《没頭するゆー先生》
ボクの名前は角古れく太、ごく普通の小学生デュエリストだ。友達は普通どころか世界最強クラスがゴロゴロいるけどボクは強くない。どっちかというとコレクション派だし。
「それじゃあとりあえず、人のいそうな街の方に行ってみようか」
そんなボクが最初に会場で出会ったのがこの人、プルさんっていうらしい。どう見ても日本人だけど、本名なのかな。
こんな殺し合いの場だけどこの人はゲームに乗らないんだって。
ボクは知り合いの勝ちゃんみたいな強いデュエリストについて行って生き残ろうと思ってたところだった。
だからボクはこの人と一緒についていけばちょっとは安全だと思ったんだ。
ホント、ボクにしては幸先いいよね、なんて思ってた。
「ところで、さっきからあそこでぶつぶつ言ってる人はキミの知り合いかい」
「いえ、全然」
あの変な人を見るまでは。
《決断するゆー先生》
D‐2の地点からスタートすることとなったれく太とプルの二人は北西の市街地に向かうために川を渡ることにした。
幸いなことに、開始早々だったからかD‐2の橋は特に異常も待ち伏せも無くすんなりわたることができた。
そして北に向かおうと思った矢先、目に入ってきたのは路上で棺桶のような何かを見ながらぶつぶつと何かつぶやいている茶髪の青年であった。
「ボクはプル、殺し合いには乗っていない。名前をお聞かせ願えるかな」
「ああ、オレはゆー、お宅らと同じで殺し合いには乗ってない。乗ってるならこいつをさっさと処分してるさ」
そう言ってゆーが指した先の白い棺桶では人が一人、すやすやと寝息を立てている。
「なるほど、事情は把握した。それでは暫く同行させてもらおうか」
ある程度の情報交換を終えた後、ゆーが信用に足ると判断したプルは早速切りだした。しかし、
「断る」
至極自然な流れの提案を即座に棄却するゆー。
「何でですか」
これまで話の流れについて行くだけで精いっぱいだったれく太があまりの驚きにか、疑問の形で異を唱える。
それに対してゆーはところどころに赤くしるしの付いた名簿を取りだした。
「いいか、この会場には最低でも片手以上のマーダーが潜んでる。その中で、首輪を解除しながらマーダーの攻撃を凌ぎ切るにはかなりの人数がいるわけだ。となればこっちはホント最速で対主催チームを作らなきゃいけない」
突然の専門用語に目を白黒させながらもなんとかついていこうとする二人に対し、ゆーはさらに一方的にまくしたてる。
「そこで二手に分かれる。実力的にも適正的にもオレとこの娘、プルとれく太の二人組だ」
そこからゆーは二人には対主催をできるだけ早くたくさん集めてほしいこと、そのために棺桶は足手まといになること、自分は棺桶を引きずりながらB-2の市街地にある大病院を目指しそこで首輪をスキャンして解除法を探ってみることなど、今後の指針を一方的に伝えた。
「異論は認めない」
(やけに手際が良いのは気になるが……言っていることは筋が通っているし反対する理由も無いか)
「どうする、れく太君」
「そうですね、ボクはゆーさんに従います」
「だそうだ。それではボク達は市街地を北東に進み、北西を除いた会場を一周するような形にする」
「おーけー、ホント助かるわ」
まさにゆー先生の一存で決められた今後の方針、重大な決断を他人に任せてしまった二人を待つのは希望か絶望か。
【一日目/早朝/D-4橋】
【Pulu@デュエルマスターズ隔離雑談スレ】
[状態]健康
[装備]不明支給デッキ×1
[所持品]基本支給品一式×1
[思考・行動]
0:殺し合いを止める
1:とりあえずゆー先生に従い、対主催を集める
2:北西以外の会場をまわる
3:ゆー先生に若干の不信感
【角古れく太@デュエルマスターズシリーズ】
[状態]健康
[装備]不明支給デッキ×1
[所持品]基本支給品一式×1
[思考・行動]
0:会場から逃げる
1:プルについていく
2:出来れば切札勝舞と合流する
《思い返すゆー先生》
「いやー、出会い頭にズガンじゃなくてマジで良かった。最初からわかりきってたけど」
北北東に向かう二人に少し遅れて、北へと向かう道路沿いを白い棺桶を引きながら進むゆーはまともな参加者との初接触のことを反省していた。
まず、出会いは悪くない。
ゆーは近くのビルの上から予め二人が橋を渡ってくるところを発見し、さらにそのうち一人は恐らく一般人であろうということが分かっていた。その秘密は今回の参加者にある。
二つの世界のうち一つの世界はメタ世界、つまりゆーの世界の住人の中にはれく太の世界について細部まで知り尽くしている者もいるということ。
そしてゆーもその一人に分類される。
要はれく太が無害であることも、名簿の中にかなりの危険人物が含まれていることも、すべて容易に判断できたというわけだ。
次に問題は交わした会話だ。
ゆーはもとの世界で2ch、二次創作を多数読んでおり、その中にはいわゆる「パロロワ」というジャンルもかなり含まれていた。そこでゆーは自らの実力を鑑み、テンプレ対主催としての行動を開始した。
しかし、会った人間に「パロロワ見ました。だからこうしろ」などと言えば狂人扱いされるのが関の山である。
そこでゆーは出来る限りそのような「いかにも知ってます」という雰囲気を隠しつつ、相手を納得ずくでテンプレ的行動に向かわせようとした。
今回は手応えから言うとまずまずといったところ、若干の不信感こそ持たれたものの相手は誘導通りに行動してくれるだろう。
その間に自分はこの眠り姫の首輪をCTにでもかけて解析する。そのためにも一人になる必要があった。
「あとはオレは首輪の解析を急いで……と、それにしても重たいにゃ」
唯一の誤算と言えば、この棺桶が一人で運ぶには少々骨が折れたということだった。
【一日目/早朝/D-4橋】
【ゆー先生@デュエルマスターズ隔離雑談スレ】
[状態]健康
[装備]不明支給デッキ×1
[所持品]基本支給品一式×1
[思考・行動]
0:生還する
1:テンプレ対主催として行動する
2:B-2の大病院で首輪(主にSの)を解析する
3:首輪を解除する
4:道中の対主催は味方に引き入れ、マーダーは武装解除する
5:名簿に気になる名前がいくつか……
6:棺桶重い
【S@デュエルマスターズシリーズ】
[状態]健康、睡眠中
[装備]白い棺桶
[所持品]基本支給品一式×1、不明支給デッキ×1
[思考・行動]
0:不明
[備考]原作通り普段は寝ています。近くでアツいデュエルがあると起きるかもしれません
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最終更新:2010年09月24日 20:28