如何なる事が待ち受けてようと


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42話 如何なる事が待ち受けてようと


島役場の二階を探索していた宮田司郎は、
階段付近にてある物音を耳にする。
どうやら、階段を下って来る足音のようだが、コツ、コツといった足音では無い。
ひた、ひた、という、裸足で固い床を歩く時のような足音だった。

(一旦隠れて様子を見るか)

宮田は急いで、階段を確認出来る柱の陰に身を潜めた。
しばらくして、足音の主が姿を現す。

(何だあれは……人間じゃないぞ……着ぐるみという訳では無いんだろうな)

それは赤毛の狐に蝙蝠の翼と、長い尻尾、角を付けて二足歩行にしたような感じの、
人外の女性――胸元が出ている事や身体付きから判断――だった。
手には玩具のような外見の突撃銃を持っている。

(どうする……接触するか?)

思い切って声を掛けてみる事も考えたが、
相手が殺し合いに乗っているか否か分からない状態では、
迂闊な行動に出る事は出来ない。

「……」

翼が生えた獣人女は、しばらく階段ホールを見回した後、
階下――一階の方に目をやる。耳がピクピクと動いている事から、
何かの音を察知したようだ。
獣人女はそのまま、一階へ続く階段の方へ進み出した。

(……? どうしたんだ? 誰か、この役場に来たのか……?)

宮田は獣人女の頭が見えなくなる頃を見計らって、こっそりと後をつける事にした。



珈琲屋での一件の後、弟子五郎とエルフィは、
殺害された狼獣人の少女と、襲撃者でありエルフィのクラスメイトの
装備を回収し、エリアE-6の島役場を訪れていた。

「大丈夫っスか、エルフィさん……」
「うん……だ、大丈夫……」

目の前で人が惨殺された事に加え、その惨殺した者が自分のクラスメイトであり、
更にそのクラスメイトをやむを得なかったとは言え、自分の手で殺してしまった事に、
エルフィは負い目を感じ、すっかり元気が無くなっていた。
そんなエルフィを励ましながら、弟子五郎は役場入口へと歩みを進める。
だが。

「!」
「えっ」

突然、弟子五郎がエルフィの身体を抱き、横に跳んだ。
直後、数瞬前まで二人が立っていた場所を、無数の弾丸が通過する。

「な、何……!?」
「襲撃っス! 多分、役場の入口から……!」
「避けられるとは思わ無かったわ……凄い反射神経ね」

島役場入口で、赤と白の雌獣竜――姫路礼華は、
装備した突撃銃、H&K XM8の空になったマガジンを交換しながら、
ゆっくりと弟子五郎とエルフィに近付く。
弟子五郎は腰に差した刀・蒼鬼を抜いて身構え、
エルフィは拳銃――コルト デルタエリートを抜き、銃口を礼華に向ける。

「あんた……殺し合いに乗ってるっスか?」

弟子五郎が目の前の雌獣竜に尋ねる。

「乗ってなかったら、いきなり撃ったりなんてしないと思うんだけど」
「た、確かに……エルフィさん、下がって下さいっス」
「え? 弟子五郎さん……?」

エルフィを下がらせ、弟子五郎は先刻入手したもう一本の刀、
童子切安綱を抜き、二刀流の構えを取った。
師匠である剣豪ムシャから伝授された、ムシャ流剣術の構えである。

「銃に剣で勝つつもり? しかもこっちは突撃銃なんだけど」
「……」

礼華の挑発にも動じず、弟子五郎はただじっと、隙を窺う。

(もうエルフィさんの手は穢させないっス……ここは俺がやるしか無い!)

「あなた達に恨みなんて無いけど……悪く思わないで、ね!」

礼華が弟子五郎に向け、XM8を掃射する。

「弟子五郎さん!!」

エルフィが叫んだ。
だが、弟子五郎は。

「うおおおおおおおおお!!!」
「……え!? 嘘……そんなの、アリ?」

信じられないといった表情を礼華が浮かべる。
自分の銃から放たれた無数の小銃の弾丸を、相手の侍姿の青年は、
二本の刀を目にも止まらぬ速さで振りまくり、全てを弾いている。
弾かれた弾丸は侍青年と、その後ろにいる学生服姿の灰色の狼獣人少女を避け、
近くに停めてある車や塀、植え込みに着弾していた。

カチッ、カチッ。

「! 弾切れ――――!」

侍青年が見せた非現実的な離れ業に呆気に取られている内に礼華の持つ突撃銃XM8の
マガジンが底をつく。
チッ、と舌打ちしながら急いでマガジンを交換しようとする礼華。
その表情にはさっきまでは無かった焦りの色が浮かんでいた。

「させるか!」

弟子五郎は右手に持っていた刀、蒼鬼を赤と白の雌獣竜に向け渾身の力で投げた。
その刀は空中で回転しながら綺麗に放物線を描き。

グサッ!!

