35話:寂しがりなおさげ、旋風に揺れて
皐月眞矢は公民館の建物を訪れていた。
館内に入ると、昔の本や日用品などがガラスのケースに入れられ展示された
歴史史料室や、家庭科室、広い和室、図書室、多目的ホールなど様々な部屋、
施設が存在している。
「公民館か…そう言えば昔、子供会か何かで公民館でカレー作った事あったっけ…」
公民館にまつわる思い出を蘇らせつつ、誰かいないか警戒しながら眞矢は公民館内を歩く。
よく見れば壁には銃痕があったり、床に血痕が残っていたり、
窓ガラスが割られたりしていた。
やはりここでも戦闘があったようだ。
砕けて床に散らばったガラスの破片を踏み、革靴の裏からパキンという音が鳴る。
「誰もいないのかな…放送も近いしちょっと休もうかな」
人の気配がしない事を確認すると、眞矢は広い和室へと入る。
いつでも逃げられるように土足で畳の上に上がった。
壁に寄り掛かり、一息付くと、この殺し合いに呼ばれているクラスメイトの狼獣人の少女、
藤堂リフィアの事を思い出した。
「リフィー、今何してんだろ…あの子凄い不死身だし…簡単には死なないと思うけど」
トラックに撥ねられようが、首を吊ろうが、溺れようが、頸動脈を切ろうが、
藤堂リフィアという少女は死ぬ事は無かった。
痛そうに、苦しそうにしていても数分か数時間すれば傷は癒え、けろりといつも通りになる。
何万人に一人という特異体質らしいが、本人は「余り嬉しく無い特異体質」と言っていた。
とは言っても特異体質など嬉しい物はそうは無いと思うが。
「……ちょっと、横になろうか」
眞矢は座布団を枕代わりにし、身体を横たえた。
【一日目/朝方/D-4公民館和室】
【皐月眞矢】
[状態]良好
[装備]レイ・ブランチャードの拳銃(10/14)
[持物]基本支給品一式、レイ・ブランチャードの拳銃マガジン(3)
コルトパイソン(1/6)、.357マグナム弾(18)、皐月眞矢のナース服
[思考・行動]
0:殺し合いに乗る。優勝を目指す。
1:しばらく休んで放送を聞く。
2:友人(藤堂リフィア)には出来れば会いたくない。
[備考]
※特に無し。
最終更新:2010年12月21日 19:24