惰性に流され錆びれた刃

32話 惰性に流され錆びれた刃

コンスタンツェと色部義徳は放送を聞いた後、目的地である学校に辿り着いた。
拠点にしている民家に残った碑文谷直紀と東儀由利恵は少なくとも放送の時点では無事、
と言う事が分かったので少し安心していた。

古い木造校舎に裏口から入る。

「!」
「……!」

廊下に血の跡が残っていた。
まだ新しく血の臭いも漂っている。近くに空薬莢も落ちていた。
近くにある教室に、血の跡は続いていた。
コンスタンツェが扉の窓から内部を覗き込む。

「……」
「…どうだ?」
「…死体、あるね」
「……」
「見る?」
「いや、やめとく…」

流石に死体を見る気にはなれなく、義徳は拒否した。

ガラリ。

保健室の扉が開く。

「!」
「!!」
「……」

青髪の中高生ぐらいと思われる少年が中から出てくる。
そして出てくるなりいきなり拳銃を構え二人目掛けて発砲した。
右手にコルト M1911、左手にベレッタ M1934を構え交互に引き金を引いた。
突然の事に二人は対応出来ず、銃弾をその身に受け倒れる。

「う…ぐあ」
「い、痛ぇ……マジ、かよ」

苦痛に苦しむ二人の元に、サバイバルナイフに持ち替えた少年、賢也が近付き、
まず手前に倒れた義徳の手元に落ちていたグロック 20を取り上げ、
そして、サバイバルナイフを彼の胸元に突き立てた。

「がああ……!」

短い悲鳴の後、義徳は動かなくなった。

「! よ、義徳、君…うあああああ!」
「あんたもすぐ後を追わせてやるよ、安心しな」
「このおおおお!」

コンスタンツェが激怒し立ち上がろうとした。
すかさず賢也はグロック 20を構え、引き金を引いた。

ダァン!

放たれた10㎜オート弾はコンスタンツェの左目から入り、彼女の脳髄を貫通し、
脳漿と血と共に後ろに突き抜けた。

(嘘…死ぬの私…ああ…義徳君、直紀君、由利恵さ…ん)

最期に残された思考の時間で、コンスタンツェはこの殺し合いで出会った仲間の事を思い出していた。

「また死体片付けないといけないな」

二人の死体を見下ろしながら、賢也は淡々とした口調でそう言った。


【色部義徳:死亡】
【コンスタンツェ:死亡】
【残り10人】


【午前/D-4学校一階廊下】
【宮崎賢也】
[状態]右肩に裂傷(応急処置済)
[装備]グロック 20(14/15)
[道具]基本支給品一式、コルト M1911(0/7)、コルト M1911予備マガジン(2)、ベレッタ M1934(0/7)、
ベレッタ M1934予備マガジン(2)、日本刀、サバイバルナイフ
[思考]
1:面白そうなので殺し合いに乗る。特に優勝したい訳では無いが。
2:殺害した奴(コンスタンツェ、色部義徳)の装備を回収。その後は…。
[備考]
※特に無し。


何事も唐突に 目次順 これは酷い干渉

壊れたリズムで踊らされ コンスタンツェ GAME OVER
壊れたリズムで踊らされ 色部義徳 GAME OVER
学校に行こう(不登校的な意味では無く) 宮崎賢也 少年と狼と殺戮と

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最終更新:2011年05月29日 21:49
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