珈琲屋に寄って一休み極めたら


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32話 珈琲屋に寄って一休み極めたら


病院を出た後、弟子五郎とエルフィは市街地の一角にあった、
少し小洒落た珈琲屋に寄っていた。

「ふぅ……師匠やダーエロさんはどこにいるっスかねぇ……。
エルフィさんのクラスメイトも」

珈琲は口に合わないのでギリギリいける紅茶を飲む弟子五郎。

「広いから、中々見付からないでしょうね……」

自分で入れた珈琲を飲むエルフィ。
珈琲屋の中には店員や他の客の姿は無く、
外からはたまに銃声らしき音が聞こえてくる事を除けば、
それなりにまったりとした時間なのだが。

ガチャ。カランカラン……。

「!!」
「!」

不意に珈琲屋の出入口の扉が、飾り付けられた鈴を鳴らしながら開いた。
弟子五郎は腰に差した刀をいつでも抜けるよう柄を掴み、
エルフィはスカートに差していた大型自動拳銃コルト デルタエリートを引き抜き構える。

「待って、えーと、刀を抜かないで、撃たないで」

店内に入ってきた、エルフィの着ているものとは違う制服に身を包んだ、
銀と白の狼獣人の少女――藤堂リフィアは、両手を上げて戦意の無い事をアピールする。

「あんたは殺し合いをする気は無いっスか?」
「無い無い」
「それじゃ持っている武器とデイパックを床に置いて欲しいっス」
「分かった。ちょ、ちょっと待ってて……」

リフィアは肩から提げていたデイパック、装備していた自動拳銃ワルサーP99を
床の上に置く。そして弟子五郎の反応を窺う。

「これでいいでしょ?」
「……どうやら本当みたいっスね。すみません、こんな事して」
「いいのよ。殺し合いだもの、警戒するのは当然よね。私は藤堂リフィアって言うんだけど、
あなた達の名前も聞かせてくれる?」
「俺は五郎っス、名簿には弟子五郎で登録されてるんで弟子五郎で良いっスよ」
「私はエルフィと言います。弟子五郎さんと一緒に行動しています」

互いに自己紹介する弟子五郎、エルフィ、藤堂リフィア。

「リフィアさん、殺し合う気が無いなら俺達と一緒に行きませんか?」
「私を仲間に入れてくれるの? ……うん、分かった、よろし――」

リフィアが礼を言い掛けたその時、再び出入口の扉が開いた。
今度入ってきた者は、エルフィと同じ制服に身を包んだ、
白髪に猫耳、猫尻尾を持った少女。その手には抜き身の刀が握られている。
そしてその目には明らかなる殺気が籠っていた。

「? あなた……」

リフィアが少女――シルヴィアに話し掛けようとした。
だが、途中でそれは中断される。何故か。首が飛んだからだ。
首を失った胴体は断面から鮮血を噴き出し崩れ落ちた。
首の方はと言うと、テーブル席のテーブルの一つの上に落ち、バウンドした後、
床にゴロゴロと転がった。当人は恐らく何が起きたかを知る前に意識が消えたのだろう、
その表情はシルヴィアに話し掛けていた時と何も変わらなかった。

「う、うあ、あああ、ああ」
「……!!」

目の前で起きた惨劇に、エルフィは口をパクパクさせ驚愕し、
その前に立つ弟子五郎は同じく驚愕しながらも必死で我を保とうとする。

「し、シルヴィアさん、何で……!?」
「シルヴィア……!? この人がエルフィさんのクラスメイトの一人……!」
「アンタ、エルフィ、だっけ? そこの男は、見た事無いな」

返り血を浴び白い髪に赤い斑点模様が付いたシルヴィアは、
刀を構えながら弟子五郎とエルフィに近付く。

「く、来るな! それ以上近付いたら斬るっス!」

刃の切っ先をシルヴィアに向けながら弟子五郎が威嚇する。

「シルヴィアさん、何でこんな事……!?」
「……殺し合いで優勝するって決めた、それだけだよ」
「くっ、殺し合いをする気でいるなら、容赦しないっスよ!」
「やってみろオラァ!」

啖呵を切ると共にシルヴィアが二人に斬りかかる。
振り下ろされた刃を弟子五郎が受け止め、そのまま剣の打ち合いが始まった。
ガキィン、ガキィンと金属音が店内に響き渡る。

