第一回放送(俺得ロワ)

51話 第一回放送


殺し合いの舞台である島に朝が訪れる。
島中に設置された特別製のスピーカーから、主催者のリリア・ミスティーズの声が流れ始めた。

第一回目の定時放送の時間である。



『現在生き残っている皆さん。最初の6時間を生き延びた事を、まずは祝福します。
運悪く死んでしまった方も多いですが。

これより第一回目の定時放送を行います。
まずは禁止エリアの発表から。

7時より、エリアF-3。
8時より、エリアD-2。
9時より、エリアE-8。

以上の三つです。指定された時間以降に侵入すれば、首輪が作動します。
決して忘れないようにして下さい。首輪での爆死は私も望んでいないので。
折角こんな大舞台や武器を用意してあげたのに、そんな死に方をされたらつまらないですから。

では続いて死者の発表です。五十音順に言っていきます。

亜美
ガルム
ケトル
剛田武
島崎隆博
鈴木正一郎
ドラゴナス
ニコライ
フォナ・アンシュッツ
ブライアン
ヘレン
源しずか
メリエ
元村憲章

以上14人です。いいですね。中々のペースです。

どうも、殺し合いそっちのけで色々と好きな事ばかりしてる人も多いみたいですけど、
まぁ、いつ死ぬか分からない状況下で欲望のままに行動するというのも、
一つの道だとは思いますので、私は特に何も言いませんが。

今現在、自分が殺し合いの場にいる、という事実だけはゆめゆめお忘れなきよう。

それではこれで放送を終わりにします。
次の放送は昼の12時ですので、また放送が聞けるよう頑張って下さい。

それでは現在生き残っている33人のプレイヤーの健闘を祈ります』



47人の参加者が優勝者というたった一つの椅子を求めて戦い合うバトルロワイアル。
そんな狂気のゲームを取り仕切る主要機関――バトルロワイアル管制室。
幾つものモニターが並んだ広い部屋には何十人ものオペレーターが働いている。
普通の人間の兵士、獣足の獣人達など顔ぶれも様々だ。

放送を終えた紺色のドレス姿の黒髪の女性、リリア・ミスティーズは、
傍に控えていた赤い雄の竜――バンを引き連れ、管制室内を見て回り始める。
オペレーター達の間に緊張が走る一瞬だった。もし何か下手をすれば首が飛ぶ恐れがある。
ここで言う「首が飛ぶ」とは、解雇という意味ではなく正に言葉通りの意味だった。
そのために全員が全員、懸命に自分に与えられた仕事、責務をこなそうとする。
そんなオペレーター達の気苦労を知ってか知らずか、リリアはとあるモニターに釘付けになった。

「ど、どうか致しましたか、リリア様?」
「この……エリアE-3の森の中で、ずーっと動かないでいるのって…誰?」

数時間前から、リリアはエリアE-3の森の中に留まったまま、
身動き一つしない一人の参加者の事が気になっていた。
オペレーターが急いで端末を操作しその参加者の詳細情報を表示させる。

「永倉萌です。どうやら身を潜めているだけのようですね。怪我をしている訳ではなさそうです」
「うぅん……周囲のエリアには誰もいないみたいね」

永倉萌の周囲、近辺のエリアには生存している他参加者の姿は見られない。
一番近くにいる参加者も、萌の隠れている場所には近付く気配がない。
当り前だろう、萌が身を潜めている場所は地図上ではただ森が広がっているだけの何もない場所。
殺し合いに乗っている者でも、相当な物好きでもない限り、
「他参加者の捜索には人の集まり易そうな、地図上に記載されている施設或いは市街地」と
考え、わざわざ何も目印が見当たらない森に向かう者はそうはいまい。

萌本人にとっては運良く6時間を誰とも接触せずに過ごせただろうが、
参加者同士が殺し合う、或いは接触する事を望むリリアにとっては興を削がれる以外の何物でもない。
しかし、この様子だと萌はこれからも、E-3が禁止エリアにならない限り動かないだろう。
禁止エリアは、コンピューター関連の製作及び管理を担当させている者が製作した
専用のソフトでランダムに選び出され決定される仕組みなので、主催者であるリリアでも、
一体どこが禁止エリアになるのか分からなかった。
なぜそんな仕様にしたのか小一時間製作者を問い詰めたかったが今はそんな事をしている場合でもない。

