16話 肉の宴
エリアC-7に存在するモーテルにも似た建物。
ここは「娼館」。一言で言えば性的な欲求を満たす大人の娯楽施設である。
しかもこの娼館は男が男の相手をする「男娼館」であった。
「あ、あの~……」
娼館中庭で、学生服を着た白い狼獣人の青年、トマックは、
突然現れた銀色の毛並みを持つ、獣足の人狼と対峙していた。
スリムに見えるその身体は引き締まった無駄のない強靭な筋肉に覆われ、
金色の両目は睨まれただけで竦み上がってしまいそうな鋭さを持っている。
「……ん。いやいやいや、参ったよね殺し合いなんて。
あんたもそう思うだろ?」
尻尾を揺らし、飄々とした口調で人狼が口を開く。
凛とした外見からは想像つかない軽めの口調に、トマックは少々驚きながらも、
気を取り直して応対する。
「そ、そうですね」
「敬語じゃなくていーぜー。俺シリウスってんだ。あんたは?」
「と、トマックだ」
「トマック? ふぅーんじゃあトマ君で」
にこやかに笑みを浮かべながらシリウスは気さくにトマックに話し掛ける。
いきなり現れこんなにもフレンドリーな話し方をする目の前の人狼に、
トマックは表面上では見せないようにしていたが、得体の知れない恐怖を感じ始めていた。
そして、ふと、シリウスの下腹部に視線を移すと、全身の毛皮が総毛立った。
そこには、既に臨戦態勢になっている雄の×××が。
(え? 何でこの人×起してるの!?)
心の中で疑問を投げかけるトマックだったが、
何の気なしにシリウスと視線を合わせてみれば、
その金色の狼の瞳には明らかな情欲の色が浮かんでいた。
まさか。と、トマックの思考回路がある結論を導き出そうとした時。
「それでさトマ君、話は変わるけど」
シリウスが急に声の調子を変えた。
トマックは、先程出そうとしていた結論が、十中八九的中していたと確信した。
そして、数秒後にそれは確信から事実へと変わった。
「や ら な い か」
「謹んでお断りしまs」
トマックに同性の雄に欲情するようなそんな趣味はない。
クラスメイトの尻田堀夫に一方的につきまとわれた事はあるが、
自分自身はあくまで普通に異性愛者だと思っている。
だがしかし、知識としては、同性、男同士での行為は知ってはいたし、
興味本位で古本屋などに置いてあったその手の本を手に取って読んでみた事もあったが、
それはあくまで「少し気になった」程度の事であり、本気で同性、つまり男に興味がある、
という事ではないとトマックは思っていた。
だからこそシリウスの突拍子もない要求を丁重にお断り――する前に、
ビリリィッ!!
「――え?」
シリウスが振り下ろした爪により、トマックの着ていた衣服が引き裂かれて地面に落ちた。
白い毛皮に包まれ、部活動で鍛えられた引き締まった裸体が晒されてしまう。
「ウホッ、いい身体…」
「う、うわあああああああ!」
犯される。このままでは確実に、同じ男、と言うより雄に。掘られる! 掘られる!
貞操の危機を肌にまで感じたトマックは涙目になりながら走って逃げようとした。
だが、シリウスが後ろからガッチリと肩を掴みそれを許さない。
凄まじい力で掴まれ、トマックは身動きが取れなくなり、恐る恐る後ろを振り向いてみる。
そこには舌なめずりをして大好物のご馳走を見つけた時のような目でトマックを見る、
銀色の雄の人狼の顔があった。
「逃げられない、よ」
「アッーーーーーーーーーーーーーー!!!」
ざんねん、トマックのうしろのどうていは、ここでおわってしまった!!
【一日目深夜/C-7娼館:中庭】
【トマック@自作キャラでバトルロワイアル】
[状態]:アッー!!
[装備]:不明
[持物]:基本支給品一式、不明支給品(1~2)
[思考]:
0:アッーーーーーーーーーー!!!
1:………感じちゃう………。
※本編開始前からの参戦です。
※衣服は破かれC-7娼館:中庭に放置されています。
【シリウス@オリキャラ】
[状態]:興奮、トマック掘削中
[装備]:不明
[持物]:基本支給品一式、不明支給品(1~2)
[思考]:
0:殺し合いをする気はない。いい男がいたら食べる(性的な意味で)。
1:トマックうめぇwwww
≪オリキャラ紹介≫
【名前】シリウス
【年齢】22
【性別】雄
【職業】野生の人狼
【性格】飄々としているが、思慮深い一面も持っている
【身体的特徴】銀と白の毛皮を持った人狼。引き締まった身体つき。獣足
【服装】服を着る概念がない
【趣味】男狩り
【特技】爪と牙を使った格闘術、衣服を肉体を傷つけず剥ぎ取る事
【経歴】幼少期からなぜか同性にしか欲情しない体質だった
【備考】女性や雌は嫌いではなく恋愛及び性的対象に見る事ができないだけ。
RPGファンタジー風異世界出身
最終更新:2010年04月25日 23:31