「このままでいいんだよ」

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「このままでいいんだよ」」(2011/04/22 (金) 00:36:21) の最新版変更点

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織斑一夏は驚愕していた。 突然参加させられた殺し合いに?否。 殺し合いに幼馴染やクラスメイトが参加していたことに?否。 目の前の光景に、だ。 深い森の中。 倒れている小さな女の子。 震えている自分。 そして、目の前に立つ一人の少年。 少年が口を開く。抑揚のない、しゃべり方で。 「『だから』『僕は悪くない』」 十数分前 「桃香さーん、愛紗さーん、星さーん、翠さーん、どこですか―!」 暗い森の中を、一人の少女が歩いていた。 諸葛亮孔明。 有名な名を持つ彼女であるが、真名を朱里と言い、別人と言えば別人である(本人と言えば本人だが)。 彼女は現在、元からの仲間を探していた。何をするにも、合流してからだと考えたのだ。 彼女には確信があった。自分の仲間は、こんな殺し合いに乗ることはないと。そして、簡単に殺される人間ではないと。 (とはいえ、私はみなさんほど強くありませんからね。合流して安心させないと…) 自分の弱さを自覚するゆえに、皆が心配するのではないか。彼女はそのことを考えていた。もう一つ、彼女が合流を急ぐのは理由があった。 彼女は軍師であり、戦う人間ではない。仲間がいてこそ、真価を発揮できるのだ。 知恵を、策を授ける。それが彼女が合流を急ぐもう一つの理由だった。 とはいえ、いまだに仲間は見つからず、のども乾いてきたので少し休憩することにした。 (えーっと、お水お水…) 袋の中をあさり水筒を探すが、出てきたのは水筒ではなく金属の塊だった。 子供が持つには大きいそれは、黒光りし、穴が開いていた。 「なんでしょう、これ…?」 あの老人が言っていた殺し合いに役立つ道具だろうか。 握って使う道具だとはなんとなくわかる。 この穴はなんだろうか。 持ち方はこうだろうか。 などと、あれこれ考察していると、 ガサッ 近くで草が動く音が聞こえ、思わず身構える。 「誰か、いるんですか…?」 音のしたほうへそう尋ねると、一人の少年がひょっこりと顔を見せた。知らない人だ。 「あ、あの、私諸葛亮といいまして、今知り合いを探してまして、それで―」 金属塊を持ったまま自己紹介をする諸葛亮。その時、 ―え?」 彼女の体に、剣が突き刺さった。 最後に見たのは、目の前の少年の笑顔だった。 「なっ―」 織斑一夏は驚愕した。 知り合いを探し、森を歩いていたら女の子と出会った。 その女の子の自己紹介(諸葛亮の名前には聞き間違えかと思ったが)に頬が緩んだところで、 その子に、剣が突き刺さった。 一瞬、何が起きたかわからず、表情が固まった。 一夏が事態を把握仕切ったのは、諸葛亮が倒れた後だった。 女の子が倒れた後、正面に立つのは学生服の少年。 「『ごっめ~ん』『もしかしてお話し中だった?』」 抑揚のないしゃべり方で話しかける少年。 「『ほら』『その子銃持ってたからさ』『君を撃つんじゃないかと思ったんだよ』」 その声に悪気はない、悪意もない。 「『それで思わず持ってた剣投げて突き刺しちゃったんだよね』『僕投げるの得意だから』」 ただただ気持ち悪いだけ。 「『僕は君を守ろうとしたんだよ』『決して人殺しが好きなんじゃないよ』『だから―』」 例えるならば、負。 「『だから』『僕は悪くない』」 こうして、物語は最初の場面へと戻る。 「『ところで』『君の知り合いは今どうなっていると思う?』」 その一言に一夏が反応する。 知り合い。つまりはこの殺し合いにともに呼ばれた三人 「お前…箒とセシリアと鈴のこと知ってるのか…?」 「『いや』『君の知り合いなんて知らないよ』」 あくまで白々しく、ふざけたようにしゃべる少年。 「『だけど』『ふーん』『君の知り合いって箒とセシリアと鈴って名前なのかー』」 その言葉に、一夏は絶句する。