6話 病院には「死」と言うイメージもある
「何ここ、病院…?」
ハーピーの女性、マルティナは病院二階の廊下を歩いていた。
病室の扉が幾つも並んでいる。入院患者の名札を掛けておくパネルも見えた。
しかしどの病室も固く施錠されており入る事が出来ない。
事務室かナースセンター辺りに鍵があるかもしれないがわざわざ入る気にもなれない。
「あ、この部屋は空いてる」
しかし鍵がかけられていない病室も少数存在するようだった。
「204」と書かれた病室の中に入るマルティナ。
そして白いシーツが掛けられたベッドの上に腰掛けデイパックの中を確認する。
「銃…」
ベレッタ M1934自動拳銃と予備のマガジン3個がマルティナのランダム支給品のようだった。
人間ならば腕のある部分の羽で器用にM1934を構えるハーピー娘。
「…銃なんて使った事無いけど…丸腰じゃ不安だし…あった方が良いか」
M1934を装備したマルティナは204号室を出る。
そして二階フロアを探索し始めた。
◆
ナースセンターと思しき部屋にて、黒髪ロングに緑色のリボンをした美少女、
篠沢具子は自分の支給品を確認していた。
デイパックの中に入っていたのは、基本支給品の他、特殊警棒が入っていた。
「警棒だけじゃなぁ…何か無いかな」
他にも武器になるような物が欲しいと、ナースセンター内の机を漁る具子。
しかし病院の事務室に物騒な物など置いてあるはずも無く、
見付かった物は事務用のカッターナイフだけだった。
「無いよりマシ」
カッターナイフをスカートのポケットに突っ込む。
「誰かいる?」
「!」
「あ…待って。私はその、殺し合う気は無いから」
「……」
ナースセンターに、腕が羽になった、半裸の女性のような怪物が入る。
ハーピーのマルティナである。
「は、ハーピー? 初めて見た、実物」
「そ、そう? 私はマルティナって言うんだけど、あなたは?」
「篠沢…具子」
「そう…具子、何してたの?」
「…武器になりそうな物、探してたの。特殊警棒だけしか無かったから、支給品。
他にも武器が欲しいなと思って…こんな状況だから」
「……」
いきなり殺し合いという状況に放り込まれ身を守る手段を必死に探しているのだろう。
マルティナはそう考えた。
「殺し合いに乗っていないって言ってたよね、マルティナさん」
「え? あ、うん。具子は?」
「乗るつもりはないけど…」
具子はマルティナに近付き、カッターナイフを見せる。
先端から少し刃が出ていた。
「…これぐらいしか見付からなかった」
「そりゃあ、病院に銃や刀なんて無いでしょ」
「マルティナさんの持ってるそれは…拳銃?」
「うん…ベレッタ M1934。小さいから扱い易い、と思う。私は拳銃なんて扱った事無いんだけどね…。
使いこなす自信は余り無いけども」
「良いなぁ……ねぇ、マルティナさん」
「ん?」
「私に頂戴、それ」
「えっ」
具子がマルティナの腹を思い切り蹴った。
「ぐっ!?」
突然の腹部への攻撃にマルティナは後ろに倒れてしまう。
その際持っていたM1934を手離してしまった。
「がっ…ゲホッ、ゲホッ……と、具子…あなた、ま、ざか」
「ごめん、マルティナさん、殺し合いする気無いって言うのは嘘なの。私はね」
床に倒れ、蹴られた腹を抱え、咳き込むマルティナは、
さっきまで自分が持っていた拳銃を拾う少女の姿を認めた。
「殺し合いに乗る気、バッチリあるの。でも、良かった。銃手に入って……」
「ちょっ…よしなよ、よして、やめて! お願い…」
ダァン!
「あぁああ!?」
銃声と共にハーピーの右太腿に穴が空き血が噴き出した。
「ぎゃあぁあっ…! 痛い…!」
「こんな感じか…反動強く無いね…まあ小型拳銃だし…」
ダァン!
「ひぎぃいいいい!!」
今度はハーピーの鳩尾付近。激痛に悶え悲鳴を上げるマルティナ。その目には涙が滲む。
「やめ゛……ヤめで……! 嫌だ…死ニたくナい゛……」
「私も死にたくはないから…大丈夫、マルティナさんの分まで生きるから、優勝して生きて帰ってね」
ダァン! ダァン! ダァン! ダァン! ダァン!
「ア……ッ……」
胴体に何発も銃弾を撃ち込まれたハーピー、マルティナは、血の塊を口から吐き出し、
ピクピクと痙攣しながら、血溜まりの中で息絶えた。
マルティナの所持品を漁り、M1934の予備マガジンを入手し、M1934のマガジンを交換する具子。
「一人目か…さて、次に行こうかな…」
特殊警棒やカッターナイフより強力な武器を入手出来、満足の具子は次の獲物を捜しにナースセンターを後にした。
◆
病院屋上、階段室の上。
「今、銃声が聞こえたような…気のせいか」
濃淡の水色の毛皮を持つ人狼の青年、ジークリードが寝転がっていた。
「…まあ良いや…下手に動かない方が良いよね…しばらくここで寝てよ…」
銃声のような音にも余り動じず、目を瞑って昼寝を始めた。
【マルティナ:死亡】
【残り27人】
【早朝/E-2病院】
【篠沢具子】
[状態]健康
[装備]ベレッタ M1934(7/7)
[道具]基本支給品一式、ベレッタ M1934予備マガジン(2)、特殊警棒、カッターナイフ(調達品)
[思考]
1:殺し合いに乗る。優勝を目指す。
2:獲物探し。
[備考]
※特に無し。
【早朝/E-2病院屋上階段室上】
【ジークリード】
[状態]健康、睡眠中
[装備]???
[道具]基本支給品一式、???(1~2)
[思考]
1:殺し合いをする気は無い。取り敢えず昼寝。
2:(睡眠中)
[備考]
※特に無し。
※E-2病院二階ナースセンターにマルティナの死体及びデイパック(基本支給品一式)が放置されています。
≪キャラ紹介≫
【マルティナ】 23歳/♀/ハーピー/職業不明/RPGファンタジー風世界出身
茶髪ショートのハーピーの女性。金色の瞳で美乳。歌を歌うのが趣味だが余り上手くは無い。
逆レイプを何度か行っており特に人間の少年が好きらしい。
【篠沢具子(しのざわ ともこ)】 16歳/女/人間/高校一年/現代日本風国家出身
黒髪ロング緑リボンの巨乳美少女。獣姦ジャンキーであり、飼犬は愚か、
近所の別の飼犬、公園の野良犬、近所の妖犬のお兄さんや魔狼のおじさんとも行為をする。
行為の動画をその手の動画サイトに投稿している。そのサイトにはかの浅井きららも動画を投稿している。
妖犬の彼氏がいる。ラブラブらしい。
【ジークリード】 19歳/♂/人狼/職業不明/RPGファンタジー風世界出身
濃淡の水色の毛皮を持つ人狼種の青年。寝る事が大好き。
男も女もイける両刀使いで、引き締まった身体と整った顔立ちで両性から人気がある。
性格は怠惰。現代日本風国家から輸入された漫画やゲームが好き。
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マルティナ |
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篠沢具子 |
指の先から紅差す |
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ジークリード |
睡魔の狼 |
最終更新:2011年05月28日 21:06