もう聞く事叶わぬ彼の歌声


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30話 もう聞く事叶わぬ彼の歌声


朽ちた民家が建ち並ぶ廃村の道を、大柄な少年、
剛田武――通称ジャイアンは、支給品の小型リボルバー拳銃、
ニューナンブM60を右手に持ちながら辺りを警戒しつつ進む。
彼が捜すのはこの殺し合いに呼ばれている三人の友人達。

(のび太、スネ夫、静香ちゃん、みんな無事だろうな……)

現在までジャイアン自身は誰とも遭遇していないが、他の三人はどうなのだろうか。
もしかしたらもう既に誰かに襲われて――――。

(いや、よそう。後ろ向きに考えるのは)

普段勝気な彼も、いつ襲われるか分からない状況に一人で放り込まれ、
いつになく弱気になりつつあった。
それ故どうしても悲観的な想像が頭を過ってしまう。
必死にそれらを振り払い、気持ちを立て直そうとするジャイアン。

(みんな無事だ。きっと生きてるさ……そう信じよう)

自分が信じなくて誰が友達を信じると言うのか。
弱気になっている自分の心を叱咤し、ジャイアンはとある廃家に足を踏み入れた。

懐中電灯で先を照らしながら進む。
ギシギシと板張りの床が軋む音がする。
自分の体重は重いので抜けやしないかと心配するジャイアン。
廃家の中は埃とカビの臭いが充満しており、
幾つか家財道具や調度品が残されていたがそれらもかなり古びていた。

そして、居間だったと思しき広い畳敷きの部屋に入った。
縁側は戸が取り払われ吹き晒しになってしまっている。
足が折れたこたつや、埃の積もった古いストーブが見える。
僅かだが人の生活していた名残が残っている事が返って不気味だった。

そしてジャイアンは少し奥へ進もうとした。

その時、背後からいきなり口を塞がれた。

「むごぉ!?」

突然の事に混乱し、ジャイアンはもがいて何とか逃れようとする、が。
その動きは止められた。胸元に深く、包丁を突き刺された事によって。

「が……あ……」

激痛と同時に、意識が遠退く。
包丁が引き抜かれ、傷口からドクドクと赤黒い液体が流れ落ちた。
ガクリと膝を突き、ジャイアンはうつ伏せに倒れた。

(おい、嘘だろ、俺、死ぬのかよ?)

まだ意識はあったが身体の感覚はどんどん失われていった。
胸元が熱かった。生温かい液体が自分の下から広がって行く。
次第に熱よりも、寒気を感じ始めた。

(畜生、死にたくねぇ……でも……駄目だ……意識、が………)

いくら意識を保とうとしても、もう無理だった。

(……のび太、スネ夫、静香ちゃん………すま、ねぇ………)

心の中で友人達に深く謝りながら、ジャイアンこと剛田武は短い生涯を閉じた。



「リボルバーか。小型だが…包丁よりよっぽどマシだな」

少年を刺殺し、支給品であった文化包丁よりも遥かに強力な拳銃と弾薬を入手出来た、
黒髪に赤い鉢巻を巻いた青年、クレアスは上機嫌だった。

「しかし、廃屋に入られた時は正直ビビったが、
咄嗟に待ち伏せしてこうも上手く行くとは。良かった」

少年――ジャイアンこと剛田武が進入した廃家にはクレアスが隠れていた。
ジャイアンが懐中電灯で先を照らしながら廃家に入った時、
クレアスは寸での所で廃家奥の便所に隠れた。
もし、便所まで探索されたら正面から襲うつもりだったが。
幸い――ジャイアンにとっては不幸だったが――ジャイアンは玄関奥の便所には
目もくれず、脇の居間の方へと向かった。
音を立てないように便所の扉を開け、背後から襲い掛かり、仕留めた。

「さて、取り敢えず使える武器は入手出来たし……移動するか……」

クレアスは自分のデイパックと、奪ったニューナンブM60を持ち、
ポータブルMDプレーヤーの音楽を聴きながら、隠れていた廃家を出て西へと移動し始めた。



【剛田武@ドラえもん  死亡】
【残り40人】



【一日目/深夜/G-7廃村・瀬川家周辺】
【クレアス@VIPRPGシリーズ】
[状態]健康
[装備]ニューナンブM60(5/5)、ポータブルMDプレーヤー(MD挿入済)
[所持品]基本支給品、.38SP弾(15)、文化包丁 
[思考・行動]
 基本:殺し合いに乗る。
 1:廃村の西へ行ってみる。
[備考]
 ※魔法は一切使えなくなっています。


※G-7廃村・瀬川家に剛田武の死体、剛田武のデイパック(基本支給品一式入り)
が放置されています。


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HAKAISHA 剛田武 死亡
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