14:奪うだけ
「がはっ……ハァ、ハァ……」
「わ~お、銃が二丁も…当たりぃ」
廃墟の医院、とある病室内で、腹から血を流し倒れ床で苦しむ白い毛皮の狼獣人の男の傍で、
全裸の黒髪ポニーテールの女性が狼獣人のデイパックを漁っていた。
女性――片山美咲の秘部からは狼獣人――大平圭右が注ぎ込んだ種液が大量に垂れ落ちている。
「何々…S&WM29…と…イジェマッシMP-443…ね」
「み……みざぎ…ぢゃ……ゲフッ、ゴフッ」
「あら、まだ生きてるのぉ? 大平さん…しぶといねぇ……サバイバルナイフでお腹抉ったのに」
美咲は回転式拳銃S&WM29を携えると、圭右の元へ近付き、銃口を向けた。
「ホント、男って単純よね…ちょっと誘っただけでホイホイついてくるんだから」
「ガハッ……ぎ、い……ぢぐ……しょ……う……俺…馬鹿過ぎ……る」
殺し合いが始まった直後、圭右は廃医院内で美咲と遭遇した。
そしていつ殺されるか分からないから、行為を楽しもうという美咲の誘いにあっさり乗ってしまったのだ。
美咲の絶妙な性技の数々、そしてその美貌と身体にすっかりのめり込んでしまった狼獣人の男は、
正に獣の如く何度も何度も美咲を犯し、欲望を体内に注ぎ込んだ。
それこそが美咲の思う壺だとも知らずに。知る由も無かったが。気付いた時には何もかも手遅れだった。
ドォン!!
大きな銃声が一発鳴り響き、床に倒れた白い狼獣人の男の頭部が見事に破裂し、
肉片と脳漿、血液を撒き散らした。
「ああ、汚い…精液なら我慢出来るけど流石に血とかはねぇ…」
身体に付着した圭右の血やその他諸々の体液を、圭右が脱ぎ捨てた衣服で拭き取る美咲。
「…武器は手に入れられたし…一安心かな…」
脱ぎ捨ててあった自分の衣服を着ながら美咲が言う。
殺し合いに参加させられたと知った時は流石に驚いたが、何て事は無い。
この殺し合いに知り合いは一人もいない。殺人は許容されている。ならば自分のために戦うまで。自分のやり方で。
「殺し合い? …良いわよ、やってあげる」
身支度を整えた美咲は狼獣人の死体とデイパックがある病室を後にした。
「…どうしようかな。病院から出る? それとも…ここに残って、誰か来たら…襲う?」
【♂04番:大平圭右 死亡】
【残り24人】
【早朝/E-2廃医院二階】
【♀05番:片山美咲】
[状態]健康
[装備]S&WM29(5/6)
[持物]基本支給品一式、.44マグナム弾(12)、イジェマッシMP-443(17/17)、MP-443予備マガジン(3)、サバイバルナイフ
[思考・行動]
0:殺し合いに乗る。優勝狙い。誰であろうと容赦しない。
1:廃医院に残るかそれとも…?
[備考]
※特に無し。
※E-2廃医院二階のどこかの病室に、大平圭右の死体及びデイパック(基本支給品一式)が放置されています。
【S&WM29】
強力な.44マグナム弾を使用するS&W社の大口径回転式拳銃。
映画「ダーティーハリー」の主人公ハリー・キャラハンが使用して一躍有名になった。
【イジェマッシMP-443】
ロシア政府からの要請で、イジェフスクのイジェフスキー・メカニチェスキー・サボド(現バイカル社)が
開発したロシア軍の新型制式拳銃。9㎜×19パラベラム弾を使用する。
【サバイバルナイフ】
軍事行動中に遭難などで他装備を失った場合、それのみで生存を計る目的で設計された大型のシース(鞘付き)ナイフ。
刃の背に金属を切断する鋸刃が設けられている。武器としての威力と堅牢性は高い。
【名前】大平圭右(おおひら けいすけ)
【性別】男
【年齢】23歳
【職業】古書店店員
【身体的特徴】白い毛皮の狼獣人。スリム体型
【性格】単純
【備考】セックス好き。頭がちょっと弱いアホの子
【名前】片山美咲(かたやま みさき)
【性別】男
【年齢】22歳
【職業】売春婦
【身体的特徴】黒髪をポニテ風に纏めている。爆乳美女
【性格】明るく振舞っているが本性は計算高く冷徹
【備考】自分の身の安全のためならどんなものでも利用する冷酷さを持つ。性のテクニックは絶品。
貢がせている男は数知れず。過去に一度だけ本気で好きになった男がいたらしいがその時は男に騙されており、
性奴隷として売られそうになった。以来やや人間不信気味
最終更新:2011年04月23日 20:57