道化(ピエロ)のつぶやき

――自分は、人を、殺しました。
神さまも、もう自分を助けてはくださらないでしょう。



※  ※


恥の多い生涯を送ってきました。

自分はまるで真っ白な羊の中に、ぽつんと生まれた黒い羊のようでした。
仲間たちと同じものを喜べず、同じものを悲しめず、同じものを食せず、
仲間たちが心地よいと感じるもの――愛や優しさや思いやりを理解できない惨めな黒羊にできることは、
黒い毛皮に白い粉をまぶし、白い羊のふりをすることだけでした。

他人が嬉しいとか哀しいとか感じることに、自分は小指の爪の先ほども共感できないのです。
何故楽しいと思うのだろう。
何故哀しいと思うのだろう。

皆が楽しそうに遊んでいる時も、自分は無味乾燥な、空っぽな時間を味わうだけ。
皆が大事な人の死を悲しんでいる時も、自分は何も感じないまま、乾いた瞳でぼーっと座っているだけ。
皆が赤ん坊を囲んで、可愛い可愛いとはやし立てている時も、自分は赤ん坊の湿った匂いや温かい温度に嫌悪感を催して、吐き気をこらえるのに懸命になっていたのでした。

どうやら、人間とは皆で一緒に何かをする時に、それを楽しむ生き物らしい。
なら自分も、楽しんでいる振りをしてみせなければ。
どうやら人間は、大切な人間が死ぬと悲しむ生き物らしい。
ならば自分も、悲しんでいる振りをしなければ。
どうやら人間は、可愛い生き物に対して、愛情を感じるらしい。
ならば自分も、愛情深い人間のように振舞わなければ。

できなければ、異端児扱いされる。
当たり前のことができないなんて、おかしい人間だと思われる。
人間として感じるべき感情を感じられないなんて、気持ち悪いと弾かれる。
それがばれてしまうことは、この世にいる全ての人間が鬼に見えてくるほどの、ひどい恐怖でした。

何故、みんな泣いているのだろう。ああ、自分には分からない。でもみんなが泣いているのに、一人だけ平静な顔をしていたらヘンだと思われる。自分も泣いてみせなければ。顔がこわばってうまく泣けない。頬が熱い。嘘泣きがバレたらどうしよう。
ああ、今度はみんながおなかを抱えて笑っている。何がそんなにおかしいのだろう。わからない。けれど、皆とおんなじにしなければ。
笑うのだ。笑うのだ。笑うのだ。いや、泣くのだ。泣くのだ。いや、笑うのだ。笑わなければ。

自分は、道化(ピエロ)であろうとしました。
おどけ役。おふざけ役。いつも皆を笑わせる、それ以上でもそれ以下でもない、薄っぺらくて裏表もない人間。
素直で純粋で心優しく、しかしべつだん学業優秀でもスポーツ万能でもない、どこにでもいそうな女の子。
どじで間が抜けていて頭の回転も悪い、皆を笑わせることだけが取り柄の、人畜無害な生き物の振り。
おちゃらけたことばかり言う、底の浅い、単純で簡単な女の子だと思われると、ようやく自分は安堵するのでした。

がんばったかいがあって、自分は演技をするのがずいぶんと上手くなりました。
けれど、そんな自分を、やはり人間失格だと確信させる、ある出来事が起こりました。

親友が、死にました。
自分の前で、車にひかれて。
自分の前で、ぐちゃぐちゃの肉塊になって。
自分のせいで。
自分が死なせたも同然の、死に方で。
たった一人だけ、自分の本性を、見抜いていた親友が。

何より大事な親友を、死なせた。
けれど、自分を奈落につき落としたのは、親友を死なせた罪悪感でも、親友を失った喪失感でもありませんでした。



何故なら自分は、親友の死が少しも悲しくなかったからです。



親友だったのに。
理解者だったのに。
あんなに依存していたのに。
彼女に見放されたら、生きていけないとさえ思っていたのに。
それなのに、自分の心はからっぽでした。
少しも悲しくなかったのです。
自分の心からは、どんな感情も生まれてこなかったのです。

