KUSOMISO


※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

7話 KUSOMISO


青いツナギを着たいい男、阿部高和は、D-8エリアの古寺、無学寺のお堂の中にいた。

「何てこったい、殺し合いだなんて……そんな事、出来る訳ねえ」

公園で出会った予備校生の青年、道下正樹を(性的な意味で)食べた直後だろうか。
そこから記憶が飛び、あの謎の大広間での開催式に繋がっている。
大勢の人間、いや人間だけでは無く獣の頭を持った人外も大勢いた。
その中には道下正樹の姿もあった。

首にはめられた首輪を指でなぞる。
この首輪がどういう物かは既に知っていた。
一人の女性の首輪が爆発し、その女性は鮮血を撒き散らして死んだ。

「どうするか……とりあえず道下の奴でも捜すか……」

道下正樹の捜索に赴こうとした、その時、聞き慣れた声が阿部の足を止める。

「阿部さん!」
「! その声……道下!」

声の方向に振り向くと、目当ての捜し人の姿があった。
まさかこんなに早く再会出来るとは、阿部は驚き、喜んだ。

「道下! 無事だったのか、良かった」
「阿部さんも、無事で何よりです」

無学寺のお堂の中で再会を喜び合う二人。
しかし、阿部は気付いていないようだったが、道下の表情には、
どこか影があるように見えた。

「こんなに早く再会出来るとは思わ無かったよ。俺と一緒に行動してくれるか?」
「はい。勿論」
「ありがとうな。しかし、これからどうするか」

そう言って阿部は道下に背を向け、本堂の観音像を何となく見上げた。
それは完璧に道下の事を信用していたから、道下なら安全だと思っていたから。

ドスッ

「……あ?」

背中に何かが刺さるまでは、そう阿部は思っていた。
喉の奥から液体が込み上げてくる。背中が焼けるように熱い。
刺された、誰に? ――阿部は振り向いた。そして、自分を刺した下手人の顔を見た。
よく見慣れた、青年の顔だった。

「……まさか、お前、が……」

それが阿部の最期の言葉となった。
信頼していた人物に裏切られ、驚愕と絶望の中、阿部高和は床に崩れ落ち、
その生涯を閉じた。



「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」

血の付いた文化包丁を両手で握り締めながら、阿部を殺した道下は呼吸を荒げていた。
ついに自分は人を殺した。この殺し合いにおいて唯一の知り合いであり、
恐らく自分の事を最も信用していたであろう人物を、殺した。

「ごめんなさい、阿部さん、僕は、まだ死にたくないんです」

あの開催式の時に首輪爆破の見せしめを目撃してから、
道下はこの殺し合いに乗る事を決心していた。
だが、その前に一つ、しがらみとも言うべきものがあった。
公園で出会ったいい男、阿部高和。彼と出会った時はどうすればいいと考えていたが、
まさかゲームが始まって十分もしない内に出会うとは思わ無かった。

予想通り、阿部は自分の事を完全に信頼し切っているようだった。
そんな阿部を裏切るような真似をするのはとても申し訳無かったし躊躇もした。

だが、結局、殺してしまった。もう後戻りは出来ない。

道下は阿部のデイパックを漁る。自分の支給品は阿部を刺した文化包丁と、
デイパックの中に入っている錆びた釘の沢山入った小さな缶。
これから戦い続けるには心許ない。もっと良い武器が欲しかった。

「これは……」

そして出てきた物は、小型のリボルバー拳銃、スミスアンドウエスンM10と予備弾18発。

「拳銃……これは良い」

文化包丁より遥かに強力な武器・拳銃を手に入れ喜ぶ道下。
他にも、水と食糧を自分のデイパックに移し替えた。
武器は確保した、後は他の参加者を殺し、その武器を奪う。その繰り返し。
寺を去る直前、畳の上にうつ伏せに倒れ、冷たくなった阿部を振り向き見る。

「……」

一瞬罪悪感も感じたが、頭を横に振り、寺の門に向かって歩き出した。



【阿部高和@くそみそテクニック  死亡】
【残り57人】



【一日目/朝方/F-8無学寺】
【道下正樹@くそみそテクニック】
[状態]健康
[装備]S&W M10(6/6)
[所持品]基本支給品一式、.38SP弾(18)、文化包丁、錆びた釘入りお茶缶
[思考・行動]
 基本:殺し合いに乗る。優勝を目指す。
 1:次はどこへ行こう……。
[備考]
 ※本編終了後からの参戦です。


※F-8無学寺に阿部高和の死体と、
阿部高和のデイパック(基本支給品(食糧抜き))が放置されています。


≪支給品紹介≫
【文化包丁】
一般家庭に普及している包丁。万能包丁、三徳包丁とも。

【錆びた釘入りお茶缶】
オリジナル支給品。
お茶缶の中に錆びた釘を大量に入れた物。
下手をすると破傷風になる恐れ有り。

【S&W M10】
1920年代に登場して以来「ミリタリー&ポリス」の通称の通り、
世界各国の軍隊や警察において広く使われたリボルバー拳銃。
安定した性能と信頼性を誇る。




静かな林の茂みの奥から 時系列順 斬殺許可証
静かな林の茂みの奥から 投下順 斬殺許可証

ゲーム開始 阿部高和 死亡
ゲーム開始 道下正樹 [[]]
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。