30話 やられたらやり返していい時と駄目な時がある
「ふう、なんとか出れたわね…」
ブノワは禁止エリアから脱出していた。
時刻は丁度10時を指した。
自分以外に誰が居るのか……それが気になる。
「よし、行こう」
立ちあがろうとした、その時。
(マテ…コノクソアマ……)
「…え?体が…動かない?」
ブノワの体が固まった。
自分自身で動かそうとしても動かない。
彼女の頬に冷や汗が垂れる。
「だ……誰?」
(オマエガ、オレヲコロシタノニイキノコルナンテ、ナットクイカナインダヨオオオオオオオオオオオオ)
「か、体が勝手に…動く……?」
彼女の足が向かうのは、彼女が殺した男を突き落とした崖である。
「ま、まさかアンタ…や、やめろ!」
(オマエハオレヲコロストキタメラッタノカ?)
「ああ!ためらったよ!悪いと思ってる!」
(ウソヲイウナ……オマエハココデシンンダカラ、アキラメロ)
「う、嘘…やめてよ!私はまだ死にたくないんだよ!」
彼女の足は、いつの間にか崖の前まで来ていた。
「う、あ…ああ」
(ジャアナ、バケモノ)
彼女は崖から姿を消す。
そして、彼女が殺した彼と同じような死体となった。
【ブノワ・ディオール】【死亡確認】
【人数状況 13/38】
※霊となった五十嵐修二が崖付近をうろついています。他の人に危害を加えるかは不明です。
最終更新:2011年06月04日 19:11