「竜の契約者」

「「竜の契約者」」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

「竜の契約者」」(2011/05/10 (火) 18:25:37) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

「はぁっ・・・はぁっ・・・」 満月の月光に照らされた、深夜の廃工場地帯を駆ける二つの影。 先刻のホールでの惨劇からまだ5分と経ってない。 だが既に戦い・・・否、逃走劇は繰り広げられていた。 逃げる影は、白地に青のラインの入ったパーカーを着た大学生。 脅迫組織・七曜会の金曜日こと、篠田 正志である。 正志は脇にグレネードランチャーを抱え、息を切らしながら走る。 一方の追う影は・・・こちらは暗がりに居ることと、高速で跳び回っている事が災いし、はっきりとその姿は確認できないが、どうやらコートのような物を身に付けているらしい。 「こいつ・・・来るな!」 正志が振り向きざまに、屋根の上の影に向けて弾丸を発射する。 だが、銃火器の扱いに関してはド素人である彼が走りながら撃ったところで、人間離れした動きを見せる影に命中するはずもなかった。 弾丸をジャンプでかわした影は、そのまま正志の頭上を飛び越え、彼の2mほど先に着地した。 振り向いた影の爬虫類のような鋭い眼光が、正志の顔を射抜く。 ・・・いや、驚くべき事に影の正体は爬虫類その物だった。 顔全体を覆う、刃物のように鋭利な鱗。 頬まで大きく裂けた顎。 その顎から覗く無数の牙。 「素人が銃を持った程度で俺<アロサウルス>から逃げられると思ったか?」 影の正体は進化した恐竜の中でも最強を誇る氏族、アロサウルスのジャンゴであった。 (くそっ、化け物め・・・一体どうすればいいんだ?) 正志は必死に頭を回転させる。 ジャンゴの言うとおり、銃があったところで彼から逃れる事は出来ない。 ましてや正面からまとも戦って勝てるはずもない。 ならどうする?幼い頃に恐竜図鑑で見た、哀れなステゴサウルスのようにあの顎に引き裂かれるしかないのか。 いや、ひとつだけ方法がある。 「なぁ、ちょっと待ってくれ」 「なんだ、命乞いか?」 「そうじゃない。アンタ、俺を殺してその後どうするつもりだ?」 「どうするだと?他の参加者を殺しに行くに決まってるだろうが」 「確かにアンタは強い。俺一人を殺すくらい造作もない事だろう。けど、それじゃ主催者の思う壺だと思わないか?」 「・・・何が言いたい」 「考えてもみてくれ。奴らの目的は何だと思う?俺たちを殺し合わせる事になんの意味がある?」 「それは・・・」 「そう、分からないだろ?単に俺達が恐怖する姿を見るのが目的のイカレ野郎って可能性も無いわけじゃない。  けど、40人以上の人間・・・アンタは人間じゃなさそうだが、ともかくそれだけの人数を誰にも気づかれず誘拐して、  こんな首輪をつけさせるような力を持った連中が、そのためだけにこんな回りくどい方法を取るとはどうも考えにくい。  この殺し合いには何か裏があるハズだ」 「だったらどうするつもりだ?」 「俺と組んで人を集めよう。もしかしたら、奴らに関する情報を持ってる奴がいるかも知れない。  交渉は俺がやる。万が一交渉が決裂したり、敵に襲われた場合はアンタの出番だ。それでどうだ?」 「・・・フン、いいだろう。ただし、役立たずと判断したら迷わず殺すからな」 篠田 正志は金曜日である。彼は七曜会のメンバーとして、様々な相手を脅して来た。 その中には元国会議員も含まれていた。 たとえ相手が学生だろうと、サラリーマンだろうと、それこそトカゲ男であろうと、彼の交渉術は決して鈍る事はない。 ・・・白峰組相手には失敗したが。 「その銃は俺によこせ。お前じゃ持て余すだけだ」 「いいけど・・・それ偽物だぜ」 「何だと・・・?」 銃を受け取り歩き出そうとしていたジャンゴが、苦虫を噛み潰したような形相で振り返る。 「嘘じゃない。その銃の弾丸はゴムで出来てるんだ。これが説明書さ」 そう言って正志が差し出した紙を、ジャンゴは乱暴に奪い取った。 「チッ・・・・まぁいい。これでも命中すれば足を止めるぐらいの役には立つだろう」 再び歩き出そうとするジャンゴを、正志が呼びとめる。 「待った。そういえば、まだお互いに名前を知らなかったよな。  俺はき・・・篠田 正志。アンタは?」 思わず金曜日、と口走りそうになるのを抑え込んで正志は自己紹介を済ました。 確かに彼は金曜日だが、今は七曜会の指令中ではないのだ。 名簿に載っていない名を名乗ったら、かえって怪しまれる。 正志の言葉に反応したジャンゴは面倒くさそうに振り返り、口を開いた。 「俺か?俺はジャンゴ・・・アロサウルスのジャンゴだ」 【篠田 正志@街 ?運命の交差点?】 [状態]健康 [装備]なし [道具]基本支給品、ランダム支給品②(確認済み) [思考] 基本;人を探す 1;殺し合いに乗るかどうかは未定 2:ジャンゴを警戒 【ジャンゴ@ジャバウォッキー】 [状態]健康 [装備]グレネードランチャー(ゴム弾)@無頼伝 涯 [道具]基本支給品、ランダム支給品(未確認) [思考] 基本;人を探す 1:殺し合いに乗るかどうかは未定 2:敵が襲ってきた場合は容赦なく殺す 備考;サバタが参加している事に気づいていません |[[プロローグ(マイナー?)]]|投下順|[[]]| |&color(cyan){GAME START}|篠田 正志|[[]]| |&color(cyan){GAME START}|ジャンゴ|[[]]|