「うおおおおっ!」

剣豪である師匠、ムシャから教わった剣術を駆使して戦う弟子五郎。

「らああああっ!!」

かつて習っていた棒術の知識を剣術に流用しつつ戦うシルヴィア。

「ど、どうすれば……」

どうしていいか分からずオロオロとするエルフィ。

しばらく戦いは拮抗していたが徐々に体力面で多少勝るシルヴィアに、
弟子五郎が押され始めてきた。

「おいどうした侍? 息が上がってきてるぞ」
「くそっ……!」

にわか仕込みとは言え棒術の流れを組み込んだシルヴィアの剣技は、
本物の剣豪から鍛錬を受けた弟子五郎の剣技にも引けを取らないものだった。
更にシルヴィアは獣人のハーフと言う事もあり普通の人間である弟子五郎よりも、
体力や筋力の面で多少ではあるが勝っていた。

二人の戦いを離れた場所で見ていたエルフィは困っていた。

(このままじゃ弟子五郎さんが……シルヴィアさんは本気だ。
止めなきゃ……でもどうしたら……あ)

二人の戦いを止められる方法を模索している内に、エルフィは自分の手に握られた、
黒光りする拳銃に目をやった。

「ゼェ、ゼェ、ま、まずい……!」
「次で決める!」

すっかり息が上がっている弟子五郎に、刀を腰溜めに構えたシルヴィアが突進する。

「だああああああ!!」

弟子五郎は来たるべき一撃に備え、防御の構えを取った。


ダァン!!


「ぐぁ……!?」
「え!?」

店内に一発の銃声が響いた。
と同時にシルヴィアが苦鳴を上げて突進を止める。
口から赤い液体が垂れ始めていた。

「え、エルフィ……」
「ごめんなさい、シルヴィアさん……!」

シルヴィアがよろけつつ振り向いた先には自分に向け銃を構えるエルフィの姿があった。
どうせ恐怖で動けないだろうとシルヴィアはエルフィを後回しにした。
それが失策であった事を彼女は思い知った。

「……ははっ……畜生……」

最後に出た自嘲気味の乾いた笑いは自分の無様な最期へのものか。
床にうつ伏せに倒れたシルヴィアは、もう二度と起き上がらなかった。

「エルフィさん……」
「……」

エルフィは悲しそうな、罪の意識を感じているような、複雑な表情を浮かべていた。
それを見た弟子五郎は掛ける言葉が見付からなくなった。
恐らく彼女は自分を助けようと、或いはただ単に自分とシルヴィアの戦いを止めようと、
クラスメイトの背中に銃弾を放ったのだろう。
だが、理由はどうあれクラスメイトをその手に掛けてしまったのだ。
エルフィの心境は察して余りある。

首を飛ばされた狼獣人の少女と、背中から撃たれ床に伏した猫耳の少女。
二つの死体が横たわる珈琲屋の中は異様な程、静かだった。



【藤堂リフィア@オリキャラ・再登場組  死亡】
【シルヴィア@自作キャラでバトルロワイアル  死亡】
【残り  24人】



【一日目/午前/F-6市街地珈琲屋】
【弟子五郎@VIPRPG】
[状態]肉体的疲労(中)
[装備]蒼鬼
[所持品]基本支給品一式
[思考・行動]
 基本:殺し合いには乗らない。師匠(ムシャ)とダーエロを捜す。
 1:エルフィさん……。
 2:エルフィと行動する。
 3:襲われたら戦う。
[備考]
 ※エルフィからクラスメイトの情報を得ました。

【エルフィ@自作キャラでバトルロワイアル】
[状態]健康、悲しみ、罪悪感
[装備]コルト デルタエリート(7/8)
[所持品]基本支給品一式、コルト デルタエリート予備マガジン(8×3)
[思考・行動]
 基本:殺し合いには乗らない。死にたくない。クラスメイトと会いたい。
 1:……。
 2:弟子五郎と行動する。
[備考]
 ※弟子五郎からムシャ、ダーエロ、その他の知人についての情報を得ました。



※屋内での発砲のため銃声が外にはほとんど漏れていないようです。
※F-6市街地喫茶店内に藤堂リフィアとシルヴィアの死体、
 二人の所持品が放置されています。



忍び寄るもの 時系列順 一応脱出のための努力もしています
忍び寄るもの 投下順 一応脱出のための努力もしています

もしも弟子五郎と狼獣人の少女 弟子五郎 如何なる事が待ち受けてようと
もしも弟子五郎と狼獣人の少女 エルフィ 如何なる事が待ち受けてようと
It leaves the stage. 藤堂リフィア 死亡
医者と猫 シルヴィア 死亡
ツールボックス

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