自分は、この少年に知り合いの名前を教えてしまった。 「さ、三人の…」 「『ん』」 「三人の名前を知って、何をするんだ…」 「『ふーん』『何をする』『ねえ』」 少年が一夏へと近ずく。近くに立ち、顔をずいっと目の前まで寄せると、ゆっくりと言った。 「『君の考えてることじゃない?』」 瞬間、一夏の手が袋へと伸びる。 しかし、少年の動きはそれ以上に早かった。 「うわっ!」 瞬時に取り出された二本の剣によって、一夏の両肩が貫通する。その勢いで後ろの木に磔にされた体勢となる。 「ぐうッ…」 体を激痛が襲い、血が服を染める。 少年は諸葛亮に突き刺さった剣を抜くと、一夏からも剣を抜いた。うまく体勢を整えられず、その場に倒れこんでしまう一夏。 「『あはっ』『かっこわる~い』」 少年はしゃがみこみ、一夏の耳元で囁く。 「『でもね』『このままでいいんだよ』『君は弱いままでいいんだ』『弱いままあの子と一緒に震えていればいいんだ』」 「『そうすれば』『僕がみ~んなオジャンにしてあげるからさ』」 その言葉は、行動は、確実に一夏の心をへし折っていた。 「『ああ』『君とあの子の傷はなかったことにしたから安心して』『僕は弱者の味方だからさ』」 言われて気がついた。両肩を貫通していた傷が、いつの間にか消えている。痛みも、全くない。 諸葛亮もそれは同様のようで、今はすうすうと寝息を立てている。 一夏は恐ろしくなった。この少年は、一瞬で二人の傷を治したのだから。 「『最後に』『僕の名前は球磨川禊だよ』『いつまでも少年じゃ呼びにくいだろ?』」 名前とわけのわからない言葉を残すと、球磨川は森の奥へと消えていく。 一夏は、それを黙って見ているしかなかった。 「『じゃ』『縁が合ったらまた会おうか』」 その言葉を最後に、球磨川の姿は完全に見えなくなった。 一夏は、しばらくその場に倒れたままだった。 【E-9・森/一日目・深夜】 【織斑一夏@IS】 [状態]健康、球磨川への恐怖 [装備]なし [道具]基本支給品、ランダム支給品1~3 [思考]基本:殺し合いには乗らない 1:球磨川への恐怖 2:知り合いを探す 3:諸葛亮を介抱する ※傷は『大嘘憑き(オールフィクション)』でなかったことにされました 【諸葛亮(朱里)@真・恋姫?無双(アニメ)】 [状態]健康、気絶中 [装備]IMIデザートイーグル(7/7)@現実 [道具]基本支給品、デザートイーグル用予備マガジン×2、ランダム支給品0~2 [思考]基本:殺し合いの打倒 1:気絶中 2:知り合いを探す ※傷は『大嘘憑き(オールフィクション)』でなかったことにされました 【IMIデザートイーグル@現実】 諸葛亮に支給。別名ハンドキャノンとも呼ばれる大型オートマチック拳銃。今回は予備マガジン2個をつけて支給。 球磨川禊は考える。今回の殺し合いの方針を。 勿論、黒神めだかの打倒も考えている。そのためにどう動くかだ。 「『…』『まっ』『まずは傍観かなあ』」 なにはともあれまずは様子見。それが彼の結論だった。 「『まあ』『過負荷(マイナス)らしく行動させてもらうけどね』」 【E-8・森/一日目・深夜】 【球磨川禊@めだかボックス】 [状態]健康 [装備]バヨネット×5@HELLSING [道具]基本支給品、ランダム支給品0~2 [思考]基本:黒神めだかの打倒 1:過負荷(マイナス)らしく行動する 2:適当にブラブラする 3:????? ※参戦時期は改心前、括弧つけていた頃 ※『大嘘憑き(オールフィクション)』にどの程度制限がかかっているのかは不明 【バヨネット@HELLSING】 アレクサンド・アンデルセンが愛用する銃剣。今回は五本セットで支給。 『大嘘憑き(オールフィクション)』 球磨川禊の持つ過負荷(マイナス)。あらゆる現実を『なかったこと』にすることができる。 ロワでは制限対象。 |[[迷惑な存在]]|投下順|[[]]| |&color(cyan){実験開始}|織斑一夏|[[]]| |&color(cyan){実験開始}|諸葛亮(朱里)|[[]]| |&color(cyan){実験開始}|球磨川禊|[[]]|