自分は、化物なのだと知りました。

この世は、地獄でした。
死ぬ時期を探す為に、生きるような日々が続きました。



――彼らと、出会うまでは。



コノハ先輩のことを語りましょう。
優しくて、残酷で、賢明で、愚かで、何より“とくべつ”でした。
その“とくべつ”は、“恋愛感情”という甘ったるいものではなく、本当に“とくべつ”としか名付けようのない、奇妙な連帯なのでした。
先輩は、初めて自分が『異常』だということを、打ち明けた人間になりました。
些細な事件がきっかけで、先輩は自分の本性と、親友の死にまつわる一連の出来事を、すべて知らされることとなりました。
そして、コノハ先輩は言いました。
それでも、君は死んではだめだと。
君が生きる理由を一緒に探すから、理解できなくても、一緒に悩むことならできるから。
だから死ぬのは待ってほしいと、屋上から飛び降りた私の手をつかんで、命を繋ぎとめてくれました。
自分が化け物だということを知って、それでも生きてほしいと願ってくれた人。
自分が化け物だと分かっても、それまでと変わらずに、交流してくれた人。
演技をしない、素のままの自分を見せられる人。
異常さを他人に見抜かれないかびくびくしていた自分にとって、全てを知っている先輩は、傍にいても苦痛にならない、数少ない人でした。
僕も竹田さんと同じなんだ、と言われたこともありました。
先輩もまた、人に心を開くことができず、仮面をかぶっていた日々がありました。
だから、そんな先輩が自分のそばにいて、どんどん強くなっていく姿は、自分にとっての希望になりました。
この人が強くなっていくように、こんな自分も、心が分かるように変わっていけるかもしれない。
人の心が分からない毎日が、辛いことばかりであることには変わりがなく、
時には生き続けろと強いる先輩が残酷に思える時もあったけれど、
先輩の『君に生きていてほしい』という願いは、間違いなく、自分を救ったのでした。

だから、私は。
コノハ先輩が死んだら、生きる希望を見失ってしまうだろう。
人間失格の私より、コノハ先輩の方が、生き残るべき人間なのだろう。
そんな風に、思ってしまうのでした。


櫻井流人くんのことを語りましょう。
流人くんは、自分の演技を見抜いてきた、2人目の人になりました。
『その作り笑い、いつまで続けるんだ』
そう言われた時はどきりとして、恐怖がこみあげてきて、それでも少しだけ強くなったいた自分は『よくわかったわね』とにっこり笑ってみせました。
すると彼は、どういうわけが、自分が気に入ったと言い出しました。
演技をして笑顔をふりまいている自分も、空っぽな心の自分も、両方が魅力的だと主張するのでした。
彼が自分のどこをどう好きになったのか分からないまま、自分たちの交際が始まりました。
彼には自殺願望があるらしく、『殺して自分のものにするほど、愛してくれる女性』を探していると、そう告白されました。
その女性を探すために、何人もの女性と五股も六股もかけているそうなので、最初は自分もその一人なのかと思っていました。
けれど、それだけでないと分かってきたのは、自分のことを、本当に大切に、献身的に尽くしてくれるようになったからでした。
浮気だけは治らなかったけれど、彼は絶えず、受け取りきれないほどの献身を自分に尽くし続けました。
『殺してくれ』と無茶苦茶なワガママを言うけれど、同じくらい無茶苦茶な強引さを、人を愛することに向けられる人。
強引で、いい加減で、打たれ弱くて、子どもっぽくて、太陽のように優しく明るい駄目人間。
嬉しい時は本当に嬉しそうにあどけなく笑い、さびしい時は、親を求める子どものように、素直に甘える。
そんな奔放で感情豊かな彼が、妬ましい時もあったのですが、しかし彼によって初めて、自分は初めて『安らぎ』という感情を獲得していきました。
その変化を『愛』だとか『恋』だと呼べるかどうかは、まだ分からないままでしたが。

それでも、私は。
この人が望むなら、その手を汚せるかもしれない。
この人を、この手で殺してあげることができるかもしれない。
そうすることでしか、この人が満たされないのなら、そうしてあげることが、できるかもしれない。
そんな風に、思ってしまったのでした。


