「ふざけやがって……!!」
その男、片倉小十郎は激怒していた。
いつの間にか見たこともない大広間に連れてこられていた彼は、突然殺し合いをしろと言われた。
そしてそれに反抗した桃色の髪をした女性が首輪を爆破されて、無惨に死んだ。
呆気なく、呆気なく死んだ。
その現実に、小十郎は怒りを隠そうとはしなかった。
そして一瞬の暗転の後に、これまたいつの間にか手にしていたデイパック。
その中にあった名簿を見て、小十郎の怒りはさらに熱く燃え上がった。
名簿にあった伊達政宗の四文字。
他でもない自分の主を殺し合いに参加させるメガネのあの男、許すわけにはいかなかった。
「あの野郎…良い度胸してやがるぜ……!!」
溢れ出る、怒りの感情と圧倒的威圧感。
並みの人間がそれを見れば百人中百人が恐怖を感じてしまうほどに、彼は怒っていた。
と、その時小十郎は近くに人の気配を感じた。
「…そこにいる奴、出て来な。」
怒りもまだ冷めないまま、気配のした方に声をかける。
そこに動きはなかったものの、確かにそこに人がいると小十郎は確信した。
小十郎はその方向に一歩踏み込むと、また呼びかけた。
「そこに隠れている奴、出て来い。」
ドスの効いた声があたりに響いた。
一瞬の静寂の後に帰ってきたのは、小さなナイフだった。
小十郎は一瞬で身を翻し、ナイフの飛んできた方へ飛びかかる。
武器を持たず、徒手での厳しい闘いだが近づかない事には攻撃ができない。
それでも飛んできたナイフの軌道から敵のいる方向に見当をつけ、そこに向かう。
と、いると予測した方向から影が飛び出した。
身軽な動きで小十郎を飛び越えると小十郎の背後にまわろうとする。
それに小十郎はついていこうとするが、予想以上の速さに舌を巻いた。
もう一本、ナイフが飛んできた。
今度はかわしきれずに、右肩を少々削ってしまった。
「テメエ……やろうって言うのかよ……!!」
竜の右目がそう言い放ち、殺気を今以上に出したその瞬間、相手はピタリと動くのをやめた。
「…?」
「あなた…もしかして殺し合いに乗ってはいないのですか?」
「…半分、な。」
「半分?」
「殺し合いに乗った奴相手なら容赦はしねえ。」
その言葉を聞くと、相手は深々と頭を下げた。
「申し訳ありません、あなたが相当の殺気を放っていたものでしたから…」
「…っていうと、てめえはこの殺し合いには乗ってはいないのか?」
「はい…その前に傷の手当てをさせて頂けませんか?」
そう言うと目の前の相手は手にしていたナイフをしまった。
「私は立花仙蔵。こう見えても忍術の心得があります。あなたは?」
「…片倉小十郎だ。」
小十郎は何故か、この殺し合いに同じように参加している主の好敵手、真田幸村を思い出した。
【F-1住宅街/1日目朝】
【片倉小十郎@戦国BASARA】
[状態]:右肩に傷(軽傷)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式(アイテム確認済み、武器と判断できたものはなかった)
[思考]1:政宗と合流したい。
2:殺し合いを止める。
3:仙蔵と情報交換。
4:基本的に殺し合いはしないが殺し合いに乗ったものは容赦しない。
【立花仙蔵@忍たま乱太郎】
[状態]:健康
[装備]:投げナイフ@のび太のBIOHAZARD 11/12
[道具]:基本支給品一式(アイテム確認済み)
[思考]1:小十郎と情報交換、小十郎の手当て
2:殺し合いには基本的に乗らない。
最終更新:2011年05月06日 09:40