織斑一夏は驚愕していた。 突然参加させられた殺し合いに?否。 殺し合いに幼馴染やクラスメイトが参加していたことに?否。 目の前の光景に、だ。 深い森の中。 倒れている小さな女の子。 震えている自分。 そして、目の前に立つ一人の少年。 少年が口を開く。抑揚のない、しゃべり方で。 「『だから』『僕は悪くない』」 十数分前 「桃香さーん、愛紗さーん、星さーん、翠さーん、どこですか―!」 暗い森の中を、一人の少女が歩いていた。 諸葛亮孔明。 有名な名を持つ彼女であるが、真名を朱里と言い、別人と言えば別人である(本人と言えば本人だが)。 彼女は現在、元からの仲間を探していた。何をするにも、合流してからだと考えたのだ。 彼女には確信があった。自分の仲間は、こんな殺し合いに乗ることはないと。そして、簡単に殺される人間ではないと。 (とはいえ、私はみなさんほど強くありませんからね。合流して安心させないと…) 自分の弱さを自覚するゆえに、皆が心配するのではないか。彼女はそのことを考えていた。もう一つ、彼女が合流を急ぐのは理由があった。 彼女は軍師であり、戦う人間ではない。仲間がいてこそ、真価を発揮できるのだ。 知恵を、策を授ける。それが彼女が合流を急ぐもう一つの理由だった。 とはいえ、いまだに仲間は見つからず、のども乾いてきたので少し休憩することにした。 (えーっと、お水お水…) 袋の中をあさり水筒を探すが、出てきたのは水筒ではなく金属の塊だった。 子供が持つには大きいそれは、黒光りし、穴が開いていた。 「なんでしょう、これ…?」 あの老人が言っていた殺し合いに役立つ道具だろうか。 握って使う道具だとはなんとなくわかる。 この穴はなんだろうか。 持ち方はこうだろうか。 などと、あれこれ考察していると、 ガサッ 近くで草が動く音が聞こえ、思わず身構える。 「誰か、いるんですか…?」 音のしたほうへそう尋ねると、一人の少年がひょっこりと顔を見せた。知らない人だ。 「あ、あの、私諸葛亮といいまして、今知り合いを探してまして、それで―」 金属塊を持ったまま自己紹介をする諸葛亮。その時、 ―え?」 彼女の体に、剣が突き刺さった。 最後に見たのは、目の前の少年の笑顔だった。 「なっ―」 織斑一夏は驚愕した。 知り合いを探し、森を歩いていたら女の子と出会った。 その女の子の自己紹介(諸葛亮の名前には聞き間違えかと思ったが)に頬が緩んだところで、 その子に、剣が突き刺さった。 一瞬、何が起きたかわからず、表情が固まった。 一夏が事態を把握仕切ったのは、諸葛亮が倒れた後だった。 女の子が倒れた後、正面に立つのは学生服の少年。 「『ごっめ~ん』『もしかしてお話し中だった?』」 抑揚のないしゃべり方で話しかける少年。 「『ほら』『その子銃持ってたからさ』『君を撃つんじゃないかと思ったんだよ』」 その声に悪気はない、悪意もない。 「『それで思わず持ってた剣投げて突き刺しちゃったんだよね』『僕投げるの得意だから』」 ただただ気持ち悪いだけ。 「『僕は君を守ろうとしたんだよ』『決して人殺しが好きなんじゃないよ』『だから―』」 例えるならば、負。 「『だから』『僕は悪くない』」 こうして、物語は最初の場面へと戻る。 「『ところで』『君の知り合いは今どうなっていると思う?』」 その一言に一夏が反応する。 知り合い。つまりはこの殺し合いにともに呼ばれた三人 「お前…箒とセシリアと鈴のこと知ってるのか…?」 「『いや』『君の知り合いなんて知らないよ』」 あくまで白々しく、ふざけたようにしゃべる少年。 「『だけど』『ふーん』『君の知り合いって箒とセシリアと鈴って名前なのかー』」 その言葉に、一夏は絶句する。自分は、この少年に知り合いの名前を教えてしまった。 「さ、三人の…」 「『ん』」 「三人の名前を知って、何をするんだ…」 「『ふーん』『何をする』『ねえ』」 少年が一夏へと近ずく。