SER SIDE HOTEL

14話 SER SIDE HOTEL

エリアA-7の、朽ち果てた5階建てのリゾートホテル。
窓ガラスは全て割れ、潮風に晒された外壁はひび割れ異様に黒ずんでいる。
屋号が書かれていた看板はとうの昔に撤去され元々何と言う名前のホテルだったかも分からない。


「何やねんもう、どうなってんねんこれ!
何で殺し合いなんかせなあかんねんな…」

三階にある、カウンターのみが残された喫茶店跡で、
灰色のツナギを着た茶色短髪の男――元村憲章が嘆いていた。
割れたガラスの破片や天井の残骸などが散乱する場所を避け、
壁にもたれて頭を抱えている彼の傍にはデイパックと、
彼の支給武器である小型自動拳銃、FNブローニングM1910が置かれていた。

「名簿見たけど知り合い一人もおれへんみたいやし…武器も拳銃やから、
当たりの部類やろ。もう、やるか? 殺し合いに乗ったろか」

ブローニングM1910を手に取り、震えながら血走った目付きで憲章はそれを見る。
予備のリロードマガジンをポケットの中に二つ突っ込み、
憲章はデイパックを肩から提げて立ち上がり、懐中電灯で照らしながら、
外れかけた木製の扉をくぐって喫茶店を後にした。

「それにしても、何なんここ? えらくボロボロやし、
廃墟やんなぁ。ホテルか何か?」

天井板はほとんど剥がれ落ち、腐食した配線が垂れ落ち、
壁はひび割れ黒ずみ、壊れた椅子やテーブル、棚、ベッドが至る所に放置された、
典型的な廃墟の内装を見回し、今自分が会場のどこいるのか考察する。
地図を取り出し見てみれば、エリアA-7に廃ホテルとある。
恐らく自分は今ここにいるのだろうと、憲章は推測する。
いつまでもこんな不気味な廃墟にいたくはないと、
一階へ向かうために憲章は階段を探し始めた。

ダダダダダダダッ!!

しかし突然の銃撃が憲章の行く手を阻む。
驚いた憲章はすぐさま近くの柱の影に隠れた。

憲章を銃撃した主は、オレンジ色の艶やかな髪に露出の高い黒色のビキニ、
そして背中に蝙蝠のような赤い翼と悪魔の尻尾を持った、
スタイル抜群の美少女――サキュバスのメリエ。
その手にはサブマシンガンであるイングラムM10が装備されていた。

「隠れたって無駄なんだから。すぐに楽にしてあげるわ」

余裕の笑みを浮かべ、メリエがイングラムM10を構えながら憲章の隠れる柱の方へと近付く。

「くそっ、簡単に殺されたたまるかい!」

負けじと憲章も手にしたブローニングM1910を柱の影から襲撃者に向け発砲する。
反撃をを受けたメリエはすぐ傍の部屋に隠れ、銃撃をかわす。
そして再びイングラムM10を憲章がいる辺りに向け掃射した。

「ちっ、これじゃ俺圧倒的不利や。逃げる事考えんと…」

どこかに出口はないかと、焦る気持ちを押さえ辺りを見回す憲章。
すると、右手側方に、窓枠が外された大きな窓があった。

(一か八か!)

憲章は柱の影から飛び出し、窓に向かって一気に走り出した。

「逃がすか!」

走り出す憲章の姿を確認したメリエは今度こそ仕留めようとイングラムM10の銃口を憲章に向け、
引き金を引いた――が、弾は出なかった。弾切れである。
それが憲章に逃げる猶予を与えた。

「うおおおりゃああああ!!!」

大きな叫び声と共に、憲章は窓から大空に飛び立った。
――訳もなく、そのまま重力により落下を始めた。

「なっ…!?」

予想外の標的の行動にメリエは驚き、窓際に駆け寄って階下を覗き込む。
暗くてよくは見えなかったが、遠くに走り去る音が聞こえた。
それなりの高さがあるがいかにして無事で済んだのか。
気にはなったが、もはやどうでも良かった。

