もしもアレックスとムシャの共同戦線+α

31話 もしもアレックスとムシャの共同戦線+α


公民館を後にした勇者アレックスと女子高生伊東結の二人は、
西の方向にあるらしい学校を目指す事にした。

「仲間達や協力者を捜すって一言で言っても、宛てが無いしな……」
「まあ、地図の上に載ってる施設なら、人も集まり易いと思うよ」

当面の目的はアレックスの仲間、知人、そして自分達に協力してくれる、
この殺し合いに乗っていない参加者の捜索である。
首にはめられた謎の高度技術で作られた爆薬内蔵の金属製の首輪。
脱出するにはまず首輪を外さなければならないだろう。

「アレックス、さっきも聞いたけど、えーと、魔王軍のダーエロって人だっけ?
その人は機械に強いって話だけど……」
「ああ。機械に強いのは間違いないよ。いつもパソコンいじくり回したり、
たまに妙な発明したりもするしな」
「あぁ、そう言えばエロゲオタで変態って、さっき話してたね」
「…結、俺から話しておいて何だが本人と会ってもその話題は出さないでくれ」
「努力するよ」
「……」

今更ながらに、余計な情報まで結に与えてしまっただろうかと、
アレックスは少し後悔していた。

「たまに遠くから銃声が聞こえるね」
「ああ……」

風に乗って、遠方から銃声が聞こえる時が多々あった。
銃声がする度、誰かが殺されたのではないかと結は考えてしまう。

「いざと言う時になったらアレックス、肉の盾になって下さい」
「だが断るw」
「うるせーはらわたぶちまけんぞ」
「(#^ω^)ピキピキ」

緊張感の無い会話を交わす二人。
そして運良く誰にも襲われる事無く学校の近くまでやって来た。

「ん、あれは……」

アレックスが歩いている道の先に、自分達の方に向かって歩いてくる人影を見付ける。
それは和風鎧に身を包んだ鎧武者の男だった。

「あいつは、ムシャじゃないか…!」
「ムシャって、さっき話してた…」

一方の鎧武者――ムシャも、アレックス達に気付く。

「アレックス…アレックスか」
「ムシャ、無事だったんだな」

互いに近付き、無事を喜び合うアレックスとムシャ。
普段は一応とは言え敵対関係にあるがこの状況下では、
お互いに信頼出来る人物であった。

「見慣れない顔がいるな」
「あ、私、伊東結。アレックスに同行させて貰ってるんだけど…あなたがムシャさん?
話は色々聞いてるわ」
「ほお、どんなだ?」

興味深そうにムシャが尋ねた。その時、アレックスの顔色が急激に青ざめた。
それに結もムシャも気付いていたが気にせず話を進める。

「基本空気キャラで、歩行グラ…何の事か分からないけど…が透明な事が多くて、
醤油かけられたりカオス化したり弟子とウホッな関係になったりしてるって」

その場の空気が一瞬凍り付いた。
結自身はなぜそうなったかは分からなかったが、
まるで死神のような目付きでアレックスを睨むムシャを見て、
おおよその事は把握した。

「……アレックス……さよならの準備は出来てるな」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」


~数分後~


「…と言う訳だ。学校で危うく兎耳の少女に殺されそうになってな。
気絶させて武器だけ奪ってきたんだが」

ボロボロになり地面に伏しているアレックスの横でムシャが結に今までの経緯を説明する。

「これがその少女から奪った拳銃だ…俺は使わないからお前にやろう」
「あ。ありがと。へえ、自動拳銃か…こっちメインにしようかな」

ムシャから自動拳銃シグザウアーP225とそのマガジン3個を受け取り、
結は装備を元々持っていた小型リボルバー拳銃コルト ディテクティヴスペシャルから、
P225に持ち替えた。ディテクティヴスペシャルより2発装弾数が多い分、
それだけ自分の身を守る事が出来る。

「お前ら、今から学校に行こうとしていたのか。だが…もしかしたら、
あの兎耳の少女がウロウロしてるかもしれんぞ」
「その兎耳の少女ってどんな感じだったの?」
「あー、青いブレザー着てて、目が赤くて、紫がかった髪でな。
それで美少女の部類に入る美しさだった。名前は確か…れい、なんとか、イナバ」
「イナバ…?」

名簿に「鈴仙・優曇華院・イナバ」という名前があったのを思い出し、
恐らくそれだろうと結は考える。
「鈴仙・優曇華院」をどう読めば良いのかは分からなかったが。

「ハーフの兎獣人の子かな……?」
「じ、地獄の底から蘇ってきたぜ……」
「あ、おはようアレックス」

ここで意識を取り戻したアレックスが会話に復帰する。
ムシャの木刀によるさながら流星群の如く連撃を食らい身体中が痛んだが、
そこは勇者としての根性、意地だろうか、耐え抜いていた。

「何か学校行くのは危ないってムシャが言うんだけど」
「何で? 産業で」
「殺し合いに乗った
イナバという女の子気絶させて
学校に放置」
「把握……それじゃどうするか……北の方に行ってみるか?」
「良いんじゃない?」
「それじゃそうしよう…ムシャ、一緒に来てくれるか?」
「ああ。良いぜ」

アレックスと結は、紆余曲折の末仲間に加わった鎧武者と共に、
行き先を北へと変更し、歩き始めた。



【一日目/黎明/E-5、E-6境界線付近】
【アレックス@VIPRPGシリーズ】
[状態]身体中ボロボロ
[装備]ロングソード
[所持品]基本支給品一式、硬式野球ボール(3)
[思考・行動]
 基本:殺し合いを潰す。仲間や魔王軍の連中を捜す。首輪を解除する方法を探す。
 1:結、ムシャと行動。
 2:エロリア、クレアスは警戒。
 3:やむを得ない場合は戦闘も辞さない。
[備考]
 ※魔法は一切使えなくなっています。
 ※イナバ(鈴仙・優曇華院・イナバ)を危険人物と判断しました。

【伊東結@オリキャラ】
[状態]健康
[装備]シグザウアーP225(7/8)、
[所持品]基本支給品一式、シグザウアーP225マガジン(8×3)、
 コルト ディテクティヴスペシャル(6/6)、.38SP弾(18)
[思考・行動]
 基本:生き残る事優先。死にたくない。
 1:アレックス、ムシャに守って貰う。
[備考]
 ※アレックスの仲間、知人の情報を得ました。
 ※イナバ(鈴仙・優曇華院・イナバ)を危険人物と判断しました。

【ムシャ@VIPRPGシリーズ】
[状態]健康
[装備]木刀
[所持品]基本支給品一式、シグザウアーP225(7/8)、シグザウアーP225マガジン(8×3)
[思考・行動]
 基本:殺し合いを潰す。ドラゴナス、ダーエロと合流したい。
 1:アレックス、伊東結と行動。
 2:殺し合いに乗っている者とは戦うつもりだが出来る限り殺したくは無い。
 3:真剣が欲しい。
[備考]
 ※鈴仙・優曇華院・イナバの名前(イナバの部分のみ)と容姿を記憶しました。



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最終更新:2010年10月05日 23:30
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