25話 願いがかなわなかった刀の行方
「……」
「…………なんで行かないの?」
「……」
「何か答えてよ」
「……今出たら、殺されるぞ」
「………さっきからそればかり」
放送が終わり、相変わらず二人はテレビ局に隠れてた。
葛西英明、妖刀に願った男から逃げるために。
「……!」
「葛西…!」
「……」
テレビ局に入ってきた葛西。
彼の眼には生気はなかった。
「なんで…」
「……!」
葛西が走りだす。
狙いは簡単、河内憲二だ。
「く…!」
河内はバックからあるものを取り出す。
それは拳銃、しかし偽物である。
俗に言うエアガンというものだ。
「止まれ!これで撃たれたくなかったら…」
「………」
「て、止まらな…」
ザシュ
「ぐ、わあ…い、、いてぇ……」
「…………河内、さん」
「…?」
「葛西、なんでこんなことするの?」
「……」
その声を無視せんとばかりに、葛西はとどめを刺そうとする。
「駄目!!」
「…!」
その剣筋は、確実に西山の首を通った。
そして、彼女の首を跳ね飛ばした。
「……」
「ぐ、、ぞぉ…で、め」
河内も次第に声が薄れ、彼の目は光を失った。
「う、うがああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ
叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ
叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ
叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ
彼は生きる目的をなくした。
それでも、死にはしない。
あとは、刀の思うがまま。
彼の支配は、解かれぬまま。
悪魔の刀に喰われるのだった。
【河内憲二】【西山恵理香】【死亡確認】
【人数状況 22/38】
【一日目/午前/B-4テレビ局内】
【葛西英明】
[状態]妖刀による人形状態
[装備]妖刀「花菱」(四人斬りモード)
[所持品]基本支給品
[思考・行動]
基本:斬る。
1:殺す。
[備考]
※自我は完全に崩壊しました。
※妖刀「花菱」は斬っていく毎に強くなるようです。
※願いは無くなりましたが、支配は解かれません。
最終更新:2011年06月05日 12:46