分子記号片割れのよう


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35話 分子記号片割れのよう


放送を聞いた篠原世以子は愕然とする。
中嶋直美はまだ生きているようだったが、
自分達のクラスの委員長が――篠崎あゆみが死んだと言うのだ。

「そんな、委員長が…!」
「篠原…」

悲しみ涙を流す世以子に、同行している伊東鴨太郎は何か気の利いた一言でも
かけたかったが、何も見付からず、静かに名前を呼ぶに留まった。

「う、ううう…何でこんな…酷いよ、酷過ぎるよ…」

こんなもの余りに理不尽過ぎる、なぜ委員長が死ななければならないのか。
一体どのようにして死んだのか、誰かに殺されたのか、それとも――。
様々な思いが世以子の心を去来した。

しばらくして、ようやく泣き止む世以子。

「落ち着いたか…?」
「ぐすっ…はい、すみません、伊東さん」
「いや、謝る事なんて無いさ…泣きたい時は無理せず泣けば良い」
「……っ……もう、大丈夫、です」
「……」

こう言う時、掛けてやれる言葉とは何があるのだろうか。伊東には分からなかった。
真選組の参謀として頭脳を発揮してきていたが、いざ蓋を開けてみれば、
自分は友人の死に悲しむ少女に慰めの言葉もロクに掛ける事が出来ないのか。
心の中で、自分自身を、伊東は嘲笑した。

「! …誰だ」
「え…」

伊東が役場跡の入口方面に目を向ける。
世以子も同様に視線を移した。

「! あ、あの…」

そこにいたのは世以子とは別の学校の制服を着た茶色セミロングの少女だった。
少女――北沢樹里は少しおどおどとした様子で、伊東と世以子に戦意が無い事を訴える。

「わ、私は殺し合いには乗っていません!」
「ふぅむ……本当か?」
「ほ、本当です」
「それじゃまず、手に持っているそれを床に置いてくれ」

伊東は樹里に、装備している自動拳銃グロック26を床に置くよう命じる。
樹里は素直に従い、グロック26を床に置き、更にデイパックも同様に床に放った。
これで信じてくれなければどうしようも無い。樹里は祈る。

「…分かった。信じよう」
「ありがとうございます」

伊東は樹里に危険が無いと判断し、信じる事にした。
世以子も伊東とほぼ同じのようだ。
その後、互いに自己紹介を交わし、樹里は伊東と世以子の仲間になる事に成功する。

(ふぅ…信じてくれて良かった……ほのかの奴、死んだみたいだし、
仲間も出来たし…当面は安心かなこれで)

放送により、最重要の警戒対象であった倉沢ほのかが死亡した事を知り、
更に同行者が出来た事で樹里の心には大きな余裕が生まれていた。

(あーそう言えば、呼び掛けを行っていた阿部って人も死んじゃったんだよね…。
当然でしょ、あんな大声出してたら良い的だよ…行かなくて良かった)

「! 誰だ…!?」
「え? また!?」
「……?」

北沢樹里が現れてしばらくした後、再び役場跡を訪れる者が現れた。
デイパックを担いだ、口元が血に塗れた黒と白の毛皮の、大柄な狼。

「…先客がいたのか」

狼の口から人間の言葉が発せられた事に世以子は大層驚くが、
宇宙生物の溢れる世界で生きる伊東と、獣人やサイボーグのいる世界で生きる樹里は、
然程驚いた様子は無い。

「君は…殺し合いには乗っているのか?」
「…口元血塗れにして何だと思うが、乗ってはいない。
俺は上杉憲顕。良ければあんたらの名前も教えてくれ」
「僕は伊東鴨太郎だ」
「私は篠原世以子」
「私は北沢樹里」
「…あんたら、殺し合う気は無いんだろ? 良かったら俺も仲間に入れてくれよ」
「……分かった。同志が増えるのは心強い事だ。良いか二人共」
「う、うん」
「大丈夫…」
「……ありがとよ」

こうしてまた一人(一匹?)、伊東達に仲間が加わった。

◆◆◆

それぞれが今までの経緯を話した。
特に注目を集めた物は上杉憲顕の話である。
「首輪の内部構造を調べれば解除出来るかもしれない」と言う彼の話は、
過度な期待は厳禁だとは分かりつつも、脱出手段を模索している伊東達参加者にとって、
初めて見る光明の光と言えた。