近くに立ち、顔をずいっと目の前まで寄せると、ゆっくりと言った。 「『君の考えてることじゃない?』」 瞬間、一夏の手が袋へと伸びる。 しかし、少年の動きはそれ以上に早かった。 「うわっ!」 瞬時に取り出された二本の剣によって、一夏の両肩が貫通する。その勢いで後ろの木に磔にされた体勢となる。 「ぐうッ…」 体を激痛が襲い、血が服を染める。 少年は諸葛亮に突き刺さった剣を抜くと、一夏からも剣を抜いた。うまく体勢を整えられず、その場に倒れこんでしまう一夏。 「『あはっ』『かっこわる~い』」 少年はしゃがみこみ、一夏の耳元で囁く。 「『でもね』『このままでいいんだよ』『君は弱いままでいいんだ』『弱いままあの子と一緒に震えていればいいんだ』」 「『そうすれば』『僕がみ~んなオジャンにしてあげるからさ』」 その言葉は、行動は、確実に一夏の心をへし折っていた。 「『ああ』『君とあの子の傷はなかったことにしたから安心して』『僕は弱者の味方だからさ』」 言われて気がついた。両肩を貫通していた傷が、いつの間にか消えている。痛みも、全くない。 諸葛亮もそれは同様のようで、今はすうすうと寝息を立てている。 一夏は恐ろしくなった。この少年は、一瞬で二人の傷を治したのだから。 「『最後に』『僕の名前は球磨川禊だよ』『いつまでも少年じゃ呼びにくいだろ?』」 名前とわけのわからない言葉を残すと、球磨川は森の奥へと消えていく。 一夏は、それを黙って見ているしかなかった。 「『じゃ』『縁が合ったらまた会おうか』」 その言葉を最後に、球磨川の姿は完全に見えなくなった。 一夏は、しばらくその場に倒れたままだった。 【E-9・森/一日目・深夜】 【織斑一夏@IS】 [状態]健康、球磨川への恐怖 [装備]なし [道具]基本支給品、ランダム支給品1~3 [思考]基本:殺し合いには乗らない 1:球磨川への恐怖 2:知り合いを探す 3:諸葛亮を介抱する ※傷は『大嘘憑き(オールフィクション)』でなかったことにされました 【諸葛亮(朱里)@真・恋姫?無双(アニメ)】 [状態]健康、気絶中 [装備]IMIデザートイーグル(7/7)@現実 [道具]基本支給品、デザートイーグル用予備マガジン×2、ランダム支給品0~2 [思考]基本:殺し合いの打倒 1:気絶中 2:知り合いを探す ※傷は『大嘘憑き(オールフィクション)』でなかったことにされました 【IMIデザートイーグル@現実】 諸葛亮に支給。別名ハンドキャノンとも呼ばれる大型オートマチック拳銃。今回は予備マガジン2個をつけて支給。 球磨川禊は考える。今回の殺し合いの方針を。 勿論、黒神めだかの打倒も考えている。そのためにどう動くかだ。 「『…』『まっ』『まずは傍観かなあ』」 なにはともあれまずは様子見。それが彼の結論だった。 「『まあ』『過負荷(マイナス)らしく行動させてもらうけどね』」 【E-8・森/一日目・深夜】 【球磨川禊@めだかボックス】 [状態]健康 [装備]バヨネット×5@HELLSING [道具]基本支給品、ランダム支給品0~2 [思考]基本:黒神めだかの打倒 1:過負荷(マイナス)らしく行動する 2:適当にブラブラする 3:????? ※参戦時期は改心前、括弧つけていた頃 ※『大嘘憑き(オールフィクション)』にどの程度制限がかかっているのかは不明 【バヨネット@HELLSING】 アレクサンド・アンデルセンが愛用する銃剣。今回は五本セットで支給。 『大嘘憑き(オールフィクション)』 球磨川禊の持つ過負荷(マイナス)。あらゆる現実を『なかったこと』にすることができる。 ロワでは制限対象。 |[[迷惑な存在]]|投下順|[[果報は寝て待て]]| |&color(cyan){実験開始}|織斑一夏|[[]]| |&color(cyan){実験開始}|諸葛亮(朱里)|[[]]| |&color(cyan){実験開始}|球磨川禊|[[]]|

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