確認試験

第六章 確認試験(かくにんしけん)

 □

努力が何であるか俺は知らない

 ◇

まぁなんつーかテストだ。
中学校の内容確認テスト。
まず説明したくないけどやっておかなきゃいかん気がするのでやっとく。
面倒だなぁ。
で、テスト。
それってこの学校に限るなら、成績に加え(ほぼ意味無いんだけどな成績って)、ボーナス金である。
約五百位~一位まで順位が付けられ、その分だけどボーナスが与えられる。
それは今回のテストも例外ではないらしい。
別にドベでも普通に食って寝れてと、普通の生活はできるらしい。
しかし、やっぱり贅沢はしたいだろう。
同じ学食でも値段というものに差はある。(ちなみに学食ってのはレストラン「KOKUMEI」の愛称)
だから頑張る者は頑張るし、頑張らない者はまるっきし放棄する。
けれどそれまでといったらそれまでなんだが。
………あぁ俺?
俺は勿論――――――

 ◇

後日、学年順位が確定した。
現代文   95点
古典    91点
現代社会  94点
英語Ⅰ   89点
数学Ⅰ   97点
数学A   98点
理科総合A 92点
学年五位。
俺の順位。
―――――まぁこんなもんか。
やっぱ『本気』を出すってのも疲れる。しかも面倒。
……でもやっぱいい生活はしたいからね。俺でも。
テスト少し真面目にやるだけで金が手に入るんだったら、それがいいや。
―――――しっかし…やっぱ上には上がいるもんだなぁ。
まぁなんつったって俺はスポーツ生だからなぁ。
今思うと何で俺はA組とかにいねぇんだろう。
全くいい成績なんての残してないのになぁ。…どうでもいいが。
まぁしかし何であれ第五位ってのはいいんじゃないのか?
いいはずだ。俺はいい生活ができるってわけだ。そう願いたい。
ふんっ。ザマ―見ろってんだ。俺だってやればできるんだぜ。
まぁまぁ。
それはいい。完全に思い出しちまうとこだったぜ。
と。
その時、

「おいおいおいおいおいおいおいおいおい。一心くんよぉよぉよぉよぉよぉよぉよぉよぉよぉ」

なんて面倒くさいやつがやってきた。

「さぁさぁさぁさぁさぁさぁさぁさぁさぁ。答えなさい、何でこんないい点をとってんだよだよだよ「以下省略」―省略すんなぁなぁなぁ~~~」キュ
「これで、あのうざい響き声は聞こえてこないな。始めからこうしときゃよかったなぁ。我ながらめんどくさいことをしてしまった」
「テメッどうやってやりやがったったったった~~~!!」「声がでねーーーーーーーーーーーー」
「まぁまぁまぁまぁまぁまぁまぁ。落ち着けって」
「パくんなんなんなんなんな~~~!!」
「めんどくさいからいいよ。もうやらない。俺だって暇じゃないんだよ」
「なにやんだよだよだよだよ~~~」
「いや別に、お前と話したくないってだけで別に」
「本人の前で言うなよなよなよなよ~~~」

っていうかいつまでその語尾つけてんだ。ノリじゃなかったのか。
ノリの方がよかったんだが。
………それよりもさ、

「―――――つーかよ、お前誰よ」

そう、俺はこいつなんか知らないぞ。
クラスメイトでもなかったはずだ。

「突っ込むの、遅くね?」
「喋り方戻すなよ、いちいち覚えるの面倒くさい」
「お前ねぇ……」

明らかに呆れた顔されたので睨み返しといた。
それに特別怯む様子もなく、自己紹介をしていく。
―――つまんねぇな。

「何か失礼なこと考えてないか?」
「気のせいだ」
「……あっそ。まぁいいや、じゃあ考えといてくれよ」
「――――へ?何をだよ」

え?何?何か言ったっけ。聞いてるわけねぇじゃん。
と、言ってみたら今度も呆れた顔されたので、舌打ちをしてみた。
が、無視。ひでぇなぁ。まぁ面倒事も嫌だから別にいいんだが。

「―――――はぁ、聞いてなかったのかよ、風紀委員の勧誘だ」
「……ふぅん、断る」
「まぁ、そういわず考えといてくれよ。俺は3年のO組だから。決心ついたら顔見せな」
「あっそ」
「――――じゃあそう言う訳で」

と言って去っていった。
もう一回何言ったか知らんが言ってくんねぇかなぁ。
どう考えてもあれだけじゃねぇだろ。勧誘理由とか何も聞いてねぇぞ。
それにしても、O組ねぇ。特異組とかいうやつじゃん。人間にしか見えなかったが……。
―――――まぁ、いいか。
どうせ入るわけないんだし。

そう思って、俺は机に伏せ惰眠を貪っていった。
それを誰も起さなかった。


【第六章 終了】


生徒会長 投下順 開幕前日
入学完了 神谷潤 [[]]

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最終更新:2011年06月12日 16:44
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