指の先から紅差す

20話 指の先から紅差す

結局病院で、殺害したハーピー以外に誰も見付からなかった篠沢具子は、
病院を後にし住宅街を歩き回っていた。
しかし誰も見付からず段々と疲れが溜まっていく。

「足が痛い…」

足の痛みに耐えながら、住宅街を歩く具子。

そしてとある民家の門の傍を通ろうとしたその時。
民家の門から、狐のような外見の獣竜の女性が飛び出した。
その手にはぎらりと刃が光る日本刀が握られている。

「!!」
「だあああっ!」

獣竜の女性――リーザは日本刀を具子目掛けて渾身の力で振り下ろした。

ビュンッ!

風を切る音。
間一髪で具子は斬撃をかわす。

「このっ…!」

持っていた自動拳銃ベレッタ M1934の銃口をリーザに向け引き金を引こうとする具子。
しかし、リーザは刀の峰で銃を弾き飛ばす。

ガキィ!

「あっ!?」

M1934が遠くに飛ばされるのを具子は目撃した。

「終わりね!」

今度こそ勝利を確信したリーザは、再び日本刀を振り被る。
しかし、具子は諦めなかった。リーザの腹に捨て身の体当たりを食らわせたのだ。

「うげっ!?」

悲鳴を上げ、アスファルトの上に押し倒されるリーザ。
手にしていた日本刀も手放してしまった。
カラン、と金属音を立てて日本刀がアスファルトの上に落ちた。
それを具子は素早く手にする。

「! しまっ――――!」

リーザのその言葉は最後まで紡がれなかった。

具子が日本刀を薙ぎ払った時、リーザの首が綺麗に切断され宙を舞ったから。

血の噴水は灰色の路面に赤い彩りを施した。

「はぁ…はぁ…危なかったぁ」

不意討ちされたが返り討ちにする事が出来た。
自分の命がまだしばらく続く事が分かり具子は安堵する。


【リーザ:死亡】
【残り21人】


【朝/E-3、E-4境界線付近の住宅街】
【篠沢具子】
[状態]健康
[装備]日本刀(血痕付着)
[道具]基本支給品一式、ベレッタ M1934予備マガジン(2)、特殊警棒、カッターナイフ(調達品)
[思考]
1:殺し合いに乗る。優勝を目指す。
2:獲物探し。
[備考]
※所持していたベレッタ M1934は彼女のすぐ近くに落ちています。



静寂、静謐、聖堂の中 目次順 新しい苦難を越える支度にかかる

病院には「死」と言うイメージもある 篠沢具子 学校に行こう(不登校的な意味では無く)
ネバー・マインド リーザ GAME OVER

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最終更新:2011年05月28日 18:16
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