動く者、動かない者

30話 動く者、動かない者

流石に自分のいる病院の存在しているエリアが禁止エリアに指定されれば動かざるを得ない。
ジークリードは放送後、さっさと荷物を纏めて病院の階段を駆け降りた。
思えばこの病院の中は全く探索していなかったが、最早そんな時間は無い。

ロビーを抜け病院から出たジークリードは東を目指す。
理由は無い。何となく東を選んだ。とは言っても、選択肢は他には北しか無かったが。
西と南は何も無い平野部に出てしまう。

「さっさとエリア抜け出さないと…」

支給されていたトカレフM1940自動小銃を片手に、人狼の青年は歩く。

「…13人死んでるのか。俺が寝てる間に…」

放送で聞かされた死亡人数を思い返す。
たった四時間で13人もの参加者が命を落としたと言う。
ただ眠っていただけの自分が今もこうして生きているのは幸運なのだとジークリードは思う。

「俺…どうなんのかな、これから」

自分の行く末を案じる人狼の青年であった。

……

由比ヶ浜智里はエリアE-4のとある民家の中に隠れていた。

「13人…結構死んでるね、フフww」

笑いを零すが面白がっている訳では無い。

「……いいや。隠れてよ。無理に動く事無いものね。フフフフwww」

自分のデイパックから食糧を取り出し、
むしゃむしゃと貪り始める智里。

「どうせ私のキャラ付けなんて食べる事と笑う事なんでしょフフフフwwwwwフフwwwまあいいよ。
私は私なりに生きてやるからね、簡単には死なないよフフフフwwwwwww」


【午前/E-4病院周辺の住宅街】
【ジークリード】
[状態]健康
[装備]トカレフM1940自動小銃(10/10)
[道具]基本支給品一式、トカレフM1940自動小銃予備マガジン(3)
[思考]
1:殺し合いをする気は無い。
2:禁止エリアから離れる。
[備考]
※E-3方面に向かっています。


【午前/E-4住宅街猪口家】
【由比ヶ浜智里】
[状態]健康、食事中、妙なテンション
[装備]マウザー C96(10/10)
[道具]基本支給品一式(食糧消費中)、7.63㎜×25弾装弾クリップ(10×3)、ダイナマイト(3)、100円ライター
[思考]
1:殺し合いはしない。
[備考]
※特に無し。


危険好きの誰かのふりをする小心者共 目次順 何事も唐突に

睡魔の狼 ジークリード 泡立つグラス飲み干して
静寂、静謐、聖堂の中 由比ヶ浜智里 泡立つグラス飲み干して

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最終更新:2011年05月29日 22:38
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