心無口に心静かで心弄んでみても

26:心無口に心静かで心弄んでみても

ダァン! ダァン!

「……」

魔狼アインリアは後ろ脚で立ち、右の前脚で器用に自動拳銃H&KUSP45を構え、
前方の木に向けて発砲する。
狙った場所から多少ズレてはいるものの狙いの物には命中させられる。
次に四足歩行に戻り、魔力で銃を頭上辺りに浮かせ、念じて引き金を引いた。

ダァン! ダァン!

弾丸はアインリアの視線の先の木に命中する。

「あんま変わらないな……」

USP45をデイパックの中にしまい込む。

「クンクン……」

そして、ほのかに感じる匂いに鼻を尖らした。

「人間の男と…ユニコーンの匂いだな…こっちか」

アインリアは匂いのする方向へと歩き始める。

◆◆◆

ユニコーンのユージーンの背中に乗り、竹中敏勝は自動散弾銃ブローニングオート5を携え、
森の中を悠々と歩いていた。

「エリアC-5だってよ」
「そうか…さっき銃声聞こえなかったか?」
「そんなもんこの殺し合い始まった時から何度も聞こえてるだろ」
「まあ、そうだけどな…(結構近い場所だった気がするが)」

ユージーンの背中で敏勝がエリア表示機能付き懐中時計を目にしながら言う。
療養所にて行為をし、その様子を無断で撮影していた不届き者を、
ユージーンの肉槍にて粛清しその武装を回収した後、森の中を歩いているが、
そろそろ別の目的地を決めなければならないだろう。

「地図には、と、南に真っ直ぐ行くと主催本部の学校、
西に真っ直ぐ行くと廃工場、でも結構遠いな…北に行くと、沼があって…?
その先は市街地だな」
「うーん……北に行ってみるか…」

緑ばかりの森や使われていない工場、更に禁止エリアになっており近付くのは危険と思われる
学校などに行くよりも、人が比較的多いと思われる市街地方面へ行く方が鮮明だろう。
敏勝とユージーンは殺し合いに乗る気は無い。
先刻勢いで一人、二人で一人(実行犯はユージーンだったが)殺害してしまったが、
基本的には暇さえあれば行為をし、後は同じく殺し合いに乗っていない参加者を仲間に
するなりして首輪を外す方法を探す、と言った感じだった。

「んじゃ北の方行ってみようぜ。んで、暇があったらまた俺のケツを」

敏勝の言葉はそこで中断された。
一陣の風が吹き抜け、ユージーンは背中と頭上に生温かい液体が降るのを感じる。
直後、ドサッ、と、敏勝の身体が地面に落ちた。

「!? としか―――う、うわあああ!?」

ユージーンが悲鳴を上げる。
敏勝の身体は地面に倒れていた――「身体」だけが。
首が無くなっていた。

「ひ、酷い、何て惨い……誰だ! 誰がこんな事を! ……っ」
「……」
「お、お前…」

敏勝の首を咥えた青と白の魔狼をユージーンは発見する。
魔狼、アインリアは敏勝の首を吐き捨てると、舌舐めずりをしながらユージーンに近付く。
本能的に身の危険を感じたユージーンは、敏勝の死体が気になりつつも、
後ろに振り向いて一目散に逃げようとした。

「遅い」

再び風が吹き抜ける。
ユニコーンの首が宙に舞った。
断面から真っ赤な噴水を噴き上げ、大きな牡馬の身体は地に伏した。

「銃なんて使うまでも無い…楽勝過ぎてつまらないよ」

呆気なさすぎる展開につまらないと思いつつも、アインリアは二人の所持品を漁る。
敏勝が持っていた自動散弾銃ブローニングオート5と予備弾、
自動小銃SVT-40と予備マガジン、そしてユージーンがデイパックの中に入れていた、
ダマスカスソードを手に入れた。

「女の子はいないかなあ…」

血で赤く染まった口元を舐めながら、アインリアはその場を後にした。


【竹中敏勝  死亡】
【ユージーン  死亡】
【残り25人】


【朝方/C-5森】
【アインリア】
[状態]良好、返り血(大)
[服装]無し(服を着る習慣無し)
[装備]無し
[持物]基本支給品一式、H&KUSP45(8/12)、H&KUSP45予備マガジン(3)、
シグザウアーP226(15/15)、シグザウアーP226予備マガジン(3)、
ブローニングオート5(4/5)、12ゲージショットシェル(15)、SVT-40(10/10)、
SVT-40予備マガジン(5)、ダマスカスソード
[思考]
1:殺し合いに乗る。優勝を目指す。可愛い女の子は犯してから殺す。
[備考]
※特に無し。


※C-5森に竹中敏勝、シュマイザーの死体及びデイパック(どちらも基本支給品一式のみ)
が放置されています。
※C-5一帯に銃声が響きました。


僕らはみんな生きている、生きているから……。 時系列順 どっちの解体ショー
僕らはみんな生きている、生きているから……。 投下順 どっちの解体ショー

死こそ最上の快楽 アインリア 灯り無き眼光
馬突き 竹中敏勝 死亡
馬突き ユージーン 死亡

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最終更新:2011年02月22日 23:52
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