時と場合によっては誤解されるのは致命的


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4話 時と場合によっては誤解されるのは致命的


ジェットコースター、コーヒーカップ、メリーゴーラウンド、ゴーカート、プール……。
様々な遊具が設置されたエリアH-3の遊園地。
従業員も客もいないと言うのに、機械だけが勝手に動き営業していた。

野比のび太はコーヒーカップの前に設置されたベンチに座っている状態で目を覚ます。

「ここは…遊園地?」

周囲を見渡し、自分が今どこにいるのかを把握する。

「そうだ、僕は確か……」

殺し合い。最後の一人が決まるまで終わる事の無い狂気のゲーム。
自分は今、数人の友達と共にその状況に身を置いている。
首にはめられた冷たい金属製の首輪。

「……」

この首輪によって引き起こされた惨劇も思い出した。

「うっ…」

吐き気が込み上げたが、何とか耐える。
そして、傍に置かれているデイパックに気付き、手に取って中身を漁り始めるのび太。
名簿や地図、メモ帳、コンパス、時計、そして、
小型の自動拳銃グロック26と、予備のマガジンが3個出てきた。
小学生であるのび太の小さな手にも十分なサイズであり、性能も抜群である。
元々、射撃が得意なのび太にとって当たりの支給品であった。

「玩具じゃ、無いよね…本物……」

以前スネ夫にこの銃のエアガンを見せて貰った事があった。
外見は寸分違わないが、スライドは金属製、重みも感触も異なる。
試しに近くの植え込みに向けて、引き金を引いてみた。

ダァン!

「!!」

大きな発砲音と同時に銃口から火が噴き、スライドが勢い良く後退して空の薬莢が排出された。
のび太の手と腕、肩に反動が伝わる。

「本物だ……」

日本では民間人が持っていれば即銃刀法違反で逮捕される実銃が自分の手の中にある。
そう思うと不思議な高揚感を感じた。
だが、のび太はこの銃でこの殺し合いに乗る気は無い。
ドラえもんはいないが、三人の大切な友達がいるのだ。彼らを殺す事など出来るはずが無い。
みんなを探し、この殺し合いからの脱出手段を探す。
そうのび太は決意していた。
首輪が爆破され人が一人殺されるのを見た時は怖かった。
だが、みんなで力を合わせればきっと何とかなるはず――――。

「うぐ……ぁ……ぁ」
「え?」

のび太の思考が中断されたのは、銃弾を撃ち込んだ植え込みの中から、
漫画に出てくるような、黒と赤の体色、大きな翼と尻尾を持ったドラゴンが出てきたからだ。
しかし様子がおかしかった。
喉元を押さえ、ふらついている。押さえている部分からは夥しい量の血が流れているようだった。

「ま、まさか、さっきのが……」
「………俺……何も………してな………の……に…………」

くぐもった声でそう言った直後、ドラゴンは地面に崩れ落ち、身体をピクピクと
痙攣させ血溜まりを作り、そのまま静かになった。

「…そんな、僕……そんなつもりじゃ……」

試し撃ちのつもりだった。まさか植え込みの向こうに参加者がいるとは思わなかった。
このドラゴンが殺し合いに乗っていたかどうかは今となっては分からない。
だが、これだけは言える。

「僕、殺しちゃった……」

人間では無いにしろ、自分に何の危害も加えていない参加者を殺害してしまった。
罪の意識がのび太に圧し掛かる。
その時、ふと、視線を感じた。

「!」
「……っ!」

感じた方向に顔を向けると、狐の頭を持った――体型や衣服からして恐らく女性――人間が、
恐怖に顔を引き攣らせて自分の方を見ていた。
目が合った直後、狐の女性は踵を返しかなりの速さで逃げ去ってしまった。

「あっ、待っ…!」

声を掛けた時にはもう狐の女性はいなくなっていた。

「ど、どうしよう、何の事情も知らないでこの状況見たら、
完全に僕は殺し合いに乗っていると思われるよ……!」

女性はなぜ逃げたか、この状況、女性は自分を殺し合いに乗ったものと勘違いしたためであろう。
すぐにでも追おうと思うのび太だったが、走りと体力には自信が無い上、
闇雲に動き回るのは危なかった。

