涼宮ハルヒの邂逅

E-3、市街地。
涼宮ハルヒは、そこに呆然と立ちつくしていた。

一言で言えば、わけがわからない。
気がつけば体を拘束され、髪の長さ以外は自分とうり二つの少女に演説を聴かされていた。
そして目の前で、一人の男が殺された。

「いやいや、ないから。こんなのあり得ないから。夢よね、夢。絶対そうよ」

うわごとのように呟き、ハルヒは自分の頬をつねる。だが彼女の予想に反し、頬はしっかりと痛みを伝えてきた。

「夢じゃ……ない……? じゃあ、どういうことなのよ、これ。いったい何がどうなれば、こんな状況に陥るわけ?」
「ちょっと、あんた」

混乱したまま独り言を続けていたハルヒだったが、突如声をかけられ反射的に振り向く。


そこには、涼宮ハルヒが立っていた。


「え……?」
「あんた、どこのあたし?」
「は? 何言ってるの、あんた」

もう一人の自分からぶつけられた質問の意味がわからず、間の抜けた表情を浮かべるハルヒ。
相手はその態度にあからさまに不満を見せながら、何かを取り出した。

「まあいいわ。あたしと同じ顔をしてるってことは、あたしの敵ってことよね?」

眼前に突きつけられて、ハルヒはそれが何かを理解する。それは、牛と思わしき装飾が施された大型の銃だった。

「消えなさい!」

物騒な言葉と共に、引き金が引かれる。しかし銃口から飛び出した弾丸は、ハルヒを捉えることはない。
直前に危機を察知したハルヒが、体を捻って斜線上から逃れていたのだ。

(じょ、冗談じゃないわ! 撃たれてたまるもんですか!)

なんとか命拾いしたハルヒは、一目散に逃走を開始する。
その背中に向かって何発もの銃弾が放たれるが、幸運にもそれは一発たりとも彼女に命中することはなかった。

「ちぇ、逃がしたか……。やっぱり、素人が銃撃ってもそうそう当たるもんじゃないみたいね……」

獲物を逃したもう一人のハルヒは、忌々しげに呟きながら銃を下ろす。

「完全勝利のために……。早いところ、SOS団のみんなと合流しなくちゃ」


◆ ◆ ◆


「はあ……はあ……!」

数分ほど走ったハルヒは、建物の中に飛び込み、そこで乱れた息を整えていた。
本来のハルヒならこの程度の運動など朝飯前だが、命のかかった極限状況ではそうもいかない。

「追ってきてないわよね……? くそっ、何なのよあいつは!
 このあたしが無様に逃げ回る羽目になるなんて……!」

苛立ちのままに、ハルヒは自分の頭をかきむしる。

「とにかく、ここが紛れもない現実で、殺し合いの真っ最中ってのは理解したわ……。
 生き残るために……早いところ、SOS団のみんなと合流しなくちゃ」


【一日目・深夜/E-3・市街地】

【涼宮ハルヒちゃん@涼宮ハルヒちゃんの憂鬱】
【状態】情緒不安定、疲労(小)
【装備】なし
【道具】基本支給品一式、不明支給品1~3
【思考】
基本:死にたくない
1:SOS団メンバーと合流


【涼宮ハルヒ@こなたとハルヒの第二次世界大戦】
【状態】健康
【装備】モウギュウバズーカ@侍戦隊シンケンジャー
【道具】基本支給品一式、不明支給品0~2
【思考】
基本:自分以外の「ハルヒ」を倒す(主催者含む)
1:SOS団メンバーと合流
※南米でアメリカ連邦と交戦している時期からの参戦です。


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最終更新:2011年01月16日 23:13
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