※  ※



あたしの目の前に、死体がふたつ、転がっていました。

一人は、私が殺した女の子。もう一人は、あたしが殺した少女が殺した男の子。

男の子の左胸のあたりからは赤黒い血が、女の子の首筋からは、それよりは鮮やかな色をした血が、混じり合ってどばどばと地面を汚しています。

ほんの数分間の間に、ずいぶんあっけなく、二つの命が失われてしまいました。
その内の片方は、あたしが手にかけた命なのでした。

『私もあなたを殺そうとしていたんですよ』

殺した女の子にはそう言ったけど、その言葉は正確ではありません。
女の子を見つけた時は、まだ心が決まっていませんでした。
決まったのは、パンという銃声と、同時。
何も悪くない男の子を、女の子が銃殺していたのを、目撃した瞬間なのでした。

それまでは、『殺し合いをしろ』と言われたところで、『はい分かりました』と言うことを聞く心づもりなど、ありませんでしたから。
あたしは遠子先輩のような推理力と勘の良さを持ち合わせていませんが、それでも日ごろ演技している人格のような間抜けではありません。
コノハ先輩も流くんも、遠子先輩もななせ先輩もいるというのに、誰か1人を優勝させようと即決するほど、混乱してはいませんでした。

でも、殺し合いが起こっている現場を、見てしまいました。
生き残る為に、女の子が、男の子を殺しました。
その光景から、想像してしまいました。
今この瞬間も、流くんが、誰かに襲われているかもしれない。
流くんが、死ぬかもしれない。



流くんが、私以外の人間の手で、殺されるかもしれない。



嫌だ。

嫌だ。

嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。
嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。
嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。


それまでは、『殺してほしい』というお願いを聞いてあげる踏ん切りが、つかなかったのに。
流くんに対する気持ちが『愛情』なのかどうか、自信がなかったのに。

それなのに。
他の人間に殺されるかもしれない。
それが現実になった時、濁流のような拒否反応が、心を埋め尽くしました。

誰と浮気しようが関心がないなんて、ウソでした。
本当は、他の女の人のところに流くんが向かうのが、嫌でした。
あたしだけの流くんでいてほしいと、いつしか、そう願うようになっていました。
他の誰かが流くんを殺して、彼の願いを叶えるなんて、絶対に嫌でした。

流くんを、殺そう。

この広い殺し合いの舞台で流くんを探しだして、他の人に殺されてしまう前に、あたしが殺そう。
流くんがあたしを救ってくれたように、今度はあたしが、流くんを救おう。
流くんを殺して、あたしも死のう。
コノハ先輩は怒るだろうけど、約束を破ったことにはならないはずだ。
『生きる理由が見つかるまでは死なない』という約束だったのだから。
もはや流くんは、あたしの生きる理由になっているのだから。

カチッとスイッチを押したみたいに、その決意が、すとんとあたしの中に居座りました。

ああ、あたし、人間を殺せるんだ。

その事が、少し驚きでした。

親友を死なせた一件で、あたしは『他人の死ぬところを見る』のが、トラウマになっていましたから。
車に轢かれそうになった人間を見るだけで、ストレスで倒れるほど、『他人の死』を禁忌と考えていましたから。

大切な人の為なら、あたしは人間を殺せる。

流くんを殺そうとする人間だって、殺せる。
流くんを殺す為に、邪魔になりそうな人間だって、殺せる。
誰だって、殺せる。

誰だって殺せるなら、



――殺し合いに乗るという選択肢は、簡単に選べる。



気づいた時、あたしは女の子を殺していました。
いつものように、純粋な女の子の振りをして。
その首筋に、鎌を突き立てて。
簡単に、死体を作り上げていたのでした。


こうして、人間失格を卒業しかけていた竹田千愛は、本物の人間失格に堕ちました。


「ごめん、なさい……」


――あたしは、人を、殺しました。
神さまも、もう自分を助けてはくださらないでしょう。


「ごめんなさい…………あなたを殺しても、あたしは、何も感じません」


空っぽの、心。
親友を死なせた時の、悲しみも痛みもない虚無が、再びあたしの体中を満たしていました。
痛みを感じずに人間を殺せるなんて、ある意味殺しのプロかもしれません。

人間として許されない事をしたという、羞恥と自嘲と責任。
それらをも感じていないといえば、嘘になるでしょう。
けれどそれは、しばしば小説で描かれるような、胃がギリギリするという苦痛ではありませんでした。
まだ、殺人を犯したのだと、実感が追いついていないのかもしれません。
間違いなく、取り返しがつかないことをしたのだという、軽い眩暈だけがありました。

