戦いの終わり、そして始まりの法則

「って私がこんなことするかーーーーーーーーーーーー」

森あいが目を覚ます。
冷や汗をたっぷりとかきながら。
夢の中では、ツインテールの遊撃士の首を絞めていた。
夢ではないのだけど。

「―――て何よこれ……」

そんな中、森はとあるものを見つける。
目の前には、茶色い封筒。
結構分厚いようだ。
そしてその封を切る。

「な、何?この大金……」

その封筒の中には、大金。しかもその額は並々ならぬ額であった。
その時、封筒の中から、一通の手紙が落ちた。

「えーと何なに?」

近くの机に置いてあった眼鏡を掛けて、そこに書いてあった文を音読していく。

「『The World、特別イベントを受けてくださった皆様方へ。
弊社が行った特別イベントを受けてくださって誠にありがとうございます。
しかしながら、弊社の都合によりこのイベントの事が 森 あい 様に正しく通達されていなかったようでした。
その謝礼と参加されてくれた元々の賞金を 森 あい 様に届けさせていただきました。
何か、ご不明な、不鮮明な点がございましたら下記の番号にまでお気軽にご連絡ください。
それではまたのご利用、心よりお待ちしております。

住所:×××~   電話番号:△△△―~

                                         CC社より』」

「ご不明な点って……、一杯あり過ぎて聞けないわよ……けど、夢じゃ、なさそうね」

森は知らない。
この伝達はほとんど出鱈目である。
住所、電話番号も。
だからといって彼女にとっては関係ない話であるが。

「そうだっ!!植木たちは!?」

彼女は思い出したように、携帯電話を取り出して、植木の番号にかける。

プルルル プルルルル

「出ないし……」

森は明らかに焦っていた。
植木が電話に出ないことに。
すぐにそれが杞憂であることは思い知らされるが。
しかしそれを知らない森は出かける準備を急いで行った。
そして準備が終わった頃。

「ん?お出かけかい」
「いってきまーす!!」
「あ、そうだ。あい!帰りメロンパン買ってきて。最近はまって「行ってきます!!」
「ついでに、最近この辺で『ダブル長谷川』って強姦魔がいるらしいから気をつけてね~」
「どこの佐藤よっ!!っていうかそれをしってながらあんたはお使い頼んだのっ!?」
「まぁいいかなって」
「よくないわぁ!!」

と。いって勢いよく家から飛び出した。

 ◇

「変態だぁあああああ!!」

森は逃げていた。
『長谷川』という連続強姦魔から。
偶然にしては偶然。
奇跡にしては必然。
麻薬犯でもある『長谷川』は狂うように森を求める。
勿論森は逃げる。誰であってもそうするのかも知れないが。
しかしそんな時だった。
『長谷川』という者の頭の上から、木が、降ってきた。

「―――――へ?―――へぶしっ!!」

その木は、見事『長谷川』に命中した。
そんなことができるのは、植木耕助しかいなかった。
それが意味するは森は、植木を見つけた。ということ。
植木からしたら最悪の場面で。
簡単に説明すれば、能力で無能力者(一人)を傷つけた場面での再会だった。

「ってなにやってんのよーーー!!」
「―――ぶはっ!!」

殴られた。
しかし、彼も阿呆では無い(馬鹿だけど)。
これも彼の信念、一日一善の心がけの下、強姦魔から森を守った。
だけれども、

「――――はぁ…、何やってんのよあんたはっ!!」

再び殴られていた。
助けてもらった身でありながら。

「はぁ……起きなさい」
「―――――へんじのないただのしかばねのようだ」
「起きなさい!」
「うぅぅ……」
「あんたはホントに消滅したいのっ!?―――あんたは覚えていないの?殺し合いって感じの奴」
「――――うーん?あんま覚えてないなぁ。なんか夢で怪物に追いかけ回された夢をみたけど」

植木の出番はあまりに短い。
それゆえにあまり記憶にもない。
それはそれで考えものであるが。
そんな時だった。

「植木様!森様!お迎えに参りました!」

上空から、大きな笠が二人の前に降り立つ。
森は忘れていた。
今日から、第三次試験が、再開されるのだから。

「わ、忘れてた――――――――!!」

しかし、容赦なく神の使いは植木たちを天界に引き連れる。
植木は本来の歴史より才が1個減っている。
森は本来の歴史より眼鏡の代えは少ない。
これがどう修正されるかは分からない。
もしくは修正されないのかもしれない。
けれど、歴史は動き出す。

平和を手に入れるために――――――!!


【うえきの法則:終了】

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最終更新:2011年09月03日 14:35
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