41cm

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小早川ゆたかは、恐怖していた。 気が付けば知らない場所に、拉致されていたということに。 見知らぬ背の高い男から、『殺される者は殺され、殺す者は殺す』などと予告されたことに。 目の前で、自分とそう変わらない年齢の少女の首が、爆発したということに。 その爆発が、自分の身にも起こり得るということに。 よく分からないまま、未知の暗闇――スタート地点――に放り出されたことに。 「おねぇちゃん……みなみちゃん……」 そして、『参加者名簿』に友達の岩崎みなみ、田村ひより、姉のように慕う泉こなた、彼女らの友人の名前があったことに。 震えて座り込むだけでは何の解決にもならないことを、本当はゆたかは分かっている。 けど、人より非力な女子高生でしかないゆたかが立ち上がったところで何ができるだろう。 動けない恐怖と、何もできない嫌悪感。 (だめだ……私、『いやな子』になっていってる……) 病弱で倒れてばかりで、周りに当たっていたころのマイナスな自分と今の自分が重なる。 このまま死んでしまうなんて嫌だ。 こなたお姉ちゃんや、みなみちゃんが死んでしまうのも嫌だ。 それなのに、座り込んだまま動くことができない。 怖い。 そんな風に、考えが何度目かのループをした時。 「すみません。そこに誰かいますか」 ゆたかが隠れていた公園のアスレチックの内部を、その男が覗き込んだ。 中が空洞になったアスレチックは、入口を男がふさいだが故に逃げ場がなくなる。 「ひゃうっ!」 「あ……」 どうしよう、どうしよう、どうしよう。 パニックになりかけたゆたかを制するように、男はやけに落ちついた声を出した。 「怯えさせてしまってすまない。……信じてもらえるか分からないが、俺は殺し合いに乗っていない。だから安心してほしい」 男は、腰が抜けたゆたかが外に這いだすのを手伝ってくれた。 年齢は良く分からないが、外見から二十歳を超えていることは確かだろう。 最初に演説していた『清隆』と名乗る男と、同じくらいの年代にも見える。 どこかの学校指定らしいジャージを着ている。学校の部活の顧問の先生なんだろうか。 メタルフレームの眼鏡の奥からは鋭い眼光が光っているが、今はもう怖くなかった。 その左手には、何かゲーム機のようなモノを持っている。 男は、それを支給品の探知機だと説明した。 なるほど、それで自分の隠れ場所が分かったのかと、ゆたかは納得する。 同時に、先ほど男に恐怖してしまったことも改めて思い出した。 「あの……怖がって、ごめんなさい」 ぺこりと謝る。 「謝ることはない。突然、小学生女子が『殺し合え』などと言われたら、パニックになって当たり前だ」 ぐさ 『小学生』と言われたのはショックだけれど……まぁ、いつものことだ。 ゆたかは訂正しようとしたが、それより早く男性が名乗った。 「手塚国光。青春学園中等部の三年生だ」 「え…………?」 聞き間違いをしたのかもしれない。 この人は今、『中等部の三年生』と言わなかっただろうか。 つまり…… 「君の名前は?」 ゆたかは、ともかくもさっき件の訂正をしようと身分を名乗る。 「小早川ゆたかです…………陵桜高校、一年生です」 今度は、男性――手塚国光が、仰天する番だった。 にわかには信じがたいことなので、もう一度繰り返そう。 手塚国光。中学三年生。14歳。身長179cm。 小早川ゆたか。高校一年生。15歳。身長138cm。 外見年齢小学生の小早川ゆたかだったが、外見年齢社会人の手塚国光よりも年上である。 【D-6/公園/深夜】 【手塚国光@テニスの王子様】 [状態]健康、茫然 [装備]青学レギュラージャージ [道具]参加者探知機@現実、基本支給品一式、不明支給品0~2(確認済み) [思考]基本:殺し合いには乗らない。部長として、部員を責任もって保護。 1・この人が、年上…… 2・小早川ゆたかさんと情報交換。 3・不二周助、菊丸英二、越前リョーマとの合流 【小早川ゆたか@らき☆すた】 [状態]健康、茫然 [装備]陵桜高校の制服 [道具]基本支給品一式、不明支給品1~3(確認済み) [思考]基本:殺し合いなんてしたくない 1・この人が、年下…… 2・手塚さんと情報交換 3・お姉ちゃんや、みなみちゃん、田村さんたちに会いたい… ※高校一年生時からの参戦です。 【参加者探知機】 手塚国光に支給。 半径50m以内の参加者を探知する。 今のところ、どのようにして参加者の反応を確認しているかは不明。 |Back:[[意思持ち支給品は参加者を食わないように気をつけよう]]|投下順で読む|Next:[[想いは 正しく伝わらない]]| |&color(cyan){GAME START}|小早川ゆたか|[[]]| |&color(cyan){GAME START}|手塚国光|[[]]| ----
