サヨナラと当たり前の言葉を追い掛け

74話 サヨナラと当たり前の言葉を追い掛け


「う……ん……ふぁぁ…あ……」

いつものように俺は自分の寝室で目を覚ました。
眠たい目をこすり、すぐ隣の万事屋の事務所に移動する。
いつもと変わらない、机、応接用のソファーとテーブル、糖分と書かれた額。

「おはヨ、銀ちゃん」
「おう神楽、珍しく早ぇな」

俺と同じように目をこすり欠伸をしながら神楽が定春を引き連れ事務所にやって来た。
いつも寝ている押入れからな。そういや部屋欲しいみてぇな事言ってたような。

「……」

ここまではいつもの風景だ。
だが、いつもこの後来ていた眼鏡の少年は、もう二度と現れない。

「…新八…もういないアルな」
「……ああ」

万事屋トリオは、あのクソッタレた殺し合いのお陰で永遠に揃わ無くなっちまった。



あの殺し合いから帰ってきた後、俺はまず神楽に新八の事、そして殺し合いの事を話した。
最初は信じて無かった神楽も、話して行く内納得してくれるようになった。
そして、新八がもうこの世にいない事を悟ると、神楽は定春の毛皮に顔を押し付けて泣いた。
最大の証拠と言えるのは――レンズも割れ、フレームも歪み血も付いた新八の眼鏡。

当然、お妙の奴にも話すしか無かったが、意外にもさほど取り乱した様子は無かった。
だが、俺が眼鏡を渡し、屋敷から出た後、微かにすすり泣く声が聞こえた。



そう言えば…総悟の奴。結局副長の座には就かなかったらしい。

「良かったじゃねェか、副長の座、狙ってたんだろ?」
「へっ……こんな形で貰っても嬉しくありませんよ……」

市役所で再会した時のあいつとの会話を思い出す。
あいつは実力で土方と戦って、副長の座を奪いたかったんだ。
それを考えれば当然か。



「…そうか。そこまで言うなら…仕方無いな」
「ええ…すいやせんね近藤さん」
「いや、良いんだがな……しかし……災難、だったな、総悟。それに、万事屋…新八君も」
「……失礼、します」

殺し合いから生還し、俺はしばらくは身体中の傷の手当てに専念した。
その後、近藤さんに、自分が殺し合いをさせられていた事、
そして、土方さんが死んだ事を話した。
近藤さんは涙こそ見せなかったが悲しげな、寂しげな表情を浮かべていた。

副長の座に就かないかと聞かれたが、辞退させて貰った。
何度も言っているがこんな形で副長になっても嬉しくも何ともねェ。
出来れば土方さんを倒して、実力で手に入れたかった。だがもうしれも叶わない。

「隊長ォォォォ!!」
「…神山か」
「沖田隊長、お怪我の方はもう大丈夫なんですか!?」
「ああ」
「良かった…! 沖田隊長にもしもの事があったら私は、私はァアアアア!!」
「分かった分かった、こうして無事だからちょっと静かにしろ」
「イエッサー!!」

神山は相変わらずだ。
殺し合いの事を聞かせた時は余りに騒がしかったから顔に重い一撃を食らわせてやったな。

にしても、主催の香取と、隣にいた白い狐の女を殺した奴は一体誰なんだ。
俺達が来た時にはもう、香取の死体と、虫の息の狐の女しか無かったが。
香取は俺、いや、俺達の手で倒したかったから、どうも釈然としないのはある。

「……」

だが、何はともあれ、俺と旦那は生きて帰る事が出来た。
新八君がいなくなった事で、チャイナ娘は元気が無くなっているが、その内治るだろう。
万事屋の旦那も。



坂田銀時と沖田総悟は、散って行った家族とも言うべき存在、及び上司の記憶を
忘れずに、今日も生きていく。

これからもずっと。ずっと――――。





【俺得ロワ3rd 坂田銀時、沖田総悟――――THE END】

【俺得バトルロワイアル3rd  完】



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オロカモノノタワムレノオワリニ 坂田銀時 THE END
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