「がああぁああっ!!」

礼華の左肩甲骨の辺りに深々と突き刺さった。
突然の激痛に、思わず持っていたXM8を手放し地面に落としてしまう礼華。
この機を逃すまいと、弟子五郎は残ったもう一本の刀、
童子切安綱を腰溜めに構え、礼華に向け一直線に突進した。

「でりゃあああああああっ!!」
「――――!!」

礼華が自分に向かって突撃する侍の青年の姿を認めた時、勝負は決まっていた。

ズゴォッ!!

「ぐぁ――――」

礼華の背中から、真っ赤な液体で濡れた刀の刀身が生えた。
ごほっ、と、狐に似た礼華の口から鮮血が溢れ出す。
刃は肺を刺し貫いていた。漏れなく致命傷である。
身体中の力が抜け、礼華はズルズルとその場にへたり込み、
両膝がまず地面に付く。弟子五郎が刀を胴体から抜くと、傷口から、
夥しい量の血液が溢れ出した。
そして、身体を横にして寝るような形で倒れ、姫路礼華は物言わぬ屍となった。

「ハァ……ハァ……」
「弟子五郎、さん……」

息を荒げる弟子五郎と、それを心配するエルフィ。

「……なぁ」
「! 誰っスか?」
「え……?」

二人に声を掛ける者が現れる。
白衣姿の人間の男――宮田司郎。

「待て、落ち着け、私は殺し合いをする気は無い。君達もそうだろう」
「……何でそんな事が言えるんスか」

戦闘の直後でやや興奮気味の弟子五郎は、知らず知らずの内にきつい口調になっていた。
エルフィの方は、突然現れた白衣の男を警戒の眼差しで見詰めている。

「戦いの様子を役場の一階の窓からこっそり覗いていたんだ。
ブラインド越しにだったから、恐らく君達は気付かなかっただろう」
「見てたんスか……」
「それなら助けてくれても良いじゃないですか……その右手に持っている物は銃でしょう?」

宮田の右手には軍用大型拳銃シグザウアーP226が握られていた。
見ているのならそれで助けて欲しかった、と弟子五郎とエルフィは思う。
少しばつの悪そうな顔をしながら宮田は話を続けた。

「私は宮田司郎だ。君達の名前も聞かせてくれるか?」
「……五郎っス。名簿には弟子五郎で登録されてるッス」
「私はエルフィと言います」
「弟子五郎に、エルフィ、か……放送も近い。役場の中で情報交換しないか?」
「「……」」

宮田の事をかなり怪しむ弟子五郎とエルフィだったが、
白黒の判断を付けるのは話を聞いてからでも遅く無いと判断し、
雌獣竜の装備を回収した後、宮田と共に島役場内へ入っていった。



【姫路礼華@オリキャラ・新規組  死亡】
【残り  18人】



【一日目/昼/E-6北部島役場】
【弟子五郎@VIPRPG】
[状態]肉体的疲労(中)、戦闘直後のため興奮状態
[装備]蒼鬼、童子切安綱
[所持品]基本支給品一式、H&K XM8(0/30)、姫路礼華のデイパック
[思考・行動]
 基本:殺し合いには乗らない。師匠(ムシャ)とダーエロを捜す。
 1:宮田司郎と情報交換。そして放送を待つ。
 2:エルフィと行動する。
 3:襲われたら戦う。
[備考]
 ※エルフィからクラスメイトの情報を得ました。

【エルフィ@自作キャラでバトルロワイアル】
[状態]健康
[装備]コルト デルタエリート(7/8)
[所持品]基本支給品一式、コルト デルタエリート予備マガジン(8×3)、
 S&W M39(8/8)、S&W M39予備マガジン(8×3)、ワルサーP99(14/15)、
 柴田行隆のデイパック
[思考・行動]
 基本:殺し合いには乗らない。死にたくない。クラスメイトと会いたい。
 1:宮田司郎と情報交換。そして放送を待つ。
 2:弟子五郎と行動する。
[備考]
 ※弟子五郎からムシャ、ダーエロ、その他の知人についての情報を得ました。

【宮田司郎@SIREN】
[状態]健康
[装備]シグザウアーP226(15/15)
[所持品]基本支給品一式、シグザウアーP226予備マガジン(15×3)、不明支給品(本人確認済)
[思考・行動]
 基本:殺し合いをする気は無いが……。
 1:弟子五郎、エルフィと情報交換、そして放送を待つ。
 2:牧野さんが少し心配(ただ、捜す気は無い)
[備考]
 ※須田恭也が羽生蛇村を訪れるよりも前からの参戦です。
 ※シルヴィア(名前は知らない)の容姿を記憶しました。



※E-6一帯に銃声が響きました。
※E-6北部島役場の正面駐車場に姫路礼華の死体が放置されています。



自重しない狼君 時系列順 迫る、事実を知る刻
自重しない狼君 投下順 迫る、事実を知る刻

忍び寄るもの 宮田司郎 侍、狼少女、医者、幕間
忍び寄るもの 姫路礼華 死亡
珈琲屋に寄って一休み極めたら 弟子五郎 侍、狼少女、医者、幕間
珈琲屋に寄って一休み極めたら エルフィ 侍、狼少女、医者、幕間
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