小早川ゆたかは、恐怖していた。 気が付けば知らない場所に、拉致されていたということに。 見知らぬ背の高い男から、『殺される者は殺され、殺す者は殺す』などと予告されたことに。 目の前で、自分とそう変わらない年齢の少女の首が、爆発したということに。 その爆発が、自分の身にも起こり得るということに。 よく分からないまま、未知の暗闇――スタート地点――に放り出されたことに。 「おねぇちゃん……みなみちゃん……」 そして、『参加者名簿』に友達の岩崎みなみ、田村ひより、姉のように慕う泉こなた、彼女らの友人の名前があったことに。 震えて座り込むだけでは何の解決にもならないことを、本当はゆたかは分かっている。 けど、人より非力な女子高生でしかないゆたかが立ち上がったところで何ができるだろう。 動けない恐怖と、何もできない嫌悪感。 (だめだ……私、『いやな子』になっていってる……) 病弱で倒れてばかりで、周りに当たっていたころのマイナスな自分と今の自分が重なる。 このまま死んでしまうなんて嫌だ。 こなたお姉ちゃんや、みなみちゃんが死んでしまうのも嫌だ。 それなのに、座り込んだまま動くことができない。 怖い。 そんな風に、考えが何度目かのループをした時。 「すみません。そこに誰かいますか」 ゆたかが隠れていた公園のアスレチックの内部を、その男が覗き込んだ。 中が空洞になったアスレチックは、入口を男がふさいだが故に逃げ場がなくなる。 「ひゃうっ!」 「あ……」 どうしよう、どうしよう、どうしよう。 パニックになりかけたゆたかを制するように、男はやけに落ちついた声を出した。 「怯えさせてしまってすまない。……信じてもらえるか分からないが、俺は殺し合いに乗っていない。だから安心してほしい」 男は、腰が抜けたゆたかが外に這いだすのを手伝ってくれた。 年齢は良く分からないが、外見から二十歳を超えていることは確かだろう。 最初に演説していた『清隆』と名乗る男と、同じくらいの年代にも見える。 どこかの学校指定らしいジャージを着ている。学校の部活の顧問の先生なんだろうか。 メタルフレームの眼鏡の奥からは鋭い眼光が光っているが、今はもう怖くなかった。 その左手には、何かゲーム機のようなモノを持っている。 男は、それを支給品の探知機だと説明した。 なるほど、それで自分の隠れ場所が分かったのかと、ゆたかは納得する。 同時に、先ほど男に恐怖してしまったことも改めて思い出した。 「あの……怖がって、ごめんなさい」 ぺこりと謝る。 「謝ることはない。突然、小学生女子が『殺し合え』などと言われたら、パニックになって当たり前だ」 ぐさ 『小学生』と言われたのはショックだけれど……まぁ、いつものことだ。 ゆたかは訂正しようとしたが、それより早く男性が名乗った。 「手塚国光。青春学園中等部の三年生だ」 「え…………?」 聞き間違いをしたのかもしれない。 この人は今、『中等部の三年生』と言わなかっただろうか。 つまり…… 「君の名前は?」 ゆたかは、ともかくもさっき件の訂正をしようと身分を名乗る。 「小早川ゆたかです…………陵桜高校、一年生です」 今度は、男性――手塚国光が、仰天する番だった。 にわかには信じがたいことなので、もう一度繰り返そう。 手塚国光。中学三年生。14歳。身長179cm。 小早川ゆたか。高校一年生。15歳。身長138cm。 外見年齢小学生の小早川ゆたかだったが、外見年齢社会人の手塚国光よりも年上である。 【D-6/公園/深夜】 【手塚国光@テニスの王子様】 [状態]健康、茫然 [装備]青学レギュラージャージ [道具]参加者探知機@現実、基本支給品一式、不明支給品0~2(確認済み) [思考]基本:殺し合いには乗らない。部長として、部員を責任もって保護。 1・この人が、年上…… 2・小早川ゆたかさんと情報交換。 3・不二周助、菊丸英二、越前リョーマとの合流 【小早川ゆたか@らき☆すた】 [状態]健康、茫然 [装備]陵桜高校の制服 [道具]基本支給品一式、不明支給品1~3(確認済み) [思考]基本:殺し合いなんてしたくない 1・この人が、年下…… 2・手塚さんと情報交換 3・お姉ちゃんや、みなみちゃん、田村さんたちに会いたい… ※高校一年生時からの参戦です。 【参加者探知機】 手塚国光に支給。 半径50m以内の参加者を探知する。 今のところ、どのようにして参加者の反応を確認しているかは不明。 |Back:001[[意思持ち支給品は参加者を食わないように気をつけよう]]|投下順で読む|Next:003[[想いは 正しく伝わらない]]| |&color(cyan){GAME START}|小早川ゆたか|Next:023[[偶然の一致]]| |&color(cyan){GAME START}|手塚国光|Next:023[[偶然の一致]]| ----

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