咲かせてみせよう阿修羅華

8:咲かせてみせよう阿修羅華

私、倉持房はとある富豪の御屋敷に勤めているメイドです。
メイドですが警備員でもあります、そのため戦闘訓練は欠かしていません。
たまに旦那様や息子様、更には番犬達の夜のお相手も…おっと。
そんな私ですが殺し合いとやらに参加させられました。
ここは…どうやら今は使われていない分校のようです。

「…どうやら知り合いはいないみたいですね…」

顔写真が付いた名簿には知っている方は見当たりません。

「……」

デイパックを更に漁ると、トンファーバトンが一対出てきました。
両手に装備し、構えを取ります。

「私は…」
「…あ、なあ」
「…?」

教室に誰かが入ってきました。
シェパード種の犬獣人の青年ですね……右手には軍用スコップを持っています。

「あんたもこの殺し合いに巻き込まれたのか。俺は赤川隆顕って言うんだけど…」
「私は倉持房です。それで…何かご用ですか?」
「あ、いや…一緒に行動しないかと思って」
「……」

見た所、この赤川さんは殺し合う気は無いようです。
ですが、残念ながら私はそうではありません……。
私はトンファーを構え、赤川さんを見据えました。

「…! お、おい…まさか」
「その、まさかです」

ヒュッ

バキィ!!

「うわあああ!!」

教室入口付近の柱が私が放ったトンファーの一撃により見事に粉砕しました。
ですが赤川さんは寸での所で避けました。本気だったのですが…。

「畜生! こんな所で死んでたまるかよ!」
「ッ!」

赤川さんが軍用スコップで反撃を仕掛けてきました――――。

◆◆◆

いきなりやる気になっている奴に出くわすなんて俺も運が無い。
しかも何ださっきのトンファーの一撃は!? あんなもの食らったら死ぬぞ、マジで!
正直、女性――しかもかなりの美人――に手を上げるのは気が引けるけど、
自分の命が掛かっている。気絶させるぐらいなら――――。

「ふんっ!」

ドッ!!

「ギャン!!」

無理、だ。多分さっきより力は抜いたのだろうけど、とんでも無い衝撃が俺の胸元辺りに入り、
俺は教室の廊下側の窓を突き破って廊下まで吹き飛ばされてしまった。
ガラスと木材の破片と共に床に転がる俺はしばらく呼吸困難と胸の痛みで動けなかった。

「がはっ……ア……!!」
「抵抗しなければすぐに楽になりますよ」

胸が痛い。半端無く痛い。もしかしたら肋骨にヒビが入っているんじゃないのかコレ。
ガラスで身体のあちこち切ってるみてえだけど胸の痛みに比べれば大した事は無い。

「畜生……死にたくねぇんだよ!! 俺は!!」
「!」

この女とまともに戦っても勝ち目は無さそうだ。
俺は息苦しさと胸の痛みに耐え、森が見える廊下の窓の、空いている場所から
一気に外に飛び出し、森に向かって全速力で駆け出した。

房と名乗った女は追ってくるかと思ったが、意外にも追ってくる様子は無かった。

どれくらい走っただろう、もう分校の建物は見えない。

「うぐっ! ……ぐぁあ…痛ぇ…何だよこれ…!」

余りの胸の痛さに堪らず俺は適当な木の根元に座り込んだ。
やっぱり、肋骨が損傷しているのだろうか、もしそうだとしたら命に関わる。
どうしてだ、どうしていきなりこんな命に関わるような大怪我をしなくちゃならねえ。
俺が何したってんだよ……! 訳分かんねぇよ…いきなり殺し合えとか、
目の前で首輪爆破されて人が殺されたりとか、その首輪は俺にもはまってるしよぉ。

「んだよ……何なんだよオラアーーーーー!!!」

やり場の無い怒り、苛立を、俺は咆哮に変えて空へぶつけるしか無かった。

◆◆◆

赤川さんは逃げたようですね…無理に追う事も無いでしょう。
あの様子だと肋骨が折れている可能性が高いです…。
放っておいても生き残る確率は低いと思います。

「…街の方に行きますか」

地図とコンパスで確認した所北、つまりこの分校の正面方向に行けば、
市街地へ出られるようです。

「…私はこんな所で死ぬ訳にはいきません」

主人の元へ帰るため、私、倉持房は、この殺し合いに乗ります。
誰であろうと私の邪魔はさせません。


【早朝/B-4分校跡】
【倉持房】
[状態]良好
[服装]エロい和メイド服(侍魂のい○はの格好に酷似)
[装備]トンファーバトン
[持物]基本支給品一式
[思考]
1:殺し合いに乗る。優勝を目指す。
2:市街地に向かう。
[備考]
※特に無し。

【早朝/B-4分校跡裏手の森】
【赤川隆顕】
[状態]左肋骨2本骨折、身体中に軽い切り傷
[服装]私服
[装備]軍用スコップ
[持物]基本支給品一式
[思考]
1:殺し合いはしたくない。生き残る。
2:倉持房を警戒。
[備考]
※余り無理な運動をすると折れた肋骨が内臓に刺さる危険があります。


【名前】倉持房(くらもち ふさ)
【性別】女
【年齢】19歳
【職業】とある富豪家のメイド兼警備員
【身体的特徴】黒いショートでエロエロボディ、某いろはに似ている
【性格】礼儀正しく物腰は柔らかい
【備考】格闘技、銃の扱いに慣れた戦うメイド。主人や主人の息子、番犬の性欲処理も
担当しているため性の技も中々のもの

【名前】赤川隆顕(あかがわ たかあき)
【性別】男
【年齢】20歳
【職業】大学生
【身体的特徴】シェパード種犬獣人。筋肉質で引き締まった身体
【性格】大雑把
【備考】ケモホモ。でも女にも少し興味はある


生まれ持った不平等 時系列順 死こそ最上の快楽
生まれ持った不平等 投下順 死こそ最上の快楽

ゲーム開始 倉持房 人の進化なんて大して信じるだけ無駄に思う
ゲーム開始 赤川隆顕 重過ぎる委託

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最終更新:2011年02月20日 13:13
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