「…それで、俺は首輪を手に入れた。二つ、な」

そう言いながら憲顕は自分のデイパックから、血の付着した二つの参加者用の首輪を取り出した。

「ど、どうやって手に入れたんですか、それ……」
「……」

憲顕は先刻、廃校にて起きた出来事を、誤解を受けないようにしっかりと、
分かり易く三人に話した。

「そんな事が……」
「……永遠の奴の最期の願いだ、無視する事も出来ない。
何とかこの首輪を解除したいんだ…これからこの首輪を調べようと思う」

憲顕の言葉に伊東、世以子、樹里の三人は頷いた。

◆◆◆

「……北沢さんの匂いがする……近くにいる……」

霊体となったほのかは、北沢樹里の気配を辿りながら、いつしか島東南部の市街地に
足を踏み入れようとしていた。

「うふふ……もうすぐ、会えるね……北沢さん……」

徐々に自分自身の、「倉沢ほのか」としての意識が朦朧としてきている事を感じつつも、
ほのかは憎き相手の姿を追い求め歩みを進める。



【一日目/午前/E-6島役場跡】
【篠原世以子@コープスパーティーBCRF】
[状態]腰にダメージ、軽い精神的ショック、悲しみ
[装備]S&WM36(5/5)
[道具]基本支給品一式、.38スペシャル弾(15)、ブローニングM1918(9/20)、
ブローニングM1918のマガジン(5)、エグゼキューショナーズソード、鉈
[思考]
1:殺し合いはしない。直美、岸沼君を捜す。
2:委員長……。
3:伊東さん、北沢さん、上杉さんと行動。
4:私は死んだはずじゃ……?
[備考]
※本編死亡直後からの参戦です。

【伊東鴨太郎@銀魂】
[状態]良好
[装備]姫鶴一文字
[道具]基本支給品一式、インスタントカメラ(残り使用回数5)
[思考]
1:殺し合いには乗らない。首輪を何とかしたい。
2:篠原君、北沢君、上杉さんと行動。
[備考]
※本編死亡後からの参戦です。
※シルヴィアの外見を記憶しました。
※篠原世以子から中嶋直美、岸沼良樹、篠崎あゆみの情報を得ました。

【北沢樹里@自作キャラでバトルロワイアル】
[状態]良好
[装備]グロック26(10/10)
[道具]基本支給品一式、グロック26のマガジン(3)
[思考]
1:今の所殺し合う気は無いが、状況次第でスタンスは変える。
2:伊東さん、篠原さん、上杉さんと行動。
[備考]
※本編死亡後からの参戦です。

【上杉憲顕@オリキャラ・男】
[状態]口元が血塗れ
[装備]シグザウアーSP2340(11/12)
[道具]基本支給品一式、シグザウアーSP2340のマガジン(3)、
ウィンチェスターM1897(5/5)、12ゲージショットシェル(15)、
Gew41マウザー社試作型(8/10) 、Gew41マウザー社試作型のマガジン(5)、
井岡永遠の首輪、山崎孝一の首輪、ノートパソコン(バッテリー残り98%)
[思考]
1:殺し合いはしたくない。首輪を解析したい。
2:伊東さん、世以子、樹里と行動。
[備考]
※特に無し。

【一日目/午前/F-4市街地跡?】
【倉沢ほのか@自作キャラでバトルロワイアル】
[状態]幽霊化、永遠に続く苦しみ、意識朦朧
[装備]無し
[道具]無し
[思考]
1:北沢樹里を殺す。
[備考]
※幽霊になりました。空中浮遊、壁抜け、金縛りにさせる、瞬間移動(短距離)などが行えます。
※一応実体を持ち視認も出来ますが普通の方法では殺せません。



飛べない鳥達のレクイエムがまた 時系列順 綺麗なもの綺麗だって笑えたあの季節
飛べない鳥達のレクイエムがまた 投下順 綺麗なもの綺麗だって笑えたあの季節
The great friend of mine is where. 篠原世以子 闇に濡れたCatastrophe
The great friend of mine is where. 伊東鴨太郎 闇に濡れたCatastrophe
吉凶どちらに転ぶかはまさに神のみぞ知る 北沢樹里 鬼姫
飛べない鳥達のレクイエムがまた 上杉憲顕 |[[いっそ朽ちた箱舟に
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あの日貴方を塗り替えた幻 (倉沢ほのか) 鬼姫
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