貴方を射ち落とす

26話 貴方を射ち落とす


「……行くぞ」
「了」

放送を聞き終えた丹羽と河田は教室から出た。
目的は一つ、主催に対抗するため。
丹羽はチェーンソーを構え、下に向かう。
一段づつ、階段を下りる。
緊張感が自分の中で走る。
もし、敵がいたら?
俺が、殺さなくてはならない。
この、凶悪な武器で。
それは、殺人者と同じかもしれない。

そんなこんなで外に出る。
朝日と冷ややかな空気が肌に触れる。
そして、丹羽は見つける。

「……お前」
「敵発見―――――殲滅します」
「やっぱりかよ……畜生ッ!」

チェーンソーを稼働させ、構える。
当たれば、確実に丹羽の勝ちだった。
だが、それは当たればの話だ。

「当たれええ…って、なんだこれ!」
「――――攻撃、開始」

真正面から行けば負ける。
それを分かったロボットは、跳んだ。
いや、飛んだというべきか。

「く………あれ?」
「丹羽!」
「……え?…河田!!」

攻撃の手は、河田に向けられた。
チェーンソーを投げ捨て、丹羽は走る。
あと少し、届けば彼女を助けれる。
手が、届く。
その手は、丹羽のものだった。

「痛…」
「かわ、だっ!?」
「――――攻撃、命中」

心臓ではないが、そのすぐ横に命中する。
段々、彼から血が失われていく。

「丹羽君、貴方」
「…くそ、なめるな…よ…!」

丹羽は火事場の馬鹿力とでも言わんばかりに、州崎を押さえる。
体勢的に言うと、背後から肩を肘で掴む感じである。

「河田!何か、で…こいつに、とど、めを!」
「何言理解?貴方自殺気?」
「…どっちにしろ俺は、もう駄目っぽいし…頼む」
「……了」

彼女は、デイパックの中からあるものを取り出す。
それは、ボウガンだった。
彼女は、矢を急いで装填し、それを州崎に向けて

矢を放った。


○ ○ ○ ○ ○


「何故、私泣?」

それから少し時間が立って、河田は座っていた。
先ほどまで行動を共にしていたモノの傍で。
彼女の目からは、涙が流れていた。

「私、貴方対、好意抱?」

私は、貴方に好意を抱いていたのかな?
とでも言ったのだろう。
それでも、分からない。
彼を失ったから、大事な、大事な、何にも変えれない大事な人を。

【州崎宏】【丹羽雄二】【死亡確認】
【人数状況 20/38】

【一日目/午前/C-3学校校庭】
【河田遥】
[状態]健康
[装備]ボウガン(0/1)
[所持品]基本支給品、ボウガンの矢(9)
[思考・行動]
基本:主催対抗。
1:丹羽…。
2:気力、不持。

願いがかなわなかった刀の行方 目次順 希望は潰えぬ

殺人鬼?いいえ殺人機です 州崎宏 GAME OVER
二人小会話 丹羽雄二 GAME OVER
二人小会話 河田遥 こんな終わり方も何かの因果なのかもしれない

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最終更新:2011年06月05日 12:50
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