うさたんクラッシュ


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第二十一話≪うさたんクラッシュ≫

私、大木弓那(おおき・ゆみな)は、自分の使い魔である黒牙を探して
海辺を歩き回っていた。
昨日の夜、いつものように二人で一緒に寝たはずなのに、
目覚めたら殺し合いに参加させられていたなんて、笑えない冗談よ。
首には逆らったり逃げようとしたりすれば爆発するって言う物騒な首輪がはまっているし、
あの教室で殺された男のようになんてなりたくない。
黒牙と連絡を取ろうにもテレパシー的な物は全く使えなくなってるし。
とにかくまずは黒牙を探さないと……。

「? あれ、何の建物だろ……廃墟みたいだけど」

前方の方にいかにも古そうな煉瓦造りの建造物が見えてきた。
雑草や蔦で覆われ、もう何十年も前に打ち捨てられた廃墟のようだった。
近付いてみると、壁に微かに「防衛砦」と白いペンキか何かで書かれているのが見えた。
どうやらかつて軍事施設があった所らしい。

「ここを探索してみよう」

私は軍事施設跡に足を踏み入れようとした。その時だった。
右手側から殺気を感じた。

「ッ!?」

次の瞬間、私は身体を大きく前に倒した。
ついさっきまで私の胴体があった位置に何か槍のような物が突き出される。
いやよく見ると槍と言うより何かの農具のようだがよく分からない。
そんな事は今はどうでも良かった。
その槍のような農具の持ち主は、黒いショートヘアの兎獣人の女性だった。
私よりずっと年上だろうか、灰色のスカートに白いYシャツを着ていた。

「ちょ、ちょっと、いきなり何するんですか!」
「ごめんなさい、死んで!!」

兎獣人の女性は問答無用とでも言わんばかりに、槍状の農具を振り翳す。
私は立ち上がって一目散に駆け出した。
しかし兎獣人の女性も全速力で追いかけてくる。
周りを見れば武器庫か作戦本部か何かの建物の瓦礫の山。
どうも身を隠せそうな場所は見当たらない。
私は焦っていた。だからだろうか、何かに躓いて思い切り転倒してしまった。
幸い雑草の上だったので大した怪我もしなかったが、
顔を上げれば農具を構えて突進してくる兎獣人の女性。
やばい、このままじゃ――そう言えば、確かデイパックの中に!
私はデイパックの中に右手を突っ込み、”それ”のグリップを握り締めると、
”それ”を迷わずデイパックの中から取り出し、兎獣人の女性に向け、引き金を引いた。

ドォン!!

大きな銃声が鳴り響き、”それ”の銃口が火を噴くと同時に、
兎獣人の女性の腹部が弾け飛び、女性は手に持っていた農具を放り出し、
大きく後ろに吹き飛ばされた。
そのまま地面に仰向けに倒れ、しばらく痙攣した後、大きな血溜まりを作り、
二度と動かなくなった。

「ハァ……ハァ……」

私は震えながら手に持ったショットガン――スパス12と女性の死体を交互に眺めた。
何ていう威力だろう。この前友達にやらせてもらったホラーゲームで
多分これと同じ形のショットガンが登場し、敵であるゾンビ相手に物凄い威力を発揮していたけど、
あれは大袈裟じゃなかったんだ……いや、そんな事より、

「私……人を殺しちゃった……人を……」

多分、殺さなかったら、自分が殺されていただろう。
死ぬ直前の兎獣人の女性のセリフやいきなり私に襲い掛かってきた事を考えると、
この殺し合いのルールに則って、私を殺そうとした事は間違い無い。
多分、立派な正当防衛だと思う、思うけど……。
それでも人殺しには変わり無いよね……。

「……ッ」

私は頭を振り、無理矢理気持ちを切り替えようとした。
仕方無かった。仕方無かったのだ。殺さなければ私が殺されていた。
そう思い、割り切るしか――無いよね……。
私はデイパックの中に入っている私のもう一つの支給品、
栄養ドリンク10本セットの中から栄養ドリンク一本を取り出し、
蓋を開けて一気に飲み干した。
とにかく、今は黒牙を探すのが先決よ。
まずはこの軍事施設跡を調べてみよう。

「ごめんなさい……本当に」

私は許される事では無いと思いつつも、仰向けに倒れた兎獣人の女性の死体に
謝罪の言葉を述べ、開いたままになっている両目の瞼を閉じさせた。
ふと穴の空いた腹部に目をやると、それはまるでソーセージ工場のクズカゴのよう。
実際にソーセージ工場のクズカゴを見た事は無いけれど多分こんな感じなんだろうな。
ちょっと吐き気が込み上げてきたけど何とか我慢する。
少し気が引けたが兎獣人の女性のデイパックを調べてみた。
基本支給品一式の他に、催涙スプレーが三個入っていた。
食糧と水、催涙スプレー三個を自分のデイパックに移し替える。
この槍みたいな農具はどうしようかと思ったけど、長くて扱いずらそうなので放っておく事にした。

「行こう。黒牙を探さなきゃ」

私は自分のデイパックを肩から提げ、スパス12を手に持ち、
この軍事施設跡の探索に入る事にした。


【一日目/明朝/B-2軍事施設跡】

【大木弓那】
[状態]:健康、殺人を犯した事に対する罪悪感
[装備]:スパス12(6/7)
[所持品]:基本支給品一式、12ゲージショットシェル(70)、栄養ドリンク(9)、催涙スプレー(3)、大崎俊代の水と食糧
[思考・行動]
基本:殺し合いには乗らない。使い魔の黒牙の捜索。
1:襲われたらそれなりに対処はする。
2:B-2軍事施設跡の探索。
[備考]
※特殊能力が使えなくなっている事に気付きました。


【大崎俊代  死亡】
【残り40人】


※B-2軍事施設跡一帯に銃声が響きました。
※B-2軍事施設跡に大崎俊代の死体、山芋掘り器、
大崎俊代のデイパック(水と食糧抜きの基本支給品一式入り)が放置されています。



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