ジャスティスブレイカー

32話 ジャスティスブレイカー


ホテルの三階にいた時、階の上から聞こえる妙な物音を辿り、
俺こと神庭龍徳はホテル四階の客室の一つを尋ねた。
扉に鍵は掛かってはいなかった。
部屋に足を踏み入れた瞬間、微かに雄臭い臭いが鼻腔を刺激した。
それは自分も何度か嗅いだ事のある、男のそれから出される種の臭い。

「…誰?」
「!」

部屋の奥から、学校の制服らしきズボンとシャツを着た狐の青年が現れた。
見た所、温厚そうな印象を受ける。

「あれ、お巡りさんいつの間に……」
「すまない、下の階にいたんだが妙な物音が聞こえてな、気になって調べていたら…」
「音、聞こえたんですか、恥ずかしいな…」

狐青年は恥ずかしそうに後頭部をかきながら言った。
一体何をしていたんだ? …いや、この雄の臭いからして、
大体想像はつくから聞かないでおこう。それより…。

「君一人か? 他に誰もいないか?」
「いや…この殺し合いが始まってから、ずっとこの部屋にいたんで、
誰とも会って無いです」
「そうか…俺は神庭龍徳だ。見ての通り警官だが…君は?」
「…香瀧宏叔です。神庭さん、ですか」
「ああ…香瀧君、俺は何とかしてこの殺し合いを潰そうと思ってるんだ」

名前を名乗った狐の青年に、俺は自分の目的を告げる。
殺し合いを潰すために殺し合いに乗っていない仲間を集め、
首輪の解除方法を探す事。そのために香瀧君に仲間になって貰おうと考えた。

「そうですか、殺し合いを…でも難しいと思いますよ」
「確かにそうかもしれない。けど…だからって殺し合いを受け入れるなんて真似、
俺には出来ないよ。きっと俺と同じ考えの参加者も大勢いるはずだ。
きっとそういった人らと協力すれば――」


「甘いです。神庭さん。天津甘栗より甘いですよ」


ジャキッ。

香瀧君が俺にライフルらしき物を向けた。

「香瀧君? 何を…」
「神庭さん、随分俺に色々喋ってくれましたけど……。
俺、殺し合いに乗っていないなんて一言も言ってませんよ?」


ダァン!! ダァン!! ダァン!!


ああ、俺は重大な見落としをしていた。
香瀧宏叔という狐の学生の青年が殺し合いに乗っている可能性を考えていなかった。
くそ、馬鹿だ俺は。絶対に殺し合いを潰すと意気込んでおきながら、この様か。
遠退く意識の中で、狐の青年の笑みを浮かべた顔が見えた。
もうどうする事も出来ない、身体中の感覚が消える。

……。

誰でも良い。誰か。

この、狂ってるとしか言いようの無いゲームを、潰してくれ。




始めて人を殺した。
でも、思いの外、あっさりとしている。はっきり言って蚊を潰した程の実感もわかない。
意外と簡単なんだな、びっくりした…いや、もしかしたら感覚が麻痺してるのかも。

神庭さんが持っていた武器は小型のサブマシンガンに、予備のマガジン5個。
良いですね、武器弾薬が多くなってる気がします。

神庭さんの死体とデイパックをバスルームまで引き摺って押し込んだ後、
俺は身支度を整える。身体は神庭さんが来る前にシャワー浴びて洗った。
しかし気持ち良かったな、何回イったか分からない。
暇が出来たらまたやろう。

さてと、これからどうしようかな、午前4時には放送があるから、
あんまりウロウロするのもまずいか。
とりあえず二階に行って、しばらくこのホテルで様子を見よう。

俺はM1ガーランドライフルとデイパックを携え、今まで使っていた客室を後にした。



【神庭龍徳@オリキャラ  死亡】
【残り39人】



【一日目/深夜/A-7ホテル】
【香瀧宏叔@オリキャラ】
[状態]肉体的疲労(小)
[装備]M1ガーランドライフル(5/8)
[所持品]基本支給品一式、M1ガーランドライフルクリップ(8×5)、
 イングラムM10(32/32)、イングラムM10マガジン(32×5)、ディ○ド
[思考・行動]
 基本:殺し合いに乗る。優勝を目指す。
 1:ホテル二階でしばらく待機。
 2:暇があったら一人遊びで。
[備考]
 ※ホテル四階にいます。
 ※身体の汚れはシャワーで洗い落としたようです。



※A-7ホテル四階の客室の一つ、併設されたバスルーム内に、
神庭龍徳の死体、神庭龍徳のデイパック(基本支給品一式入り)が放置されています。
※銃声は外には漏れていないようです。



もしもアレックスとムシャの共同戦線+α 時系列順 犬の散歩はリードを着けて
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狐はエロいというイメージ 神庭龍徳 死亡
狐はエロいというイメージ 香瀧宏叔 「兄を超えられる弟はいない」

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最終更新:2010年10月08日 22:35
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