けれど、自分の心は、ちゃんと平静を保っていました。
私が今いる、真夜中の深い森のように静かでした。
私は、はっきりと分かりました。
大丈夫。
私はこれからも、何も感じないまま人間を殺し続けることができる。

それを確かめて、私は動きだしました。


「まずは着がえなきゃ、だよね」

背負っていたディパックを降ろすと、ジッパーを開けて、支給品を取りだしました。
女の子を殺した鎌の他にも、使えるものはあります。
例えば、どこかで見たようなデザインの、大きな青い襟の制服。
返り血を浴びてしまったので、こちらの服に着がえた方がいいでしょう。
そうでなくとも、聖条高校の制服は、着て歩きたくありませんでした。
この制服を着たままでは、遠子先輩やななせ先輩と同校の生徒だと、ばれてしまうかもしれません。
そうなると、先輩たちに私の情報が伝わりやすくなってしまいます。
流くんに伝わる分には構わないのですが、コノハ先輩や遠子先輩に伝われば、まず間違いなく私のやろうとすることを止めるでしょう。
返り血の問題を差し引いても、着替えるべきだと判断しました。

さて、そういうわけで、死体から離れて人目につかない場所を探したいところですが、その前に二つのディパックは回収しておきましょう。

他のディパックにも着がえとなるものがあるかもしれないので、まずは新たに回収した支給品確認を優先しました。

ごろごろと、雑多な支給品が、ディパックから転がり出てきました。
男の子の方の支給品には、さほどめぼしいものはありませんでした。

ざざざっと雪崩をうつように滑り落ちてきたのは、分厚い本の数々でした。
『夏目漱石全集』と書かれていました。
ハズレ…………なのでしょう。
文学全集を見て思い出されるのは、コノハ先輩にとって大切な人である“文学少女”のことでした。
それを見て、あたしは改めて考えます。
流くんは私が殺す。
流くんやコノハ先輩が殺されるのが嫌だから、他の人を殺していく。
そうなると、最終的には、流くんを殺してあたしが自殺、コノハ先輩を生還させる、という形になるでしょうか。
あの文学少女も、コノハ先輩と一緒にあたしを助けてくれた、大事な恩人にあたる人でした。
それにそもそも、コノハ先輩にとっての大切な人でもあります。(もっとも、ななせ先輩もその点は同じなのですが)
あの人を喪ったコノハ先輩を1人で生還させるというのは、あまりにも残酷かもしれません。
最悪、報酬の『1人蘇生』に賭ける手もありますが、胡散臭いにもほどがあるでしょう。
まずは、次善策として他の参加者を減らしていく。
2人以上が生還する方法があれば、調べておく。そんなところでしょうか。

男の子の支給品は、もう一つありました。
ずっしりと重たい、六角形の金属の塊。
説明書によると、相手に幻覚を見せたり、きらきら光る羽根を生やして飛んだりすることができるそうです。
また…………胡散臭い道具でした。
仮に使えるとしても、使いどころが限られそうです。
こんなものばかり支給された名前も知らない男の子が、少し可哀想に思えてきました。

「こっちのディパックは……ひゃんっ」

女の子の方は、まだ当たりと言えそうでした。
それでも、流石にディパックから『ネコ』が出て来た時は、びっくりしたものですが。
モザイク、と名前が書かれた説明書が、ネコの背中から滑り落ちました。
まだら色の複雑な配色の毛並みが、とてもきれいでした。
ともかく、ネコはそのまま逃がしておくことにしました。
人殺しに連れ歩かれるなんて、ネコさんも嫌でしょう。
当たりだったのは、ネコさんの方ではなく、転がり出て来た手榴弾の方でした。
全部で5個あります。
扱い方を誤れば自爆しそうな危ない武器ですけれど、女性でも大きな威力を発揮することができる、この武器は当たりと言えるでしょう。

それに、ネコさんのおかげで気づいたこともありました。
このディパックは、外見より容量が大きいのです。
試しに支給品をホイホイ詰め込んでみたところ、面白いように入りました。
深く考えない方がよさそうです。