「悪い方向に転ばないで欲しいけど……」

そう願いつつ、のび太はドラゴンの持っていたデイパックを開ける。
正直気が引けるが、生き延びるためであると必死に割り切る。
基本支給品の他、片手長剣のサーベルと、相手の動きを封じる事が出来ると言う、
蜘蛛糸玉を3個見付ける。

「貰っておこう……」

のび太はサーベルと蜘蛛糸玉を自分のデイパックに移し替えた。

「…ごめんなさい……ごめんなさい…本当に……」

誤射とは言え殺害してしまったドラゴンに、のび太は何度も謝った。


赤いジャケットに黒いシャツ、暗い灰色のスカート姿の、
狐獣人の若い女性、桜川あいりは息を切らせながら遊園地内を出口に向かって走っていた。
つい先刻、ドラゴンを殺害していた眼鏡の少年から逃れるために。

(あんな小さな子供も殺し合いに乗るなんて…!)

自分より大柄な竜人体型のドラゴンを、少年は無傷で殺害していた。
現場を目撃する前に聞いた銃声はその時のものだろう。
間違い無い、あの少年は始めたのだ。

(何で、何でこんな事に…! 訳分からないよっ……!)

半べそをかきながら、狐の女性はただひたすらに走る。
自分の考えは誤解だと言う事に、気付くはずも無く。


【ヘルムート@オリキャラ  死亡】
【残り50人】


【一日目/深夜/H-3遊園地】
【野比のび太@ドラえもん】
[状態]健康、罪悪感
[装備]グロック26(11/12)
[所持品]基本支給品一式、サーベル、蜘蛛糸玉(3)
[思考・行動]
 基本:殺し合いからの脱出。友達と合流する。
 1:狐の女性(桜川あいり)に今度会ったら事情を離して誤解を解きたい。
[備考]
 ※桜川あいり(名前は知らない)の容姿を大まかに記憶しました。

【桜川あいり@オリキャラ】
[状態]健康、遊園地北部出入口へ走っている
[装備]無し
[所持品]基本支給品一式、不明支給品(未確認)
[思考・行動]
 基本:死にたくない。
 1:眼鏡の少年(野比のび太)から逃げる。
[備考]
 ※野比のび太(名前は知らない)の容姿を記憶しました。また、
 のび太が殺し合いに乗っていると思っています。


※E-3一帯及び周辺に銃声が響きました。
※E-3遊園地内にヘルムートの死体、ヘルムートのデイパック(基本支給品一式入り)が
放置されています。


≪支給品紹介≫
【グロック26】
オーストリアのグロック社の拳銃、グロック17のコンパクトモデル。
主に護身用やバックアップ向けとされているがメインアームとしても充分に通用する性能を持つ。

【サーベル】
ヨーロッパの片刃の曲刀。柄には護拳 (guard) と呼ばれる枠状、
もしくは半円の大きな鍔がついており、指や手を保護するように作られている。

【蜘蛛糸玉】
蜘蛛型モンスターの吐き出す糸を加工し、投擲出来るようにした物。
投げると相手に糸が絡み付き、身動きを取る事が困難になる。


≪オリキャラ紹介≫
【名前】ヘルムート
【年齢】23
【性別】雄
【職業】野生のドラゴン
【性格】好奇心旺盛
【身体的特徴】黒と赤の竜人体型の竜。鋭い瞳、引き締まった身体付き、粗○ン(竜としては)
【服装】無し
【趣味】探検(遺跡、廃墟、洞窟、秘境など)
【特技】翼による飛行、口から炎が吐ける
【経歴】冒険者との交戦経験有り
【備考】竜種としてはナニが小さいのがコンプレックス

【名前】桜川あいり(さくらがわ-)
【年齢】19
【性別】女
【職業】大学生
【性格】明るい
【身体的特徴】黄色の狐獣人、中々胸は大きい
【服装】黒いシャツの上に赤いジャケットを羽織っている、暗い灰色のスカート
【趣味】ラノベ読書
【特技】動体視力が良い
【経歴】やや裕福な、至って平穏な家庭で育つ
【備考】特に特筆するべき部分は無し



勇者と女子高生の遭遇 時系列順 サド王子は空を仰ぐ
勇者と女子高生の遭遇 投下順 サド王子は空を仰ぐ

試合開始~オープニング~ 野比のび太 闇より来る者
ゲーム開始 ヘルムート 死亡
ゲーム開始 桜川あいり 闇より来る者
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