「逃がしたか…」

弾切れになったイングラムM10のマガジンを交換し、メリエは溜息をつく。

「でもまぁいいわ。次の獲物を探せばいいもの」

その瞳に魔性の光を宿し、メリエはニヤリと口を歪めた。



一方、ぼうぼうに生えていた雑草と山積みになっていた布団がクッションとなり、
ほとんど怪我もせずに無事に地上に着陸した憲章は一刻も早くホテルから離れようと、
街灯がぽつぽつ灯る市街地へ走り続けていた。

(畜生、よく見えへんかったけどあいつ、俺を殺そうとしやがった。
やっぱり殺し合いに乗ってる奴は…おるんやな! 俺も、容赦する訳には、いかんな…!)

殺され掛けた事により、憲章は殺し合いに乗る決意をより一層強くした。

(もう決めた! 今度会った奴は容赦なくぶち殺したるわ!!)



【一日目深夜/A-7ホテル:三階ホール】

【元村憲章@オリキャラ】
[状態]:身体中にダメージ(軽度)、狂気、B-7市街地方面に移動中
[装備]:FNブローニングM1910(0/6)
[持物]:基本支給品一式、FNブローニングM1910のリロードマガジン(6×5)
[思考]:
0:殺し合いに乗る。優勝を目指す。
1:他参加者を探す。
※メリエの名前と容姿は確認していません。


【一日目深夜/A-7ホテル:周辺】

【メリエ@オリキャラ】
[状態]:健康
[装備]:イングラムM10(30/30)
[持物]:基本支給品一式、イングラムM10のリロードマガジン(30×9)
[思考]:
0:優勝を狙う。
1:気に入った男がいたら犯した後殺す。
※元村憲章の名前と容姿は確認していません。


※A-7周辺に銃声が響きました。


≪支給品紹介≫
【FNブローニングM1910】
1908年に開発された小型自動拳銃。
取り出す際に衣服に引っ掛からぬよう、極力出っ張りを落としたデザインで、
小型で携行性に優れるため護身用や刑事の携帯用として好まれた。
第2次大戦前、日本にも大量に輸入され、警察用や旧軍将校の護身用として使用された。
戦後の警察においても私服警官や女性警官向きとして採用され、一部地方では現役である。
使用弾薬:.380ACP弾 装弾数:6発

【イングラムM10】
軍用小型短機関銃で、ほとんどの部品がスチール板をプレス加工して成型されている。
このため非常に生産性に優れ、構造も単純なために堅牢である。
フルオートでの連射サイクルが非常に速く熟練者でなければ制御するのは難しいといわれる。
使用弾薬:.45ACP弾 装弾数:30発


≪オリキャラ紹介≫
【名前】元村憲章(もとむら・のりあき)
【年齢】23
【性別】男
【職業】自動車修理工
【性格】普段は気さくだが非常時になると自己中心的になる
【身体的特徴】短く刈り込んだ茶髪、細目、痩せ型で身長高め
【服装】仕事先の作業着である灰色のツナギ
【趣味】ドライブ、TVゲーム
【特技】自動車の構造について熟知
【経歴】平凡な家庭で育つ
【備考】日本風異世界国家出身。西部(現実日本で言う所の関西地方)
の出身なので関西弁で喋る

【名前】メリエ
【年齢】不明(外見年齢10代後半)
【性別】女
【職業】サキュバス
【性格】残忍でドS、無邪気な一面も見せる
【身体的特徴】オレンジ色の髪、赤い翼に尻尾、巨乳でスタイルは抜群
【服装】黒いビキニ
【趣味】おしどり夫婦を破局させる事、淫らな事
【特技】性のテクニックと淫らな夢を見せる事
【経歴】何度も討伐されそうになるがその都度敵の隊長を籠絡させるなどして撃退している
【備考】RPGファンタジー風異世界出身


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最終更新:2010年04月25日 23:32
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