支給品を整理し終えると、あたしは森の藪に隠れて血まみれの制服を脱ぎました。
制服の濡れていない部分を使って、ナイフの血も拭き取っておきましょう。

見られないようにこそこそと服を脱いでいたのですが、森の気配は変わらず静かで、警戒するだけ杞憂に感じられました。
いえ、見ている者がいました。
逃がしたはずの、猫が見ていました。
私のことを、あの死体を創り出した恐ろしい人間だと理解しているのでしょうか。
そこのたたずんで、じっと見ているだけでした。
ネコは見ていた、という推理小説の言葉を思い出し、無意味なことだと片付けます。
ここは、ただの殺人事件の現場ではなく、命のやり取りをする戦場なのですから。
一匹のネコの目撃によって、生じる不都合などあり得ません。
ネコの言葉を理解する人間でもいれば、話は違うのでしょうが。


着替えながら、あたしは考えていました。
次の目的地を、どこに定めるべきなのか。
殺し合いにおびえるか弱い少女の振りをして油断させるのが、私の正攻法でしょう。
私が“人間の振り”をしているのを、見破れる人間は少ないのですから。
ならば、それなりに多人数の人間が集まりそうで、殺し合いに乗っていない人間が、拠点にしそうな場所。
今いる地図の位置からだと、やはり病院が適しているように見えます。

病院。
目的地は、すんなりと決まりました。
あまりに迷いのない心に、あまりに平静な自分に、あたしはちょっと怖くなります。
まるで、元から人を殺すように生まれついた人間みたいだ。
あまりにあっさりと変貌したことに、あたしは驚いていました。

ふつうのひとになりたい。
それがあたしの願いでした。
けれど、その願いごとは、決して叶わなくなりました。
殺し合いに呼ばれてしまったから。
好きな人を、殺さざるを得ないところまで、来てしまったから。

ふつうのひとには、なれませんでした。
でも、生まれてこなければよかったとは思えません。

人間は、変わることができる。
心葉先輩のおかげで、それを知ることができました。
あたしはとうとう変われずに人間失格になってしまったけれど、
それでも、『選択肢しだいでは、あたしも変わっていけたのかもしれない』と。
そんな希望を持つことができました。
あたしは、人間失格じゃない人生も選べたのかもしれないと。
そんな夢をみることができただけで、きっと出会えた意味はあったのだと思います。

だから、それで充分。

だから、命の使い方を選ばなければいけないのなら。
コノハ先輩と、先輩の大事な人を生かすために使いたい。
流人くんを、死なせるために使いたい。

それだけが、あたしの望みです。


さぁ、病院へ行きましょう。


【C-1/森の中の開けた場所/深夜】

【竹田千愛@“文学少女”シリーズ】
[状態]健康、無感情モード
[装備]泉こなたのバイト時の制服@らき☆すた、袖口に仕込みナイフ@現実
[道具]不明支給品残り0~1(確認済み)
ポケットピストル(残弾5/6)@スパイラル~推理の絆~、核金No70(アリスインワンダーランド)@武装錬金、夏目漱石全集@〝文学少女〟シリーズ、手榴弾×5@現実
[思考]基本:井上心葉を生還させる。櫻井流人は殺す。
1病院に向かい、集まって来る人間を殺す。強そうな人間は油断させてから殺す
2コノハ先輩の生存を優先……できれば、遠子先輩も生還させられないか検討する。
3流くんは私が殺す
※参戦時期は、少なくとも『神に臨む作家』で流人を『殺す』以前からです。
※菊丸英二と相馬光子の死体の近くの木のうろの中に、聖条高校の制服(返り血つき)が放置されています。
※モザイク@吸血鬼のおしごとが、竹田千愛をこっそり追跡しています。

【核金No70@武装錬金】
チャフの武装錬金『アリスインワンダーランド』。
蝶野攻爵の祖父、蝶野爆爵の武装錬金。
ニアデスハピネスと同様、チャフ細かい粒子を背中に集めることで、空中を飛行することができる。
チャフには幻覚作用があり、高密度だと相手に幻覚を見せる、拡散していても、電子機器の電波を妨害できるなど、武装錬金の中でもかなりの多機能、高性能。

【モザイク@吸血鬼のおしごと】
湯ヶ崎町のネコたちのナンバー2にして、ツキの片腕。
そして、吸血鬼シリーズの萌えを一手に引き受ける存在と言っても過言ではない生命体。
ちなみに、本シリーズのネコは、人間の言語が理解できる仕様。
ネコ支給が多すぎるのも仕様です。これで打ち止めだから!


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最終更新:2012年03月01日 22:37
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