人類最強は遊びたい!

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戯言遣いが立ち去ってから時間がたち、 2人は今まで保っていた沈黙を「人類最強」が破いた。 「へっ。ほらネク、かかってきな」 「――はぁ?」 「いやいや。テメーはあたしが憎いんだろ?ほら、攻撃してこいよ」 ようするに「人類最強」は、ただ「選ばれし者」と戦いたかっただけだった。 「―――そのためにシキたちを見殺しにしたのか!あんたはっ!」 「そうだよ。だからその怒りを早くあたしにぶつけてこいよ」 悪気も無しに「人類最強」は言う。 「………」 「ほらさっさとかかってこいよ。ネク」 「――――いわれなくてもいってやるっ!」 『選ばれし者』こと桜庭音繰。 『人類最強』こと哀川潤。 2人の決闘が―――始まる。  ◇ 決闘に奇跡は起こらない。 勝敗は簡単についた。 「おいおい。ネク~。テメーの力はそんなもんかい?」 「人類最強」の圧勝。 ステータスがものをいった。 「は、速い……」 そう「人類最強」は速かった。 これ以上なく。 そのSPDに「選ばれしの者」は翻弄されっぱなしだった。 「ちっ。えらく期待外れだなぁ。テメーならこのあたしを満足できると思ったんだけどなぁ」 「―――       」 「あぁ?何だ、聞こえねぇぞ。せっかくあたしが悪役やっているんだからよ。 もっとやる気だせよな~。しまいにゃあ怒るぞ」 「―――あんたを殺すって言ったんだ!哀川っ!」 ボオゥオオオオオオオオオ 「選ばれし者」の周りに炎の壁が造りだされる。 「ハッ!それでいい!あの時の『剣聖』ぐれぇ楽しませてくれたら最高だよ」 あの時。まだ「人類最強」がこのゲームに参加していない頃。 とある人からの依頼により「人類最強」は「剣聖」と対峙していた。 しかしそれは今は関係無いので説明を省略させていただこう。 さて、「選ばれし者」の身体は炎で包まれてしまった。 ここで徒手空拳の「人類最強」は手も足も出ない状況になってしまった。 まぁそれは普通の感性の持ち主が相手だったら。の話だ。 「いいぜいいぜ。その調子だ。ネクちゃんよぉ!」 「人類最強」はなんと炎の中に突っ込んでいった! もちろん「人類最強」は「選ばれし者」と違い、対魔法の対策などしていない。 そうなるともちろん彼女は燃える。 赤き服から。 紅き髪へと。 紅蓮の炎を身に包む。 しかし真紅の瞳は「選ばれし者」をとらえ続ける。 そしてほぼ気力のみで、「選ばれし者」の傍らまで「人類最強」はたどり着いた。 「―――なぁ!?」 「おいおい、お姉さんのこの魅力的な姿に見惚れちゃあダ・メ・だ・ぞ♪」 そして彼女は構える。 右腕をぐいっと後ろに振りかぶった。 それは、いつぞやどこぞの時宮が偽の彼女を演じたときに使った時と同じであった。 「哀川潤流奥義!―――『地球割り』!!」 ―――そして振り下ろした。 ボキッ! 「―――がっ!」 「選ばれし者」は死んだ。 首の骨が折れて。 体中の骨が砕け散り。 もはや「選ばれし者」とは分からないぐらい悲惨なものであった。 しかし今は綺麗さっぱり消えていったが。 そして今度は「人類最強」の番である。 「しくったなぁ。こんなとこで人を殺しちまったぜ…。まぁいいか」 「人類最強」は頷く。 「そういえばさっきの石凪の野郎はネクの炎くらっても無事だったんだよなぁ。 う~ん。案外あっちの方が強かったりしたのかねぇ」 「人類最強」は知らなかった。 あくまで彼は言葉通りに死神である。 「人類最強」の言う死神、石凪調査室とはわけが違うのだ。 …とはいっても彼は既に瀕死の状態ではあるが。 まぁなんてこと言ってると終わりの時間が来たようである。 「―――ふっ。楽しかったぜ。     」 生憎最後の部分は言葉として表わすことはなかった。 しかしそのまま「人類最強」は死んでいった。 死因は焼死。 死亡理由は、焼損。 紅蓮の炎に包まれた「人類最強」は紅かった。 真紅の瞳をした「人類最強」は最後の最後まで、赤かった。 &color(red){【哀川潤@戯言シリーズ:ログアウト(死亡)】} &color(red){【桜庭音繰@すばらしきこのせかい:ログアウト(死亡)】} |[[今のところある意味一番平和な奴らの談話]]|投下順|[[呆気ない最後に唐突な登場]]| |[[ぼくのみたちつじょ]]|哀川潤|&color(red){GAME OVER}| |[[ぼくのみたちつじょ]]|桜庭音繰|&color(red){GAME OVER}|

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