。 そうすれば、俺の計画も実現する可能性が高くなる。 仲間が多ければ多いほど、その内の1人が優勝する可能性は高くなるのだから。 つまり、俺のやる事は… “ジョースケが何者か確認する”。 さて、ならばこの鳩をどうするか考えないと。 まあ、思いつく事といえば“再度JOJOへ送る”“ジョースケへ送り、合流する”のどちらかだろう。 暫く考え、俺はもう一度JOJOへ手紙を送る事に決めた。 ジョースケの事もJOJOに訊けば良いし、 ジョースケの現況はある程度把握しているが、JOJOの方は何も分かっていないから 此方を優先で知っておきたい。 だがもしかしたら、またジョースケの方へ間違って飛ぶ可能性がある。 その為、万が一ジョースケの下へ行ってしまった場合も考え、ジョースケ宛に一言付け加える事にした。 その所為でやや長い文となってしまったが、まあ、仕方無いだろう。 『ジョセフ・ジョースター。 シーザー・アントニオ・ツェペリだ。今I-5に居る。 この、指定した相手へ手紙を送る事が出来る伝書鳩を用いて、お前へ手紙を送った。 お前が死んだ振りをして荒木をだまくらかしている事は、俺には解っている。 お前の作戦に俺も一口乗るぜ。 封筒に返信用の紙を入れているから、お前の現状(現在地や仲間)と考えを教えてくれ。 返信用の紙に書いて鳩を飛ばせば、俺の元へ辿り着くようになっている。 後、何故か1回目にお前にこいつを飛ばした時、 “ヒガシカタ・ジョースケ”というお前の身内を名乗る者の元へ辿り着いた。 お前をジジイと呼ぶ“ジョースケ”とお前の関係を、俺に教えてくれ。 最後に、お前に訊きたい事がある。 この町で会った俺の仲間、トリッシュ・ウナが何者かに殺された。 俺は、この娘を甦らせたい。 マヌケだ、なんて言うなよ。俺は本気だ。 そのためにはどうすれば良いか、お前も考えてくれないか。                           シーザー・アントニオ・ツェペリ 万が一、再びジョースケに届いてしまった場合は、君の居場所を教えてくれ。 俺は君とも合流して、色々相談したい                         』 「今度はしっかりとJOJOに届けろよ」 そう一言告げ、俺はサヴェジ・ガーデンを空に放った。 バササササ… 「…?」 サヴェジ・ガーデンの飛び立った方角を眺め、俺はとある事に気付いた。 もしかして… そう考え、バッグから地図を取り出す。 現在地がココで、サヴェジ・ガーデンの飛ぶ方角を考えると… やはりそうだ! サヴェジ・ガーデンは霊園、G-1へ向かっている。 ということは、JOJOはG-1を動いていないのでは? つまり、こういう事だ。 1回目、俺が飛ばした時、JOJOはG-1に居た。 しかし、サヴェジ・ガーデンがそこに辿り着く前に、近くに居たジョースケに捕まってしまった。 そしてジョースケは俺へ返事を返した。 今、改めてJOJOに手紙を出したが、G-1を動いていないJOJOの下へ、サヴェジ・ガーデンは再び飛び立った。 そう考えるのが一番自然ではないか。 (ジョースケがG-1から動いておらず、サヴェジ・ガーデンが再びジョースケの下へ飛び立った可能性も無くは無いが、 ジョースケは町を移動すると手紙に書いてあったから、可能性としては低い) そしてこの考えが正しければ、JOJOは何らかの理由でG-1を動いていない。 JOJOの居場所が判っているのなら、わざわざ返事を待つまでも無いだろう。 此方から出向けば良いのだ。 これからもずっと留まっているという保証は無いが、 闇雲に街中を歩くよりはずっと効率的だろう。 それに、移動中のジョースケに会える可能性もある。 「良し」 ならば向かおう、G-1へ。 そして俺は、サヴェジ・ガーデンを追って西へ向かった。 【杜王町南(J-6)/1日目/昼】 【シーザー・アントニオ・ツェペリ】 [能力]:波紋法 [時間軸]:ゲスラーのホテルへ突入直後 [状態]:健康(鳩による傷は無視出来るレベル)。決意による精神力の安定 [装備]:無し [道具]:支給品一式。伝書鳩サヴェジ・ガーデン(現在ジョセフの元へ飛行中)。専用の封筒残り6枚(使い捨て)。 [思考]: 1)トリッシュを生き返らせる。其れこそが彼女を死なせてしまった償いだ 2)ジョセフの下へ行く 3)彼女を生き返らせる為の方法を模索(ジョセフなら妙案が思い付くのでは?) 4)自分か、自分と考えを共にする者の優勝を目指す。其の為の仲間探しをする 5)ジョースケの素性を知りたい(ジョセフに訊くか、本人に会うか) [補足1]: シーザーが仲間(の可能性あり)と認識している人間は、 ジョセフ、リサリサ、シュトロハイム、祖父ツェペリ、仗助、億泰、康一、露伴、噴上 です。トリッシュから聴いていない為、ブチャラティ達の事は知りません。 徐倫達の事も、仗助がエルメェスから聴く前に鳩を飛ばしてしまったので知りません。 【サヴェジ・ガーデン(支給品)】 サヴェジ・ガーデンは専用の封筒の宛名欄に書かれた人物に手紙を届けます。 手紙を届けた後送り主の下に戻ってくるかどうかも封筒に書く事によって指定可能です。 “手紙を届ける事”のみに関しては、天候その他どんな不測の事態にも影響を受けません。 手紙を送る事が出来る人物は此のゲームの参加者のみであり、同時に複数の人物に手紙を送る事は出来ません。 郵送時間は場所に因りますが封筒には小物程度なら何でも入ります。 首輪を探知し相手の下へ向かう為、届け先の相手が死んでいても手紙を届けます。 首輪が爆発している場合は、手紙を届けません(届け主の下から飛び立とうとしません)。 [補足]: 1)サヴェジ・ガーデンは現在ジョセフの首輪を探知して飛行中。到着迄目算2~30分程度 2)封筒使用状況:使用済2枚、使用中1枚(ジョセフ宛)、残り7枚(返信用仕込み1枚 シーザー手持ち6枚) *投下順で読む [[前へ>断末魔のエコーズ]] [[戻る>1日目 第2回放送まで]] [[次へ>意気投合]] *時系列順で読む [[前へ>断末魔のエコーズ]] [[戻る>1日目 第2回放送まで(時系列順)]] [[次へ>意気投合]] *キャラを追って読む |74:[[一期一会]]|シーザー・アントニオ・ツェペリ|105:[[『シーザー孤独の青春』]]|

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