命は何気なく果てる


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42:命は何気なく果てる

森を抜けた下村正人とアルシオーネは、
固いアスファルトの地面を踏み締めた。スタート地点の廃工場以来である。

「疲れた…なあアルちゃん、どっかで一休みしようぜ」

正人が息を切らしながら言う。

「…そうね。あそこに喫茶店があるから、あそこでちょっと休もうか」

アルシオーネと正人は休息を取るため、ある喫茶店へと歩いて行った。
ベルが付いた扉を開ける。

「……」
「………」
「…………」

この喫茶店、窓にはカーテンが掛かっており中の様子は外からは分からなかった。
だから、二人は知る由も無かった。喫茶店に先客がいた事を。
テーブル席に座り、恐らく奥の調理場から持ってきたと思われるハムにかじりつく、
青い毛皮の人狼がいた事を。
そして人狼の座るテーブルの上に置かれていたのはハムだけでは無かった。
人狼、シュマイザーはテーブルの上に置いていた短機関銃エルマ・ベルケMP40を手に取るや否や、
喫茶店の中に入ってきた二人組に向けて掃射した。

ダダダダダダダダダッ!!

下村正人は一瞬で肺と肝臓、首を撃ち抜かれ即死だった。
アルシオーネは寸での所でしゃがみ込み銃撃をかわした。

「このっ…!」

そしてシュマイザーに向けて持っていた回転式拳銃コルトM1917を発砲する。

ダァン! ダァン! ダァン!

「……!」

三発の.45ACP弾が、シュマイザーの胸元に命中した。
だが、アルシオーネの攻勢もそこまでであった。

ダダダダダダダダダッ!!

「ギャッ……」

再びシュマイザーのMP40が火を噴き、今度はアルシオーネはかわせなかった。
無数の9㎜パラベラム弾によって身体を頭部を貫かれた雌人狼は、
持っていたM1917を落とし、絶命した。

「はぁ、はぁ、はぁ……ざまあ、みろ……!」

ゆっくりと二人の死体に近付きながら悪態をつくシュマイザー。
胸元の傷からはドクドクと赤い鮮血が流れ落ちている。

「こんな所で、死ぬ、訳に、は……ぁ……?」

ぐらっと、視界が揺れる。

「ゴホァッ!!」

大量の血反吐を吐き、持っていたMP40を床に落とす。
身体がガクガクと震え、両膝が床についた。

「な、何だ、これ、え? ちょ、ちょっと待って、これ、し、死ぬの、え?」

胸からの出血は止まらない。息も苦しい。
先程の銃撃で、肺や心臓が傷付いたのかもしれない。
意識が段々と薄くなっていくのを感じ、シュマイザーの心は一気に恐怖に塗り潰される。

「い、いや、だ、死にたくない、こんな……こんなと、こ、で」

身体中の力が抜けていく。

「しにたく……い………にた……く…ないよ……」

もう視界はほとんど何も映さなくなっている。身体からどんどん力が抜けて行く。
とても、寒かった。

「………しに………く………な…………」

同じ言葉を、か細い声で延々と繰り返していたが、やがてそれは聞こえなくなった。
肉便器として生きる事に悦びを見出していた哀れな人狼はこうしてその人生の幕を閉じた。
動いている者は誰もいなくなった――――。


【下村正人  死亡】
【シュマイザー  死亡】
【アルシオーネ  死亡】
【残り10人】


単なるエロ竜では終わらない 時系列順 美女と野獣の集い
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A boon or bone アルシオーネ 死亡
A boon or bone 下村正人 死亡
君は微笑んで、ずっと シュマイザー 死亡
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