「はぁっ・・・はぁっ・・・」 満月の月光に照らされた、深夜の廃工場地帯を駆ける二つの影。 先刻のホールでの惨劇からまだ5分と経ってない。 だが既に戦い・・・否、逃走劇は繰り広げられていた。 逃げる影は、白地に青のラインの入ったパーカーを着た大学生。 脅迫組織・七曜会の金曜日こと、篠田 正志である。 正志は脇にグレネードランチャーを抱え、息を切らしながら走る。 一方の追う影は・・・こちらは暗がりに居ることと、高速で跳び回っている事が災いし、はっきりとその姿は確認できないが、どうやらコートのような物を身に付けているらしい。 「こいつ・・・来るな!」 正志が振り向きざまに、屋根の上の影に向けて弾丸を発射する。 だが、銃火器の扱いに関してはド素人である彼が走りながら撃ったところで、人間離れした動きを見せる影に命中するはずもなかった。 弾丸をジャンプでかわした影は、そのまま正志の頭上を飛び越え、彼の2mほど先に着地した。 振り向いた影の爬虫類のような鋭い眼光が、正志の顔を射抜く。 ・・・いや、驚くべき事に影の正体は爬虫類その物だった。 顔全体を覆う、刃物のように鋭利な鱗。 頬まで大きく裂けた顎。 その顎から覗く無数の牙。 「素人が銃を持った程度で俺<アロサウルス>から逃げられると思ったか?」 影の正体は進化した恐竜の中でも最強を誇る氏族、アロサウルスのジャンゴであった。 (くそっ、化け物め・・・一体どうすればいいんだ?) 正志は必死に頭を回転させる。 ジャンゴの言うとおり、銃があったところで彼から逃れる事は出来ない。 ましてや正面からまとも戦って勝てるはずもない。 ならどうする?幼い頃に恐竜図鑑で見た、哀れなステゴサウルスのようにあの顎に引き裂かれるしかないのか。 いや、ひとつだけ方法がある。 「なぁ、ちょっと待ってくれ」 「なんだ、命乞いか?」 「そうじゃない。アンタ、俺を殺してその後どうするつもりだ?」 「どうするだと?他の参加者を殺しに行くに決まってるだろうが」 「確かにアンタは強い。俺一人を殺すくらい造作もない事だろう。けど、それじゃ主催者の思う壺だと思わないか?」 「・・・何が言いたい」 「考えてもみてくれ。奴らの目的は何だと思う?俺たちを殺し合わせる事になんの意味がある?」 「それは・・・」 「そう、分からないだろ?単に俺達が恐怖する姿を見るのが目的のイカレ野郎って可能性も無いわけじゃない。  けど、40人以上の人間・・・アンタは人間じゃなさそうだが、ともかくそれだけの人数を誰にも気づかれず誘拐して、  こんな首輪をつけさせるような力を持った連中が、そのためだけにこんな回りくどい方法を取るとはどうも考えにくい。  この殺し合いには何か裏があるハズだ」 「だったらどうするつもりだ?」 「俺と組んで人を集めよう。もしかしたら、奴らに関する情報を持ってる奴がいるかも知れない。  交渉は俺がやる。万が一交渉が決裂したり、敵に襲われた場合はアンタの出番だ。それでどうだ?」 「・・・フン、いいだろう。ただし、役立たずと判断したら迷わず殺すからな」 篠田 正志は金曜日である。彼は七曜会のメンバーとして、様々な相手を脅して来た。 その中には元国会議員も含まれていた。 たとえ相手が学生だろうと、サラリーマンだろうと、それこそトカゲ男であろうと、彼の交渉術は決して鈍る事はない。 ・・・白峰組相手には失敗したが。 「その銃は俺によこせ。お前じゃ持て余すだけだ」 「いいけど・・・それ偽物だぜ」 「何だと・・・?」 銃を受け取り歩き出そうとしていたジャンゴが、苦虫を噛み潰したような形相で振り返る。 「嘘じゃない。その銃の弾丸はゴムで出来てるんだ。これが説明書さ」 そう言って正志が差し出した紙を、ジャンゴは乱暴に奪い取った。 「チッ・・・・まぁいい。これでも命中すれば足を止めるぐらいの役には立つだろう」 再び歩き出そうとするジャンゴを、正志が呼びとめる。 「待った。そういえば、まだお互いに名前を知らなかったよな。  俺はき・・・篠田 正志。アンタは?」 思わず金曜日、と口走りそうになるのを抑え込んで正志は自己紹介を済ました。 確かに彼は金曜日だが、今は七曜会の指令中ではないのだ。 名簿に載っていない名を名乗ったら、かえって怪しまれる。 正志の言葉に反応したジャンゴは面倒くさそうに振り返り、口を開いた。 「俺か?俺はジャンゴ・・・アロサウルスのジャンゴだ」 【篠田 正志@街 ?運命の交差点?】 [状態]健康 [装備]なし [道具]基本支給品、ランダム支給品②(確認済み) [思考] 基本;人を探す 1;殺し合いに乗るかどうかは未定 2:ジャンゴを警戒 【ジャンゴ@ジャバウォッキー】 [状態]健康 [装備]グレネードランチャー(ゴム弾)@無頼伝 涯 [道具]基本支給品、ランダム支給品(未確認) [思考] 基本;人を探す 1:殺し合いに乗るかどうかは未定 2:敵が襲ってきた場合は容赦なく殺す 備考;サバタが参加している事に気づいていません |[[プロローグ(マイナー?)]]|投下順|[[混沌の天使]]| |&color(cyan){GAME START}|篠田 正志|[[]]| |&color(cyan){GAME START}|ジャンゴ|[[]]|

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。