「つまらないわねぇ。そうだ、テレポートさせてみましょうか。一回ぐらいなら大丈夫でしょう」

リリアは何やら呪文らしき言葉を詠唱し始めた。
そしてそれが終わった途端、エリアE-3に表示されていた唯一の参加者を示す光点が消失する。

「なっ…!?」
「え、嘘ぉ!?」

ディスプレイを見ていたオペレーター達が驚きの声を上げた。
光点が消滅するなど本来有り得ないはずなのだ。首輪をした参加者が死ぬと、
最初は黄色で表示されている光点が赤色に変化するが、消滅はしない。
だが現に目の前で起きるはずのない事が起こった。驚くのも無理はない。

「り、リリア様、な、永倉萌は一体どこへ?」
「ここよ、ここ」

リリアがとあるエリアを指差すと、確かに、いきなり永倉萌を示す光点が出現した。
おおっ、と、再びオペレーター達が、今度は別の驚きの声を上げた。
それと同時に自分達の主が持つ強大かつ未知なる力の片鱗を思い知る。

「これで面白くなればいいけどね。うふふ……」

リリアは不敵な笑みを浮かべながら、バンと共に管制室を後にした。



大きな窓が幾つも連なる廊下を歩くリリアとバン。

「レオン様と、クリスさん、まだ、生きているようですね」

バンが神妙な面持ちでリリアに話し掛ける。
リリアの実兄であるクリス・ミスティーズと伯父に当たるレオン・ミスティーズ。
二人共、リリアが催す殺し合いの参加者である。

「そうね。まあ二人共しぶといし、そんな簡単にはやられはしないとは思っていたけど。
確か……今はゴメスとか言うガチホモ野郎と一緒だったっけ。掘られたら面白いのに」
「……」
「……バン。言っておくけど、私に今更盾突こうとか、そういう事は思わない事ね。
折角時の魔石と私の力を使って、貴方を少しは役に立つように成竜の姿にしてあげたんだから。
私の右腕としてしっかり、最後まで働いて貰うわよ」
「分かりました」

バンは少し暗い表情を浮かべつつもリリアに対し恭順する意思を見せた。



「グルルルル!! ハッ! ハッ! ハッ! ハッ!」
「あぁぁああああぁああ!! いい! いいよこくがっ! もっと、もっとぉ!
はげしくついてっ! きもちいいよぉぉ!!」

「相変わらず仲良しだこと、黒牙と弓那」
「…………」

ある寝室で、リリアとバンは半ば呆れ顔でその様子を見ていた。
ベッドの上で、全裸の黒髪の少女、大木弓那に覆い被さり、息を荒げる黒と赤の人狼、黒牙。
部屋に闖入者が二人入ってきているというのに、気付いてないのか、
それとも気付いてはいるが全く意に介していないのか、激しい行為を止める事はない。

「まぁ、折角のお楽しみを邪魔するのは野暮よね。行きましょ、バン」

これ以上ここに居ても仕方ないと判断したリリアはバンと共に寝室から出た。
扉を閉めた直後、狼の雄叫びと少女の叫び声が部屋の中から聞こえ、
そしてその後は何も聞こえなくなった。



【現時点での生存者 33人】



【一日目朝方/?-?主催者本拠地】

【リリア・ミスティーズ@ムーンライトラビリンス改造版】
[状態]:健康
[装備]:不明
[持物]:不明
[思考]:
0:バトルロワイアルの完遂。
※参戦時期は本編終了後です。


【バン@ムーンライトラビリンス改造版】
[状態]:健康、成竜化
[装備]:不明
[持物]:不明
[思考]:
0:リリアに従う。
1:?????????
※参戦時期は本編終了後です。
※時の魔石とリリアの力により成竜になっています。


【黒牙@俺オリロワリピーター組】
[状態]:健康、絶頂
[装備]:不明
[持物]:不明
[思考]:
0:リリアに従う。
1:弓那とたっぷり交わる。
※死亡後からの参戦です。


【大木弓那@俺オリロワリピーター組】
[状態]:健康、全裸、絶頂
[装備]:不明
[持物]:不明
[思考]:
0:リリアに従う。
1:黒牙とたっぷり交わる。
※死亡後からの参戦です。


※エリアE-3にいた永倉萌はどこか別の参加者が近くにいる場所にテレポートさせられたようです。





夜明けは悪夢の終わりではない 時系列順 灯台下、明るし
夜明けは悪夢の終わりではない 投下順 灯台下、明るし

殺戮遊戯、開始 リリア・ミスティーズ 第二回放送
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最終更新:2010年09月24日 01:31
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