It leaves the stage.

6話 It leaves the stage.


銀と白の毛皮、そして大きな乳房を持った狼獣人の少女、藤堂リフィア。
その手には中型自動拳銃S&W M39が握られている。

「誰もいないな……」

襲撃に備え、警戒しながら市街地の通りを歩いているが、
今の所、誰とも遭遇していなかった。
地図で見る限りでは殺し合いの会場となっている島はそれなりに広いようだったので、
参加者総数――自分を除く――47人では、遭遇率も低いのだろうか。
殺し合いをする気は無い。ただ、出来れば誰かと一緒の方が良かった。

「あら、公園がある……臨海公園?」

海が望める場所に作られた公園を見付ける。
潮風を微かに毛皮に覆われた顔や手に感じた。
リフィアはM39をいつでも発砲出来る状態にし、公園内に入って行った。



長身でボサボサの黒髪、死んだ魚のような目、そしてくたびれたスーツという姿の男、
柴田行隆は、臨海公園の海がよく見えるベンチに座り、海を眺めていた。

「海~は~広い~な、大きい~いな~っと」

潮風と波の音を感じながら歌を口ずさむ行隆。

「いいねえ、この景色……」

そう言いながら、行隆は自分の支給品である自動拳銃ワルサーP99を眺める。

「自殺するにはもってこいのロケーションじゃないの」

行隆はこの殺し合いが始まった時から、既に自決を決めていた。
別に怖いからという訳では無い、ただ、面倒なだけだった。
最後の一人にならなければ帰れないらしいが、そこまでして生きて帰りたい
とも思わない。いや、思えなかった。

「さてと、俺は一足先に、この舞台から退場するとしますか」

行隆はそう言うと、P99の銃口を口に咥え、

引き金を引いた。


ダァン!!


銃声を聞きリフィアが駆け付けた時には、もう終わった後だった。

「これは……!」

海がすぐそこに見える場所にあるベンチに、スーツ姿の男の死体があった。
足元に拳銃が落ちており、頭部には穴が空いている。
状況から察するに、男は自害したらしい。
殺し合いという状況に絶望したのだろうか。
今となっては男の心情を推し量る事は出来ないが、心を痛めずにはいられない。

「……」

リフィアは少し気が引けたが、男の足元に落ちていた拳銃とデイパックを拾う。
これからこの殺し合いにおいて生きていくのに、武器は多い方が良い。
死体から物を剥ぎ取るなど本来なら許される事では無いだろうが、割り切るしかない。

「ごめんなさい……」

警察に電話したりしなければならないだろうが、今は出来ない。
死体は放っておくしか無かった。
リフィアは後ろ髪を引かれるような思いでその場を後にした。


【柴田行隆@オリキャラ・再登場組  死亡】
【残り  46人】


【一日目/朝方/G-6埋立地南部臨海公園】
【藤堂リフィア@オリキャラ・再登場組】
[状態]健康
[装備]S&W M39(8/8)
[所持品]基本支給品一式、S&W M39予備マガジン(8×3)、
 ワルサーP99(14/15)、柴田行隆のデイパック
[思考・行動]
 基本:殺し合いはしない。生き残る。
 1:これからどうする……?
[備考]
 ※俺オリロワ本編開始前からの参戦です。


※G-6一帯に銃声が響きました。
※G-6埋立地南部臨海公園に柴田行隆の死体が放置されています。


≪支給品紹介≫
【S&W M39】
1954年に発売されたS&W社初のダブルアクション自動拳銃。
50以上もの派生モデルが存在する。

【ワルサーP99】
1996年にグロック17やH&K USPを参考として開発されたプラスチックフレーム拳銃。
優れたメカニズムを持つものの、登場時期を逸した感が否めず、
商業的に成功したとは言い難い。

≪オリキャラ紹介≫
【名前】柴田行隆(しばた・ゆきたか)
【年齢】28
【性別】男
【職業】某超法規的組織所属、結構偉い人らしい
【性格】飄々としているが計算高く狡猾
【身体的特徴】ボサボサの黒髪、195㎝と高身長、痩せ型、死んだ魚のような目
【服装】黒っぽいスーツ、変な模様の暗い赤のネクタイ
【趣味】不明
【特技】銃器の扱いに長けている
【経歴】不明
【備考】◆ymCx/I3enU(旧:◆UwuX8yY6RQ)の記念すべき第一作目のロワ、
    俺のオリキャラでバトルロワイアル(略称:俺オリロワ)にて、
    主催者(と言うより進行役に近い存在)として登場した男。
    出生、経歴、趣味等、謎が多い。別に考えるのが面倒な訳じゃない。断じて。



馬鹿の確変入りました 時系列順 黒き淫狼
馬鹿の確変入りました 投下順 黒き淫狼

ゲーム開始 藤堂リフィア 珈琲屋に寄って一休み極めたら
ゲーム開始 柴田行隆 死亡

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最終更新:2010年08月02日 22:48
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