俊治、草原に立つ


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第三話≪俊治、草原に立つ≫

一体何がどうなっている?
俺――長谷川俊治(はせがわ・としはる)は練習試合を終えた後、仮眠室で仮眠を取っていたはずだが。
目覚めたら見知らぬ場所にいて、声しか聞こえない謎の男に「殺し合え」と命じられたのだ。
最初は何かの冗談だと思ったが、一人の男性が首輪を爆破されて殺されたのを見た時、
そんな考えは吹き飛んだ。

そして今、俺は広々とした草原に立っていた。
遠くに海が見え、水平線の彼方まで陸地や船舶の影も見当たらない。
風に乗って潮の香りがする。

「さて、これからどうしたらいいものか」

謎の男は「最後の一人になるまで殺し合え」と言っていた。
首には教室で男性を死に追いやった死の首輪がはめられている。
逃げようとしたり、謎の男の意向に逆らえば爆発するらしい。

「だが……人殺しなんて、出来る訳が無い」

いきなり自分を拉致してきた男の言いなりになるなどおかしい事だ。
ましてや殺人など。
人の命を奪ってまで生き延びるつもりなど俺には無い。

「とりあえず、どこか身を潜められそうな場所に移動するべきだな」

ここだと人目に付く。
殺し合いをやる気になっている奴にとっては絶好の的だろう。
そんな奴はいないと思いたいが、あの教室にはかなり大勢の人々が集められていた。
謎の男――この殺し合いの主催者が何を考えてこんな狂ったゲームを運営しているのかは知らないが、
本気で殺し合いを円滑に進めようとしているのなら、
進んで殺人を犯すような危険人物も混ぜているかもしれない。
デイパックの中身を確認したかったが、
確認している最中に襲われでもしたら洒落にならない。
辺りを見渡してみると、錆と蔦に覆われた大型バスの廃車体を発見した。
バスの中に入り、窓から姿が見えないようにしてデイパックの中身を確認した。
出てきたのは黒光りする自動拳銃と予備の弾倉が幾つか、それと手榴弾が数個だった。
どちらも玩具では無い。本物だ。

「当たりって所か……」

支給武器としてはかなり恵まれている方だろう。
特に手榴弾は投手である俺としてはうってつけの武器……と言えるか?
まあ勿論、どちらも使う場面が訪れない事が一番なのだが。
それはほぼ100%有り得ないだろうな。
俺は拳銃を腰の所に差し込み、手榴弾はデイパックにいつでも取り出せるような状態でしまった。
名簿は特に今見る必要も無いと判断した。
あの教室には俺の友人や知人はいなかったはずだ。

「さて、これからどこへ行くべきか」

地図とコンパスを見ながら現在位置の確認と次に行く目的地を決める。
北西の方向にうっすら西洋風の城の塔のような物が見えるので、
どうやらここはエリアC-7らしい。
北東に豪邸があるようだが、古城の方が距離的に近い。

「とりあえずまずは、古城に行ってみるか……」

俺は地図をしまうと、デイパックを持って廃バスから出た。
そして遠方にうっすらと見える古城に向けて歩みを進めた……。


【一日目/明朝/C-7草原・廃バス付近】

【長谷川俊治】
[状態]:健康、B-6古城へ移動中
[装備]:ラドムVIS-wz1935(8/8)
[所持品]:基本支給品一式、ラドムVIS-wz1935の予備マガジン(8×10)、マークⅡ手榴弾(5)
[思考・行動]
基本:殺し合いには乗らない。
1:襲い掛かってくる者にはそれなりの対処はする。
2:B-6古城へ向かう。
[備考]
※名簿を確認していません。




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